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岩佐徹のOFF-MIKE

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Archives 「用意した言葉、応援放送etc~NHKも変わったなあ~」11/09/03

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世界陸上も2日を残すだけになりました。
依然として、“ボルトの失格”を上回るインパクトはないまま、
終わってしまうのでしょうか。ガラガラのスタンドを見る度に
気持ちが盛り下がりますね。ハハハ。

実況が気になります。特に、目に余る日本人応援放送が…
採点種目なら分かりますが、ウソをついても、画面ではっきり
“劣勢”と分かってしまう“レースもの”で、順位を一つでも
上に言いたがる実況にはイライラします。
制作の指示もあるのでしょうが、見ていて白けます。
ふと、自分が今現役だったら…と考えてみますが、おそらく、
指示を守れず 外されたことでしょう。できないもの。ハハハ。

スポーツ実況のスタイルも時代とともに変化しています。
“あの”NHKでさえ…

「応援放送」08/10/20


当ブログでは、これまでに何度か書いていますが、NHKのアナウンサーの実況スタイルが
この10年ぐらいで大きく変わってきたと感じます。
“伝統”を引き継いで、オーソドックスな実況を聞かせたのは、WOWOWのテニス中継で
一緒に仕事をしたこともある島村俊治アナが最後ではないでしょうか?

用意した言葉

代表的なのは、アテネ・オリンピックの男子体操の団体戦を担当したKアナが放送の中に
“ちりばめた”言葉の数々です。
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特に、最後の冨田の演技が始まっている時の、「冨田が冨田であることを
証明すれば、日本は勝ちます」と、フィニッシュに入るところでの
「伸身の新月面が描く放物線は栄光への架け橋」には、大きな疑問があります。
「ああ、黙った方がいいのになあ」と思いました。
私だったら、演技の前に「普通の演技ができれば、金メダルは確実です」、
フィニッシュに入る直前には「さあ、フィニッシュです」の一言だけにして、
着地のあとは歓声が一段落するまで黙ったでしょう。
(岩佐徹のon-air/off-air 2004.8.18「気持ちいいッ!」)


…世間では“名実況”とされているだけに、このエントリーを書くのは、少々“勇気”が
必要でした。ハハハ。
HPへの反応を見る限り、彼の実況に対しても、この記事に対しても“賛否両論”でした。
私に対する“遠慮”を割り引くと、この放送に対する世間の支持はやはり高かったのだと
思わなければいけないでしょう。
ご本人は「演技中に考えたコメントだ」と話しているようです。そう“かも”しれません。
しかし、NHKがこのオリンピックのテーマ曲に使っていた、ゆずの「栄光への架け橋」を
しっかり踏まえていることなどを考えると、私の経験では、それは“不可能”なことです。

オリンピックのあとの大相撲9月場所千秋楽で正面の実況を任されていたところを見ると、
きっと、NHK内の評価もよかったのでしょう。 しかし、結びの一番、朝青龍と魁皇戦で
立会いの一言を聞いた時には思わず笑ってしまいました。 
12勝をあげ、すでに優勝を決めていた魁皇でしたが、次の場所で横綱を狙うためには、
もう一番勝っておきたいところでした。それを踏まえて、これも、事前に用意されたに
違いない一言が立会いの一瞬に合わせて放たれたのです。

「13勝での優勝は、ツナ取りへの架け橋だ」!!
見事な“確信犯”というべきでしょう。ハハハ。
これも、そのときに思いついたと言うなら、脱帽です。間違いなく“史上最強”アナです。

くどいようですが、スポーツの感動は試合やプレーそのものの中にあるのです。
「言葉で盛り上げよう」という考え方は、必ずしも視聴者の共感を得られません。むしろ、
邪魔だと感じることが多いことを知るべきです。
人の心を捉えるのは、ゲームの中でドラマチックな場面が生まれた瞬間に、とっさに出る、
的確にそのプレーをたたえ、その場を支配する“空気”を伝える言葉ではないでしょうか。
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脈々と続く今の流れを作ったのはサッカーで“名言”を量産したYアナでしょう。
多くのファンが喝采を送り、Yアナは特別な存在になっていきました。
言葉が、視聴者との間で“共感”できるものであるうちはいいと思います。
しかし、Yアナもそうであったように、続けているうちに必ず、“無理”が出てきます。
そこでやめられればいいのですが、これがなかなか….ハハハ。

この間、きっと、NHKのアナウンサーの間にもいろいろな意見があっただろうと思います。
“気恥ずかしい”、“照れくさい”と考えるアナもいるはずです。
本心をいえば、もう一歩進んで、“実況の本来のあり方ではないから、やりたくない”と
思ってほしいのですが。ハハハ。

