ブログトップ | ログイン

岩佐徹のOFF-MIKE

toruiwa.exblog.jp

実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

Archives「本は我が分身だった~WOWOWの岩佐ですが なにか?~」11/08/07

d0164636_836480.jpg
40年以上、言葉を“道具”にして仕事をしましたが、しゃべるのと
書くのでは大変な違いがあります。
実況では、その場に最もふさわしい言葉を瞬間的に選択する作業の
繰り返しです。しかし、文章を書くときは、“推敲”という手順を
踏みます。刹那、刹那で勝負してきた者にとっては それが却って
“迷い”を生む原因になるのです。難しい。ハハハ。

頼まれて原稿を書くとき、生意気にも、必ず印刷前に見せてもらう
ようにしていました。字くばり、行替えが自分の感覚とずれると
耐えられないからです。
たとえば“耐えられないからです。”の“…です。”だけが次の行に
移ったり“耐えら”で行替えになるのは許せません。ハハハ。

違う言葉に置き換えたり、形容詞、副詞、修飾語などを追加して
“座り心地”がいい文章に直すのです。おそらく、自己満足でしか
ないのでしょうが、精神衛生上、とても大事なことなんです。
自費出版本「WOWOWの岩佐…」は、手間がかかりました。
“我が子同然”にいとしいです。


「MY BOOK 完了しましたが なにか?」2004.09.27


2002年の暮れに「WOWOWの岩佐ですが なにか?」を自費出版したとき、多くの方から
「ぜひ欲しい」と言っていただきました。残念なことに、印刷所のすみにあったものまで
かき集めても560冊ほどしかなくて、みなさんにお分けすることはできませんでした。
そこで、このHPをスタートしたときに、分割してアップすることを思いつきました。
ミスの訂正と写真を大幅に増やした以外は内容を変えずに再録しました。
「リーガ・ゲッツ!」で、長く中断しましたので、どれだけの方に読んでいただけたのか
定かではないのですが、今回のアップで最終回となり なにか借金を返したような気分です。
ハハハ。

更新のたびに、私も改めて目を通しました。なかなか面白い。ハハハ。
自分の気持ちにかなり忠実に書いたつもりでしたが、読み返してみると 本心を隠したり、
慎重に言葉を選んでいるところが結構あったりして、我ながらおかしいのです。どこかで
自分を抑えているのは「回りがあっての自分」という気持が無意識に働くのでしょうか。
もし2冊目を書くことがあればまちがいなく現役引退後でしょうし、もっと激しいものに
なるかもしれません。わあ、書きたいことがいっぱいあるなあ。ハハハ。
d0164636_8363481.jpg
いずれにしても、この本は私の分身です。
「本を出す」という、夢のような話が実現して、出来上がったものが手元に届いたときの
幸せな気持ちは忘れられません。しかも、差し上げたのが関係者と視聴者の方でしたから、
おおむね好評だったのもうれしかったです。世の中には、何十冊も出版する人がたくさん
いますが、彼らにはこの“幸せ感”はもう味わえないのでしょうね。気の毒に。ハハハ。

出版当時に多くの方からご感想をいただきましたが、去年の秋、早稲田の現役の学生から
突然メールが届きました。東北のTV局に、アナウンサーとして就職が決まっていた彼は、
通っているアナウンス学校でこの本を読んで、一度会いたいと思ったのだそうです。
しばらくしてから、会社で会いしました。1時間半ほど話をしましたが、書いてあることを
素直に受け入れてくれる若者が一人でもいたことに喜びがあり、「書いてよかった」という
思いがありました。

全米オープンから帰国したとき、その彼から残暑見舞いの葉書が来ていました。そこには
「入社して半年がたちます。その間に、ニュースから中継リポート、スポーツの実況と、
息つく暇なくさまざまな仕事をしてきました。とにかくがむしゃらに過ぎた春と夏でした。
失敗も多く、悔しい思いばかりなのですが、この日々を大切にしたいと思います」…と
書いてありました。41年前の自分を見る思いでした。

実は、会ったときにカセット・テープを預かりました。
学生時代に神宮で収録した野球の実況が入っているとのことでした。しかし、私は、結局
そのテープをほとんど聞かないまま返しました。「これから、プロとして仕事をする君の、
アマチュア時代の作品に何かを言うことは意味がないと思うから」と言葉を添えました。
書きませんでしたが、「学生時代のことは思い出として残しておけばいい。これからは、
“プロ”としての自覚をもって歩き出しなさい。そして、苦しいとき、悩んだときには
この本のことを思い出して欲しい」と言いたかったのです。
名のある作家の本や歌手の歌ほどの影響力は持ち得ませんが、少しでも参考になる部分が
あれば、こんなに嬉しいことはありません。
d0164636_837367.jpg
この本では、かなり自分をさらけ出しました。放送でしか、私を知らなかった方たちに、
放送以外の私についての“情報”をお知らせしたことになります。その結果、「なんだ、
そんな奴だったのか」とがっかりされた方もいらっしゃるはずです。それは、初めから
ある程度予想されたことでした。それを恐れて、当たり障りのないことだけを書く気は
ありませんでした。そのせいか、「書き切った」という思いがあります。
HPにアップしたことで、私に好意的でない方たちの目にも触れたはずですから、本当は、
そういう方たちの反応も聞きたかったのですが、例の騒ぎでそれどころではなくなって
しまったのが残念です。

いずれにしても、ご愛読いただいた皆さんには、心からお礼を申し上げます。
ありがとうございました。

まもなく、完成から9年になります。
私の手元に書き込みのある1冊、妻の本棚に3冊残るだけになりました。
実況やアナウンスについては、当ブログでもさんざん書いてきました。
いずれ時間ができたら、すべてをまとめようと思っています。


人気ブログランキングへ

d0164636_1032692.jpg
by toruiwa2010 | 2011-08-07 08:37 | 岩佐徹的考察 | Comments(4)
Commented by takutaku at 2011-08-09 09:00 x
はじめまして。 岩佐さんの本、いただいた者です。 写真にあるライオンズの切手を貼ったハガキは私が書いたものだと思います。 間違っていたらごめんなさい。 いただいた本は机の本棚にあり、今でも時々読み返します。 また岩佐さんからいただいたお葉書、大切に保管しています。 これからもブログでの健筆、期待しています。
Commented by toruiwa2010 at 2011-08-09 09:07
takutakuサン、おはようございます。

今でも大切にしていただいている由、
ありがとうございます。

封書の差出人は川口市の○川サンとなっています。
Commented by takutaku at 2011-08-09 09:15 x
申し訳ありません。 完全な勘違いでした。 当時、よく12球団マークの切手を使っていたものですから・・・ 思い込みは怖いですね。 これからも時々、お邪魔させていただきます。
Commented by toruiwa2010 at 2011-08-09 09:18
takutakuサン、思いこみは誰にでもありますから。

ライオンズの切手であることは間違いありません。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。