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岩佐徹のOFF-MIKE

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「おもしろい話でしょう?~メジャーの周辺から~」11/04/27

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どのチームも20試合前後を消化して、メジャーも少しずつ本格化してきました。
「サンデーモーニング」は、張本某が柱の陰から肩をゆすって姿をあらわす時間になると、
ほかのチャンネルに回していますが、相変わらず「メジャーなんて どうってことない」と
毒づいていることでしょう。ときどき、高校生でもやらないような凡ミスもやらかすので
かばいきれないこともありますが、やはり、メージャー・リーガーが見せつけるパワーと
スピードは魅力にあふれています。

70年代から80年代にかけてのめりこんだメジャーについては、今も愛着があります。
ツイッターなどを見ると、日本にも大勢のファンが生まれ、中には、かなりマニアックな
人もいるようです。選手の持ち味からファームの事情まで細かい情報を持っていることに
ビックリします。私は、なんとなくテレビをつけているだけですから。ハハハ。
文字通り“草分け”的存在だったパンチョさんが今の日本の“メジャー事情”を知ったら、
何と言うでしょうかね。「いやー、岩佐さん、驚きましたねえ」…

CSに加入するほど熱心なわけではなく、「なぜ、このカードなの?」と文句を言いながら、
NHKの中継を見ています。副音声が多いですが。ハハハ。
解説者・アナウンサーには書きたいことがいろいろありますが、今日はやめましょう。
プレーの実況と分析ばかりでは飽きるので、もう少し、メジャー周辺にある面白い話を
紹介してほしいとだけ注文しておきます。
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たとえば、ヤンキー・スタジアムでデレク・ジーターが打席に入るとき、テープに収めた
ボブ・シェパード(今年 亡くなった)の声が流れます。
ジーターが、何があっても“神の声”と呼ばれたシェパードの場内アナウンスで打席に
入りたいと望んで生前に録音したものです。こういう話は聞く者の胸を打つと思いますが、
NHKでは紹介しましたかね?

たとえば、こんな話は?…

MAGIC MUD


お手元の英和辞書を開いてみてください。
BASEBALLには二つの意味がありますね。ひとつはもちろん、正岡子規の造語、「野球」、
もうひとつは「野球で使う球」です。ハハハ。
He picked up a baseball(彼はボールを拾い上げた)という使い方をします。
FOOTBALLも同じです。初めて知ったとき“目からウロコ”でした。
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街でタクシーを拾って「球場に行ってください」のつもりで“Ballpark,please”と言って
“Which ballpark?”と聞き返されたことがあります。大きな街の場合、メジャーの球場と
アメフトの球場がありますからね。

ところで、テレビでアメリカのベースボールを見ていて、審判から新しいベースボールを
受け取ったピッチャーが日本ほどそれを“こねない”ことにお気づきでしょうか。
あれには秘密があるのです。
事の発端は遠く1920年8月17日にさかのぼります。
この日、ヤンキースのC・メイズが投じた一球が、インディアンズのR・チャップマンの
側頭部を襲い、翌日、息を引き取る事件が起きました。
メイズはボールに傷をつけて(ball-doctoring)投げるピッチャーとして知られていました。
空気抵抗を多くして変化を鋭くさせるためです。

この事件を受けてメジャー・リーグ機構は、ball-doctoringを禁止し、常に新しいボールを
使うことを決めました。問題は、新しいボールは滑って、握りにくいことです。
噛みタバコの汁や靴磨きのクリーム、水に溶かしたグラウンドの土など、各チームとも
試行錯誤しましたが、革が変質してしまうなど、うまくいかなかったようです。
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1938年のある日、フィラデルフィア・アスレチックスの3塁ベース・コーチだったレナ・
ブラックバーンは、試合の合間に塁審から「困ってるんだよ」と愚痴を聞かされました。
数日後、趣味である釣りに行ったときに、ふとひらめいたブラックバーンは川底に手を
伸ばしました。何度か試みた末に「これは」と思えるものを見つけたのです。
球場に持ち込んでテストしてみると結果は上々でした。
magic mud(魔法の土)と呼ばれる"Lena Blackburne Rubbing Mud"誕生の瞬間です。

まもなくアメリカン・リーグがこのドロを採用し、やがてナショナル・リーグも追随、
いまでは、アメリカ中のメジャー、マイナー、大学リーグなどでひろく使われています。
私たちのころは、試合の数時間前、審判がスタンド下の控え室で100個前後のボールに
このドロを擦り込むのが“仕事”の一部と言われていました。
主に主審の任務とされていましたが、控え室の係員に下請けに出す人もいました。ハハハ。
今では、ホームチームの関係者がやることもあるようです。
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メジャーのチームが1シーズンを乗り切るには、2ポンド(約900グラム)入りが2缶
必要ですが、料金は2缶で約1万円。かつての苦労を考えれば安いものでしょう。