しかし、民放にくらべると、NHKは先輩-後輩の関係がきびしいようです。昔ほどでは
ないものの、取材現場の先輩の横で“かしこまっている”若手をよく見かけます。
そんな環境の中で、若い人たちが、知らぬうちに先輩の“真似”をしてしまうのは自然の
成り行きかもしれません。しかも、うまく決まって視聴者からの評判もよかったりすると、
“病み付き”になります。
ビッグ・イベントのたびに、担当アナが用意されたコメントをしゃべりだすと「ああ…、
また始まったよ」と“落ち込んで”しまいます。ハハハ。
一方で、支持する人が大勢いることも承知しています。要は、“ほどほど”ということでは
ないでしょうか。

どうも、こういう話になると長くなる傾向があります。ハハハ。
以下、また明日。

つづく…


…つづき

あからさまな応援放送


WOWOWテニスの実況には14年間 かかわりました。
初期のころをのぞいて、日本人選手の試合を担当することはほとんどありませんでした。
担当すると、伊達公子にしても松岡修造にしても、負けることが多かったからです。
私の考え方とは違いますが、WOWOWは日本人選手が勝ち進んだほうがありがたい
わけですから、ちょっと“まずい”のです。ハハハ。
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もちろん、“たまたま”に過ぎないことは分かっているのですが、“ゲン”を担ぐ意味でも
遠慮するほうがいいだろうと判断して、若いアナウンサーにゆずりました。
「世界のテニスを見せなければいけないのに」という思いにとらわれながらの実況より、
若い人たちがそれなりに割り切って“松岡(伊達)がんばれ”的な放送をするほうが、
きっと、「日本人を見たい」とおっしゃる視聴者にも“受け”がいいだろうとも考えました。

日本人ですから、世界の舞台で日本人選手が活躍するのは、それがどんな競技でも
うれしいとは思います。しかし、実況者として、試合を伝える立場の“プロ”としては
“応援放送”をすることには強い抵抗があります。
聞いているのは日本人ですから、どんなに露骨な“ニッポン、チャ・チャ・チャ”的な
放送をしても文句は出ないでしょう。サッカーで南米のアナウンサーが見せる熱狂的な
実況が、わが同僚たちとはくらべようもないほど“熱い”ことはよく知られています。
ですから、“応援放送”を全否定するつもりはありません。ただ、自分がやるかとなると
どうしても、“わざとらしい”放送になってしまうのです。ハハハ。
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そんな私は、最近の「メジャー・リーグ中継」にはうんざりしています。
日本人メジャー・リーガーの打席のたびに、あるいは松坂や岡島なら、彼らがマウンドに
上がるたびに、かなりあからさまな“応援実況”をやってはばかりません。イチローの
ヒット性の当たりが相手のグラブに納まったり松坂が大きな当たりを打たれたりすると、
“悲鳴”が上がることさえあるのはいささか異常なことだと思います。ハハハ。

NHKとして、日本人選手がこれだけ多くなったメジャーは強力なコンテンツでしょう。
これを武器にして、衛星放送の契約を増やそう、そのためには、メジャーでプレーする
日本人を前面に出していこう…と考えただろうことは容易に想像できます。
しかし、それと“応援”は、どう考えても結びつきません。コメンタリーが応援すれば、
選手がいいプレーをするというわけではないでしょう。
誰に遠慮しているのかミスを指摘せず、誰のごきげん伺いをしているのか、ちょっとした
プレーでもほめるのを聞くことが“しばしば”です。
「打たれましたが、次につながる投球だった」、「ヒットにはならなかったが、内容のある
バッティングだった」…口にしていて、恥ずかしくないのだろうか、と思います。
実況は実況の、解説は解説の仕事をほぼ放棄しているように見えます。

“応援”は、見ている者がすればいいのではないですか?

絶叫中継

NHKのスポーツ実況で決定的に変わったのは、高校野球、大相撲、サッカーなどで際どい
シーンになったとき けたたましい声で絶叫するアナが、特に若い人に増えたことでしょう。
私たちの世代から上のNHKの先輩たちは、ここという場面では逆に声のトーンを抑えて
しゃべっていたような印象があります。それで、十分だったのです。
もちろん、実況のあるべき姿は、決してひとつではありませんから、絶叫も“全否定”
するつもりはありません。
応援も絶叫も、視聴者の気持ちと完全にシンクロすれば問題はまったくないと思います。
ただし、それはかなり難しいことでしょう。

