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岩佐徹のOFF-MIKE

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実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

「ゴースト…」と「大鹿村…」がトップ~「エンディング…」に特別賞を~ 

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大震災のあと劇場に向かう足が遠のいたのと10月上旬に骨折したせいで
今年、劇場で観た映画は90本に“とどまり”ました。
特にケガをしたあとは、映画の広告に意識的に目を向けないようにして
いましたから、見ておくべき作品をどれだけ見ていないか分かりません。
ランキングはあくまで見た中での話です。毎年そうですが。ハハハ。
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採点の基準は次の通りです。

95:お勧めしたい
90:大満足だった
85:見るに値した
80:料金分は楽しめた
75:見なくてよかったかも
70:金と時間を返せ


少々 採点が甘いと自覚している私でさえ、95点をつける映画には
今年も巡り会えませんでした。3年連続です。
評価が高かったのは以下の作品です。
同じ点数の作品には、基本的に差はありません。

90 ソーシャル・ネットワーク 学生仲間が立ち上げたサイトが大成功を収めた!
90 愛する人 14歳のときに生み養子に出した娘を想う母 娘もまた… 心にしみる一作 
90 洋菓子店コアンドル 減点の少ない作品だ 出演者全員がいい 蒼井優にやられた
90 ザ・ファイター 実話に基づく映画 ボクシング・シーンは納得しないが役者はすごい
90 神々と男たち 今年一番の拾いもの 信仰に支えられた人たちの強さに胸を打たれる
90 英国王のスピーチ 吃音症の国王と治療にあたる男 最後のスピーチは感動的だった
90 大鹿村騒動記 さりげない笑いとペーソス 原田芳雄はいい作品を残して逝った
90 ゴーストライター 最後の最後に不満があるものの全体としては今年のベスト1
90 エンディング・ノート 余命を宣告された父の最期を娘の優しい目が記録した

85 髪結いの亭主 唐突なプロポーズから始まった結婚生活は幸せに満ちていた…
85 アンストッパブル 暴走する列車を止める手立ては次第に少なくなっていく
85 デザート・フラワー 砂漠から生まれたスーパーモデルが抱えるトラウマとは?
85 デュー・デート 爆笑はしないものの、くすくす笑えるシーンは多い 秀逸コメディ
85 毎日かあさん 依存症を乗り越えて家族のもとに帰ったダメ男 元夫婦の呼吸がいい
85 再会の食卓 40数年ぶりに再会した元夫婦… これまで見たアジア映画ではベスト
85 白夜行 接点はないはずの容疑者の娘と被害者の息子… 意外な事実が隠れていた
85 ヒア アフター カルトっぽいかと思ったが違った イーストウッドらしさは少しだけ
85 SP 革命篇 前作よりはるかによくできている なにより岡田准一&堤真一が熱い
85 サラエボ、希望の街角 人も羨む仲のカップルに亀裂が 主演女優の瑞々しさが最高
85 阪急電車 街の片隅で起きていそうなエピソードをつないで人生の哀歓を描いた佳作
85 多田便利軒 全体のペースや間合いが心地いい 瑛太と松田龍平の呼吸もぴったりだ
85 アンノウン 昏睡から覚めた男を待っていたのは理不尽な出来事 1000円なら御の字
85 軽蔑 役者たちの本気度が伝わって拾いものだった 長回しの演技でも見せていた
85 木漏れ日の家で 91歳の女優をきれいに撮ったモノクローム映像 心にしみる一作だ
85 アンダルシア オール海外ロケの成功 “娯楽”として十分楽しめた点を評価する
85 小川の辺 映像美が見事 東山が周平の世界を体現している 菊池凛子がぶち壊し
85 ラスト・ターゲット クルーニーのカッコよさと景観の美しさが得点を上げている
85 神様のカルテ 俳優たちが打ちこんでいる空気を感じる しみじみと胸にしみる
85 リメンバー・ミー 設定や人物が類型化されすぎている点はあるものの全体はグッド
85 未来に生きる君たちへ ビア監督の作品にはいつも惹かれる 明るい映画は少ないが
85 ペーパーバード スリルをはらみながら進む話が面白い ラストシーンがなかなかだ
85 奇跡 小品だが見たあとの気分がいい一本 少年漫才・前田航基 恐るべしだ

