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岩佐徹のOFF-MIKE

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しみじみ…「木洩れ日の家で」~モノクロームならではの美しさ~11/06/28

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「アリス・クリードの失踪」75

郊外の駐車場で盗んだバンをホームセンターに乗りつけた2人は、さまざまな工作道具や
カーペット類を矢継ぎ早にカートに放り込んでいった。家具もないがらんどうの一軒家に
それを運び込むと、2人は作業服に着替え、テキパキとその家を目的通りに仕上げて行く。

数時間後、2人がそこに運び込んだのはアリス・クリードだった。彼女は人質、一軒家は
監禁部屋で、彼女の父親から身代金を巻き上げようという計画だったのだが…
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車を盗むところから監禁部屋の完成、アリスの誘拐までの冒頭 十数分はテンポがあって
引き込まれます。無言ですが、短いカットをつなぎ合わせて話の流れを作って行く手法は
スリルがあっていいと思います。
登場人物が“きっかり”3人だけ、物語の9割はこの一軒家が舞台です。その“限定感”は
なかなか面白いです。ただし、どこかに“質のいいサスペンス”とか書いてありましたが、
それはどうでしょうかね。ハハハ。

たしかに、「ははーん、そう来たか。じゃあ、このあとは、こうなって行くのだろうな」と
思わせておいて、あらぬ方向に話を持って行く意外性はあります。
しかし、腰が抜けるほどびっくりした“キスシーン”が象徴的ですが、点の取り合いで
二転三転する乱打戦の野球のようで“大味”な印象が否めませんでした。ハハハ。
予告編で、この誘拐には何か“裏”があると思わせてしまっているのも失敗でしょう。
おかげで、最初のサプライズが、“ああ、なるほどね”で終わってしまいました。惜しい!


「ゲンスブールと女たち」60

何が言いたいのか…最近、ここまで頭の中が“混乱”した映画は珍しいです。ハハハ。
40分でギブアップしました。ゲンスブールがブリジット・バルドーと出会う前でした。
監督は狙いがあって作ったのでしょうし、面白いと思う人もいるのでしょうが、私には
全く向いていません。めでたく、今年初めての“途中退場”作品になりました。ハハハ。


「愛に勝利を…」70

若き日のイタリアの独裁者、ベニート・ムッソリーニと恋に落ちたイーダは、全財産を
投げうち、彼の理想を実現させるために身も心も捧げる。
やがてイーダは彼の息子を産むが、ムッソリーニはすでに家庭を持っていたことを知る。
自分が彼の妻であり、息子がムッソリーニの長男であることを認めさせようとするが、
ムッソリーニの支持率が急上昇する中、彼女は危険人物として排除されていく。
最愛の人から裏切られながらも人生を賭けて、信念を貫くイーダの波乱に満ちた人生。
歴史の闇に葬られた愛の物語がいま明らかになる…(goo映画から)

妻と見ましたが、劇場を出たあと2人で顔を見合わせて首をひねってしまいました。
「クロエ」、「ゲンスブール…」、「愛の勝利を」…“外れ”が続きました。ハハハ。


「木洩れ日の家で」80

町のクリニックを訪ねたのはアニェラだった。
虫の居所が悪かったのか、診察室に迎え入れた女医は挨拶もなしにいきなり「脱いで、
横になって」とぞんざいな口調で言った。
「ふざけないでちょうだい!」…切れたアニェラは診察室を飛び出した。
郊外の一軒家に戻ると、愛犬・フィラが駆け寄ってきた。91歳の彼女は戦前に建てられた
木造の二階家にフィラと“二人で”暮らしているのだ。

愛情を注いで育てたつもりの息子にガッカリさせられ、金にものを言わせて敷地を狙う
隣人の動きに神経をとがらせる忙しい毎日だった…
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若い人には絶対向いていないと思います。ハハハ。
この、淡々とした、それでいて“心豊かな人生”を送る老女に共感するには、見る側にも
それなりの人生経験が求められるでしょう。
「わが人生に悔いなし」なんて嘘っぱちです。少なくとも 私には山ほどあります。ハハハ。

91年も生きてきたアニェラにも悔いることはいろいろあったに違いありません。しかし、
おだやかに最後のときを迎えようとする彼女に拍手を送りたい気持ちになる作品です。
エピソードの数の割には長すぎます。15分ほど短くするか、あと二つぐらいエピソードを
加えて物語を動かさないと、ダレてしまいます。偉そうですが。ハハハ。

アニェラを演じるダヌタ・シャフラルスカはポーランドの伝説的な名女優だそうですが、
そんな情報は必要ありません。制作者である夫のカメラがとらえたモノクロームの映像は
限りなく美しく、彼女の立ち居振る舞い、たたずまいすべてに気品があって素晴らしいです。

典型的な“岩波ホール向き”の作品です。
「平日よりむしろ土・日のほうがすいています」と言われましたが、なかなか機会がなく、
上映終了が迫ったあるウイークデー、意を決して妻を誘って出かけました。
多少込んでいてもかまわないとおもっていましたが、予定時間の50分前に切符売り場に
着くと、なんと、「1回目のチケットは完売しました」という張り紙が…。
予告編を見たときから絶対見ると決めていた作品ですから、心底 ガッカリしました。

しかし、後日、再上映の予定を問い合わせると「予定はありません。新宿武蔵野館さんで
11日からやるようですよ」と、飛びきり嬉しい情報を教えてくれました。
それを早く言わんかい!!ハハハ。