絶叫の理由はいくつか考えられます。
・かっこいいと思っている
・視聴者の共感を得ていると思っている
・盛り上げる方法をほかに知らない
・この場面を伝えるにはこれ以外にないと思っている…
・局の方針に従っている


“絶叫”の怖いところは、さよなら・ホームランや決勝ゴールなど劇的な場面やプレーを
精一杯張った声でうまく描写できたときの快感は病みつきになることです。ハハハ。
それは、“用意した言葉”と同じで“麻薬”だと思わなければいけません。
立会いの変化やはたき込み(相撲)、ラボーナやバイシクル・キック(サッカー)、スロー・
カーブやセーフティー・バント(野球)、ドロップ・ショットや股抜きショット(テニス)…
どんなスポーツにも、多少、危険はあるけどうまく決まったら“してやったり”という
気持ちになれるプレーがありますが、一度、成功するとその“誘惑”に打ち勝つことが
難しい点で共通するものがあります。

用意された言葉、あからさまな応援放送、絶叫中継…どれも、「何とかいい放送をしたい」、
「視聴者に受けたい」、「かっこいいと思われたい」という気持ちの表れでしょうから、
若いうちは仕方がないと思います。ただし、私個人は好きではありません。
やろうと思えば、できるでしょう。
“言葉を用意する”ことなどは、やれば、かなり得意な分野だろうと思います。しかし、
自分のスタイルとは違いすぎますし、なんとなく“恥ずかしくて”できません。ハハハ。

アナウンサーではありませんが、ついでに書いておきます。
野球中継に登場する解説者たち、イニシャルで言えば奇しくもT、I、M(ハハハ)…みんな、
どうしようもなく暗い!
「面白くないならやめれば?」と言いたくなります。スポーツは明るくなくては、ね。
見ている者の気持ちを沈ませてどうするの?

そうかと思えば、先週の日本オープン・ゴルフの優勝インタビューで片山晋呉に向かって
「…ゴルフを“見して”もらいました」と質問したアナウンサーがいたのには驚きました。

いろいろな意味で、NHKは確実に変わっているようです。ハハハ。

2度に分けたものを“一挙掲載”します。長くて恐縮ですが、
どうせ台風でどこへも出かけられないでしょう?
ちなみに、明日も長いです。ハハハ。


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by toruiwa2010 | 2011-09-03 08:35 | 放送全般 | Comments(13)
Commented by ルナパーク@つくば at 2011-09-03 08:56 x
ブログ拝見いたしました。
島村アナの野球実況はJスポーツでプロアマの試合ともに拝聴していますが、語り口とともに経験・知識が素晴らしく、それでいておしつけがましくないところがとても好きです。
ご指摘のあったY氏K氏ともに解説委員になっているのは、やはりそういう世界ということでしょうか。。。
仕込みもそれは大事でしょうが、深い経験・知識に裏打ちされた光る言葉の方が私は好きですね。
Commented by toruiwa2010 at 2011-09-03 09:17
ルナパーク@つくば サン、おはようございます。

ご指摘のあったY氏K氏ともに解説委員になっているのは、
やはりそういう世界ということでしょうか。。。・・・

現場主義かどうかということかもしれません。
官僚主義的な組織のようですから。ハハハ。
Commented by ウナギイヌ at 2011-09-03 09:58 x
冒頭の「盛り下がります」という言葉について一言。最近「盛り下がる」という言葉を見かけることが結構ありますが、私は日本語としておかしいと思います。「盛る」という言葉には「上げる」ということが含まれているので、「盛り下がる」はありえないと思われます。それは「積み上がる」とは言っても、「積み下がる」とは言わないのと同じだと思います。
Commented by toruiwa2010 at 2011-09-03 10:09
ウナギイヌさん、こんにちは。

言葉についてどう考えるかは
人それぞれですから、議論する気は
ありません。
意見として承っておきます。

ちなみに、私も放送では使いません。ハハハ。
Commented by しょう at 2011-09-03 10:25 x
岩佐さん、おはようございます。

応援放送の度が過ぎると、
その選手と世界レベルとの差が誤って伝えられてしまう恐れがあると思います。
例えばテニスの錦織選手。
テニスに詳しい人ならトップとどれくらいの差があるか分かるのですが、
そう言った知識がないファンの方からしてみれば、
煽られたあげくトップレベル!と誤認してしまい、
負ければ「なーんだ弱いし負けてばかりじゃん」とモチベーションが下がる。
結果ファン離れにも繋がるような気がします。