…例によって、並んでいる作品に一貫性がありませんが、
それこそが岩佐徹的なんです。ハハハ。
邦画のNo1は悩むこともなく「大鹿村騒動記」に決定。
しかし、洋画については私の中で葛藤がありました。
「英国王のスピーチ」と「ゴーストライター」ですが、
物語としての面白さで「ゴースト…」にしました。

そして、優れた記録映画「エンディング・ノート」を
高く評価します。審査員特別賞を贈ります。ハハハ。

以下の作品はまことに“残念”でした。
途中で席を立った作品が3本もありました。1000円だからいいか…
みなさんとは相当に意見が違うと思いますが、ご容赦を。ハハハ。

70 4月の涙 フィンランドの歴史の暗部 “部外者”には伝わらない部分が多すぎて…
70 アンチクライスト 分かんねえだろうなと思いつつ見たが 案の定分からなかった
70 シリアスマン コーエン兄弟らしいと言えばいいのか 回りくどい作りに辟易する
70 クロエ 夫を疑う妻が娼婦を雇って夫を誘惑させ結果を報告させる いい加減すぎる!
70 星守る犬 リストラですべてを失った男と愛犬の旅 ハンカチを用意したが一滴も…
70 愛に勝利を ムッソリーニを一途に愛した女の絶望的な人生 わからん映画だった
70 セカンドバージン 53歳の女と36歳の男の命をかけた恋…陳腐さが拭えなかった
70 朱花の月 監督の狙いが逆に“あざとく”見える 独りよがりの印象はまぬかれない
65 ハウスメイド いったい何世紀の話なんだろうと思った 時代錯誤についていけない
60 ゲンスブールと女たち どうにもならなくて40分でギブ 本年初の途中退場作品
60 ツリー・オブ・ライフ 我慢も35分が限界だった 監督に何かが起きたに違いない
60 アンダーグラウンド これも長くは持たなかった 理解できる人がいるのが不思議

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「ゴーストライター」90

激しく雨が降る夜の港にゆっくりとフェリーが近づく。
接岸し、積まれていた車が上陸を始めたが、1台だけ、動く気配のない車があった。
最後まで残った車はレッカーで移送され、運転手が姿を見せることはなかった。

ロンドンの出版社で面接を受けていた男にあっけないほど簡単に“合格”が告げられた。
仕事はイギリスのアダム・ラング前首相の自伝を書くことだった。ゴーストライターだ。
フェリーから転落して溺死した前任者、アダムスの補佐官のあと釜に採用されたのだ。
ラングの滞在先、アメリカ東海岸の島で合流しインタビューを始めた彼の前にさまざまな
謎が浮かび上がってくる。中でも、補佐官の死は最も大きなものだった…
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珍しく、妻が“激しく”見たがっていました。私も公開が楽しみだったのですが、期待を
裏切られることはなく、オープニング・シーンから引き込まれました。
巨匠・ポランスキーはさすがに客のハートをつかむのがうまいなあと思いました。ハハハ。
全編を通じて真っ青な空を見た記憶がありません。終始、画面を暗めに設定しているのも
話の展開をミステリアスなものにするのに効果的です。

エンディング近くである人物の秘密が暴かれるのですが、そこから先の展開が嫌いです。
…嫌い、と言ったってどうにもなりませんが、最後の2分間で“5点”下がりました。
ポランスキーも馬鹿なことをしたものです。ハハハ。
ただし、私にとっては2011年のNo1です。巨匠の作品だからではなく、まして おすぎが
週刊文春で 最高の星五つをつけていたからでもありません。
物語としての面白さが同じ90点をつけたいくつかの作品、中でも「英国王のスピーチ」を
わずかですが上回ったと思うからです。はい、異論があることは分かります。ハハハ。


「大鹿村騒動記」90

南アルプスのふもと、信州・大鹿村。
やってきたバスから4人の乗客が降りた。老人の降車を手伝っていた運転手(佐藤浩市)が
続いて降りたサングラス姿の中年のカップルをビックリしたような眼で凝視した。
「オサムさん!?タカコさん!?」

もう一人の乗客だった若い男が食堂「ディア・イーター(鹿を食う人)」に近づくと 店主の
ゼン(原田芳雄)が店の前で芝居のけいこに余念がなかった。
彼は、この村で長い伝統を持つ大鹿歌舞伎の花形役者だった。
ゼンの頭の中は5日後に迫った今年の公演で演じる大役・景清のことでいっぱいだった。
ところが、小さな村がひっくりかえるような、もっと大きな問題が降りかかっていた。

