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岩佐徹のOFF-MIKE

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「変わった・変わらない…~メジャーの周辺から2~」11/05/24

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私が大リーグを追いかけていた1978年から81年まで、現地で見た中継画面を思い出して
みると、とても“クリーン”でした。
テレビの世界で“クリーン”は、画面にスーパー(字幕)が出ていないことを意味します。
映像の配信を受けるときに「ダーティー(字幕付き)で構いません」とか「クリーン(なし)で
お願いします」などと依頼するのです。
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           1978 ワールド・シリーズ:R・ギドリーvsR・スミス

野球中継ですから、完全に字幕なしではありません。しかし、SBO(ストライク、ボール、
アウト)の表示も“思い出したように”しか出ません。ハハハ。
日本で 得点やボール・カウントが常に表示されている画面に慣れていましたから、初めは
違和感がありましたが、“余計なもの”を一切はぶいた画面はすっきりしていて、一種の
心地よさを覚えるようになりました。

新しいバッターが打席に入ったときに表示される打撃成績も、前日までの数字が最後まで
更新されることなく出ていました。贈り手も受け手も大雑把だったのでしょう。
日本のように、打席ごとに更新するようになったのは数年後のことです。
1981年シーズンにストライキによる中断があり、アメリカのテレビが日本のプロ野球を
放送したことがありましたが、日本の放送を見たスタッフが導入したのだと思います。
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また、1978-79年ごろは球速の表示もまだありませんでした。
現地から実況する立場としては、“パワー”と“スピード”の象徴のひとつ、ピッチャーが
投げるボールの速さはぜひ伝えたいところですから“歯がゆい”思いをしたものです。

…ドジャー・スタジアムだけは、それが、“ある程度”可能でした。
ネット裏の最前列に、必ず“彼”…ドジャースで中南米担当のスカウトをしていたマイク・
ブリトがいたからです。
古いMLBファンなら、大きく割れるスクリュー・ボールを武器に大活躍したフェルナンド・
バレンズエラを覚えていらっしゃるでしょう。“金太郎さん”のニックネームで知られる
バレンズエラを発掘し、ドジャースに入団させたのが彼です。

彼はスカウトのほかに“副業”を持っていました。
ドジャースのホームゲームのときは、“定位置”に陣取り、スピード・ガンで1球ごとに
球速を測定していました。
当時“90 mile-par-hour fastball”(90マイル=145キロの速球)という言葉があったほど、
メジャーでも、90マイルのストレートは目立っていました。
投球が90マイルを超えると、彼はスタンド中段にある放送席に指で知らせていたのです。
“グー”ならちょうど90マイル、1本なら91マイル、そして、指が3本立てば93マイル、
つまり、150キロというわけです。
さっそく、換算表を作って“彼”のシグナルを活用させてもらいました。ハハハ。

2年前のWBCを見ているとき、サンディエゴのペトコ・パークのネット裏に懐かしい顔を
みつけました。かなりの年齢になっているはずですが、どう見ても“彼”です!!
ストローハットをかぶってガンを構える姿はまったく変わっていませんでした。
変わったのは、どこにも結果を知らせていないことと、いつも左手に持っていた葉巻が
なくなったことです。いつから“健康志向”になったのでしょうか。ハハハ。
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            *キャッチャーの真後ろでガンを構えるのが“彼”です。

このときは名前が思い出せなかったのですが、この記事を書くにあたって検索したところ
一発で出てきました。入力したのは4語です。
dodgers cigar speed gun…まあ、便利な世の中になったものですねえ。ハハハ。

便利…と言えば、ブリトのハンド・シグナルは球場備えつけのレーダー・ガンにとって
代わられました。今では、日米ともに、投球と同時に画面に出るようになっています。
NHKは現地がマイルで計測したものを“自動的に”キロに換算するプログラムを使って
表示しているのでしょう。

先週、24 man-roster について書きました。
“上がり”がないメジャーでは一人少ないだけでもいろいろ考えなければいけません。

まず、ピッチャーを何人 入れるかが大問題になります。
30年前は10 man pitching staff とか11 man…という言い方が普通にされていました。
つまり、投手陣を10人で編成することが多かったのです。
先発要員が5人、クローザーが1人、そして、中継ぎ4人(11 man なら5人)で構成します。
セットアッパーという考え方は少しあとに出てきたものです。
現在のロースターを見ると、12人で編成しているところが多いようです。
ただし、開幕のころは、日程に少し余裕がありますから、10人、11人にして、その分、
野手を増やしていたチームもあったはずです。

キャッチャーについても難しい判断を迫られます。
昔も今も、キャッチャーは2人のチームが多いですね。ケガの多いポジションですから
リスクは大きいです。打撃不振でも先発キャッチャーをなかなか交代させないのは控えが
一人しかいないからだと思って間違いありません。
代打・代走を出して2人目のキャッチャーを使ってけがでもしたら目も当てられません。

もっとも…たぶん、どのチームにも“emergency catcher”がいるはずです。
“正規”のキャッチャーが底をついたときにマスクをかぶれそうな選手のことです。
キャンプのとき、監督・コーチは野手の中でキャッチャーをやれそうな選手をそれとなく
探しているものだと聞いたことがあります。

キャッチャーの数は同じでも、ピッチャーは30年前より増えていますから“しわ寄せ”は
当然、野手のところに行きます。25人のうち12(投手)+2(捕手)が確定すると、残る枠は
11しかありません。先発(内外野)が7人ですから控えは4人しかいないことになります。
一方、延長回数・時間制限+“28人登録・25人ベンチ入り”と、選手に優しいシステムの
日本では、試合ごとにベンチ入りするピッチャーは8~9人でしょう。メジャーにくらべて、
野手に大きなゆとりがあります。

