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岩佐徹のOFF-MIKE

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「M9.0とテレビ~伝えたこと・伝えなかったこと~」11/03/13

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テレビは2台あるが、1台はNHKにほぼ固定している。
残りの1台は、フジテレビを基本として民放をザッピングしている。

新聞に出ている番組表には各局の考え方が透けて見える。
上から、地震発生翌日・12日付け朝刊、その下が夕刊、一番下はきょうの朝刊
左2列はNHK総合と教育、以下、日テレ、テレ朝、TBS、テレ東、フジと並んでいる。
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NHKは国営放送であることの自覚に加えて、“第一級の災害”であると正確に判断して
地震発生の夜、新聞発表の時間までに12日は1日中、地震関連の放送をすると決めた。
民放では、テレ朝だけは午前9時半までは前夜からの特別番組を続け、以後、いつもの
土曜日の編成に戻す予定だった。
それ以外の局は各局とも早朝から通常番組を放送するつもりだった。

以上はすべて、推測の域を出ないことをお断りしておく。

民放の判断は甘かった…かもしれない。大津波が町を蹂躙して行く光景を目にしながら、
これほどのことになるとは予想できなかった。
各局とも、他局の出方をうかがっていたのだろう。
結局、翌日は通常編成で“横並び”になった。
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しかし、時間の経過とともに事態の深刻さは誰の目にも明らかだった。
徹夜の放送を続け、そのまま、終日、特番を続けることになった。
夕刊の番組表を見ると、テレビ東京は7時以降、通常編成に戻すことになっていたが、
実際は、他局と足並みをそろえて特番を続けていた。

発生から3日目の今日、これまで「地震関連」、「緊急特番」の文字があるだけで全体に
白っぽかった番組表に変化が出てきた。
まず、テレ東が朝から、日テレが夕方5時半の「笑点」以後、通常番組に戻すと決めた。
フジは夜9時のドラマ「スクール!」から普段の日曜日の編成に戻すようだ。
*実際は日テレも特番を続けている。フジはどうするか?おそらく、他局が続けたら、
やめられないだろうと思うが。


全部は確認できないが、全局、CM抜きの放送になっている。ことの性質を考えると、
当然だろう。テレビ東京が他局より早く通常放送に切り替えたのは営業を考えてのことだ。

さて、そのテレビが伝えたことは何だったか、と考える。
メディアの特性だが、映像の持つ威力と速報性ではほかのメディアを圧倒している。
しかし、それ以外に何があっただろう?
想像を超える災害が起き、おびただしい数の犠牲者・被災者が出た。情報が錯綜する中、
そのことは伝えられたと思うが、被災者がどんな状況に置かれ、何を求めているかなど
“地味な”話について、十分に伝えているかと言えば、そうではなかった。
マスメディアの持つ力はとてつもなく大きい。そのパワーを使って、テレビだからこそ
できること、テレビにしかできないことをやってほしい。

民放の場合、すべての時間帯が全国放送だったのかどうかは分からない。
阪神淡路大震災のとき、神戸新聞が地元に密着した情報を市民に提供し続けたことは
よく知られている。テレビの場合、いつ、東京からの呼びかけがあるか分からない
状況の中で、地元向けの放送ができなったかもしれない。時間帯を区切ってローカルの
放送枠が確保されていたと思いたいが。

以下、すでに書いたこととダブる部分もあるが、望みたいことをいくつか。

今回のような自然災害が発生したとき、人々が知りたいのは、何が起きたかについての
正確で詳細な情報、どうすべきか、次に何が起き、それに備えて何をすべきか…
だと思う。なぜ起きたか、や責任論は後回しでいいのだ。

ブログやつぶやきへの反応から見ると、こういうときのメイン・キャスターには男性が
望ましい、というのがコンセンサスのようだ。被災者はもちろん、テレビを視聴する
人たちは不安を抱えている。高いトーンの声で早口で話されると、その不安が増幅する。
けたたましい声でまくしたて、リポートをさえぎるキャスターが多い。
少しでもストレスがかからない方向で放送に当たるべきではないか。

