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岩佐徹のOFF-MIKE

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「Pete Sampras d.Andre Agassi~連続TBに沸いたあの試合…~」11/09/08

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ハリケーン“アイリーン”の直撃をうまくかわして始まった今年の全米オープンは後半に
なって天候が崩れているようですね。このままでいくと、終盤の日程が厳しくなります。
大会側はどうしても日曜日にすべてを終えたいでしょうから、男子のボトム・ハーフは
木曜日から4日間連続で試合をすることになりそうです。

昨日は、女子QFの話を書きました。今日は男子のQFについて…

2001 US Open Men’s QF
Pete Sampras d.Andre Agassi 67(7)/ 76(2)/76(2)/76(5)


テニス・ファンと自称する人なら、この試合のことは必ず覚えているはずです。
これを知らなかったら、ファンなんて言わせません。ハハハ。

2人とも30歳を超え、アガシはまだトップの力を維持していましたが、サンプラスには
“引退”の2文字がささやかれていました。
そうは言っても、グランド・スラム史上最多の通算13勝(当時)を挙げていたサンプラスと
わずか5人(当時)しかいなかった生涯グランド・スラマー、アガシの対戦です。
この二人がグランド・スラムのQFで顔が合う…という事実に、若手の時代からトップに
駆け上がって行くまでを見守った者としては複雑な心境でした。

もっとも、地元の全米オープンでしたから、ファンもマスコミも私のセンチメンタルな
感情などいっさいお構いなし、当日は朝から大変な盛り上がりを見せていました。ハハハ。
もちろん、私自身にとっても この2人の対戦を実況するのはテニス・アナとしては最高の
仕事でしたから、気合が入っていました。大きな大会でこのカードが実現するチャンスは
だんだん少なくなっていましたからなおさらです。

2人は幼いときからテニスを通して互いを知っていました。
“陰と陽”ほどではありませんが、口数少なく余計なことは言わない男と、目立つことが
大好きで思ったことは口にするタイプの男…性格的には正反対に近い二人でした。
私の印象では、初めのうち、あまりにも性格が違うためにアガシの方が“敬遠”している
ように見えました。しかし、サンプラスが1990年の全米で先にグランド・スラムを獲り、
No1にもなったあたりから、むしろいい友人関係を築いていったように思います。
それはとりもなおさず、アガシが素直に相手を認めリスペクトを示したからでしょう。
決してべたべたした関係ではありませんでしたが、ツアーでトップを争う2人としては
珍しい友人関係でした。
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同時に、プレー・スタイルが対照的だったことも含めて これ以上はないライバル関係でも
あったのです。「2人でコートに出て行くとき、電気が走るんだ」と口をそろえていました。
それが、このライバルリーのすべてを物語っていたような気がします。

Head to Head Sampras 20-14 Agassi

1989 Rome AGASSI 6-2 6-1
1990 Philadelphia SAMPRAS 5-7 7-5 ret
1990 U.S. Open SAMPRAS 6-4 6-3 6-2
1990 ATP Finals AGASSI 6-4 6-2
1991 ATP Finals SAMPRAS 6-3 1-6 6-3
1992 Atlanta AGASSI 7-5 6-4
1992 French Open AGASSI 7-6 6-2 6-1
1993 Wimbledon SAMPRAS 6-2 6-2 3-6 3-6 6-4
1994 Key Biscayne SAMPRAS 5-7 6-3 6-3
1994 Osaka SAMPRAS 6-3 6-1
1994 Paris Indoor AGASSI 7-6 7-5
1994 ATP Finals SAMPRAS 4-6 7-6 6-3
1995 Australian Open AGASSI 4-6 6-1 7-6(6) 6-4
1995 Indian Wells SAMPRAS 7-5 6-3 7-5
1995 Key Biscayne AGASSI 3-6 6-2 7-6
1995 Canadian Open AGASSI 3-6 6-2 6-3
1995 U.S. Open SAMPRAS6-4 6-3 4-6 7-5
1996 San Jose SAMPRAS 6-2 6-3
1996 Stuttgart Indoor SAMPRAS 6-4 6-1
1996 ATP Finals SAMPRAS 6-2 6-1
1998 San Jose AGASSI 6-2 6-4
1998 Monte Carlo SAMPRAS 6-4 7-5
1998 Canadian Open AGASSI 6-7 6-1 6-2
1999 Wimbledon SAMPRAS 6-3 6-4 7-5
1999 Los Angeles SAMPRAS 7-6 7-6
1999 Cincinnati SAMPRAS 7-6 6-3
1999 ATP Finals AGASSI 6-2 6-2
1999 ATP Finals SAMPRAS 6-1 7-5 6-4
2000 Australian Open AGASSI 6-4 3-6 6-7(0) 7-6(5) 6-1
2001 Indian Wells AGASSI 7-6(5) 7-5 6-1
2001 Los Angeles AGASSI 6-4 6-2
2001 U.S. Open SAMPRAS 6-7(7) 7-6(2) 7-6(2) 7-6(5)
2002 Houston SAMPRAS 6-1 7-5
2002 U.S. Open SAMPRAS 6-3 6-4 5-7 6-4