メジャーはこの厳しい条件の中で162試合を戦います。しかも、182日間(2011年)で!!
休みはたった20日しかありません。飛行時間だけで5~6時間かかる大陸間を含む移動に
当てることもありますから“完全休養”はほんの数日でしょう。
少しでも体を休めるようにと球団も考えます。
試合が終わるとすぐに、バスが外野グラウンドに入る。簡単にシャワーを浴びただけの
選手たちが私服に着替えて乗り込み空港へ。待ち構えたチャーター機で次の試合地へ。
ホテルにチェックインするのが午前2時、3時ということもザラです。

「サンデーモーニング」で能天気なH本が「メジャーなんてこんなもんよ」と言うたびに、
「知りもせんで、黙っとれ!」と一喝したくなる72歳の私。ハハハ。

FARM=農場…:ああ、驚いた

昨日は久しぶりのマージャンで帰宅が午前0時近くでした。
寝ていると思った妻がまだ起きていて、映画「ナチュラル」を見ていました。
ロバート・レッドフォード主演のメジャーを舞台にした物語です。
残り15分ぐらいを見ましたが、ドラマのクライマックスで“それ”は起きました。
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最終回に逆転のチャンスをつかんだニューヨーク・ナイツは打席にレッドフォード扮する
ロイ・ホブスが立ちます。カウントが0-2になったところで相手チームの監督が出てきて
球審に投手交代を告げました。左打者のホブスに対して左ピッチャーを起用したのです。
盛り上がるスタンドの歓声をバックにラジオのアナウンサーの興奮した声が聞こえます。
そして、画面の下に日本語の字幕が出ました。
「農場で育った速球派…」

野球ファンなら分かりますね。この場合のfarmは3A、2Aなどの下部組織を指しています。
つまり、アナウンサーは「ファームから上がってきた…」と言ったのです。
野球音痴の訳者が“farm=農場”と決め込んでしまったのでしょう。ハハハ。

この映画は、テレビ初放送ではないと思います。
日本語訳を担当した人は知らないのだから仕方がないでしょうが、周りにいた関係者の
誰もチェックしなかったのでしょうか?視聴者からクレームはなかったのでしょうか?

再放送もあるでしょうし、私が見始める前の部分に間違いがある可能性も否定できません。
今朝、メールを送っておきました。ハハハ。

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by toruiwa2010 | 2011-05-24 10:33 | メジャー&野球全般 | Comments(9)
Commented by マオパパ at 2011-05-24 11:03 x
ギドリーとスミスの対戦なつかしいです。ブリト氏も。彼はスカリーさんと並んでドジャースタジアムの有名人ですものね。H本氏の実績は認めますが、メジャーを軽視する言動には辟易しています。また、自分が野球以外のスポーツのコメントすることはOKなのに、他のコメンテイターが野球について意見するとカツを入れることに、人間の小ささを感じています。以前東京で、野球サミットが行われた際に、H本氏が自分の意見に固執し、アイク生原さんが困っていたと聞いたことがあります。日本の野球にプライドを持っていただくのはありがたいですが、贔屓の引き倒しになっていると思います。
Commented by toruiwa2010 at 2011-05-24 11:15
マオパパ さん、こんにちは。
アイクが困った…目に浮かびます。
基本的には相手にしないのが一番です。ハハハ。
Commented by 老・ましゃこ at 2011-05-24 12:09 x
ナチュラル…いい映画ですね(^^)
見逃してしまいました…残念!これまでに何度も見ていますが、字幕のところ気付きませんでした…確かにその通りですね(^^)
メールの返信にとても興味があります…楽しみです。
Commented by akapon at 2011-05-24 14:38 x
岩佐さん、こんにちは。

日本の騒音!&広告だらけの野球場と、MLBのそれとの違いを持ち出すまでもなく
ぜひとも『クリーン』な球場で見たいものです・・・ムリですけど。

バックネット下の広告も最近のは動く(変わる)のでバッテリーと打者の
対決がなにか薄く見えてしまいます。気が散る・・・

1978年ワールド・シリーズの写真の頃はスッキリとしていてまさに『クリーン』ですね。

FARM=農場ですか(笑)。僕は「シューレス・ジョー」「ルーキー」の単語が
浮かんできて映画が1本思い浮かびましたが・・・w
Commented by ふぇでらーが好きなふぇでらー at 2011-05-24 15:54 x
こんにちは、岩佐さん。

メジャーネタ、毎回新しい発見で面白いです。しかし、あの手の帽子は日本人ではなかなかかっこ良くかぶれません。あの体型があればこそなんでしょうか?ハーレーも、かっぷくの良い方が似合います。

「農場」は困りましたね。木原たかしさんや戸田奈津子あたりだとこんな失敗は無いのだろうなと思いますが・・・でも、失敗はあるんでしょうね。
Commented by toruiwa2010 at 2011-05-24 17:52
cardinals fan さん、こんばんは。

主人公…ホッブスのことですか?
この場合は、ピッチャーの話ですから。
それとも、交代で登板したピッチャーが
農民の息子なんですか?
Commented by cardinals fan at 2011-05-24 18:01 x
失礼しました。
相手のピッチャーの話なのですね。
申し訳ありません。
Commented by toruiwa2010 at 2011-05-24 18:34
cardinals fan サン、ご心配なく。
一瞬、ドキッとしましたが。ハハハ。
Commented by shin555 at 2011-05-25 18:46 x
最初の2枚の写真を見比べると・・・
今の画面はホントにダーティーですね。。。
1978年の画面には引き込まれるような何かがあります♪

それにしても、農場、ジョークならイイ線ですけど(笑)
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