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岩佐徹のOFF-MIKE

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「ハリー・ボッシュをご存知?~おすすめ:ロス市警の敏腕刑事~」 11/04/19

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ボッシュがその夜、カフエンガ通りの店で買ったテークアウトの袋をかかえて家に帰り
ついたのは8時だった。
紙袋やブリーフケースやカギと格闘しながら「今、帰ったよ」と声に出して言った。
思わず笑いながらそのままキッチンに直行すると、ブリーフケースをカウンターに置き、
冷蔵庫からビールを一本取りだしてデッキに行った。途中でCDプレーヤーのスイッチを
オンにし、スライディングドアは開けたままにした。デッキで、音楽と下のフリーウェイ
101からの音が混ざるように。
デッキからは北東に広がる、ユニバーサル・シティ、バーバンク、そして、サン・ガブリ
エル山脈を見渡すことができた。
ハリーは、垂れる汁を、広げた紙袋で受け止めるようにして2個のハンバーガーを食べ、
沈みゆく太陽が山の傾斜の色を変えて行くのを眺めた。
彼が聴いているのはロン・カーターのアルバム“Dear Miles”からの“Seven Steps
to Heaven”だった。
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今、読んでいるマイケル・コネリー“Nine Dragons(=九龍)”の一節です。
長編だった”Millenium 3”と格闘したあとだけに、そのあと、ジェフリー・アーチャーの
短編集、そして、この作品を読むと、“すいすい”と読めて、気分がいいです。ハハハ。

この作品の主人公はハリー・ボッシュ、ロサンゼルス市警の腕利き刑事です。
幼い彼を、母親は売春をしながら育てますが、役所の命令で彼は施設に引き取られました。
ベトナムで従軍したあと刑事になり、結婚・離婚もして今は独身です。
生い立ちの複雑さとベトナムでの過酷な経験が彼の性格に陰を落とすのは避けられない
ことだったでしょう。
曲がったことが嫌いな、厄介な性格の持ち主です。警察内で政治的な欲望に振り回される
上司たちや組織からの圧力に逆らってしばしば摩擦を生みますが、その生きざまは、男の
私から見ても魅力にあふれています。“陰のある男”に弱い女性なら一発です。ハハハ。

別れた妻、エレノアはFBIの女性エージェントでした。
離婚後のエレノアは、ラスベガスでカジノのカード・ディーラーとして腕を磨き、現在は、
二人の間に生まれた娘、マデリンと二人で香港に住んでいます。ボッシュは、離婚の時に
交わした条件の中でしか、娘に会うことはできません。
逆境には強いボッシュですが、遠くで暮らす“家族”を想うとき、寂しさが襲います。
帰宅したあと、好きなCDを流してデッキでビールを飲むのが唯一の慰めなのです。

音楽好きです。“Echo Park”の中に、セロニアス・モンクとジョン・コルトレーンによる
カーネギー・ホールでの伝説的なコンサートを聴く場面があったのに惹かれて、思わず
買ってしまいました。しばらくはそれを聴きながら本を読みましたが、中学生のころに
少しかぶれた程度の私のレベルでは、その良さを理解することは出来ませんでした。
ハハハ。

音楽を聴くのは、いかにも趣味のよさそうなリビングか、スライド・ドアを開け放った
ウッド・デッキです。彼がそこでビールやコーヒーを飲みながら、風に吹かれて捜査の
資料を検討している場面を読むと、自分もその場にいるような錯覚に襲われます。
同時に、架空の人物とはいえ、彼の住んでいるのはどんなところかと興味が募りました。
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ボッシュ・シリーズは全作品を読んでいますから、彼の家がロサンゼルス市街を見下ろす
高台にあって、ラッシュ・アワーには遠くサンタ・アナ・フリーウェイを走る車の音が
聞こえるところだというところまでは分かっていました。
しかし、5年ほど前に登場したGoogle Earthという便利なツールのおかげで、具体的な
イメージがつかめました。
冒頭のデッキの描写を読むと、懐かしい場所に戻ったような気分になります。ハハハ。

初めてGoogle Earthを利用したのは“Echo Park”を読んだときでした。
エコー・パークはロサンゼルスの北に位置するドジャースタジアムの近くにある公園です。
“ジャンプ”の欄にデータを書き込むと、あっという間にズーム・インしていきました。
ぞくぞくしますね。ハハハ。
ドラマの最後の舞台も、書かれている通り“ジャンプ”に書き込んで、全体のイメージを
つかみながら読みました。楽しさが倍増します。

映画、小説はあくまで“虚構”の世界ですが、こういう世の中になると、監督や作家は、
よほど検証をしっかりやらないと、「あれ、そこは行き止まりじゃなかったっけ?」とか、
「そんなところに公園なんてないよ」と突っ込まれてしまいそうです。ハハハ。

マイケル・コネリーは私が好きなアメリカの作家の一人です。いくつかのシリーズものを
書いていますが、中でもハリー・ボッシュは、最も人気のあるシリーズの主人公です。
彼の生き方、考え方も私を惹きつけてやみません。

