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岩佐徹のOFF-MIKE

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「帰郷」「學」「花嫁の父」~スペシャル・ドラマを見る~ 12/01/11

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12/23
TBS「帰郷」(12/23):21年間、弟は兄を許していなかった。
手術がうまくいかず娘を死なせたと恨んでいた。
21年後 故郷に戻った弟と兄の確執。しみじみと心にしみる、
胸が熱くなるドラマだ。
人を泣かす、感動させるとはこういうことさ、「南極大陸」。


暮れから正月にかけて何本かのスペシャル・ドラマを見ました。
ほとんどの作品が2時間枠で、それぞれに見ごたえがありました。長い分、ていねいに
作っているからだと思います。良くも悪くも印象的だった3本についてのレビューです。

TBS「帰郷」90 渡哲也、渡瀬恒彦、大竹しのぶ、柄本明、内田有紀

渡哲也と渡瀬恒彦が役の上でも兄弟を演じた「帰郷」は素直な演出で見る者の胸を打つ
いいドラマに仕上げていました。押しつけがましくない感動がありました。

兄弟ともに医師だが、性格は正反対だった。出世を望まない兄は父の小さな病院を継ぎ、
上昇志向の強い弟は優秀な心臓外科医として大学病院では副院長候補の筆頭だった。
娘が心臓の発作を起こしたとき弟はアメリカに滞在中だったため、兄がメスを握ったが、
成功したと思われた手術の後、容体が急変して死亡。そのあと、妻も失った弟は絶望し、
出世願望も捨てた。流れ流れて、今は九州で診療所を開いている。
その弟が娘の死から21年ぶりに帰郷した…
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上京の目的は診療所の跡継ぎ探しでしたが、懐かしい、生まれ育った町を訪ねたのです。
静かだった川沿いの町に小さな波紋が広がっていきます。
長い年月がたっても憎しみが消えない弟の足は兄一家が住む実家には向かいませんが、
周囲は、短い滞在時間のうちになんとか二人を和解させたいとやきもきします。
兄の妻・富司純子、娘・内田有紀、亡き妻の妹・大竹しのぶ、兄弟の幼馴染・柄本明…
東京はどんどん世知辛く、住みにくい街になっていますが、弟を迎えた人たちの いかにも
下町には残っていそうな温かさが心にしみました。

WOWOWO「學」80 仲代達矢、八千草薫、高杉真宙

商社員でNY駐在の両親とは別に東京で一人暮らしをしていた少年・學は大事なデータを
パソコンから消した少女を殺してしまう。
バッシングを苦にした両親が自殺し、祖父母(仲代達矢・八千草薫)に引き取られた學は、
周囲に対して心を閉ざした。かたくなに。

祖父は學とともに親友を頼ってカナダに渡った。ヘリコプターで人里から遠くはなれた
ロッキーの懐に學を連れ込んだ祖父は数日後に自ら命を絶つ。末期のがんだった彼には
自分の命と引き換えに學に教えたいことがあったのだ。

呆然とする學に残された手紙には「もし、まだ人として生きる気持ちがあるのなら村まで
一人で歩け。南西に180キロのところだ」と書かれていた。
出発する前の数ヶ月間、學には日本の山中で一人で生き抜くためのテクニックをみっちり
教え込んであった。
少年の 命を賭けたサバイバルが始まる…
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うーん、もともと“大御所”と手放しで賛美される種類の人間が好きじゃありませんが、
又しても倉本聡が“厄介な”ものを送り出してくれたものです。ハハハ。
いったい、このドラマで彼は何を訴えたかったのでしょうか?さっぱり分かりません。
テーマ曲の歌詞にそのヒントがあるような気はします。
英語で歌われていますが、“倉本聡 原詞”となっています。

いつか君にもし 年老いた日があって
君の子供や孫たちが君に 人生の悩み
人生の苦しみ そんなことについて問うことがあったら
答えてやれ キ然と!
生きてみろひとりで!と

何にもなくて 頼れるものは自分しかなくて
小さな毎日 それ以上望まず
食うこと 得ること 創ること 生きること
だれにも頼らず 自分の手だけで

その時君は知るにちがいない
文明とは何か 愛とは何か 友人とは何か
家族とは何か
そして即ち 生きるとは何か

はて、1行目の“君”と最後から4行目の“君”は同じなんですかね?
そうだとすると、「人生の悩み・苦しみについて聞かれたら一人で生きて見ろと言ってやれ。
そうすれば(相談者ではなく)“君”には 生きるとは何かが分かる」という意味になります。
“比喩的”ではあっても、一人で生きろと言ってやることが生きるとは何かを知ることに
つながる…と言っているように聞こえます。ずいぶんな“きめつけ”ですね。
大御所が嫌いなのはこういうところなんですよ。ハハハ。

…読解力は“そこそこ”あるつもりですが、正直 分かりません。
最後の“君”が 年老いた“君”に質問する人物を指すことも考えられますが、それならば
「そのとき “彼”は知るに違いない」でなければいけませんね。どっちにしても倉本聡は
「一人で生きてみれば生きることの意味が分かる」と言っているようですが、作品を見て
わずかに学べるかなあ、と思うのは“文明とは何か”だけです。愛、友人、家族について
學が学んだ様子はありませんでした。

