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岩佐徹のOFF-MIKE

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Archives「日本語って難しい~耳ざわり 肌ざわり& 鳥肌~」           11/04/24

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今回の大災害の報道は各局が総力を挙げて取り組みました。
出ずっぱりのキャスターを心配する声もたくさんありましたが、
「大丈夫だって。こういうときに頑張らないでいつ頑張るんだ、
と張り切っているはずさ」と思っていました。
しかし、読み間違いの連発や、2日連続でゲスト紹介のときに
名前を間違うなどの凡ミスを見せつけられると、相当の緊張感や
プレッシャーがあったのだと思わないでもありません。

単純に読み方を知らなかったものは防ぎようがありません。
「アナウンサーがこんな字を知らないなんて」とおっしゃる方が
かなりいますが、よほど熱心に勉強していない限り、誰にだって
“落とし穴”はあるものです。
同じ文字に何種類もの読み方があり、片仮名にすれば同じなのに
漢字になると意味がまったく違うのですから、そのすべてを知る
というのは口で言うほど簡単ではありません。
生き方や歩んできた道によっては、その“悲劇の瞬間”に初めて
出会ったために読み方を知らなかった、使い方を間違えた…
そんなこともありますからね。
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「耳ざわり&肌ざわり」(2009.03.17)


未曾有(みぞう)を“みぞうゆう”、頻繁(ひんぱん)を“はんざつ”は麻生首相
元凶(げんきょう)を“がんきょう”はミスター年金の馬渕議員
丼物(どんぶりもの)を“どんもの”はクボジュンこと、元NHKの久保純子アナ
怪鳥(けちょう)を“かいちょう”は40数年前の岩佐徹アナ  ハハハ。
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…日本語の難しさについては、何度も書いてきました。
言葉を“道具”にする仕事を長くやってきましたが、自分がしゃべったり、書いたりする
日本語が絶対正しい、などと言い切る自信はまったくありません。気づかずに、間違った
言葉遣いをしている可能性は決して否定できません。

アナウンサーとして最も重きを置いていたのは、自分が思うことや人が書いた文章の中で
大事な部分をきちんと把握し、聞き手に伝わるように話す、あるいは、読むことでした。
ですから、当然、“正しい日本語”の優先順位は2番目以下になります。
前にも書いた通り、“ルースボール”や“スムース”にはこだわる一方で、細かいことは
あまり気にしない傾向があります。“フレキシブル”あるいは“いい加減”…。ハハハ。

書き込みを読ませていただいて、“ありがちな”間違いに気づきました。
直後に、レスの形でそれを指摘することは私の流儀ではありません。
「恥をかかせる形になるのは避けよう」、「言ってあげたほうがいいかな」と迷った挙句、
「エントリーにするのが一番」ということになりました。

この数ヶ月の間に「“耳ざわり”がいい」というフレーズが何回か書き込まれていました。
“耳ざわり”は“目ざわり”とともに、触れた感じが“悪い”ことを表す言葉です。
一方、似た表現の“手ざわり”は“肌ざわり”や“舌ざわり”とおなじで、ふれた感じ
“そのもの”を指しています。

身体の部分とひとつになって、どちらも、“ざわり”という音になるため混同しがちですが、
実際は、意味が違い、使われる文字も違います。
つまり、“耳障り・目障り”と“手触り・肌触り・舌触り”です。
文字にすれば意味の違いも明らかですから間違えにくいのでしょうが、普通、ひらがなで
表記されることが多いために、「耳ざわりがいい」もありそうな気がしてしまうのでしょう。
ただし、間違って“耳ざわりがいい”と言う人はいても、なぜか、“目ざわりがいい”は
聞いたことがありません。耳ざわりがよくないからですかね。ハハハ。

なお、当ブログには、しばしば“目障り”なことも書かれていることがありますから、
読むときは、十分にお気をつけください。ハハハ。


「トリハダ」(2005.06.05:全仏期間中)