実はこのドロ、どこで採取されたのか、秘中の秘でした。デラウエア川支流のどこか…
までは分かっていましたが、具体的なことを知っているのは10人ぐらいだったのです。
2年前にCNNが採取の模様を取材して放送したので、増えているかもしれませんが。
ブラックバーンは、亡くなる直前に、採取の場所や製法などを親友に伝えました。
高齢だった親友はほどなく娘に譲り、現在は、さらにその息子が取り仕切っています。
毎年、ある時期になると、彼は家族と一緒に秘密の場所に行き、次のシーズンに備えて
およそ180キロの“宝のドロ”を採取するのです。完全な独占家内企業です。ハハハ。
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これまで、たくさんの会社がいろいろな土を試しましたが、足元にも及ばないそうです。
このドロが優れているのは、匂いがなく、擦り込むことによって、ピッチャーはボールを
しっかりグリップすることができ、しかもボールが黒ずまない点です。
製法と書きましたが、水分の抜き方や、添加する特殊な物質にも秘密があって、それは
まさにコカ・コーラの原液並みです。ハハハ。

このブラックバーンという男、調べてみるとなかなか面白いやつです。
1910年代に内野手としてホワイトソックスに在籍したあと、20年代半ばからコーチになり、
28年途中から29年まで、監督もつとめています。
選手としての記録をよく調べると、コーチだった27年に代打として打席に立っています。
それだけならまだしも、29年にはピッチャーとして、3分の1イニング投げているのです。
現役のときには、一度もマウンドに上がったことなどないというのに!
しかも、このとき42歳!!
メジャーでは、大量点をリードされた終盤に、あまりピッチャーを使いたくないという理由で
野手に投げさせることがありますが、監督が…というのは聞いたことがありません。
古きよき時代だったということかもしれませんね。

“Towel off”についての報告

皆さんが関心を持っているかどうかに関係なく(ハハハ)、先日 書いた、メジャーの主審と
テレビ局の間でどんなシグナルが交わされているのか…に、私は強い関心があります。
そこで、あの記事を更新したあと、複数の球団にメールを出して聞いてみました。
マリナーズ、オリオールズ、ドジャース、ロイヤルズの4球団です。そのとき、ホームで
試合をしていたので選びました。

つたない英語だったにもかかわらず、全球団から回答がありました。ファンを大事にする
姿勢がうかがえます。
中でも丁寧に書かれていたのがカンザスシティ・ロイヤルズでした。
その回答を中心に、現在の試合運営がどのように行われているかをまとめておきます。

CS放送が盛んになり、ほぼ全球団の試合がそれぞれの地元局によって中継されるように
なった現在では“タイム”が試合の進行を管理しています。
まず、3アウトになると2塁塁審がストップウォッチをスタートさせます。
クルー・チーフ(4人の審判のリーダー)の場合もあるようです。
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1分40秒 経過すると、主審にシグナル(うなずくだけのときもあるし、ハンドシグナルを
使う場合も)を送ります。
主審はピッチャー(あるいはキャッチャー)に投球練習は“あと1球”だと知らせます。
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困るのは、イニング間の時間についての回答が“まちまち”なことです。
オリオールズは“2分”と書いていますが、マリナーズとロイヤルズは具体的な数字を
書いていません。そして、ドジャースは“2分20秒から2分40秒”としています。
ただし、試合の運行がテレビのCMと関係なく行われていることははっきりしました。
つまり、一定の時間が来ると新しいイニングが始まるから、テレビさんはその時間内に
そちらの責任でCMを消化しなさいということです。
私が紹介した“タオルオフ”やそれに似たやり方は“過去の遺物”でした。ハハハ。

*ちなみに、NPBの公式サイトによると、日本プロ野球では、イニング間は2分15秒で、
時間はスコアボードに表示し、1分30秒経過後“あと1球”を通告する、となっています。

丁寧に書いてくれたカート・ネルソン氏にリスペクト…
彼によると、“タオルオフ“が行われていたころには、試合開始の直前にバットボーイが
ベンチ前に出てタオルを振り回したとか。ロイヤルズの選手が“take field”=守備位置に
散って行くことをテレビやラジオに知らせるキューだったそうです。
1980年のワールド・シリーズを含めてかなり通いましたが、気づきませんでした。

彼はロイヤルズ野球博物館の“ディレクター”だそうですが、私への回答メールの最後に、
“good question”と書かれていました。“アメリカの池上彰”のようです。ハハハ。

