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岩佐徹のOFF-MIKE

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「松坂・松井・黒田 etc ~MLB通信簿:中間報告2~」11/06/15

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・・・つづき

D 松坂大輔(Boston Red Sox ) 8試合 3勝3敗 防御率 5.30

1年目が15勝12敗、2年目は18勝3敗…日本人投手としては順調な成績を残しつつ、
メジャーでも一目置かれる存在になったかに見えた松坂が、下手をすると、このまま、
ユニフォームを脱ぐことになるかもしれない大ピンチに見舞われています。手術すると
決まった日の会見での表情がすべてを語っています。
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1年目から、100球をメドに代えられることへの彼なりの不満があったようです。
態度・表情に見えていましたし、記者に語ったこともあって監督・コーチとの間がうまく
行っているとは言いにくい状況でした。
大きなつまずきのきっかけは2009年のWBCにあったと言って間違いないでしょう。
2大会連続優勝&MVP…気分はよかったでしょうが、大きな代償を払うことになりました。
キャンプに現れた松坂はバルーンのごとく体重が増えていたのです。
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それがすべてではないにしても、以後、故障が続き満足なピッチングができないまま、
今シーズンは“勝負の年”でした。5人目で先発ローテーションにすべり込み、あとは
実績を見せるだけでした。
しかし、開幕からみじめなピッチングが2試合続いたあと、one hitter が2試合…さあ、
これからというときに“異変”の兆しが現れました。4月29日のマリナーズ戦です。
本人が何気なく見せたしぐさにキャチャーのバリテクやベンチが反応しました。
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このときは、“ひじのハリ”ということで、先発を回避することもなく、大した騒ぎには
なりそうもなかったのですが、実際は右ひじじん帯断裂という深刻な事態になっていて
手術を受けることになりました。じん帯の移植という大きな賭けです。
吉と出るか凶と出るか。思い切った決断はそれだけ追い込まれている証拠でしょう。
幸い、手術は成功したようですが、気の遠くなるようなリハビリが待っています。

今さらですが、どうしても書いておきたいことがあります。
ほかにも当てはまる選手がいますが、海を渡るなら、しっかり研究し、情報を得てから
決めてほしいということです。
メジャーに身を投じて「日本流でやらせてくれ」と言っても、それは通りません。

投球数制限やトレーニング方法、さまざまなシキタリ…行ってから「知らなかった」では
遅いのです。
極論すれば、松坂の故障の一因は首脳陣との相互不信にあるかもしれません。
そもそも、入団当初からの彼の言動には「球団が自分にどれだけの金を投資したか」を
理解していないフシがありました。
このままだと、レッドソックスは数十億円をドブに捨てたことになります。

ファンはさぞかし心配でしょう。ひとつだけ明るいデータを紹介しておきます。
この手術を初めて受け、“トミー・ジョン手術”として名前を残しているのはドジャースの
エースだった男です。
私がメジャーを中継するようになった1978年はジョンがDr.ジョーブの手術を受けてから
3シーズン目でした。1年目は10勝10敗でしたが、その後の4シーズンで3回も20勝を
マークしています。成功した例はほかにもたくさんあります。
来年の終盤で松坂が鮮やかに復活するのも夢ではありません。

C 松井秀喜(Oakland Athletics) 53試合 .216 4HR  25打点

監督交代と松井の自由契約…どちらが先になるかと思いながら成り行きを見ていました。
松井の“勝ち”でしたが、かなりきわどい勝負でしたね。ハハハ。
オープン戦の出来は良くなかったと記憶していますが、その時点では ここ数年悩まされた
ひざのけがを気にしないでプレーできているらしいという明るい情報がすべてでした。
それでも、開幕時にはこう書きました。
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…いいスタートを切って、いい結果を残してほしい。
プレーする以前に、去年に比べて、少なくとも一つは上回っている。
グリーンとイエローのアスレチックスのチームカラーは赤より遥かに
似合うことだ。

逆に、ヤンキースを離れてからの松井に“野球を楽しむ”雰囲気が
感じられない点が気になって仕方ない。Let’s have fun,Hideki !

