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岩佐徹のOFF-MIKE

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「気づくのが遅かったなあ~アナウンサー“冥利”について~」            11/04/28

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少し前まで、一日に何度となくテレビから流れた「上を向いて歩こう」、「見上げてごらん
空の星を」はほぼ半世紀前に坂本九が歌って大流行した歌です。
桑田佳祐・福山雅治を初めとする豪華なメンバーによる応援歌を聞くにつけ、被災地を
実際に訪れた歌手たちの活動を見るにつけても、歌が持っているパワーに圧倒されます。

歌と同じように、書物にも人の心に沁みたり、勇気を与えたりする絶大な力がありますね。
ヒット曲を持っている歌手、長く読み継がれている本を書いた作家の影響力にはいつも
感心してしまいます。
特に歌手の場合は、自分の歌によって人々が笑ったり、感動して涙を流したりする場面を
目撃することが多いですから、そのたびに“歌手冥利”ということを思うでしょう。
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今のアナウンサーたちは、私が現役のころにくらべたら遥かに名前も顔も知られていて、
アイドル並みの人気者になっている例もあります。それでも、人に感謝されたり、感動を
与えたりすることはそんなに多くはないでしょう。
まして、そのアナウンスが5年後、10年後まで記憶に残るようなことはめったにないと
思います。少なくとも、私はありません。「いや、…のときの実況はよかったですよ」と
ごくたまに言われることもありますが、それは、試合そのものの印象が強いのであって
私は“おまけ”にすぎません。ハハハ。

5,6年前に、「冥利」というエントリーを書いたときにも引用したのですが、きっかけは
旧HPの掲示板に書き込まれたコメントでした。

<…わたしは以前、視聴者プレゼントで岩佐さんの本も頂いたのですが、
その本もわたしにとってとても大切な本です。
久しくネットもやってなかったことや、前ほど熱心にサッカー中継を
見なくなった事もあり、岩佐さんがサッカー中継から退いたことを
知りませんでした。わたしはもうWOWOWには加入していないので、
岩佐さんの今の声を聴く事はできません。
学生時代、サッカー中継に興奮、かつ感動できたのも岩佐さんの実況が
あったからこそだと、WOWOWから離れて、今でも思っています。

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“本”は、2002年に自費で出版したささやかなものです。
推敲が足りなくて、句読点の誤りや文章のおかしなところがあって、恥ずかしいかぎりの
本ですが、大事にされていることを知ったときは、「出してよかった」と思いました。
ただし、アナウンサーが本当の“冥利”を感じるのは、やはり実況の場です。
大きな試合を担当したり、プレー描写や解説者とのやりとりがうまく行ったりしたときに
「よくぞ、アナウンサーになった」と思うものです。

残念なことに、実況を聞いたときの感動が長く続くことはありません。
スタイルがどんどん変わっていくからです。昔から“名アナウンス”とされているものも
数年後には色あせて聞こえます。若いころに聞いて印象深かった実況をいくつかテープで
聞いたことがありますが、“古色蒼然”…やめておけばよかったと思いました。
直木賞作品のあとに夏目漱石を読む気分と言えばいいでしょうか。
それぐらい、実況スタイルが変化しているのです。
文学はそれでも人に感動を与えますが、実況はなかなか難しいです。フジテレビの後輩に
「実況は消える芸術」と言い放ち、自分の放送をテープに録らない男がいて、そのころは
あきれたものですが、今になって「なるほどね」と思わないでもありません。ハハハ。
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人から「あれはよかったですね」と言われるものでも、今聞くと、「なんだ、これは」と
スタイルの古さに唖然とし、「もうちょっと、うまくしゃべれるんじゃないのか」と思う
ことが多いです。“門外不出”にしたいぐらいです。ハハハ。

具合が悪いことに、誉められるのは、ゴールが決まったり(サッカー)、ナイスショットが
決まったり(テニス)したときに実況をやめて拍手・歓声を生かした場合が多いので
いささか微妙です。
自分のスタイルとしてやったのですから後悔などしませんが。ハハハ。

ある立場・境遇で自然に受ける恩恵や幸福…
広辞苑によれば、“冥利”はもともとそんな意味で使われるようですから、私に限っては
ヘッドセット・マイクをつけ、わくわくしながら放送席に座ることがすでに“冥利”だったと
と言っても言い過ぎではないかもしれません。それに気付くのがきわめて遅かったのは
“痛恨のきわみ”ですが。ハハハ。 

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by toruiwa2010 | 2011-04-28 09:51 | 放送全般 | Comments(6)
Commented by 老・ましゃこ at 2011-04-28 11:19 x
我が家は映画目当てにWOWOWに入会したのですが、WOWOWが全豪オープンを放送すると知り、とても嬉しかったのを覚えています。
初めてその実況を聴いたときに、この実況をしている方の名前を知りたい!と思いました。それが岩佐徹(…呼び捨てにしてすみません)という名のアナウンサーでした(^^)
Commented by toruiwa2010 at 2011-04-28 11:44
老・ましゃこ サン、こんにちは。
恐れ入ります。冥利です。ハハハ。

私は劇場で100本以上の映画を見るようになってから、
WOWOWのラインナップの中には見るものが
なくなってしまいました。ハハハ。
Commented by えそらいろ at 2011-04-28 12:51 x
こんにちは、とってもいいお話です。

「ヘッドセット・マイクをつけ、わくわくしながら放送席に座ることがすでに“冥利”だった」… 素晴らしいです。

よい実況のとき、試合そのものが印象的だったというのはそうかもしれませんが、
そのよい試合を、うまく盛り上げ、かつそれぞれの感動を邪魔しないで、
後に岩佐さんの声のBGMとともに「あ~、いい試合だった」と感じられるのでしょうから、まさに名脇役ですね。

Commented by toruiwa2010 at 2011-04-28 12:56
えそらいろ サン、こんにちは。

審判と同じで目立っちゃいけない
ということなんでしょうね。
時々、香川照之はやりすぎますが。
ハハハ。
Commented by tom☆ at 2011-04-28 21:14 x
こんばんは~♪ いつもいつもお仕事でローランギャロスやメルボルンに行ける方を羨ましく思ってました!
しかも近年はウィンブルドンまでですよ!
~まったくもう~ウィンブルドンを逃すなんて岩佐さ~~~ん!!! これは言わないでおこうと思っていましたが、是非とも岩佐アナでナダル優勝の瞬間を一緒に迎えたかったですよ~☆
ごめんなさい~誰よりもきっとそう思われた事でしょうから、これ一度きりお許しくださいね☆ 
Commented by toruiwa2010 at 2011-04-28 21:33
tom☆さん、こんばんは。
ウインブルドン…悔しいです!
心の底から悔しいです。ハハハ。
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