*写真は、ツイッターを通じて友人になったKさんが撮ったものです。
私が得た情報を知らせたところ、ちょうどセーフコにいた彼が、撮ってくれました。

運命…それぞれの立場

いま、このときに自分が総理大臣でいることに運命を感じると菅直人は言った。
いま、このときに菅直人が総理大臣でいることを受け入れなければいけない
被災地の人々の過酷な“運命”を思う。
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by toruiwa2010 | 2011-04-27 10:00 | メジャー&野球全般 | Comments(8)
Commented by マオパパ at 2011-04-27 12:31 x
岩佐さん、こんにちは。私も岩佐さんと同じようにNHKBSを我慢しながら観ています。もちろん副音声で。岩佐さんが実況をされていたころは、メジャーリーグにかかわるいろいろな話や裏話などが聞けて、本当に面白かったです。良く思うのですが、あの頃は情報量は少なかったですが情報源が同じだったため、共通の話題で仲間と盛り上がることができました。現在は、手軽に情報が得られるようになり、情報量も増えましたが、日本人選手以外の共通の話題が減ってしまい、本来のメジャーリーグの楽しみ方が半減しているような気がします。岩佐さんの実況が再び聞きたいと切に思います。
Commented by toruiwa2010 at 2011-04-27 12:41
マオパパさん、こんにちは。

基本的に、NHKはミスをしないことを念頭に
放送してますから、よけいなことをできるだけ
言わないようにしているのかと。
面白い放送 < 正確な放送 ですから
野球教室みたいな実況・解説になりがちですね。
副音声を聞いていると、あちらのコメンタリーは
よく笑いますよね。NHKに望んでも無理でしょうが。
ハハハ。
Commented by えそらいろ at 2011-04-27 14:48 x
メジャーにも日本のプロ野球にもほとんど関心がなく、
野球のルールも多分あまりよくわかっていないくらいですが、
とてもおもしろかったです。

Towel offのお話は、写真がお見事ですね。

Commented by ふぇでらーが好きなふぇでらー at 2011-04-27 14:58 x
メジャーリーグに魅せられて、もう20年が経ちましたが、前回のタオルの話も、今回の審判が出す合図も気付きませんでした。面白い話でした。ありがとうございます。

50年ちょっとの人生で、ハーレー・ダビッドソンに2回乗っています。今の奴とは、まだ11年の付き合いです。乗らない人には、日本製のKやH製の物との比較が出来ないようですが、野球とベースボールも、H・K製のオートバイとハーレーのアイラン・ホースの違いみたいなんだろうと個人的には考えます。そのパワーとフィーリングはHやKにはない物が有ります。分からない人には仕方ない。「サンデーモーニング」の張本某氏は分かっていてジェラシーかもしれませんしね。

Commented by ふぇでらーが好きなふぇでらー at 2011-04-27 14:58 x
個人的な希望なのですが、地デジ化するのなら、全てのスポーツ放送で、「アナウンス付き」と「場内の音だけ」の選択が受信者側で出来ると良いかなって思う時が有ります。「場内の音だけ」モードだと実際にその場所にいる気分にもなれます。岩佐さんのような裏情報満載の素敵な解説だったりすると楽しいのですが、今の某W社のテニスの解説だったらいらないかな。時にライン上に落ちたボールのことを「On Line」って言うますが、「誰と連絡してるのかな?」って思うことも有ります。技術も進みましたから、出来ればですが「場内の音だけモード」の開発希望です。

もしくは、Skypeを通じ、岩佐さんに「実況中継」をいろんなスポーツでやっていただけたら嬉しいかな。現場復帰ではなく、これなら可能性もあり・・・・ますか???いかがでしょう:)岩佐さん、お願いします!!!
Commented by toruiwa2010 at 2011-04-27 15:09
ふぇでらーサン、こんにちは。
ハーレーのことは分かりませんが、
先日見た映画「SOMEWHERE」で
フェラーリが頻繁に登場しました。
車についても詳しくないのですが、
エンジン音はさすがだなあ、と思いました。

二つ目ですが・・・必ず「希望しなければよかった」と
後悔しますよ。ハハハ。
Commented by toruiwa2010 at 2011-04-27 15:12
えそらいろ サン、喜んでいただけて何よりです。
メジャーの周辺にはこんな話がたくさんあります。
新聞などを丁寧に読めば…の話ですが。
彼らは、ルーティンとして“こなして”いるだけですから
無理でしょうね。ハハハ。
Commented by えそらいろ at 2011-04-27 17:51 x
私は、WOWOWテニスの岩佐さんしか存じ上げませんが、
岩佐さんが実況中に紹介されるこぼれ話や、何より”アラカルト”のコーナーが大好きでした。

おもしろい話を見つけて折に触れて紹介されるというのは、メジャーを担当されている頃からの”プレースタイル”だったのですね。

好きで興味を持ってする仕事、そして、ある程度自分の裁量に任されてできる仕事は、よい仕事になるのでしょうね。
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