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岩佐徹のOFF-MIKE

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“ダメ”だと思う実況例3~岩佐徹的アナウンス論 7~12/01/22

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・・・つづき

奇妙奇天烈(きてれつ=死語)なキャッチ・コピー


古くは“暁の超特急”(吉岡隆徳:短距離)や“フジヤマのとびうお”(古橋広之進:水泳)、
“土俵の鬼”(若乃花:相撲) 、“アジアの鉄人”(室伏重信:ハンマー投げ)、“8時半の男”
(宮田征典:プロ野球)、“アイス・ドール”(クリス・エバート:テニス)、“グレート・ワン”
(ウエイン・グレツキー:アイス・ホッケー)” …

昔から、傑出したアスリートにはニックネームがつきものでした。
しかし、プロレスあたりから始まった“手当たりしだい”の傾向は、古舘伊知郎がF1や
世界水泳の実況をやったときから、“当たり前”になってしまいました。
2009年以前のTBS「世界陸上」はその典型でした。

「日本スプリントのカリスマ」 男子200メートル:末續
「日本スプリントのパイオニア」 男子100メートル:朝原
「侍ハードラー」 男子400ハードル:為末
「ハードル王子」 男子400ハードル:成迫
「笑顔の爆走娘」 女子長距離:福士
「東洋の真珠」 女子走り高跳び:池田
「ミスターUSA」 男子短距離:ゲイ
「黒船ハードラー」 女子100メートル・ハードル:ペリー
「ワールドレコードアーティスト」 女子棒高跳び:イシンバエワ
「母なる大地の女傑ハードラー」 女子400メートル・ハードル:ペチョンキナ
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…2007年、大阪で開催される世界陸上を前にTBSの制作陣が作家たちと必死で考えた
選手たちの“キャッチ・コピー”の一部です。
笑えるもの(いい意味ではなく)、「言われた本人は嬉しいだろうけど、なんだかなあ」、
「失礼だろう」、「考えた奴もやけっぱちだったに違いない」…感想はいろいろですが、
懲りもせず、日本人選手や有力な外国人選手にニックネームをつけまくっていました。
センスがいいと思えるものはひとつもありませんね。ハハハ。

2005年ヘルシンキ大会に出た女子ハンマー投げの室伏由佳(重信の娘 広治の妹)に
つけられたコピーには吹き出してしまいました。 “鉄人DNA最後の後継者”。
私が若いころのTBSのスポーツ実況陣は、好き嫌いはともかく、粒が揃っていました。
渡辺謙太郎、石井智、山田二郎、石川顕、多田護、松下賢次…故人も含めて、華やかな
ラインナップでした。一時代を築いた彼らは、こんなニックネームを言わされる後輩を
きっと同情の目で見守っていることでしょう。
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“やじうま”気分で河田町から赤坂方面を眺めていた私の頭には常に「今自分がTBSの
アナウンサーだったらどうするだろう?」という自問がありました。
「果たして、制作側の要求にしたがって、こういう実況ができるだろうか…それより前に、
タレントに主役の座を奪われ、“アナウンサーは競技の実況だけやっていればいいよ”と
言われているような この屈辱的な制作体制の中で気持ちよく仕事が出来るだろうか?」と
考えたのです。

まあ、考えるまでもなく、答えは決まっています。
選手の名前を言うたびに“○○のひとつ覚え”のごとく、“意味不明”のニックネームを
つけることを強制される実況が私にできるはずはありません。ハハハ。
「やってられるか、こんなもん!」と、マイクを投げ捨て、荷物をまとめて日本行きの
飛行機に乗ってしまうこと、間違いなしです。
…というか、私の性格では、日本を離れていないと思います。ハハハ。

いずれ詳しく書くつもりですが、TBSだけでなく、今 “スポーツ・アナ受難の時代”です。
特に地上波のアナウンサーたちには同情を禁じえません。
ゴールデン・アワーに放送されるものはすべてがエンターテインメントと化しています。
どの局、どの種目でも、視聴率を上げるためと称して、派手な演出をすることに血眼です。
中でも、“実況”ではなく、目の前で起きていることを伝えるのに余分な化粧をしなければ
視聴者を惹きつけられないと考える“とんま”な制作サイドが主導権を握っている状態は
気の毒としか言いようがありません。その最たるものがつまらないコピーの乱発です。

しかし、2009年の世界陸上では“異変”が起きました。
TBSの世界陸上HPの選手紹介からキャッチ・コピーが消え、実況のアナウンサーたちも
それらしいことを口にしなくなったのです。
日本選手の一人が「日本陸連がテレビ局に『もういいんじゃないか』と言ったらしい」と
明かした、という記事を見て合点がいきました。陸連も腹に据えかねたのでしょう。

“圧力”に負けた、という形になったのは気に入りませんが、多くの視聴者の違和感が
なくなったのは確かな事実でしょう。
「そんな放送しないでよ」と対象競技が断固拒否する傾向が、ほかの種目にも広がると
“原点”にもどっていく可能性が“少し”あります。

そうなったとき、くれぐれも「あれがないと物足りない」などと言わないように。ハハハ。

つづく・・・
by toruiwa2010 | 2012-01-22 09:31 | 岩佐徹的アナウンス論 | Comments(12)
Commented by Vevey at 2012-01-22 13:36 x
岩佐さん、こんにちは。

そうそう、チープなキャッチコピーの氾濫にウンザリが多いですね。でも一頃よりも収まって来つつあるような気がします。
やはり、決め手は協会の鶴の一声しかないのでしょうかね?