Nine Dragons(九龍) はそのハリー・ボッシュ・シリーズの最新作(?)です。
今回の物語はロサンゼルスで起きた殺人事件から始まりますが、そのあと、思いがけない
展開を見せて、舞台は香港に移ります。
もちろん、ボッシュは彼らしい活躍を見せます。しかし、思いがけない出来事も起きて
長く、このシリーズに親しんできた読者をびっくりさせます。
まだ日本語訳は出版されていないようですが、いずれ、間違いなく出るでしょう。
ここから先は、それまでお預けです。ハハハ。

コネリーの小説はいくつか映画になっていますが、これまで、ボッシュを主人公にした
映画を見た記憶がありません。おそらく、映画になったものはないのだと思います。
アメリカの掲示板には“なぜ、ボッシュ・シリーズは映画化されないのか?”や“もし、
映画化されたら、ボッシュにはどんな俳優がふさわしいか?”というスレッドがあります。
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ブルース・ウイルスを初め何人かの“候補”が挙げられていますが、今の年齢を考えて、
私の思いと一致するのはラッセル・クロウです。
思い入れが強いファンの中には、映画化はしてほしくないという意見が多く、そうかもね、
と思いながら、クロウならいいかもしれないと思う部分もあり、複雑です。ハハハ。

アメリカでは、弁護士、ミッキー・ハラーを主人公とするシリーズの新刊、“The Fifth
Witness”がハードカバーで発売されているようですが、12月にはボッシュ・シリーズの
新作、“The Drop”も刊行される予定だそうです。
好きな作家がまだ若くて、しかも多作タイプだというのは大歓迎です。ハハハ。

1992年の“ブラック・エコー”から始まったハリー・ボッシュ・シリーズだけで14冊
(The Dropを含めると15冊)出ています。
分類としてはミステリー、あるいはハードボイルドになるのでしょうが、目をそむけたく
なるような血なまぐさい場面はほとんどありません。
“大人の”女性を含めて、まだ読んでいない方には、ご一読を勧めます。
きっと、“はまり”ます。ハハハ。

*私にとってはマイケル・コネリーですが、日本国内で出版されている和訳本などでは
マイクル・コナリーになっています。アマゾンで探す場合も同じです。
きっと、King of Popは“マイクル”・ジャクソンだし、007はショーン・“コナリー”…。
私が悪うございました。ハハハ。

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by toruiwa2010 | 2011-04-19 09:24 | 読書・歌・趣味 | Comments(9)
Commented by ふぇでらーが好きなふぇでらー at 2011-04-19 15:43 x
うーん、大好きなLAの羨ましいあの景色で始まった今日のブログ、マルホランドをドライブした時に観た夜景を思い出しました。仕事柄、21年連続で1月にLA出張がありましたが、今年は諸般の事情でお休みしたので、LAが恋しくなりました。

コネリーをコナリー・・・同意見ですが、カフエンガはクゥアフエングァかもしれません。:)

いかがでしょう・・・
Commented by toruiwa2010 at 2011-04-19 16:07
ふぇでらーサン、こんにちは。

カフエンガはクゥアフエングァかも…

それはチーとも知りませんでした。ハハハ。
Commented by shin555 at 2011-04-19 20:50 x
グーグルってホントにすごいですね!
昨年、音楽仲間がBluesを聴きにシカゴへ行ったのですが
グーグルを見ているとまるで一緒に行った気分になれました♪
これで音が聞けたら最高なんですが・・・マンハッタンの喧騒とか
ハリー・ボッシュ、読みたくなりました。
真似をして原書がかっこよさそうですが(笑)サジ投げそうだし・・・ムムム
Commented by toruiwa2010 at 2011-04-19 21:06
shin555 さん、こんばんは。

グーグル…ストリートビューなんて
本当にすごいですね。

原書は慣れの問題だと思います。
読みこなす前に投げ出さないことですね。
私は最初に読んだのがシドニー・シェルダン
だったのが幸運でした。
Commented by 松本 at 2012-04-03 19:58 x
岩佐様
私もマイケルコナリーの大ファンなので楽しく拝見させていいただきまいした。
ボッシュとともに年齢を重ねていくようです。
さて、不躾なお願いですが、ボッシュの出生について(父親が弁護士であったこと)書かれているのはどの小説でしょうか?真鍮の表決を読んで、あっ、と思ったのですが、ボッシュシリーズのどの小説に出生について書かれていたのかヒントを教えてくださいませんでしょうか?
Commented by toruiwa2010 at 2012-04-03 20:27
松本さん、こんばんは。

1年前の記事にようこそ。
Brass Verdict はまだ読んでません。
積ん読状態です。ハハハ。

以前は読み終えると処分していたので
手元に本が残っていないません。
かすかな記憶では「The Black Ice」では
ないかと思います。間違っていたらごめんなさい。
Commented by 松本 at 2012-04-03 22:25 x
早速ご返事ありがとうございます。
読み返して見ます。
Commented by toshikitoma at 2013-08-22 09:18 x
ボッシュシリーズは大ファンです。
映画化するとして、ということは随分長い間考えていましたが、私のイメージではやはりTom Berenger以外には考えられません。ある意味、実現して欲しいですねえ。
興味深いブログをありがとうございました。
Commented by toruiwa2010 at 2013-08-22 09:47
toshikitomaさん、こんにちは。

2年4か月も前の記事によくぞたどり着きましたね。ハハハ。
トム・ベレンジャー・・・私のイメージするボッシュ像とは
一致しませんが、人それぞれですからね。
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