かじっただけの知識で専門家に質問してはたしなめられるキャスターも目につく。
キャスターが理解できない解説は視聴者も分からないのだから、分かりやすい言葉で
話してもらうように誘導すべきだが、次の話に移ってしまうケースもある。
NHKには科学文化部があって、中間の立場でうまく“通訳”してくれるが、民放には
そういう人員を雇用する余裕はない。中途半端な情報は視聴者が受け付けない。これを
続けていると、“事件・事故のときはNHK”がますます定着してしまう。

たとえば、原発の爆発で避難…となったとき、記者は「できるだけ早く部屋の中に入り、
換気扇は切りなさい。外に出るときは肌を露出しないように。マスクをするか、タオルを
ぬらすなどして口にあてなさい。放射物質が体内に入ることを防げます」と話した。
避難する人たちは、どうすればいいかがよく分かったと思う。基本的な情報がどれだけ
大事かを示している。

ふたたび、たとえばだが、よかれと思って見舞いのメールを携帯に送ると、それだけで
バッテリーを消費するそうだ。知らなかった。知らない人が圧倒的に多いと思う。

スタジオから現場にいるリポーターに問いかけるスタイルが多いのは仕方がない。
声が届くのに“時差”が生じることをどんな修羅場でも覚えておかなければいけない。
そして、現場のリポーターは大きな画面で見ているわけではないし、日差しが強くて
モニターが見にくい状況にあることも。
何度も現場に出たはずの“キャスター”が「画面の右の…」と言っても、相手には
見えていない場合があるのだ。

これだけ技術が進歩しているのだから、映像にGPSをからませることはできないのか。
自衛隊が発生日の夜、仙台市内の火災の模様を撮影した映像には位置が示されていた。
どの地点でどの方向に向かって撮影されたものかが分からなくては、情報にならない。
GPSが不可能なら、せめて、“何月何日何時 場所 左が海”程度の字幕はほしい。
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断定的なことは言えないが、見た範囲内では、仙台放送のスタジオのアナウンサー、
現場からのリポーターの多くがいい仕事ぶりだった。
前述の“けたたましさ”がなく、落ち着いた口調で“親局”であるフジテレビにくらべ
はるかに聞きやすかった。

すべてを、となると難しいのかもしれないが、手話つきの放送も考えなければいけない
のではないだろうか。NHKが今日午後から始めている。

今週はアーカイブからの更新を休みます。
by toruiwa2010 | 2011-03-13 17:16 | 放送全般 | Comments(10)
Commented by 遊び人の優さん♪  at 2011-03-13 18:18 x
岩佐さん、こんばんは!

今回の件で、NHKと民放との差がモロモロ明らかになりましたね!
(NHKには科学文化部があって、中間の立場でうまく“通訳”
してくれるが、民放にはそういう人員を雇用する余裕はない…。)

それと放送モラル等も含め…。(アレは呆れましたけど…。)

文字放送とかは地デジ対応TVもしくはワンセグで御馴染なのですが…。
アナログ対応のみの場合「手話」は欠かせないそうです…。
耳に障害のあるダイバー仲間から、その件でメールをもらい…。

いろいろと考えさせる事が多いですよね!今後の放送体制も!
Commented by toruiwa2010 at 2011-03-13 18:26
遊び人の優さん♪さん、こんばんは。

