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岩佐徹のOFF-MIKE

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「テニス ⇒ サッカー~心躍る“強行日程”~」11/06/07

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全仏が終わりました。男女とも“ふさわしい”チャンピオンだったと思います。

現役のころ、いつもは翌日の自由行動日に買い物をして火曜日の飛行機で帰国するのが
決まったパターンでしたが、オリンピックでもないのに、4年に1度、この形が崩れました。
そのまま、ほかの国に飛んでサッカーのヨーロッパ選手権の放送に加わるのです。

WOWOWのプロデューサーが「ユーロの権利を獲りました。岩佐さんは全仏が終わったら
駆けつけてもらうことになりますが、やってくれますか」と聞かれ、喜んで承諾しました。
こんなに“おいしい”話を断るならアナウンサーなどやらないほうがマシです。ハハハ。
1996年が最初で、2000年、2004年に貴重な経験しました。

たしかに、まったくタイプの違う種目ですから対応は簡単ではありませんが、少し経験を
積んだアナなら問題はないと思います。むしろ“冥利”と言うべきでしょう。
ただし、直前に大きなイベントをかかえている私にとっては資料集めが大変でした。
特に、インターネットが軌道に乗るか乗らないかという時代だった1996年は、いったい
どうなることやらと、テニスの実況を続けながらいささか不安になったものです。
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私がとった手段は、アメリカにいる知人に頼んでインターネットから関連記事をプリント・
アウトして、それをパリのホテルにファックスで送ってもらう…でした。
友人の勤務時間や時差の関係で、私が会場からホテルに戻るころに送信されました。
フロントがうんざりした表情を隠さずに紙の束を差し出す日々が続きました。ハハハ。
テニスの期間中はテニスに集中すると決めていましたから、読み始めたのはユーロ96の
開催国、イギリス(イングランド)に向かう飛行機の中でした。

頭の中はすぐにテニスからサッカーへの切り替えができますが、全仏オープンの13日目に
開幕しているサッカーのビッグ・イベントの雰囲気に追いつくのは簡単じゃありません。
とにかく、このときのイングランドは30年前のワールド・カップ優勝の再現を目論んで
いましたから、ものすごい盛り上がりでした。
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一番うれしかったのは、決勝を含めて5試合もウエンブリーで実況できたことです。
先日のUCL決勝でアナがしきりに「サッカーの聖地」を連呼していましたが、ゴメン、
新しいウエンブリーはどこにでもあるような“普通”のスタジアムになってしまったし、
まだ“聖地”と呼んじゃダメだろう…とツッコミました。ハハハ。

2000年の全仏オープンは別の意味で大変でした。
テニスの最終日とユーロ2000の初日が重なり、テニスの男子決勝が長引くとサッカーの
放送時間にずれ込んでしまう恐れがあったのです。
言うまでもなく、どちらもWOWOWにとっては大事な番組です。
ユーロ2000は会社が総力を挙げて取り組んできた、4年に1度のビッグ・イベントです。
しかし、全仏もグランド・スラムの一つ、テニスファンにしてみれば14日間見守ってきた
タイトルの行方が決まる大事な試合ですから、途中で切り替える事などできません。
…結論としては、もし重なってしまったら、日本時間の深夜にライブで中継の予定だった
サッカーを翌朝の録画中継とする事になりました。
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“運命の”6月11日、1997年のチャンピオン、ブラジルのグスタボ・クエルテンと
スウェーデンのマグナス・ノーマンの対戦となった男子シングルス決勝は、クエルテンが
ノーマンの硬さにつけこんで62/63とリードを奪いました。
普段の私は、どんな顔合わせでも、決勝は内容のいい試合を望むのですが、この時は
事情が事情だけに、とにかくサッカーが始まる前に終わって欲しいと願っていましたので、
「よしよし、この調子、頼むぞクエルテン」という心境でした。ハハハ。
第3セットをノーマンが取り返したときも、流れが変わるほどの勢いがあるわけでもなく、
時間的にもまだ余裕があったので、焦りはなかったのです。

'98ワールド・カップのチャンピオン、フランスの第一戦はヨーロッパ時間、6時のキック・
オフにあわせて、5時50分に放送を始める予定でした。スムーズに番組を切り替えるには
5時45分までにテニスが終わっている必要がありました。

第4セット、クエルテンが5-3とリードした第9ゲーム、ノーマンのサーブで15-40と
クエルテンがマッチ・ポイントを迎えたとき、時刻は5時26分。
「何だ、これなら表彰式もほとんど入るじゃないか」と思いました。
最初のマッチ・ポイントでノーマンのフォアがラインを割ったかに見えて、クエルテンは
握手をするためにネットへ向かっていました。
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…ところが、それから19分後、試合ははまだ続いていたのです!
そして、私は、「なお、サッカーをお待ちの方、大変、申し訳ありません。ユーロ2000、
フランス-デンマーク戦の時間ですが、このままテニス中継を続けさせていただきます。
大変申し訳ありません。御覧いただいているテニスも世界4大トーナメントのひとつ、
ローラン・ギャロスの男子の決勝です。
なお、フランス-デンマーク戦は本日朝7時45分からお届けします。どうぞご了承下さい」
というアナウンスをしていました。