絶叫中継の悪しき流れは早く断ち切ってほしいですね。
昨日の女子やり投げや男子走り幅跳び(同じアナでしたか?)、
テレビ画面の前で「うるさい!」とコチラが叫んでしまいましたよ(笑)。
視聴者は置いてきぼりですね。
本当に止めてもらいたいです。興ざめです。

感情に任せて叫ぶことと、日本人応援放送が優先されて、
正確な情報を伝えられなくなっていると思うのは気のせいでしょうか。
Commented by toruiwa2010 at 2011-09-03 11:01
しょうサン、こんにちは。

あおるだけあおっておいて、負けると
「がんばった」ではねえ。

感情に任せて叫ぶことと、日本人応援放送が
優先されて、正確な情報を伝えられなくなって
いると思うのは気のせいでしょうか・・・

気のせいじゃなくて、まさにその通りだと思いますよ。
Commented by akapon at 2011-09-03 22:22 x
鈴木文弥アナからのNHKサッカーを見て&聞いている者として、Yアナ以降の
現在NHKのエースである野地アナの、特に「か行」の「濁音」が気になって
仕方が無いです。「イグー!」とかカ行がどうしても耳について・・・
昔の解説の岡野氏のように、当時の時代を反映してはいますが、皆にわかる
ような解説を丁寧にしてくださった時代、そしてテレ東の金子アナとのコンビが
我がサッカー人生に大きな影響を与えました。
テニスにおいてのWOWOWの岩佐さんと柳さんのコンビのように!
Commented by toruiwa2010 at 2011-09-03 22:46
akaponさん、こんばんは。

サッカーについての知識・情報は今のほうがはるかに
上ですけどね。文弥さんや金子さんの時代はほかに
いなかった・・という事情もこれあり。
Commented by akapon at 2011-09-03 23:50 x
こんばんは。
たしかに文弥さんや金子さんと現在とを比べることはできませんね。

それにしても早野さん、サタデースポーツでもしつこく「川澄のかわす身・・・」を
再度言ってましたね。野地さんにスルーされたから狙ってたのでしょうかw
それを受けるほうのNHKアナも大変ですね(笑)
Commented by kei2013 at 2011-09-04 01:57 x
私は例のテレビ局の問題のときから岩佐さんのブログを読み始めたものです.あのときはコメント量も異常で覚えていらっしゃらないかもしれないので改めてごあいさつします.20代 大学院生 工学系のものです.

あれからも岩佐さんのブログは興味深く拝見させていただいていますが,今回のスポーツ実況に関しては8割近く同意します.スポーツなので見ていて熱くなってしまうのは分かるのですが,やはり純粋に試合を見たい人にとっては絶叫のような実況は時には邪魔とさえ言いたくなることもあります...中立性を保ちながらも素晴らしい物は素晴らしいと言えるそんな実況でスポーツは楽しみたいですね.

文章が下手ですみません.これからのためにも練習します.言いたいことが伝わると良いのですが...
Commented by toruiwa2010 at 2011-09-04 06:32
kei2013 さん、おはようございます。

あの騒ぎの中で読み始めて、今も残っている…
奇跡と呼ぶべきかもしれません。ハハハ。

8割同意…ははーん、私が上げたアナウンサーの中に
好きだった、あるいは今も好きなアナがいるわけですね。
ハハハ。

スポーツ実況の善し悪しを決める絶対的な物差しは
ありません。最後は「好み」がものを言います。
ですから、2割は意見が一致しなくても当然だと思います。

時々感想を聞かせてください。
Commented by kei2013 at 2011-09-04 23:28 x
toruiwa2010さん。、こんばんは。

「8割同意」と書いたのは私の理解できる領域の外のお話が入っていたことに起因しているんです。具体的には民放とNHKの中身の違いですね。素人の私にはちょっと分からなかったもので...なので「9.5割同意」と書いても問題ないかもしれません。

意外と今もあの騒ぎの中から読み続けている人はいらっしゃるのではないでしょうか(まぁネタ探しのつもりの人もいるでしょうが...)。

私は、あれから例の記事だけではなく、それ以前の記事から現在に至るまで(全てではないですが)ブログを読ませていただいた結果.共感、納得できる記事も多くあったので現在でも読ませていただいています.これからも楽しみにしています.

(ときには反対意見でコメントもする事もあるかもしれませんが、できるだけ失礼にならないようにしますので是非お相手していただけたらと思います。)
Commented by toruiwa2010 at 2011-09-05 08:43
kei2013サン、おはようございます。
8割の件、了解しました。

思ったことのあまりブレーキをかけずに書いていますから
気に入らない記事もあるはずです。
読みすぎに注意、とみなさんに言っているゆえんです。
ハハハ。
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