この日、バスから降り立ったタカコ(大楠道代)は15年前に駆け落ちしたゼンの妻だった!
親友だったオサム(岸部一徳)がゼンに頭を下げて「返す」と言った。
認知症に似た症状を見せ始めたタカコは、オサムのことさえ誰だか分からなくなっていて
手に余るというのだった…
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静かな、緑豊かな山村で突然持ち上がった“騒動”が面白おかしく描かれています。
爆笑するシーンは少ないですが、ちょっとしたしぐさ、ぼそっとつぶやかれるセリフが
全編を通してクスクス笑いを誘い、人間の優しさを教えてくれます。きっと、シナリオが
素晴らしいからだと思います。
“遺作”になりましたが、原田芳雄は出来に満足して逝ったのではないでしょうか。
歌舞伎の場面以外は熱演というより、むしろ自然体に近い演技でしたが、見せました。
亡くなったから言うのではなく、この役者の幅の広さ、奥行きの深さが十分出ています。

岸部一徳にもほとほと感心します。映画でもテレビドラマでも、画面に出てくるだけで
一つの“世界”を作り出してしまう俳優はそんなにいません。この映画でも好演でした。
少し、首をかしげたくなったのは、タカコの“病状”が、物語の進行に合わせて都合よく
変わるところです。そんなに“便利な”病気があるのだろうかと。ハハハ。

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「エンディング・ノート」90

営業マンとしてサラリーマン人生を全うした男が引退後の健康診断でがんを宣告された。
しかも、余命は数カ月。
彼はその死を冷静に受け止めるが、残された人生でやっておくことが山ほどあった。
その中に、あとに残る妻を初め家族たちが戸惑わないように身辺を整理し、死後の処理を
指示するメモ作りがあった。エンディング・ノートだ…
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主人公の砂田知明さんは残念ながら還らぬ人になりました。
観客は、告知のあとの彼がたどった道のりをそっくり“追体験”することになりますが、
見たあと、不思議に悲しい気持ちにはなりません。静かな“満足感”さえあります。
それは、砂田さんが最後の一瞬まで精一杯生きたことを知っているからでしょう。

几帳面な彼はしっかり計画を立て、実践して行きます。
気合を入れて孫たちと遊ぶ。母も誘って伊勢志摩へ家族旅行をする、洗礼を受ける…
残された日々を決して悲壮な気持ちで過ごしたわけではありません。
愛する家族に囲まれ、死の直前まで明るさを失うことなく、穏やかに逝きます。
映画やドラマではなく、現実に人が亡くなるプロセスを見ながら、ときに笑いが起きる
場内の空気がとても温かでした。

感情に流されることなく父の死を見つめて冷静にカメラを回した娘さんも素晴らしい。
映像作家というだけあって、必要なことをすべて記録に残しています。近年まれにみる
ドキュメンタリーの傑作といっていいでしょう。
年配の方だけでなく、身近に“送る人”がいる若い方にもお勧めしたい一本です。
ほとんど同じ時代を駆け抜けた人物の鮮やかでカッコいい人生に拍手を送ります。

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「ツリー・オブ・ライフ」60

HELP !「ツリー・オブ・ライフ」を見て
途方に暮れている情けない奴です。


月曜日に 話題の映画「ツリー・オブ・ライフ」を見たあと、つぶやきました。
35分でギブアップして“しっぽを巻いて”帰ってきました。ハハハ。
シニア料金の1000円だから退席できましたが、一般料金の1800円を払った人はなかなか
決断できなかったのでしょう。費用対効果。

テレンス・マリックだか誰だか知りませんが、ショーン・ペンとブラッド・ピット…
せっかくビッグ・ネーム二人を揃えたというのに、なんという無駄遣いをしたものか!
そして、私たち夫婦以外にもきっと多かったはずの「2人が出るから」と劇場に来た観客を
絶望と混乱のどん底に突き落とした罪は深いと言わざるを得ません。ハハハ。
オープニング・シーンから、果てしなく繰り返される神との一方的な会話、35分のうち
最後の15分は意味の分からぬ映像が続きました。
宇宙、天地創造を表すような映像、深海をさまよう巨大クラゲ、激しく噴火する火山、
深い原始の森、プラス ビッグバンを意味するようなCGのイメージ映像…
恐竜が出てきたとき、いよいよダメだと思い、森の中の、“バンビ”かと思った動物が
“やっぱり”恐竜らしいと分かって、隣を見ると、妻も“帰り支度”で賛意を表しました。
ハハハ。 いや、ほんとに笑うしかないんですって。

