ブログトップ | ログイン

岩佐徹のOFF-MIKE

toruiwa.exblog.jp

実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

「おめでとう Kim !~笑顔が輝いていた~」11/01/30

d0164636_825723.jpg
Womens Final
Clijsters d.Li Na 3-6 6-3 6-3


期待にこたえて、キム・クライシュテルスが全豪初優勝を飾りました。
あっさりしたスコアに見えますが、内容のある、いい決勝でした。
試合前の雰囲気がよかったですね。
まず、リー・ナにあからさまな野心が見えません。もちろん秘めたものはあるでしょうが、
それを表に出さず、柔らかい表情で入場したように思いました。クライシュテルスには
彼女ならではの気持ちの優しさがあるからこういう空気が生まれるのでしょう。
この段階で、試合そのものもいい雰囲気で戦われると予想できました。その通りの試合に
なったと思います。
d0164636_832039.jpg
立ち上がりにクライシュテルスが8ポイント連取したときはリー・ナがそのまま、決勝の
緊張感に負けてボロボロの試合になってしまうのではないかと心配しましたが、すぐに
鋭いショットを打ち始めてクライシュテルスと五分に渡り合いました。ただし、ボールの
重さはやはりクライシュテルスで、形勢はC5.5-L4.5ではないかと見ていました。

第5ゲームあたりだったでしょうか、神尾さんが「クライシュテルスに焦りがあるかも」
という意味のことを言いました。ショットが思うように決まらなくなり、逆に攻撃される
場面が続いたときです。
生意気にも、私は、そんなことはないと思いました。クライシュテルスは第1セットを
失っても気にしないと思っていました。精神力が強いというのではなく、そういう性格
なんです。ま、“精神的に強い”ということなんでしょうが。ハハハ。

迎えた第6ゲーム(C:3-2)でクライシュテルスが15-40のチャンスをつかみます。
しかし、このころからクライシュテルスが“打ち負ける”シーンが増え、結局、リー・ナが
逆転でキープしました。最後のポイントは左右にきれいに打ち分けて取っていました。
気分が乗る形のキープです。

続く第7ゲームでリー・ナにビッグ・ブレークが生まれました。“流れ”に乗りました。
これで、リー・ナが意識しなければこのセットが取れる…と思いましたが、苦しみながら
続く2ゲームを連取して第1セットを逆転でものにします。
特に、第8ゲームでは守備の良さでクライシュテルスにブレークポイントを握られましたが、
あわてませんでした。意識している様子は見えません。

クライシュテルス側から見ると、よく見せる、“あっさり”という感じでゲームを、そして
セットを失った形です。シドニーでリー・ナに負けた試合を見ていませんが、その試合で
苦手意識ができてしまったのかもしれません。
間違いなくリー・ナが優位に立ちましたたが、このままクライシュテルスが引き下がるとは
思いませんでした。ただ、打ち合いでポイントが取れていないのが気になります。

第2セットに入ってクライシュテルスがテニスの内容を変えるとは思いませんでした。
ただ、“より積極的に”行くのだと思っていました。
第2セット第1ゲームもリー・ナがしっかりプレーして40-15としたのですが、ジュースに
持ち込まれました。“このジュースが問題だなあ”と思ったのですが、三度のジュースの末、
最後はダブル・フォルトで落としてしまいます。

WOWOWで実況していたころ、第1セットを落としたあと逆転勝ちするクライシュテルスを
何度も見ています。そういう場合の彼女は相手を圧倒して第2-3セットを奪うのがいつもの
パターンですが、昨日は違いました。
直後の第2ゲームをブレークバックされ、第3ゲームをブレークしたあとも、同じことの
繰り返しです。

コースを読まれることが多いのはともかく、リー・ナの守備力にも苦しめられました。
しかし、第7ゲーム(3-3)でつかんだチャンスを、きれいなバックハンドで決めて、リード。
第8ゲームをキープし、第9ゲーム(C:5-3)では、ジュースに持ち込んだあと、リー・ナを
左右に走らせ、フォアのダウン・ザ・ラインでセットポイントを握ります。
このポイントでの“打ち分け”は見事でした。
最後はリー・ナがバックハンドをネットにかけて1セット・オールとしました。

プレーの内容だけでなく、二人のコートマナーの良さが見る者に好印象を与えています。
オーストラリアは移民の国です。メルボルンにも大きなチャイナ・タウンがあります。
クライシュテルスはヒューイットの婚約者だったこともあって、“Aussie Kim”と呼ばれ、
この国では深く愛されています。どちらが勝っても、敗者が笑顔で相手を讃えるシーンが
見られるだろうと思いながら見ていましたが、期待通りの好ゲームになりました。

クライシュテルスは、第2セットの勢いをそのまま第3セットにつなげます。
ラブゲームで第1ゲームをキープすると、第2ゲームで0-40と、願ってもないチャンスを
つかみました。リー・ナも素晴らしいフォアのクロスとセンターへのサービス・エースで
30-40としますが、バックボレーがサイドラインを大きく割ってブレークを許しました。
このレベルの経験がないリー・ナにとっては苦しい展開でしたが、踏ん張りました。
すぐにブレークバックして追いすがります。

しかし、第4ゲームをジュースの末、再びブレークされて1-3。
このあたり、リー・ナのモメンタムにブレーキがかかっていました。
続く第5ゲームは、フォアがロングのあと、リターンを3本連続でミスして1-4。

不思議なことに、このセットのリー・ナは初めから元気がなくなっていました。あれだけ
クライシュテルスを苦しめていたのに。こういうこともあるんですね。試合は生き物。
こわいなあとつくづく思いました。
5-2…王手をかけたクライシュテルスが第9ゲームで全豪初優勝を飾りました。
d0164636_842039.jpg
攻撃はむしろリー・ナに分がありました。差は守備力だったのでしょうか。それと経験…。
最後のゲームはクライシュテルスがクリーンなポイントを4本そろえて見事な勝利でした。
予想通り、相手を讃えあう光景がみられました。それも自然体で。表彰式にかけて笑顔で
話しあう二人の表情が良かったです。クライシュテルスの性格によるものだと思います。

おめでとうキム!
讃えられていい優勝です。輝く笑顔でした。かぶさった実況は無用でした。
“沈黙”が、時に感動を倍加することを知ってほしいものです。

人気ブログランキングへ
by toruiwa2010 | 2011-01-30 08:05 | テニス | Comments(2)
Commented by 老・ましゃこ at 2011-01-30 11:24 x
昨日の試合を自分なりに“咀嚼”して味わったつもりでいましたが…今朝、素晴らしい実況を聴いた気持ちで読み終え、違う感動を味わったようで…なんだか参っちゃいました…ありがとうございます。
Commented by にゃお人 at 2011-01-30 12:05 x
女子の試合はほとんど見ないのですが、昨日の試合はストロークのレベルは相当高かったですよね。リーのショットもキムに負けずいい音がしていました。キムが途中から軌道の高いボールを織り交ぜたのが勝敗のポイントでしょう。表彰式の笑顔含め、いい試合でした。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。