「軽蔑」85

カズ(高良健吾)が仲間と歌舞伎町の“クラブ”を襲った。そこを舞台にした野球とばくで
カズは多額の借金を背負っていた。兄貴分から「あいつらは組を通さずにやってるんだ。
襲ったら、お前の借金はチャラにしてやる」とそそのかされたのだ。
店内をめちゃくちゃに破壊したカズは言われた通り高跳びを図る。
一人ではなく、店の花形ポールルダンサー、真知子(鈴木杏)の手をひいていた。
落ち着いた先は海辺の町、そこはカズの故郷だった。
いきなり女づれで舞い戻った息子に戸惑いつつ、不動産業などを手広く営む父親は2人に
マンションの一室を提供した。

仕事も見つかり、2人にとっては満ち足りた生活がスタートしたはずだったが…
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監督の狙いなのでしょうが、ラストカットの切れ方などは乱暴すぎて違和感がありました。
意図的に“手荒い”編集を選択していると思います。それでも、ラスト以外については、
不快ではありませんでした。72歳の年寄りですが、むしろ心地よいと感じました。ハハハ。

高良健吾は今売り出し中らしい存在感を見せています。どんな作品に出てもきらっと光る
ところを見せるのは大したものです。多くの人がそう思うでしょうが、目に力を感じます。
ひときわよかったのは初めて見た女優、鈴木杏の腹の据わった演技です。ほかの作品で
主役が獲れるかと聞かれれば難しいですが、ものによっては…

主役二人を除く俳優たち、大森南朋、小林薫、根岸季依、緑摩子…一筋縄ではいかない
顔ぶれを見ると、監督の“こだわり”が分かろうというものです。ハハハ。
短いカットをつなぎ合わせるのではなく、“長回し”の多い撮り方ですが、俳優たちが
立派に答えていると思いました。

評価は悩みましたが、俳優たちのこの作品への打ち込み方に惚れました。
少なくとも、同じハードボイルドでも、監督の“名声”が先行した「アウトレイジ」より
はるかにレベルが上の映画です。

「木洩れ日…」が80点で「軽蔑」が85点ですが、必ずしも作品としての値打ちを
あらわすものではありません。意味不明でしょうが、分からなくていいです。ハハハ。


「星守る犬」70

北海道旭川市郊外。山の中のキャンプ場近くで放置されたバンが見つかった。
さびついた車の中に白骨死体があり、そばで秋田犬が死んでいた。
死後半年、年齢は50歳ぐらいの男と推定されたが、犬は死後間もないことが分かった。
車体番号やナンバープレートを削ってまで身元を隠そうとした死者について、警察官や
市役所員たちは、「孤独な老人の行き倒れだ」と冷ややかだった。

いつも周囲から離れて過ごす傾向があるおとなしい奥津(玉山鉄二)の反応は違った。
無縁仏として事務的に処理しようとする同僚の対応を横目に、彼は急きょ、有休を取って
男の足取りをたどる旅に出た。バンの近くで拾った数枚のレシートを手掛かりに…。

泣くのを覚悟でハンカチを用意して出かけましたが、一滴も…。ハハハ。
脚本がおかしいです。
両親を早くに亡くし孤独に生きてきた奥津の人生と、職を失い、妻に去られた“お父さん”
(西田敏行)が愛犬・ハッピーと送った短い車上生活を重ね合わせようとしているのですが、
うまく“融合”していません。現在と過去の切り替え部分も、3人称で書かれていた小説が
いきなり1人称になったような、木に竹を接ぐような違和感があります。

「天気予報をお知らせします」という声がカーラジオから流れました。
ものすごくこまかい話ですが、おそらく、放送局と名がつくメディアが「天気予報を
“お知らせ”します」とアナウンスするところはないでしょう。
「天気予報です」あるいは「天気予報をお伝えします」と言っているはずです。
この脚本家はラジオを聞いたことがないのかもしれません。

“作戦”の失敗だったのではないでしょうか?
たぶん、“お父さんと犬”に絞りこんだロードムービーにしていたら、もっと、私の涙を
誘ったに違いありません。ハハハ。

70 星守る犬 リストラですべてを失った男と愛犬の旅 ハンカチを用意したが一滴も…
75 アリス・クリードの失踪 冒頭の十数分はテンポがあってOK…以後、ダレてしまった
85 軽蔑 役者たちの本気度が伝わって拾いものだった 長回しの演技でも見せていた
80 木漏れ日の家で 91歳の女優をきれいに撮ったモノクローム映像 心にしみる一作だ
60 ゲンスブールと女たち どうにもならなくて40分でギブ 本年初の途中退場作品
70 愛に勝利を ムッソリーニを一途に愛した女の絶望的な人生 わからん映画だった

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by toruiwa2010 | 2011-06-28 08:36 | 映画が好き | Comments(2)
Commented by 老・ましゃこ at 2011-06-28 12:33 x
『木洩れ日の家で』…を読んで改めて思いました…岩佐さんの映画レビューって、本当にいいですね(^^)
私としてはめずらしく(^^)レビューのほうを後に拝見することになりましたので、余計にそう思います。
Commented by toruiwa2010 at 2011-06-28 12:50
老・ましゃこ サン、こんにちは。
レビューをほめていただくとは
思いませんでした。割合好きなんですが
映画レビューの時はツイッター経由で
読んでくれる人が明らかに落ちるので
痛し痒しです。ハハハ。

「木洩れ日…」はいい映画でしたね。
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