打率は2割8分で十分だが、30HR と100打点のクリアがmustだ。


“目標”はこの際どうでもよくなってしまいました。それほど、開幕から続いた不調は
ひどいものでした。思い出したように放つタイムリー・ヒットやホームランがなんとか
クビになるのを防いでいるという“綱渡り”でした。
監督の交代は、少なくとも松井にはいい結果をもたらしています。
GMとの間でどんな話し合いがもたれたかは分かりませんが、新監督は、ある一定期間、
松井を使い、自分の目で力を見極めようと思っているのではないでしょうか。
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左ピッチャーでも先発で使っているところに監督の考え方が現れている気がします。
17日からのインター・リーグの試合では守備につく可能性もある…という報道もあります。
実現したら、打席に入るときの気分が大きく違うでしょう。
松井はそれにこたえて結果を出すしかありません。もともと、中軸を打って、それなりの
数字を叩き出すことを求められての1年契約ですから、これからも綱渡りは続きます。
月別成績を見ても6月以降に強いのは明らかです。せっかくここまで“生き延びた”以上、
残りの試合でデータ通りのバッティングを見せてほしいものです。
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            メジャー通算の月別打撃成績
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            2011シーズンの月別打撃成績

A- 福留孝介(Chicago Cubs) 51試合 .297 2HR 6打点

春先の福留をあなどってはいけない…もうメジャーの各球団には知れ渡っているでしょう。
去年までの3シーズン、4月の通算打率は.335。それだけでも大したものですが、今年は
なんと.383 !“逆アレルギー症”でもあるんですかね。Fukudome Syndrome? ハハハ。
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彼の問題は常に5月以降でした。
5月に入ると、とたんに彼のバットは湿ります。沖縄より早く梅雨入りしてしまうのです。
“ツキもの”が落ちたように打率が下がって行きます。ファンが予測し、心配した通りに。
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            メジャー通算の月別打撃成績
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           2011シーズンの月別打撃成績

シーズンが終わってみると、並みの外野手より少し下の成績になるのが悩みの種です。
ただし、傑出した数字があります。出塁率です。今シーズンは.411!!
イチローの .313を1割近く上回り、年数が違いますからフェアではないかもしれませんが、
メジャーの通算では.373でぴったりと並んでいるのです!!

秘密はフォアボールでしょう。
約80個vs47個…出場試合数、つまり、打席数ではイチローのほうがはるかに多いのに、
フォアボールの年平均でもイチローを大きくリードしています。
そのおかげで、福留は毎年、打率を1割以上上回る出塁率を上げているのです。
イチローは2年目に6分7厘上回ったのが最高です。

立派なもんだと言いたいですが、なんとかキープしてきた3割も割ってしまいました。
打率がすべてではないけど、もう少し頑張ってみようか?ハハハ。

A- 黒田博樹(Los Angeles Dodgers) 4年目 14試合 5勝8敗 防御率 3.31

ドジャース入りのときから黒田はメジャー向きだと思っていました。
持ち球や球質ではなく、醸し出す雰囲気、気質がメジャーにはぴったりだと思ったのです。
ストレートが速く、フォーク、スライダー、2シーム?といった変化球のキレも見事で
メジャーの初登板を見たとき、「これは相当に勝ち星を稼ぐな」と思ったものです。
期待は裏切られ続け、ようやく、去年、2桁勝ち、今年もいいスタートを切りました。

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しかし、このところ5連敗と負けが込んでいます。ほぼ毎年のことですが、その5試合で
ドジャースが9点しか取っていないところに問題があるのでしょう。
通算38敗のうち、味方の援護点が2点以下だった試合が29試合(2勝21敗)もあります。
最近の3試合の防御率も2.54ですから、2勝1敗でもおかしくないのです。
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              メジャー通算の援護点と勝敗

投球のリズムが悪いとも思わないのに、失点と自責点の差が年平均で10~11点
(今年、すでに6点)あったのも気になります。つまり、エラーがからんだ失点が多いのです。
もちろん、去年、18点差あったデンプスター(CHC)が15勝、15点差のカーペンター
(ATL)も16勝していますから、“めげずに”頑張らなきゃいけないってことでしょう。
もっとも、デンプスターの10勝、カーペンターの9勝は6点以上の援護を受けていますが。

あーあ、今年は15勝できると思ったけどなあ。

B 上原浩治(Baltimore Orioles) 3年目 27試合 28回2/3  1勝0敗 防御率 2.20

昔、巨人に宮田というクローザーがいて“8時半の男”と呼ばれていました。彼の登板が
大体それぐらいの時間だったからです。上原は“8回の男”と呼べばいいのでしょうか?
せっている試合の8回、リードされている試合の9回から登板するパターンが多いです。
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たぶん、歯がゆい思いでシーズンを送っているのでしょう。去年の終盤はクローザーを
任され、一定の実績を残したのに、今年はまたセットアッパーに逆戻りですから。
ストレートは90マイルに届きませんが、完璧なコントロールと切れ味鋭いフォークで
三振がとれるところが強みです。去年、上原が残した奪三振と与四球の比率11:1は
“あり得ない”数字です。
今は、我慢して、与えられた役割をこなしていくしかないでしょう。まず、故障なしに
1年を過ごすことが求められるかもしれません。

