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岩佐徹のOFF-MIKE

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きわだたせること~岩佐徹的アナウンス論 2~12/01/08

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・・・つづき

プロミネンス

考えてみてください。
40年ほど前に、当時の 三枝、きよしから今のさんま、ダウンタウン、ナインティナイン…
に至る関西弁の氾濫を予想した人がいたかどうかを。
“共通語”とされる言葉を歯切れよく話す東京人に なぜ、彼らが受けたのか?
言っていることがよく分かるし、それがとても面白いからでしょう。
“相手に伝わる”ようにしゃべるためには、プロミネンスを大事にしなければなりません。
意味は“突出、際立つこと”ですが、アナウンスの世界では、“文章の中で大事な部分”に
なります。
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01/06  11:28AM
「知りたがり」で『小泉元首相みたいに「有言実行」して
内輪もめを抑えられますか?』とカズこと渡辺和洋アナ。
のっぺらぼうに読んじゃったね。ハハハ。
「みたいに」で切って間をとらないと、意味が正確に
伝わらない。たまたまならいいが、読解力を疑われる
読み方しちゃダメだ。


“のっぺらぼう”は 私流の表現で失敗でした。
伝わりにくかったかもしれませんが、文章全体を同じ調子で読んでいた、ということです。
そして、もしかすると、私が間違っているかもしれません。
この文を「“有言実行”そのものに抵抗があるのではないか?」と言いたいと解釈するか、
「“小泉式の有言実行”ではうまく行かないのではないか?」なのか…微妙なところですが、
読み方が違わなければいけないのです。
私は瞬間的に前者だと思ったので読み方(文章の切り方)を間違えたと判断しましたが、
渡辺アナのお読み方はどちらかと言えば後者でした。
たぶん、後者、つまり小泉流の少々強引なやり方はダメ、が正解でしょう。
渡辺アナにはお詫びしなければいけません。引退して6年半…鈍ってるんです。ハハハ。

こんな具合で、書かれている文字を音にするだけではアナの役目は果たせないのです。
内容を理解して、何を言いたいか、力点はどこにあるかをつかんで読み方を変えなければ
いけないのです。
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たとえば「きのう、私はCDを買いに渋谷に行った」という文章では、“きのう”、“私”、“CD”、
“渋谷”のうちどれを際立たせるかで聞く人の受け取り方が違ってきます。
いつ行ったかが大事なら“きのう”が、何を買ったかが大事なら“CD”が際立つように
読まなければいけません
そして、特定の言葉を際立たせる(普通は“立てる”と言います)ためには、声の大小、
トーンの高低、スピードの変化、前後の間(ま)など、いくつかのテクニックを使います。

私たちがニュースなどを読む場合には、下読みのときに、その文脈から 立てるべき言葉の
横に印をつけたりしていましたが、初見(しょけん=原稿のでき上がりが遅いなどの理由で
下読みなしに読むこと)ではそれができません。それでも、夕方や深夜、競争の激しい
時間帯のキャスターをつとめる人たちなら、苦労することなくやりこなすでしょう。
もし、“立て方”を間違えたときには、すぐに気づいて言い直すはずです。
これができない人は、少なくとも読み手としては“まだまだ”ということです。
もっとも、今は手元に原稿があっても主としてプロンプターで読んでいますから、彼らが
どんな工夫をしているのかは分かりません。古い時代のアナですから。ハハハ。

話がそれましたが、この“プロミネンス”を頭に置いて関西系芸能人たちのおしゃべりを
聞いてみると あれだけ機関銃のような早口であっても、ちゃんと大事な言葉やフレーズは
耳に残っていることが分かります。中身が伝わります。
つまり、アナウンサー的ではないものの、“自然に”プロミネンスができているのです。
いくら面白くても何を言おうとしているかが分からなければ、東京に出た彼らがこれほど
受け入れられることはなかったはずです。
テレビの普及で、標準語(または共通語)は、日本の隅々まで簡単に届くようになって、
昔にくらべると特に若い人たちの間ではナマリは少なくなっているようですし、逆に、
関西弁が標準語に迫る勢いで全国に広まりつつあるのが現状ではないでしょうか。

信じられないほど鼻声でしゃべる女性アナがキャスターを務めたことがありました。
滑舌の悪い活字出身のキャスターが大勢います。不思議ではありません。
容姿をふくめて、その人がしゃべることが視聴者に伝わっている限り、まったく
問題にはならないのです。
ナマリはないほうが、声はいいほうが、滑舌もいいほうがいいに決まっています。
しかし、それより「伝えたいことを伝わりやすく伝えること」のほうがはるかに大事だと、
私は考えているのです。
それには、発声やアクセントなどに気をとられることなく、自分の気持ちを伝えるのに、
最もしゃべりやすい方法、つまり、“自分の言葉”で話すのがベストだろうと思います。

つづく・・・

見つけた!

テレビはBSやCSの普及で視聴者の選択肢が大きく広がりました。
しかし、具体的にどんな番組を放送しているかについて知ろうと思えば、
それぞれのプログラムガイドを入手しないと難しいです。
一般紙では有料衛星放送の情報提供も十分ではありません。

今朝の朝日新聞には WOWOWの女性アナ、CSのサッカー中継で有名な
倉敷アナの記事が別々のページに載っていました。
少しずつ変化し始めているようです。
by toruiwa2010 | 2012-01-08 09:14 | 岩佐徹的アナウンス論 | Comments(2)
Commented by 赤ぽん at 2012-01-09 19:38 x
岩佐さん、こんばんは。

「パンチでデート」三枝・きよしコンビの掛け合いと素人男女のカップル誕生か否か!
ドキドキする番組の関西弁での軽妙で面白いやりとりは見事でしたし、
私の記憶では関西弁を関東に広めた最初の番組でした。
あとは「笑ってる場合ですよ」と「THE・MANZAI」の関西のお笑いパワー
でしたね。
学生時代の友人が大阪出身で、関西弁への違和感が非常に少なかったのも
影響しているのかはわかりませんが、お笑いの方々の実力に裏打ちされた上での
関西弁はとにかく面白かったです。確実に伝わっていたと思います。

プロミネンス・・・パッと見で強調されるべき部分をどう伝えるかは
難しいところもありますね。人によってキーポイントも違うこともあるでしょうから。
中学の国語の試験問題に出来そうですね。
Commented by toruiwa2010 at 2012-01-09 19:55
赤ぽんサン、こんばんは。

「おもろい夫婦」「夫婦善哉」なども貢献してますね。
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