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岩佐徹のOFF-MIKE

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よかった小品「便利軒」「阪急電車」~5月に見た10本~          11/06/12

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災害の“影響”で6本しか見なかった4月の反動で5月は10本の映画を見ました。
小品ですが、「多田便利軒」と「阪急電車」が気に入りました。
私の中では、かなり高いレベルの85点です。ハハハ。
逆に、前評判の割によくなかったのは「岳」と「ブラック・スワン」でした。


「まほろ駅前 多田便利軒」85

「間引き運転の事実はありませんでした」
まほろ駅前で便利屋をしている多田啓介(瑛太)が依頼主に調査結果を報告して車に戻ると
助手席にいたはずのチワワのハナコがいなくなっていた。正月に帰省するらしい女性から
預かっていたものだ。あわてて探し回る多田。ハナコは最終バスが出たあとの停留所の
ベンチですぐに見つかった。ベンチに腰を下ろした若い男の膝の上にうずくまっていた。
男の顔には見覚えがある。中学の同級生、行天春彦(ぎょうてん:松田龍平)だ…
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「何を言いたいのか、わけが分からん」と言う人もきっといるでしょう。
しかし、ほんの少し前 コーエン兄弟の“胡散臭さ”に辟易した私にしてみれば、はるかに
分かりやすくて楽しめる作品でした。
いくつかのエピソードを積み重ねて行くだけです。何かが学べるわけでもありません。
しかし、見たあとの気分が気に入りました。
何よりも、“肩の力が抜けた”二人の生き方が心地いいです。普通なら、こんな心構えで
世間を渡って行くのは難しいのでしょう。しかし、悩んだり、悔んだりすることが多い中、
二人のように、焦らず、急がず、“まーたり”と生きていけたらいいなあ、と思うときが
誰にだってあるのではないでしょうかね。

それぞれに“過去”を引きずっている二人の若者の間の“距離感”が絶妙です。
距離感を生みだしているのは、ゆったりしたテンポで交わされるセリフとその“間”です。
演技力もあって売れっ子の二人の若い俳優が実にいい味を出しています。感心しました。
“小難しい”映画理論を振り回したい人には向かないでしょうが、やさしく、ゆっくりと
流れる時間を味わいたかったらお勧めです。特に、ストレスがたまっている人が見れば
見終わったときには忘れているかもしれません。ハハハ。


「阪急電車」85

呼び出された翔子(中谷美紀)はあっけに取られていた。
3年の交際を経て結婚も近かったはずの恋人から、いきなり別れ話を切り出されたのだ。
しかも、彼の隣には会社の後輩が座っていた。妊娠している。
「彼女、死のうとしたんや。おれは男として責任を取って結婚する。お前は泣かへんし、
大丈夫や」と弁解する彼に絶望した翔子は別れを受け入れる。
ただし、条件が一つあった。結婚式に招待するという…
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吹田市千里山に住んでいた5年間は阪急・千里山線にお世話になりました。
次兄の結婚式に出席するため宝塚に行ったときは今津線に乗った覚えがあります。
2年前、長兄と同居生活をしている間、映画を見るためにしばしば三宮に行きましたが、
そのときに乗ったのは神戸線でした。
濃いあずき色の車体に白いふちどりの窓…阪急電車にはいろいろと思い出があります。

西宮北口から門戸厄神・甲東園・仁川・小林・逆瀬川・宝塚南口、そして、宝塚。
たった8駅しかない今津線を舞台にしたこの映画は、少しデフォルメされているものの、
街の片隅で目にしそうな、人と人の“接点”で起きるエピソードをつなぎあわせています。
いくつかの独立した話が少しずつ重なって行くところやそれぞれの物語のまとめ方にも
無理がありません。
大学で同じクラスになった、軍事オタクと野草オタクの生まれたての恋、女子高校生と
少しだけアホな社会人の意外にピュアな恋が気に入りました。若いっていいや。ハハハ。

この作品で大事なのは地域性のリアリティです。
関西出身の俳優を多く起用したのも、セリフのアクセントやイントネーションが不自然に
なることを避けたかったのでしょう。
その点、演技は光りますが、宮本信子(名古屋出身)のセリフが少し浮いていたのが惜しい!

ドラマ「仁」に続いて、中谷美紀がいいと思いましたし、勝地涼という若手俳優の澄んだ
“目”に惹かれました。いい役者になりそうな予感。


「岳」75

北アルプスの2000㍍級の山を男が登っていた。しばらくすると、アイゼンに詰まった雪で
靴が重くなった。立ち止まった男はアイゼンを靴から外した。「軽い、軽い」とスピードが
上がったと思った瞬間 足を滑らせた男は斜面を滑落して行き、やがて、数十メートル下に
口を開けたクレバスに吸い込まれて行った。

連絡を受けた長野県警山岳救助隊本部は救助に向かおうとするが、時間的に間に合わない
可能性があった。隊長の頭に一人の男の顔が浮かんだ。「サンポがいる」。
伝説の山男、島崎三歩(小栗旬)だ・・・
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予告編はなかなか良かったし、小栗は母校の後輩(明星学園:中退?)だし、番宣番組に
出演していた“健康体”の長沢まさみがきれいだったので見ることにしました。ハハハ。