C 岡島秀樹(Boson Red Sox) 5年目 7試合:8回1/3 1勝0敗 防御率 4.32

ほかの選手の契約条件がらみで開幕をマイナーで迎え、昇格後7試合に登板しただけで
現在は再び3Aで頑張っています。FA宣言もできますが、今年の契約すべてを失うことに
なるのを嫌ってマイナー暮らしを受け入れたようです。メジャーの厳しさです。
結果を出していれば夏場から終盤にかけ、他球団を含めて声がかかることもあるでしょう。
ただし、防御率、投球回数など、ほぼすべての項目で、年々 数字が悪くなっているのは
悪材料だと思います。よほど頑張らないといけないでしょう。
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C 西岡剛(Minnesota Twins) 1年目 6試合 .208(24-5) 2打点

Cは“おまけ”です。わずか6試合では評価のしようがありません。
大けがをしたあのフィールディングだけを評価するならDでしょう。
滑り込んだスウィッシャーが試合のあと記者団に「西岡がよけなかったことに驚いた」と
話していたらしいじゃないですか。メジャーでは“ルーティン”と言っていいプレーで、
あれほどのケガをしたことに当惑したのだと思います。
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“ほかにも当てはまる選手が…”と松坂のところで“研究不足”について書きましたが、
西岡がまさにそうです。
最近、SFジャイアンツのポージー捕手がプレート上の激突で大けがをし、ランナーの
走塁が問題になっていました。こまかく読んでいませんが、 “今のままでいい”という
考え方のほうが優勢のようです。
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ホームプレートの手前で大人しくタッチされたり、簡単にダブルプレーを許したりしない
メジャーのプレーの仕方は、少しビデオを見れば分かるはずです。まして、自分が
そこに行ってプレーするつもりなら、熱心に研究しておくのが当然です。
あまりにも高い“授業料”になりましたが、取り返す時間はたっぷりあります。

マイナーで数試合プレーして、間もなくメジャーに戻ってくるようです。

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by toruiwa2010 | 2011-06-15 10:41 | メジャー&野球全般 | Comments(5)
Commented by マオパパ at 2011-06-15 11:07 x
岩佐さん、こんにちは。1970年代後半からメジャーリーグを観ていますが、野茂選手の渡米以降、日本人選手が安易にメジャーでのプレーを希望するようになった気がしています。人の人生なので外野が文句を言うことではないのでしょうが、日本人選手のメジャー挑戦というニュースを聞くたび、古いメジャーファンとしてはメジャーはそんなに甘くはないよとつぶやいています。上原選手などは、日本でリリーバーがやりたくないから渡米したように感じていますが、結局弱小のオリオールズの中継ぎをやっているのですから、何のためにアメリカにいったのかなと
思います。
Commented by akapon at 2011-06-15 13:18 x
岩佐さん、こんにちは。

今日のスポーツ紙に元メジャーの長谷川投手が、日本人は肩を使いすぎ
アメリカは肩を守りすぎとコメントしていましたね。
アメリカでは変化球は高校を卒業してから投げ出すともコメントしていました。
優劣、良し悪しではないですが、日米の考え方やシステムの違いは
これだけでも相当大きいですね。
松坂はWBC後の体型に私も驚きました。(避けない西岡にも驚きましたがw)
黒田はもう少し勝ち星に恵まれても良さそうな気も・・・
Commented by toruiwa2010 at 2011-06-15 14:10
akaponさん、こんにちは。

アメリカの高校生もカーブは投げるでしょう。
長谷川もなに考えてんだか。ハハハ。
Commented by ヤップンヤン at 2011-06-15 20:00 x
金田正一、米田、村山…昔のピッチャーの時代は、科学的なトレーニングや食事なども今よりも確立されていませんよね。肩や肘の酷使も今よりもずっとひどかったと思います。なのに今のピッチャーより頑丈だった気がします。なぜなのでしょうか? 不思議です。
Commented by toruiwa2010 at 2011-06-15 20:49
ヤップンヤンサン、こんばんは。

いつの時代も頑丈なやつは頑丈、
ヤワなやつはヤワ…人によるんじゃないですかね。
土橋正幸は投球したときに腕を骨折…頑丈でしたけど。

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