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岩佐徹のOFF-MIKE

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「未来を…」Yes「朱花の…」No~あまり話題になっていないけれど…~」11/09/16

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「未来を生きる君たちへ」85

アフリカ。
難民キャンプのテントを縫うように軽トラックが土煙を上げて走って行く。
歓声を上げながら大勢の子供たちがあとを追う。
荷台には数人の黒人と一人の白人が乗っていた。白人はアントン、医師だった。
忙しく働く彼のところに腹を切り裂かれた妊婦が運ばれてきた。ビッグマンの仕業だ。

ロンドン。
教会で葬儀が営まれていた。母のひつぎの前でクリスチャンが詩を朗読している。
式のあと、クリスチャンは父・クラウスとともに祖母が住むデンマークに移り、新しい
学校に通い始めた。そこでいじめに遭っているエリアスと親友になる…
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帰宅してから、英語のタイトルが「In a Better World」だったことを知りました。
それで、こんな邦題になった理由が分かった気がします。もともとの題名は「Haevnen」、
デンマーク語で“復讐”を意味する言葉だそうです。
「未来を生きる君たちへ」では、映画の内容にピッタリ合っていないと思います。
こんなタイトルにしたことを制作者は知っているのかなあ、と妙なことが気になりました。

スウェーデン出身の女流監督、スサンネ・ビアが また いい作品を撮りましたね。
「ある愛の風景」「アフター・ウェディング」「悲しみが乾くまで」に次いで 彼女の作品を
見るのは4本目ですが、どれも心に残るものばかりです。
気持ちが明るくなる映画ではない、と分かっていても見に行かずにはいられません。

映画の中には さまざまな対立や憎しみが描かれています。
それを許す(赦す)かどうか、アントンの生き方が象徴するように、許すならどのように…が
監督の描きたかったことなのでしょう。よく伝わりました。
ただ一点、クリスチャンという少年の心模様が最後までよく理解できませんでした。
何が彼にそんな行動を取らせるのか、についての説明が十分ではありません。
「自分で考えろ」と言われると、私はギブアップです。ハハハ。


「ペーパーバード」85

内戦中のマドリードでも喜劇役者・ホルへは妻と息子の3人で幸せな生活を送っていた。
しかし、ある日の爆撃で家も家族を失う。1年の空白ののちマドリードに戻ったホルへには
“反フランコ”の危険人物として監視の目が注がれていた…
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小品ですが、いいと思います。
スペインの歴史を知らないと分かりにくいところもありますが、ホルヘが所属する劇団の
日常がほほえましく描かれていて、楽しめます。
最後の数分がグッときます。その直前、「えっ、どうして?」と思わせておいてラスト・
シーンにこんな演出をするなんてなかなか憎いです。やられました。ハハハ。


「朱花(はねづ)の月」70

タウン誌の編集者、哲也(明川哲也)と奈良で暮らす染色家の加夜子(大島葉子)には心を
通わせる男がいた。木工作家の拓未(こみずとうた)だ…
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河瀬直美監督はWOWOW社員と結婚したこともあるのでずっと気になっていました。
「萌の朱雀(もえのすざく)」、「殯の森(もがりのもり)」、「玄牝(げんぴん)」…少し気取った、
そして、分かりにくいタイトルも。ハハハ。

実際に作品を見たのは初めてです。
ほかの作品は分かりませんが、これはダメ…でした。
強力な指向性を持つマイクを使っているはずですが、セリフがよく聞こえません。たぶん、
監督は、できるだけ自然の会話に近いトーン&ボリュームで…という意図なのでしょう。
しかし、わざと聞こえないように話していると思ってしまうほどで、あざとく感じました。

惚れこんでいる土地だけに、監督自身が撮影したという奈良の風景は美しいものでした。
しかし、三脚を使った部分は問題ないとして 手持ちの映像はかなりぶれて不快でした。
加夜子の揺れる心、ときの移ろい、命の危うさ…“狙い”はあるのでしょう。
解釈は観客に任せるということだと思いますが、それほど効果的だったとは思いません。

突然 現れ、たいした説明もなく物語に割り込んでくる先祖の霊もうっとうしいものでした。
食事をする場面で食べ物がほとんど映らないなど 見たいものを見せないカメラワークや
中途半端な構図なども、すべて監督の意図によるものでしょう。
大和三山を現代の男女に置き換えて、二人の男が一人の女を奪い合う…そんなイメージで
撮られた映画のようですが、男たちが女を“奪い合って”いるようには見えませんでした。
内面に葛藤があることは分かりますが、そこは描けていません。
そして訪れるカタストロフィはあまりにも唐突でした。

おそらく、「あれがいい」と言う人も多いのでしょうが、聞きとりにくいエロキューション
(セリフ回し)、カメラの手ぶれ、首を傾げたくなるカメラワーク、分かりにくい亡霊の登場…
トータルで言うなら、“監督の独りよがり”の印象がぬぐえません。

加夜子が染めた ピンクに近い朱色のスカーフが鮮やかでした。
樹木希林のうまさにまた唸りました。そして、ほんの数分の出番でしたが、西川のりおの
起用はヒットだと思います。顔をはっきり写さなかったことを含めて。ハハハ。

85 未来に生きる君たちへ ビア監督の作品にはいつも惹かれる 明るい映画は少ないが
65 ハウスメイド いったい何世紀の話なんだろうと思った 時代錯誤についていけない
75 ライフ 超高速カメラの映像は確かに美しいが似たようなものを見たものも半分ぐらい
85 ペーパーバード スリルをはらみながら進む話が面白い ラストシーンがなかなかだ
70 朱花の月 監督の狙いが逆に“あざとく”見える 独りよがりの印象はまぬかれない
75 パレルモ・シューティング 苦手だ 女優G・メッツォジョルノがいなければ70点

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by toruiwa2010 | 2011-09-16 09:58 | 映画が好き | Comments(4)
Commented by あおき at 2011-09-16 21:38 x
洋画は邦題でイメージが全く違う時が有りますよね。
配給会社もそれを恐れてか、長いタイトルでもカタカナで済ませる場合が見受けられます。
ライフが気になってるんですけど、他の方の感想でも岩佐さんと同様なので・・なかなか・・寝てしまうかなとも思ってしまい。
Commented by toruiwa2010 at 2011-09-17 13:21
あおきサン、こんばんは。

いつもぐちゃぐちゃ、文句ばかり言ってますが、
邦題のつけかたが難しいのも事実なわけで。

ライフ…割引が使える日なら損はしません。ハハハ。
Commented by しょう at 2011-09-17 23:12 x
岩佐さん、こんばんは。

映画は誰のためのモノなのでしょうね。
入場料をとって興行しているという側面から見ると、
観客に喜んでもらえるものを創るのが正しいのでしょうが、
芸術作品であるという側面から見ると、
監督が思い描くモノを思い通りに映像化するのは当然だ、とも思います。

現在は入場料が決められていますが、
観賞後に観客が「これくらいの価値」
と思った料金を自由に払うシステムにすれば、
面白いのではないかと感じました。

きっとアカデミー賞の結果とは
乖離した結果になるのではないでしょうか(笑)。
Commented by toruiwa2010 at 2011-09-18 07:20
しょうサン、おはようございます。

見る側の気持ちとしては、考えさせられるのはOKでも、
頭が混乱するようなものはカンベン・・・ですよね。
でも、作る側は、“芸術”だから、自分の表現したいものを
したいように作ってどこが悪い・・・ということになるのでしょう。

レビューする者にとっては、分からんものは評価せん。ハハハ。
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