10数試合を実況する幸運に恵まれましたが、どれもスコア以上に内容の濃い試合でした。
とくに、1ポイント1ポイント、手に汗を握った1995年全米決勝と並んで4セットともに
タイブレークになったこの2001年全米QF、最後の対戦になった2002年全米決勝…
この3試合は、今でもまぶたを閉じれば激しかった二人のプレーが浮かんできます。

取り上げた試合では1-3セット連続でタイブレークのあと、第4セットもタイブレークに
なることが決まったとき、スタンドが総立ちになった光景が目に焼き付いています。
スタンディング・オベーションはいつ見ても感動しますが、このときはざわざわっと音を
立てるように鳥肌が立ったことを思い出します。***
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“がっぷり四つ”という言葉がこれほどピッタリくる試合もないのではないでしょうか。
ファースト・ポイントから終了まで緊迫感が満ちていました。ファイン・ショットが続き、
両者ともに、一度もサーブを落とさないまま試合が終わりました。勝ったサンプラスが
アガシに与えたブレーク・ポイントはわずかに3本でした!
2人合わせてトータル・ポイントは338、ウィナーが178本、エラーは59本しかなかった
この試合は“QF”だったにもかかわらず、多くのテニス関係者が全米オープン史上最高の
試合の一つに挙げています。

こういう試合を実況したあとは体内を激しくアドレナリンが駆け巡ります。ハハハ。
その興奮を引きずったまま控室に戻ったとき、迎えるスタッフの目がうるんでいました。
彼らも試合の終盤をスタンドで見たのだそうです。普段は、それぞれの持ち場を離れる
ことなどめったにないのですが、このときはプロデューサーから粋な許可が出たのです。

メジャーのワールド・シリーズ、バレーボールのワールド・カップ、ボクシングの世界
タイトル・マッチ、ミラン・ダービー、UCL、EUROと、さまざまな種目で最高レベルの
試合を実況しましたが、終わったときに これほど満足感に包まれた試合はそんなに多くは
ありません。そして、全米の歴史に残る試合を制したサンプラスが決勝でヒューイットに
完敗したこと、大会終了後にあの同時多発テロが起きたこと…この年の全米オープンは
忘れがたいものになりました。
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第4セットのタイブレークに入る直前、2人がプレーを始める構えに入っている中で1分間
続いたスタンディング・オベーションは前例のないものでした。
スポーツの感動はプレーそのものの中にある…それが私の持論です。
しかし、ときに 思いがけない場面で感動を覚えることもあります。このオベーションは
間違いなくその一つです。
「身震いがしたよ。あんなことは経験したことがなかったね」とアガシは話しています。
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再放送しないかな、WOWOW。
あの試合は10年後の今でも見せる価値があると思うけどな。特に、“昨日今日”のテニス・
ファンに、“大人のテニス”とはこういうものだと分かってもらうには絶好だと。ハハハ。

***はいはい、“鳥肌が立つ”は恐ろしい思いをしたときの表現…と、ものの本に
書いてあることは知ってます。でもね。でも、このときは素晴らしい感動の中で
“実際に”鳥肌が立ったんですから。ハハハ。

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by toruiwa2010 | 2011-09-08 08:39 | テニス | Comments(10)
Commented by kao at 2011-09-08 11:54 x
岩佐さんこんにちは。
読み進んでいくうちに目がウルウルです・・・本当にサンプラスとアガシの試合はいつも感動でした。それと同時に切なくもあり・・どちらにも勝ってもらいたいと思いながら観ていたのは、後にも先にも2人以外にはいませんでした。久しぶりに思い出させてもらい嬉しいです^^
岩佐さんありがとうございます!!
本当にwowow再放送してくれないかな・・・?ですね^^
Commented by toruiwa2010 at 2011-09-08 15:06
kaoさん、こんにちは。

