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岩佐徹のOFF-MIKE

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Archives「サフィンが戻ってきた!! ~気になるアガシのジェスチャー~」

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12日目、男子準決勝の第一戦、ディフェンディング・チャンピオン、アンドレ・アガシ vs
ノー・シードのマラト・サフィン…忘れることができない試合になるでしょう。
結果はごらんいただいたとおり、サフィンが76/76/57/16/63でアガシを下して、この大会、
2年ぶり2度目の決勝に進出しました。激戦でした。見事な試合でした。
「マラト、君はどこに行ってたんだい?」と聞きたくなるようなサフィンの完全復活を
告げる快進撃。それも、すべてロング・マッチ。

4回戦までは、勝ってもおかしいと思いませんでした。
しかし、準々決勝で全米チャンピオン、ロディックにせり勝ったとき「これは本物だ」と
思いました。何よりも、精神面の充実に驚かされました。
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彼のことは、1998年のローラン・ギャロスに登場したときから興味を持って見ていました。
その少し前のデビス・カップ一回戦、アメリカとの対戦で健闘し、「ロシアにスケールの
大きな逸材あり」と伝えられていたからです。
全仏は、いわば、世界への本格的なお披露目でした。
予選から勝ち上がり、1回戦でアガシを下したとき前評判はウソではなかったと確信して、
柳さんと、新しい若者の出現を歓迎し、喜びました。

しかし、前途洋洋と思われた彼には、“内なる敵”がいました。ハハハ。
第三者が見れば、「今のは、そう簡単には決まらないだろう」と思うようなショットでも、
失敗すると自分に、ラケットに当り散らし、それが自滅につながるシーンを何度も見る
ようになったのです。
2000年の全米決勝で、夢のような、完璧なプレーを見せてサンプラスに勝ってからは、
特にひどくなったように思います。「あんなプレーは二度とできないよ」と、そのときは
言っていたのです。

しかし、頭から離れなかったのでしょうね。ミスをするたびに、「あのときの俺なら」と
比べてしまう、自分に腹が立つ、プレーが空回りするという悪循環が始まりました。
かつてのコーチ、ビランデルは「それがマラトの不幸なところだ」と言います。
その通りだと思います…いや、思っていました。ずっと。
しかし、今大会は、序盤こそ同じような振る舞いがありましたが、3回戦あたりからは
それが影を潜め、「今までなら」と思う場面でも、じっと耐える姿を見せました。
決勝の結果がどうあれ、ロディック戦、アガシ戦、この2試合は、「ニュー・サフィン」の
到着を告げる試合として記憶されるのではないでしょうか。
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全豪26連勝でストップしたアガシは、精一杯のプレーをしたのだと思います。
あらゆる数字が、何も悪くはなかったことを示していました。それでも勝てませんでした。
しかし、最後まで決してあきらめることなくボールを追った彼に拍手を送りたい気持ちで、
“HOUSE OF AGASSI”を去る姿を見ていました。ここで彼がおかしなことをしたのです。
ここ数年、勝ったときはコートの中央に出て四方のスタンドへ向けて投げキッスをそえた
挨拶をしていました。逆に、負けたときには勝者に“スポット・ライト”を譲るために、
何もしないで退場するのが彼のやり方でした。
ところが、この日の彼は、まっすぐ出口には向かわず、勝ったときと同じ挨拶をしました。

反射的に「これはもしかすると、今年いっぱいで辞めるという気があるのではないかと、
それが気になります」と放送の中で言いました。スタジオに戻すまでの残り時間が30秒を
切っていたため、フォローができませんでしたが、そう思ったのには理由があったのです。

準々決勝を、グロージャンのリタイアで勝ち上がったあと、コート上でマッケンローの
インタビューがありました。去年、やはり準々決勝のころ、「賭けをしていて、優勝したら、
シュテフィは僕と組んで全仏のミックス・ダブルスに出ることになってるんだ」と話して、
ファンやマスコミを喜ばせました。しかし、グラフの妊娠もあって実現しませんでした。
今回は、マッケンローの誘導に引っかかった形で、「去年は約束が果たせなかったから、
また話してみるよ」と言い、さらに「ここで約束して、全仏で実行するのもおかしいから、
来年、ここでやるかも」と付け加えました。
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これを聞いたとき、「あれ、おかしいぞ」と思ったのです。
もともと、出場すればシングルスに集中したいはずのアガシ、引退して出産を経験した
グラフ、本気で「ミックス・ダブルス」を考えるでしょうか。
グランド・スラムは、ミックス・ダブルスも、「ちょっと、遊びで」という世界ではなく、
そのあたりをこの二人が軽く考えるとはとても思えません。
私の推理は「アガシはすでに今年限りでの引退をきめていて、約束を実現できなくても、
誰も傷つかない、怒るに怒れない“来年”と言っておけば、と考えたのではないか」でした。

シーズンの初めに「今年が最後」と宣言し、行く先々でお別れのセレモニーをしてもらう
選手もいますが、アガシの美学は別のところにあると思います。
会見では、「いつが最後になるかわからないじゃないか。さよならを言っておきたいんだよ」
としか言わなかったようです。
しかし、私には、きのうの「異例の挨拶」はアガシ流の別れのジェスチャーだったのでは
ないかと思えてなりません。考えすぎならいいのですが。
今、全仏、全米での彼の試合はすべて見て、まぶたに焼き付けておこうと思っています。

2004年全豪のときのコラムです。
サフィンとアガシ…二人の人気選手の話なので、大勢いるはずのファンに贈ります。


あとで、ナダルについての記事を更新する予定です。

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by toruiwa2010 | 2011-01-23 08:46 | テニス | Comments(4)
Commented by オオソネ at 2011-01-23 09:30 x
おはようございます、岩佐さん。
アガシにサフィン。どちらも大好きな選手でした。アガシは先日殿堂入りしましたが、サフィンは何してるんですかね…。
Commented by toruiwa2010 at 2011-01-23 10:09
オオソネサン、おはようございます。

サフィンはおそらく、コート上と同じように巨体を揺らしながら
マイペースで暮らしていると思いますよ。ハハハ。
Commented by サフィーナ at 2011-01-26 09:59 x
おはようございます。読んだ記憶があります。もちろんサフィンに関しては忘れていません。今もどこかのファイルに保存してあると思います。アガシのことはおぼろげながら・・・ですが(苦笑)今年もメルボルンに行ってきました。彼が好きだったところへ行けて・・・(^^)今年はもしかしてロシア・テニス協会の仕事と妹のサポートで来るかもと期待したのですが、広い会場ですし、サフィーナも初戦で消えてしまったので出没情報もありませんでした。
また懐かしい話を聞かせてください(^^)
よろしくお願いします
Commented by toruiwa2010 at 2011-01-26 10:15
サフィーナさん、こんにちは。
現地に行きましたか?
例年ほど熱くないみたいですね。
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