「監督、どうしちゃったのかしら」が劇場を出たあとの妻の第一声でした。
たしかに、冒頭の35分間で観客に伝わるのは、両親も成長した子供も信心深い人たちだと
いうことと、3人の子供の一人が死んだことだけ…
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聖書を読まない人にもこの映画が理解できるとは思えません。ツイッター上には「分かる」、
「秀作だ」という意見もありますが、理解できることが不思議です。
いくらなんでも、もう、物語が動き始めるだろうと思いましたが、その前に堪忍袋の緒が
切れてしまいました。ハハハ。

つぶやきに対して数人の方からリプライがありました。

・何かを期待してしまい、最後まで席を立ちませんでした
・キャスティングにお金を払いましたが、それゆえ退席する勇気もなく
・何かあるはず、何かあるはず・・・で、最後まで。 別に何もなかった・・・


うーん、きっと、みなさん 1800円 払ってるんでしょうね。
結局、よかったですよというコメントはありませんでした。言い出しにくい空気を作って
しまったかもしれませんが。ハハハ。
ただし、全体を見ると、これほど評価が大きく割れている作品も珍しい気がします。
私がレビューを登録して、ほかの人の評価を参考にすることもあるgoo映画には12人が
レビューを寄せていますが、30点から95点まで!!
私のように、基本的には“非日常”を楽しみたいと考えて見に行く一般の映画ファンには
理解しにくい作品であることは間違いないようです。
そして、高く評価する人が果たして本当に理解できているのかどうか…。
どんな脳みそならこの映画を理解できるのかを知りたいものです。
「分かる。傑作だ」と言わないとカッコ悪いと思っていないでしょうね。
映画通として、「理解できる」と言いたいだけじゃないでしょうね。意地悪。ハハハ。

ぶったまげたのは、金曜日の朝日夕刊の映画評です。絶賛でした。

映画の表現に制約はない。自由である。
ただ、独創性を発揮する作家は極めて少ない。
断崖に咲く花を、危険を冒して摘みとる胆力と哲学とを要するからである。


…まことに文学的な書き出しで始まる一文は評論家・秋山登氏によるものです。

過去4作、いずれも鏤骨(岩佐 註:ルコツ=骨を刻むほど苦心すること)の秀作だが、
特にこの新作は、その表現の独創性において、卓絶している。――悠久の時空に、
はかない人間の営みを対置させ、生命の意味を考察するのである。
その眺めの壮大は驚嘆に値する。(中略)

随所で大自然と生命の神秘を詩的映像で語り、観客を幽玄の境へと誘うのである。


引用はもうやめましょうか。この記事のシメはこうでした。
「巨きな(おおきな)映画である。人々の記憶に永く残るに違いない」

…永く記憶に残る、か。そうかもね。“なんだか訳が分からなかった映画”として。ハハハ。

ちなみに、“高名な”評論家・品田雄吉は週刊誌で“一食ぬいてもぜひ”の星四つ…
ね? おすぎは“料金の価値あり”の星三つでしたが、名のある人ほど、酷評することは
ためらうようで、「ここは、ほめとくか」という感じになってます。
映画評ほど、首をかしげたくなる、あるいは、ややこしいものはありませんね。
人のこと言ってる場合じゃないですけど。ハハハ。

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12/27
エジプトから19歳の少年がアフリカ初の力士を
目指して大相撲の門を叩いた。
アブデラハム・アラー・エルディン・モハメッド・
アハメッド・シャーランが本名だと言う。
提案したい。妙な四股名をつけず、このまま
土俵に上がれ。行司や呼び出しが悶絶する
ところを見たい。ハハハ。

TBS「帰郷」(12/23):21年間、弟は兄を許して
いなかった。手術がうまくいかず娘を死なせたと
恨んでいた。21年後 故郷に戻った弟と兄の確執。
しみじみと心にしみる、胸が熱くなるドラマだ。
人を泣かす、感動させるとはこういうことさ、「南極大陸」。 

12/28
「めざまし」で帰省する人の東京土産。
1960年代終りの上野駅周辺を思い出す。商店街の
靴屋には履きつぶされた靴が山積みになっていた。
出稼ぎの人たちが、山のように土産を抱え、自分には
新しい靴だけを買って、古い靴を置いていくのだ。
長い時間が流れた。
by toruiwa2010 | 2011-12-28 09:16 | 映画が好き | Comments(0)
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