一般の人には、間違っても、ただ単純に
「さすがはNHK」と感心しないでほしいです。
公共放送として、万全を期さないとまずいから
採算無視でやっている部分もあるからです。
今回も、東京から大勢応援に行っていることでしょう。
Commented by akapon at 2011-03-13 19:45 x
岩佐さん、こんばんは。
何か事件・事故などが起こるとNHKと民放との差異がハッキリと現れますね。
ただ、差異ですから民放に出来る(であろう)視聴者、特に被災者やその家族
に対する的確で温かい放送が出来ないだろうかと思いました。
NHKと直接対決しても仕方ないかとも思う部分もあるのですが。。。
記事にあるとおり「今、何が・・・」「現在の状況・・・」「・・・は危険です。やめてください。」
「・・・をしてください。」等々、現在と、次に何がと、その備えなどが重要であり、
難しい原因分析や、リポートにかぶせるスタジオの金切り声のキャスターが
必要なのではないと思いますね。

あと、今回は改めてラジオの重要性も実感しました。避難されている方にとっては、
ラジオが直接の情報源ですし(持って出る余裕があればですけど)
Commented by ysphoto at 2011-03-13 19:55 x
岩佐さん こんばんは。
先ほどからフジテレビの報道の切り口が少し変わって来たようですね。
小倉さんや笠井くんの事はともかく少し注目したいですね。
Commented by toruiwa2010 at 2011-03-13 19:58
akapon さん、こんばんは。

民放は親方日の丸のNHKとの間に
金でも人員でも差をつけられますが、
それを言い訳にしたら終わりです。
バラエティ・アナを抱えることで
満足することなく人材を育てる努力を
してほしいと思います。
Commented by いち at 2011-03-13 20:34 x
Twitterなんか観てると茨城県も被災しているようですが、幸か不幸か茨城県は東京キー局のエリアなので情報がうまく伝えていないようですね。あと官邸記者クラブの記者の質問のレベルの低さが気になります、この時期に増税の質問とか。もう一つスタジオのキャスターの方が中継に対してイライラしてるようにも感じました。中継記者のヘルメットにキー局、被災地域外の局のロゴも見られます、全国から集まっているんですね。放送局も全力を費やしてるんだなと感じます。
Commented by toruiwa2010 at 2011-03-13 20:50
いちサン、こんばんは。

茨城も大変だったようですね。
記者の質なども言われれば反論が難しく。
ただ、増税…仕方がない面もあるかと。
Commented by 一読者 at 2011-03-14 15:10 x
手話について
こういう拡散希望のツイートがTwitterで回ってきましたよ

"【拡散希望】皆様気づきました?各テレビ局の放送どこにも“手話放送”がありません。どうにかTwitterからテレビ局を動かせないかなと思ってます。公式RTよろしくお願いします。"

NHKに問い合わせたところ電話は混み合っていて通じない状況
だったのでメールで要望を出しましたが2~3時間後には手話が
つきました。他にも要望を出した方が多かったのでは?

Commented by えそらいろ at 2011-03-14 17:17 x
ブログをお引越しされてから、初めてのコメントになります。
(といっても、Yahooブログでも2、3回ほどでした)

“事件・事故のときはNHK”と思っている一般視聴者です。

今日14日は、もうひとつ、NHKあっぱれ、と思ったことがありました。
教育テレビで、朝と夕方の幼児向け番組を、通常通りに放送したことです。
うちには小さい子どもがいますが、テレビをつければ津波や火事や、めちゃくちゃに壊れた家や車の映像が流され、怖い顔をしたおじさん(枝野官房長官ごめんなさい)が話しているので、とても怖がっていました。

今回の災害では全く影響のなかった地域に住んでいる子どもたちでさえこうなのですから、被災された地域のお子さんたちの恐怖はいかばかりかと思います。
テレビで、いつも見ている番組が流れたそのひとときだけでも、子どもの心は癒されるのではないかなと思いました。

報道とあまり関係ない内容ですみませんでした。
Commented by toruiwa2010 at 2011-03-14 18:00
えそらいろ サン、こんばんは。

いいえ、広い意味で“報道”にかかわっている話だと思います。
特番でも、よく知った番組の司会者たちが登場すると
「顔を見てホッとした」というつぶやきがかなりありました。
被災者ではないようですが、ある程度の時間が経過したあと
通常番組に戻すことは、その意味で大事なことかもしれません。
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