終盤に向かって次第に減っていきますが、今回は島村、久保田、田中、鍋島、私と、
5人の実況アナがパリに来ました。
司会の進藤さんを入れると、全部で6人のアナウンサーが集まったことになります。

これだけ元局アナの顔が揃うと、出番待ちや会食のときなどに「実況」、「アナウンス」の
話が出てくるのは自然なことでしょう。その流れで、「言葉」が話題になることも多いです。
昨日の焼肉屋では、こんな話になりました。

ダバディが私に「男子の決勝はどうなりますかね?」と聞いてきました。
「いや、その前に…昨日(ナダルvsフェデラー)は失敗しちゃったよ。試合が終ったあとの
スタンディング・オベーションで、つい“鳥肌が立ちますね”と言ってしまった」と私。
話の途中から、前の席の島村、右隣の進藤両アナが首をタテに振り始めました。ハハハ。
「いい話の時は使わないと分かってるのに」と続けた私に誰かが「何て言うんですか?」と
声をかけてきます。進藤さんがすかさず「身震いするとか…」と答えました。
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たびたび書いていますが、もともと「正しい日本語の伝え手、アナウンサー」はカンベン
してもらっています。ハハハ。
そんなものは、そういうことにこだわるアナウンサーたちにまかせて、自由で、気持ちが
伝わる言葉を使って実況するのが一番だと考えていますから。

で、そんな私がやってしまった失敗ですが、これはやっぱりやらない方がいいかな?と…。
しかし、素直じゃないですから、進藤さんの「身震い…」に参加者のほぼ全員が感心し、
あるいは納得しているのを聞きながら、「だって“身震い”はしなかったし、“鳥肌”は
実際に立ったんだもの」と考えていました。そんなときはどうすればいいんだ?ハハハ。

ちなみにアメリカ英語では、“goose bumps”と言うようです。
嬉しいことに、例文の中に「感動して I had goose bumps」などというのもありました。

日本語では、怖い思いをしたとき恐ろしいものを見たときなどに使うとされていますが、
感動したときにも同じ現象が起きるのですから、差別するのはおかしいですよね。
嬉しいときも、悲しいとき、あるいは怖いときも「なみだ」は「なみだ」じゃないですか。

ああ、やっぱり、私はアメリカで暮らすべきなのかなあ。ハハハ。

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by toruiwa2010 | 2011-04-24 08:22 | 放送全般 | Comments(4)
Commented by えそらいろ at 2011-04-24 15:54 x
こんにちは
日本語って難しい… でも、話し言葉としての日本語では、使われ方がだんだん変わってきているものも多いですね。

正しくは、否定や打消しの言葉の前に使う「全然」も、「全然大丈夫です」とかいう使われ方をするようになって久しく、始めは激しく違和感を感じてましたが、今では全然平気です(笑)。

「鳥肌が立つ」も、感動したときに使われることも多いし、もうあまり違和感は感じないです。

でも、一般の我々と、言葉を使うことをお仕事をされている方々とは、気になるレベルが違うのでしょうね。やっぱり、もしテレビでアナウンサーの方が全然大丈夫、とかおっしゃればまだ気になるかもしれません…

「確信犯」という言葉も、わかっていてもついつい間違って使ってしまう言葉のひとつです
(*^_^*)

Commented by toruiwa2010 at 2011-04-24 18:33
えそらいろサン、こんにちは。

確信犯は私も間違った使い方をします。
放送では口にしたことはないと思いますが、
ブログでは、意味が通じると思って誤用と
知りつつ…確信犯です。はい。ハハハ。
Commented by ふぇでらーが好きなふぇでらー at 2011-04-26 15:14 x
進藤さんがすかさず「身震いするとか…」・・・には感心しました。うん、でも総毛立つような「鳥肌が経つ瞬間」の感動って有りますよね。日本語は難しい。
Commented by toruiwa2010 at 2011-04-26 15:51
ふぇでらーサン、こんにちは。
渡辺・雨宮・進藤…の流れは実力を備えた
人気アナでしたね。
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