しかし、これはダメでしょう。
山岳救助隊を描いた映画ですから、何度も事故が起き、必死の救助活動が行われますが、
どれも描き方が中途半端です。転落するところ、助け上げるところ…“肝心”のところが
ほとんど描かれていません。ヘリを飛ばしたりして、明らかに山のロケもやっているのに
「これはもしかして…セット撮影かな?」と思ってしまうような“チャチ”な映像もあって
がっかりです。
せっかく、小栗旬、長沢まさみという人気者をキャスティングし、二人も“熱い”演技を
見せているのに、何かすっきりしない気分でした。

冒頭のエピソードの違和感が尾を引いたかもしれません。
このクラスの山に冬季 単独で登るのですから、経験も能力もあるのでしょう。その男が、
重いからと言ってアイゼンを外しますかね?

終盤の救出劇でも納得しがたい“展開”を見ました。
切り立った岩壁のテラスのような岩場にいる要救助者を救い出すためにヘリが飛びます。
視界が悪い上に強風が吹いています。どんな素人だって、こんな条件でヘリが飛ぶなんて
考えないでしょう。それでもヘリは飛びました。しかも、長沢隊員と遭難者をロープで
釣り上げるシーンではほとんど揺れもしません。

漫画を原作とするフィクションですから、何でもありだということは分かります。
しかし、あまりにも現実離れしていて、全体が“嘘っぽく”見えました。

そう言えば、エンディングでアルプスの峰に立つ小栗の顔に当たっていた朝日(夕日?)も
きわめて怪しいです。カメラ・ポジションもおかしいし、アップはもしかしてスタジオ?
いくらなんでも、まさかね。ハハハ。


「ブラック・スワン」75

ニューヨークを本拠とするバレエ・カンパニーが新しいシーズンを迎えることになった。
監督のトマは「白鳥の湖」を演目に選び 新しい振り付けで新しいスターを作ろうと考えた。
主役の候補はカンパニーの優等生、ニナだったが、彼女には高いハードルがあった。
純潔の白鳥を踊るのに問題はないのだが、王子を誘惑するブラック・スワンを、トマが
望むようには踊れないのだ。トマは恋愛経験が足りないのだと言う。
二つの踊りを完璧にマスターしようと、ニナの懸命な練習が続いた…
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終わったとき、「4月の涙」と同じように「なんだこれは?」と思いました。
帰宅後、まさかと思いつつ確認すると、アカデミーの作品賞の候補作じゃないですか。
私の評価では、そんなレベルの作品ではありません。
団員同士の競争や反目があることは予想できましたが、ここまでドロドロした描き方に
なっているとはまったく“想定外”でした。ハハハ。
現実と妄想を混在させるのはよくある手法ですが、「なるほど」などとは思いません。
物語を複雑にしただけです。

ナタリー・ポートマンが力の入った演技をしているのは事実でしょう。
しかし、ほかの4人の候補者が出演した映画をまだ見ていないのでなんとも言えませんが、
アカデミーの主演女優賞にふさわしかったのかどうかは少々疑問です。
バレエ・シーンをこなしたことを含めて演技の熱っぽさに惑わされてはいないでしょうか。

バレエについては激賞されていた印象があるので、期待していました。努力は認めますが、
私の眼には、かなり“たどたどしい”踊り方に見えました。ハハハ。
特にコーチ役の女性と向き合ってレッスンする場面では、力の差がはっきり出ていました。
体の動かし方、しなやかさが天地ほど違うのです。
とにかくこの映画は、評価する人が40%、しない人が40%、残りの20%は劇場を出るとき、
小さく首を振っている…のではないでしょうか。

ブラック・スワンを踊るには男性経験が…と監督がニナに話す場面では、ラサール石井が
浅田真央について似たようなことをもっと露骨な言い方でつぶやいて袋叩きにされていた
ことが頭に浮かびました。ハハハ。

85 阪急電車 街の片隅で起きていそうなエピソードをつないで人生の哀歓を描いた佳作
80 ジュリエットからの手紙 偶然見つかった手紙が50年前の青年と少女を結びつける
70 4月の涙 フィンランドの歴史の暗部 “部外者”には伝わらない部分が多すぎて…
75 ブラック・スワン 想像以上にドロドロした描き方に辟易 ポートマンの踊りも“?”
80 レッド・バロン アナログ的な空中戦に空軍兵士と看護婦の恋がからんで…面白い
75 岳 アルプスを舞台にした救助隊の物語…というスケール感がない どこかちゃっちい
85 多田便利軒 全体のペースや間合いが心地いい 瑛太と松田龍平の呼吸もぴったりだ
85 アンノウン 昏睡から覚めた男を待っていたのは理不尽な出来事 1000円なら御の字
75 マイ・バック・ページ 時代の空気が描けていないのが残念 妻夫木・松山はがんばった
70 クロエ 夫を疑う妻が娼婦を雇って夫を誘惑させ結果を報告させる いい加減すぎる!

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by toruiwa2010 | 2011-06-12 06:54 | 映画が好き | Comments(0)
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