この「詫びアナ」は早めにWOWOWにチャンネルを合わせた視聴者向けのものでしたが、
いよいよ5時50分を過ぎたところでは、新たにWOWOWを見始めた方たちのために、
「ユーロ2000、フランス-デンマーク戦の時間ですが、このまま、テニス中継を続け
させていただきます。どうぞご了承ください。世界最高峰の戦い、両者がテクニックを
尽くして戦っています」とアナウンスしました。いずれも、編成部が作った文面に、私の
アドリブを加えてしゃべりました。
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どう釈明しても、サッカー・ファンが納得するとは思いませんでした。しかし、翌日には
ベルギーに移動する私自身、サッカーも大好きです。事務的な言葉だけでなく、少しでも
怒りを和らげる何かを言わなければ気がすまない気持ちがあったからです。どれほどの
効果があったか分かりません。
しかし、私は常に「ペイテレビであるWOWOWのアナウンサーは最終的な伝え手として、
地上波以上に視聴者と近い関係にあるべきだ」と考えていました。ですから、視聴者に
話しかける時、気持ちとしては身内に向かっているつもりになろうとつとめていました。

全仏オープン・テニスからユーロ…の流れは2004年にもありました。
3回の経験の中では一番楽しめました。稿を改めて書きます。


ミゲル少年の不思議

エステーの消臭剤「消臭力」のCM,でポルトガルの少年・ミゲルの澄んだ歌声が
評判になっているようです。
私も、まず声に惹かれました。しかし、見ているうちに“違和感”が出てきました。

それは、この少年の口元です。最後の聞かせどころ「ショーシューリキーッ!」の
“リ”を発音するときの…。
“イ段”の音をきれいに出そうとするとき、口を左右に開きます。めいっぱいです。
アナウンサーが入社直後に受ける講習で先輩から口うるさく注意されるのが“ア段”で
大きく口を開くことと、この“イ段”の横への開き方です。
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彼が“日本語バージョン”で歌うときの写真(上)では、下唇が歯にかぶさっています。
自分でもやってみますが、これでは、きれいな“リ”の音は出ません。
意地の悪い“お局”的な講師だったら「あなた、それで、よくイ段の音が出せるわね」と
冷たく言われること間違いなしです。ハハハ。
下の写真は、現在多く流れているバージョンで、これだとそれほどの違和感はありません。
ミゲル少年はどうやってこの口の形であんなにきれいな音を出しているのでしょうか?

一般の人はまったく気にしないことでしょうし、人志松本なら“あいた口がふさがらない話”
だと言うかもしれません。ハハハ。

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by toruiwa2010 | 2011-06-07 09:32 | 放送全般 | Comments(8)
Commented by tom☆ at 2011-06-07 10:30 x
こんにちは♪ そう言えば岩佐さんのサッカーの実況は聴いた事ありませんでした! どちらもお好きでそんなに大変だったのにすみません~★ ですがサッカーファンの皆様に対する謝罪の言葉は覚えています! ファンは収まらないかもしれませんが、私は誠実な方だな~と思った記憶があります☆
クエルテンは大好きでした♪~今回ナダルへの授与はクーリエよりもクエルテンの方がふさわしかったと思うのですが、さすがにボルグは出て来てくれませんでしたね★
ナダルが優勝して今私はとても幸せ☆
Commented by ヒナギク at 2011-06-07 10:35 x
岩佐さん、こんにちは。

そんな裏事情が(笑)
確かに「心躍る」ですね。
両大会ともファンにとってはワクワクする大会ですもんね♪

覚えてませんが、私はEURO寄りだったので、当時きっと「えぇぇぇぇ?」となってたんでしょうね(笑)

Commented by toruiwa2010 at 2011-06-07 13:15
tom☆さん、こんにちは。
そんなに冷たい人でしたっけ?ハハハ。

私もてっきりクエルテンだと思いました。
RGのファンに愛された男ですからね。
コートに描いたハートのマークは忘れません。
Commented by toruiwa2010 at 2011-06-07 13:17
ヒナギクさん、こんにちは。
WOWOWにはそうと、抗議があったようですが、
サッカーに切り替えていたら、これまたすごい電話が
殺到したでしょう。
Commented by ヤップンヤン at 2011-06-07 16:00 x
96年当時、WOWOWに加入したいと思っていました。理由は当時F1をノーカットで録画放送していたからです。どうしようかな?と思案していたところに、電気店でのチラシでWOWOWがユーロを放送するということで、加入を決めました。いざ加入してみたらテニスは放送されているは、レールウェイストーリーにはまるわで、しばらくテレビっ子になってました(苦笑)。
Commented by akapon at 2011-06-07 19:38 x
岩佐さん、こんばんは。

この季節、テニスファンにはローランギャロスからウィンブルドンへ
そしてサッカーファンにはCL決勝と2年おきにユーロとワールドカップ・・・
wowowの時の岩佐さんは忙しくも「おいしい」話だったのですねw
両方好きな私はとてもワクワクし、そしてとても忙しいこの季節です。
Commented by MARUX at 2011-06-08 10:45 x
岩佐さん、こんにちは。

あれは2000年でしたか!もちろん生で見ていました。
私もテニスとサッカーを愛する人間ですのでお気持ちを素直に話された岩佐さんの言葉を納得しながら聞いておりました。
いや~懐かしい!と思いあの『さらば…』以来のコメントをさせて頂きました。
Commented by toruiwa2010 at 2011-06-08 11:10
MARUXさん、こんにちは。
「さらばWOWOW」には167件のコメントをいただきました。
温かい言葉ばかりで嫌がらせは1件もありませんでした。
今でも、私の宝物です。
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