フジテレビ「風のガーデン」も頭が混乱する中で終わりました。倉本氏本人としては…

「北の国から」のネガティブ・バージョン。
違った視点から“今”の若者を書いてみたかった
  のだそうです。

そういう作品に仕上がっているとは思えません。
倉本ファンには悪いですが、彼の考えることは私の脳では理解できないようです。
“メンドくせえ”って思ってしまいます。
そう書けば「お前の書いていることのほうがメンドくせえ」と言われそうです。
ごめんなさい。もう、謝るしかありません。ハハハ。

細かい点で気になることがいくつか。

ドラマとはいえ、そして 目的はどうあれ、13歳の少年(高杉真宙)を環境の厳しい山中に
“放り出した”のは問題が多すぎます。特ダネを狙って日本からやってきたカメラマン
(勝村政信)も“見せしめ”のように“置き去り”にされていました。
たぶん“未必の故意”による“犯罪”になると思いますが、この際 それは問わないことに
しましょう。ハハハ。

物語の主な舞台はカナダのロッキー山中です。一人にされた少年が手製のいかだで村に
たどり着いたのはおよそ一カ月後でした。毎日、川の様子を見に来ていた祖父の友人が
孫に「昨日、上流で雪解けが始まった」と話していることから割り出すと、“置き去り”は
春がまだ浅いころだったのでしょう。雪がちらつくシーンもありましたし、朝晩の山の
寒さは相当に厳しかったはずです。それなのに、少年・學は半そでのTシャツにウールの
長そでシャツ一枚でした!!夜 寝るときも体を覆うものは何もありません。
そんなの“あり”ですか?

ドラマだからいいじゃないか…とおっしゃる?
それじゃ、時代劇の考証もなしでいいですか?ハハハ。

エンディング近く、祖父がロッキー山中で自殺したことを知らされた日本の妻から英文の
手紙が友人のもとに届きます。
“ I believe in what my husband hoped for, Gaku’s regeneration.”と書かれて
いるのが映っていました。「私は主人が望む學の再生を信じています」…
八千草のボイス・オーバーは「私は主人と學を信じています」でした。
微妙ですが、意味が違いませんか。八千草の“セリフ”が脚本家の言いたいことなら、
ピタッと一致する英文を作るのは簡単なことなのに、なぜ?と思います。
似たようなものだからいいじゃないか…ですか?
そうでしょうかね。まさか、倉本大先生の作品につまらんイチャモンつけるな、ですか?

英語と言えば 祖父やカメラマンが話す英語もネイティブの登場人物との間でスムーズに
意志疎通ができているようには聞こえません。流ちょうに話せとは言いません。しかし、
少なくとも、役の人物の職業や経歴にふさわしい話し方であってほしいと思います。
医者の役だったらメスの使い方もそれっぽく、料理人だったらナベの振り方もそれらしく
軍人は軍人らしく振舞う…それが俳優じゃないでしょうか。
英語は話が別さ、というのは私には通じません。ハハハ。

WOWOWのドラマにはいつも感心しますが、今回は残念でした、と言わざるを得ません。
20周年記念だから倉本…だったのでしょうが、もうそんな時代じゃないような気がします。

TBS「花嫁の父」90 柳葉敏郎、貫地谷しほり、向井理、余貴美子

結婚も近いと思っていた娘・美音(みね:貫地谷)の縁談が“破局”した。
妻を亡くしたあと聴覚障害を持つ美音を男手で育ててきた父親・里志(柳葉)は「ずっと、
家にいればいい」と言って聞かせる。
傷心をいやすために上京した美音は、東京に着いた直後、財布や携帯を盗まれた。
窮地の彼女に救いの手を伸ばしたのは浅草の船宿の跡取り息子・丸(向井理)だった…
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話の運びが手際よく、見ていてストレスがたまりませんでした。脚本・演出の力です。
出演者すべてがいい雰囲気を出していました。
中でも大好きな柳葉は、やっぱり良かったです。芝居がすごくうまいとは思いませんが、
彼にしかない、独特の世界を作り出しますね。簡単に言えば、役になりきる…ということ
でしょうが、誰にでもできるものではありません。
このドラマでも 美音や周囲の人たちに対する思いやりの気持ちを素朴に表していました。
人間としての“懐の深さ”がそのまま役に投影されている気がします。

舞台は新潟県山古志村です。2004年の新潟県中越地震で大きな被害を受けた村が
完全ではないのでしょうが、美しく復興しているのもうれしかったです。
by toruiwa2010 | 2012-01-11 09:41 | ドラマ | Comments(2)
Commented by 老・ましゃこ at 2012-01-11 17:18 x
TBS「帰郷」も、TBS「花嫁の父」も、岩佐さんのレビューを読み進むうちに、
物語も魅力的だなと思い、出演者の顔ぶれを知って更に魅力を増してゆき、
見逃したことが残念な気持ちになりました。
渡・渡瀬 兄弟のお芝居、見てみたかったです。
また、
“物語の舞台は新潟県山古志村”というのも
作り手側の思いを感じます。
そのこと一つとっても、すごくいいなぁ…と思わせてくれる
今日の記事でした(^^)
ありがとうございます(^^)
Commented by toruiwa2010 at 2012-01-11 17:25
老・ましゃこサンが触れた2本はとても
いいドラマでした。きっと、再放送がありますから
その時はぜひ。もう1本はどうでもいいと思います。ハハハ。

昨日も書きましたが、「RAILWAYS」をぜひ。
見ないともったいないです。
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