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岩佐徹のOFF-MIKE

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「洋菓子店コアンドル」がよかった~2月に見た10本~」11/03/06

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「白夜行」85

土砂降りの雨だった。
廃ビルの一室で男の死体が発見された。質屋を営む被害者には妻と小学生の息子がいた。
夫婦仲がうまく行っておらず、妻には若い愛人がいると近所でも評判だった。
被害者が頻繁に通っていた母子家庭が捜査線上に浮かんだ。生活に疲れた母と向上心を
持つ利発な小学生の女の子だった。
その母親と被害者の妻の愛人に疑いの目がむけられたが、二人は別々の“事故”で死亡し、
事件は終わったものとされた。

最初から捜査に関わっていた所轄署のうだつの上がらない刑事・笹垣潤三(船越栄一郎)は
腑に落ちないものを感じて、その後も地道に事件を追っていた。
定年後も事件のことが頭を離れない笹垣は“捜査”を続け、意外な事実にたどり着く。
何のつながりもないように見えた容疑者の娘・雪穂(堀北真希)と被害者の息子・桐原亮司
(高良健吾)の間には、実は強いきずながあったのだ…
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東野圭吾の作品をドラマや映画にするとき、制作者たちは“ていねい”に作ろうとする
傾向があるようです。結果として、長くなります。この映画も例外ではありません。
この映画の場合、少し長すぎるように思います。
にもかかわらず、少年と少女の間に強いきずなが生まれた経緯、少女がどんな過程を経て
変貌して行ったのか、夫はなぜ“腑抜け”状態になってしまったのか…などが十分には
描かれていません。ただし、「悪人」よりは高く評価します。

好みの問題でしょうが、堀北真希がミスキャストに思えます。この映画のミステリアスな
部分をぐいぐい引っ張って行く魅力に欠けています。
“拾いもの”は船越栄一郎でした。周囲の白い目をまったく意に介さず、愚直に事件を
追うベテラン刑事を見事に演じていました。
これまで、たくさんの作品で彼を見ましたが、飛びぬけていいと思いました。
単なる“崖っぷちデカ”ではないようです。ハハハ。


「洋菓子店コアンドル」90

今日もにぎわう評判の菓子店、「パティスリー・コアンドル」に若い女がやってきた。
鹿児島を出て行った恋人がこの店で働いていると聞いて追ってきたなつめ(蒼井優)だ。
「とっくにやめた。どこに行ったかは知らない。鹿児島に帰りなさい」と突き放されて
途方に暮れるなつめだったが、必死に頼み込んでしばらく働かせてもらうことになった。

「仕事が遅い。クリームがゆるい。シロップが…」
なつめが作ったケーキを試食したあと、十村(とむら:江口洋介)という男がそう言った。
ときどき店を訪れる彼は、オーナー・シェフ、依子(戸田恵子)の古くからの知り合いらしい。
今は厨房に立つことをやめ、評論家になっているが、“伝説のパティシエ”だという…
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ケーキ作りのカットを細かくつないでいく冒頭のシーンから期待が膨らみ、その期待が
裏切られることはありませんでした。
店のたたずまい、なつめが転がり込んだ店の二階にあるシェフの部屋、登場人物のウエア、画面の色調、バックに流れる音楽、絵のサイズ…全体に“趣味がいい”映画です。
ストライク・ゾーンの真ん中に来ました。

大好きな蒼井優がいいです。やっぱり、この女優はすばらしい!ハハハ。
表情のバリエーションが多く、思いがけない顔に出会います。
ドラマ「龍馬伝」にも長崎の売れっ子芸者役で登場し、圧倒的な存在感を示していましたが、
演技の幅広さは若手女優の中で群を抜いています。

出演者が揃っていい演技をしています。
出番の短い加賀まり子、鈴木瑞穂、佐々木すみ江、嶋田久作…キャスティングの妙。
十村がシェフをやめた理由をもっとストレートに説明すればよかったのにと思う以外に
減点の材料がありません。よって90点をつけます。
去年の8月にこの映画の宣伝ちらしを目にしてから楽しみにしていました。
こういうとき、とかく“肩すかし”を食うことが多いですが、今回は期待通りでした。


「毎日かあさん」85

マンガ家・理恵子(小泉今日子)は、自分の稼ぎで買った自宅に、二人の子供と、ある日突然
押し掛けてきてそのままいついてしまった母親と暮らしていた。「ほめて育てる」が彼女の
教育方針だ。問題は、元戦場カメラマンの夫・鴨志田(永瀬正敏)だった。
吐血を繰り返す、深刻なアルコール依存症だった。過酷な戦場体験がトラウマになって、
酒から逃げられなくなっているのだ…