昨年のフジのバレーボール中継にお決まりのジャニーズのショーアップタイムがない?!(もちろん要らないのですが)と思ったら、やはり協会の方から「もういいんじゃないか?」と言われて無くなったという噂がありました。心ある協会の方はドンドン口を出して下さい!ってことですかね?(笑)
Commented by デルボンバー at 2012-01-22 13:37 x
私は特に放送のオープニングで長々と流される大仰なVTR…あのプレゼンテーションみたいなやつが大嫌いです。やっぱりアメリカのプロスポーツ中継の影響なのですかね?F1実況についてなんですが私は馬場さんと大川さんが好きでしたね。程なく大川さんが現場を離れられた時はがっかりしました。
Commented by くに at 2012-01-22 13:38 x
岩佐さん、こんにちは。
TBSの世界陸上でのニックネーム拝見しましたが、
何一つ覚えてないし、それに定着もしてないですね。
前もって、コピーライターに付けてもらった感がありありのような。
解説者は多少ぶっ飛んでいてもいいかと思いますが(松岡修造のように)、
アナウンサーは節度ある実況をしてくれた方が聞きやすいです。
でも、慣れって恐ろしいもんで、例えばサッカー日本代表の時の松木安太郎。最初は耳障りでしたが、今は代表選の時に彼がいないと何か物足らない感じです。
解説者というより、サポーター代表のようなものですが、オリンピックとかW杯のような視聴者の99%が日本応援なんて場面では、サポーター解説者もありかなと。
話それて失礼しました。
Commented by toruiwa2010 at 2012-01-22 13:54
Veveyさん、こんにちは。

協会からの口出しができるかどうかは
イベントに人気があるかどうかにかかって
きますね。
微妙だなあ。ハハハ。
Commented by toruiwa2010 at 2012-01-22 13:58
デルボンバーサン、こんにちは。

アバンと呼ばれてます。うまくつってあると
引き込まれますけどね。
馬場を望んだディレクターは大川を買って
いなかった記憶があります。
実際のうまい下手ではなく、ディレクターの
好みがモノを言うこともあって・・・アナは
やり切れません。
Commented by toruiwa2010 at 2012-01-22 14:01
くにサン、こんにちは。

イベントごとに、多少スタンスの違いがあるのは
許容範囲ですね。

それにしても、3分間に3件の書き込み・・・
刺激される時間帯?ハハハ。
Commented by toruiwa2010 at 2012-01-22 14:35
たかサンとおっしゃる方へ。
ツイッターのことはツイッターにどうぞ。
反応がなければ、このまま削除します。
Commented by toruiwa2010 at 2012-01-22 15:29
たかサン、それならば、このような形で
やみくもに謝罪要求などなさらないのが
良い大人です。東大生なら分かるでしょう。

第一、私には謝る理由も気持ちもありません。
Commented by あおき at 2012-01-22 16:22 x
岩佐さん、こんにちは。

古舘さんがプロレス実況を離れてから、彼のマネ事をする方が出てきましたが、失敗するのが殆どだったかと・・原稿?準備してるものを喋ろうとして、大事な事を伝え切らないんです。
世界陸上のキャッチコピーは凄いですね!!なんでも付ければ良いってもんではないですし、自局のアナを大事にしない体質は相変わらずですね。
クライシュテルス対リーナ戦を見てまして、テニスはメンタルが重要なんだなぁと実感しました、、神尾さんの解説は好きです。
グラフさんは女王、、これはキャッチコピーではないですよね。。きっと・・
Commented by toruiwa2010 at 2012-01-22 17:04
あおきサン、こんばんは。自局のアナをないがしろにするのは
TBSに限りません。

クライシュテルス、よく勝ちましたね。足が気がかりです。
グラフは“特別”です。ハハハ。
Commented by 都会のイヌ at 2012-01-23 01:08 x
こんばんは。今、WOWOWで2000年のアガシ対カフェルニコフ戦を見ています。岩佐さんの実況を聞けて、懐かしく感じています。ファミリーボックスにいたグラフも久々に見ました。
 学生の頃、NHKやWOWOWのテニスの放送をよく見てました。実況はとにかく情報量の多い岩佐さんが一番でした。今でもそう感じます。当時、テニスのゲーム以外のことも、さりげなく紹介していましたよね。多くの選手のゲーム後の会見の内容や地元の新聞記事なども紹介してくれて、解説の柳さんもよく「あっそうですか」なんて驚かれてました。ゲームを観戦に来ている有名人の名前もスラスラ。他の実況ではこれがないんですよね。せっかくカメラがとらえているのにこの時間が間抜け。放送事故かと思えます。
 今日は、夜勤あけでソファで寝ながらテニス観戦しているのですが、伊達/錦織ペアほんと、強かった。ともにすごいショットがあって、眠気が覚めました。解説の杉山さんが最後まで錦織選手の体調の心配している所が印象的でした。
 
 大寒ですね。ホント寒い。ご自愛ください。
Commented by toruiwa2010 at 2012-01-23 07:13
都会のイヌさん、おはようございます。

アガシvsカフェルニコフ…確か、貫録の差が出た試合ですね。
有名人の顔紹介は、普段の興味の持ち方とも関係するので
なかなか難しいです。そして、「わかりません」と言える勇気も
持たないといけません。特にNHKは口が裂けても言いませんから。
ハハハ。
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