マッケンロー・コナーズ、ボルグ・マッケンロー、
エバート・ナブラチロワ…の全盛期を知りませんから
この二人のライバルリー以上のものは想像が
つきませんね。
Commented by ヤップンヤン at 2011-09-08 17:00 x
確かこの試合で、サンプラスが「ゾーンに入った」という言葉を使っていて、ゾーンにはこういう意味もあったのかと勉強になったのを覚えています。
岩佐さんもこの試合はゾーンに入った実況だったのではないですか?
Commented by toruiwa2010 at 2011-09-08 17:25
ヤップンヤンさん、こんにちは。

ゾーン…すくなくとも私は違いますね。
実況そのもはそれほど上出来ではなかったと
記憶しています。実況はアドリブなので、どこかで
ミスがあってなかなか、納得できないものなんです。
Commented by たばっち at 2011-09-08 18:23 x
岩佐さんテニスネタありがとうございます。
あの試合、録画してましたがプレーヤーを替えたところ再生出来ませんでした…シクシク
岩佐さんの力でWOWOW再放送 とか出来ませんかねぇ~
あと、サンプラスの引退セレモニーも再放送お願いしたいです。
Commented by toruiwa2010 at 2011-09-08 18:32
たばっちサン、こんばんは。

残念ですが、再放送させる力など持っていません。
皆さんの声が集まれば、動くかも。頑張って。ハハハ。
Commented by オオソネ at 2011-09-08 23:20 x
こんばんは、岩佐さん。
この試合ははっきりと覚えています。80年代後半からテニスを見てますが、その中でも印象深い試合のTOP3に入ります。
残念なことにVHSでしか、しかもファーストポイントが終った直後からしか録画できていないのです(笑)
さすがにノイズも酷くなってきましたし、再放送しないかな、WOWOW。
Commented by jerry at 2011-09-09 00:29 x

岩佐さん、こんばんは。

この試合はライブで見ていました。
私はサンプラスのファンで、この頃は成績が奮わなかった事もあり勝ってほしい!と祈りながら見ていましたが、アガシへの敬意もあり複雑な気持ちでした。

この2人がコートに立つだけでも特別な空気を感じましたが、この試合は本当に痺れました。

アメリカは好きな国ではありませんが、この素晴らしいプレーに素直に賛辞を送ることの出来るアメリカ人もまた、素晴らしいと思いました。

数年前のWOWOWの全米テニスで、雨での中断中か中止になったのかは忘れましたがこの試合を流していました。
幸運にも録画していたので、DVDに落しました。
本当に素晴らしい試合です。

Commented by H.N. at 2011-09-09 02:34 x
2001年の全米準々決勝からもう10年ですか。名勝負は名勝負なのですが、アガシファンとしてはアガシが負けたショックと、タイブレークが全てあまり競らなかったこと、アガシに勝ったのにサンプラスが優勝しなかったこと…等で、それ程良い記憶に残ってはいません。すみません。
僕の中でのベストマッチは2000年全豪準決勝です!第4セットのタイブレークは本当に素晴らしい内容でマジで震えました。岩佐さんが実況されてたのではと記憶しますが、間違ってたらごめんなさい。後は1995年の全豪決勝、2002年全米決勝が最高でしたね。二人が対戦するだけでも本当にワクワクしましたが、サンプラス派かアガシ派かで思い出深い試合は違ってくるんでしょうねー。
しかし岩佐さん情報で一番ビックリしたのが1994年大阪で二人が対戦していたこと!いやービックリしました。大阪でこんな歴史的なカードが実現していたとは。貴重な情報ありがとうございます!!!
Commented by toruiwa2010 at 2011-09-09 06:41
昨日の“深夜”にコメントをいただいたみなさん、
ありがとうございました。
さすがにあの試合は多くの人の記憶の中に残っているようですね。
私も、実況者としてかかわれたのは幸せなことだと思います。
書きましたが、今はあまり見られない大人の試合でしたね。
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