途中までは「なんだこれは。70点じゃないか」と思っていました。
しかし、3分の2を過ぎたあたりからどんどん良くなって行きました。ちょうど鴨志田が
全くどうにもならない“ダメなやつ”であることがはっきりするところからです。
そこまでは、“普通”だった小泉と永瀬の演技に深みが増して行ったように思います。
物語の進行とも関係があるのでしょうが、夫婦の距離感がとてもいい感じになりました。
永瀬を起用したことが小泉の良さを引き出し、元妻との共演によって永瀬の良さが出た、
そんな風に見えます。

10年間、依存症と闘う苦しい旅を終えてようやく家族のもとに還った男の安らぎを見て
この映画が成功している大きな理由は、やはり、元夫婦が演じたことにあると思いました。


「再会の食卓」85

ユィアーのもとに一通の手紙が届いた。もう何度目になるのか、孫娘が読み上げる手紙は、
1949年、国共内戦の混乱の中で生き別れになった“夫”・イェンションが40数年ぶりで
台湾から上海に戻ってくることを知らせていた。
ユィアーの心は揺れていた。国民党軍の兵士だったイェンションとユィアーの結婚生活は
1年ほどだった。今の夫・シャンミンは、取り残され、国民党軍兵士の家族だったことで
周囲から白い目で見られる身重の彼女と結婚してくれた。
彼との間には40年以上の“年月”があるのだ。

家族の反応も微妙だった。
「いいことじゃないか」と、歓迎する姿勢の夫に対して、子供たちの態度は冷ややかだ。
「きっと面倒なことになる」「おれには関係ない」「台湾で結婚した奥さんが死んだから
来るんじゃないのか」

楽隊も出て派手に迎えられたイェンションが、ユィアーの家の前に到着した。
タクシーを降りた彼は、戸惑いながらも、人垣の中から、目指す女性をすぐに見つけた。
絞り出すように「ユィアーか?」と声をかけるイェンション。
ほんの僅かに微笑んで、小さくうなずくユィアー…
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心やさしい家長・シャンミンのリードでイェンションの心地よい滞在は過ぎて行きます。
しかし、イェンションには秘めた計画がありました。残りの人生を共に暮らすために、
ユィアーを台湾に連れ帰ることです。
いくら、シャンミンが好人物だからと言って、それは無理な相談だろう、と思いながら
観客は物語の推移を見守ることになるわけですが、ここから先は書きません。ハハハ。

初めから終わりまで、まるで、喧嘩でもしているかのような中国語の会話が飛び交う中、
時間だけは、穏やかに、緩やかに過ぎて行きます。
このゆったりペースがいやじゃないのは、たぶん、同じ東洋人の血のせいでしょうね。
始まって数分で“ズキューン”と心臓を打ち抜かれました。二人の再会の場面です。
俳優たちが素晴らしいです。

数は少ないですが、これまで見た韓国・中国・台湾映画の中で最も高く評価します。


75 完全なる報復 妻と娘を殺された男の復讐 初めは面白かったが途中からおぞましく…
75 トスカーナの贋作 “ずるい”作り方に腹が立つ ビノシュが好きだから5点プラス
90 洋菓子店コアンドル 減点の少ない作品だ 出演者全員がいい 蒼井優にやられた
85 毎日かあさん 依存症を乗り越えて家族のもとに帰ったダメ男 元夫婦の呼吸がいい
85 再会の食卓 40数年ぶりに再会した元夫婦… これまで見たアジア映画ではベスト
75 ジーン・ワルツ せっかくの菅野美穂主演なのにつまらない どうしてくれるんだ
75 あしたのジョー 劇画の世界から抜けきれていない つまり、劇画を読めばいい
80 ザ・タウン 銀行強盗と人質女性の恋 ベン・アフレックが良かった
80 ウォール・ストリート じっとしていても絵になるマイケル・ダグラスの存在
85 白夜行 接点はないはずの容疑者の娘と被害者の息子… 意外な事実が隠れていた

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by toruiwa2010 | 2011-03-06 15:45 | 映画が好き | Comments(2)
Commented by knightgetters at 2011-11-16 10:56 x
こんにちは。

洋菓子店コアンドルを観ました。
この作品の雰囲気が大好きでした。岩佐さんがおっしゃる 趣味の良い映画 でした。私の感想がそのままこの記事に書いてあり 嬉しくなりコメントしました。 蒼井優は本当に魅力的な女優さんですね。映画でどんどん活躍してほしいです。

古い記事にコメントして失礼しました。
Commented by toruiwa2010 at 2011-11-16 11:03
knightgettersさん、こんにちは。
世間的な評価は別として、この作品は
私のストライク・ゾーンに入ってきました。
好きな俳優たちがいい雰囲気を出してくれて満足でした。

古い記事へのコメント、大歓迎です。ご遠慮なく。ハハハ。
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