ブログトップ | ログイン

岩佐徹のOFF-MIKE

toruiwa.exblog.jp

実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

カオス:園子温監督の2作~「永遠の僕たち」のみずみずしさ~     12/01/26

d0164636_1031571.jpg
「恋の罪」65

渋谷・円山町のラブホテル街で殺人事件が発生した。
ホテルで情事のさなかだった吉田刑事(水野美紀)が呼び出されて現場に向かう。
女の遺体は切断されてマネキンと部分的に接合されていた。猟奇殺人だ。

観客には、事件の裏に人気作家の妻・いずみ(神楽坂恵)と大学で文学を教える助教授・
美津子(冨樫真)が絡んでいるらしいことが分かっていく…
d0164636_10312142.jpg
「ヒミズ」75

破壊し尽くされた東北の町。
家や家族を失った人々が川べりのボート小屋の周りに集まって暮らしていた。
彼らの中心になっているのは小屋を経営する女の息子・住田(染谷将太)、中学生だ。
家を出て行った父親はフラッと戻ってきては暴力をふるった。
年齢より大人びている少年は、教室で熱心に夢や未来を語る教師に“普通、最高”と叫ぶ。
そんな彼を憧れのまなざしで見つめる少女(二階堂ふみ)がいた…

2作を続けて見ました。どちらも園子温(その・しおん)の監督作品です。
だいぶ前、まだラジオ「キラキラ」を聞いていたころに水道橋博士が「愛のむきだし」を
激賞していた記憶が頭の隅に残っていたことと、goo映画といういつも見ているサイトに
寄せられたレビューがかなりよかったのに“引っ張られて”、まず、上映終了が迫っていた
「恋の罪」を、続いて上映が始まって3日目の「ヒミズ」を見たのです。

なんだか ものすごく疲れました。激しいカオスの世界に“拉致”された気分です。ハハハ。
どうやら、2作とも私のような年配者が見てはいけないタイプの映画のようです。
「恋の罪」…いきなり、水野美紀がフルヌードでシャワールームから飛び出してきたのに
目をむきました。バストどころか、なにもかも。すっぱ。“ボカシ”のないヘアまで!
そうか、「女優たちの体当たり演技」とか どこかに書いてあったけど、このことか。
それにしても、我が映倫も随分と緩やかになったものです。ハハハ。

映画芸術…という“くくり”で感想を書くなら、ものすごく粗削りな作品です。
叩きつけるように大声で怒鳴ることが多いセリフ回し、登場人物が口にする言葉も映像も
かなり“露悪的”です。監督の好みでしょうね。こういう映画に惹かれる人はそこにこそ
魅力を感じるのだと思います。
私の年齢では、そこを我慢して見続けるのが苦痛でしたが、どういうわけか最後まで席を
離れませんでした。金縛り。ハハハ。

感想を文字にするのはなかなか難しいです。「恋の罪」の公式HPに載っている著名人の
言葉の中で唯一、写真家・荒木経惟の3行に共感しました。

監督は発狂してる。
女優たちも発狂寸前、
すでに神楽坂恵は発狂してるかも。


“正常な脳”では理解できないのも当然かもしれません。
ただし、これまでに、途中で席を立った監督たちの作品とはどこかが違います。
「恋の罪」を見終えて、「もう、この監督の映画など見るもんか」と決め、首を振りながら
家に向かったわずか3日後には、懲りもせず 同じ劇場で「ヒミズ」を見ていたのですから、
採点は別にして どこかに、私を呼び寄せるものがあるのでしょう。
ひょっとしてこれは一種の“中毒症状”ではないでしょうか?ヤバイ。ハハハ。

ベネチア映画祭で新人賞をダブル受賞した若い2人の俳優には将来性を感じました。


「ミラノ 愛に生きる」85

舞台はイタリア北部の商業都市、ミラノ。
登場人物のほとんどは繊維業を中心に財をなした大富豪・レッキ家の家族だ。
創業者の誕生日を祝うため、一族が長男・タンクレディの家に集まった。
宴もたけなわのころ、若い男が屋敷を訪れた。シェフのアントニオだ。この日行われた
ボートレースでタンクレディの長男・エドに勝った男だった。アントニオは自分が作った
ケーキを差し入れに来たのだ。エドは通りかかった母・エンマにアントニオを紹介した。
エンマとアントニオが会うのはこのときが初めてだった…

途中まで 裕福な一家の“どうでもいい”話だと思いながら見ていましたが、中盤からの
展開が面白くて見たあとの気分がとてもよかったです。
じっくり描いている部分があるかと思えば、時間の経過や出来事を映像ではなくセリフで
観客に知らせる部分があって、そのメリハリが心地よかったです。

エンマを支えたメイドの存在が心に響きました。


「永遠の僕たち」90-

イーノックは孤独な少年だった。
両親を交通事故で失い 叔母に引き取られていた。事故後3ヶ月間のこん睡状態の中で
3分間、死の世界を経験していた。
孤独な少年の唯一の“楽しみ”は、葬儀場で 見知らぬ他人の葬儀に参列することだった。
ある日、不審に思った葬儀社の社員にとがめられているところを一人の少女、アナベルの
機転によって救われた。

アナベルもまた脳腫瘍と闘う孤独な少女だった。
若い2人のぎこちない恋物語が始まった…
d0164636_10314583.jpg
ややもすると暗くなりがちなテーマですが、鑑賞後の気分はすがすがしいものでした。
それは 間違いなく、少年役のヘンリー・ホッパーと少女役のミア・ワシコウスカの2人の
素晴らしい演技のおかげでしょう。“みずみずしい”という言葉がぴったりです。
テーマも描き方もまったく違うのですが、「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」のガス・
ヴァン・サントが監督した作品だと聞くと妙に納得できます。

臨死体験があるイーノックは折に触れてヒロという青年と会話をします。ヒロはカミカゼ
特攻隊員だった日本兵の亡霊です。そういう設定は好きじゃないのに この映画に関しては
それほどの違和感がありませんでした。

地味かつ難しい役ですが、加瀬亮は好演でした。
普段、どの程度しゃべるのか知りませんが、英語のセリフも“それらしく”聞こえました。
発音についてのハリウッドの要求は厳しいと聞いたことがあります。工藤夕貴、渡辺謙、
菊地凛子、桃井かおり…容姿だけでは通用しない世界に出て行った日本人俳優に拍手を
送りたい気分になりました。


「山本五十六」80

日本を代表する軍人として海外にも広く知られている連合艦隊司令長官・山本五十六が
人間的にも優れた人物であったことが描かれています。
日独伊三国同盟や対米開戦に反対した立場の山本が真珠湾攻撃の総指揮を執ることに
なったのは運命の巡り合わせだったのでしょう。
ミッドウェー海戦で4隻の空母を失ったとき、刻々伝わる戦況を聞きながら部下と将棋を
指し続けていた場面や 彼の人柄を示すエピソードのはさみ方に“木に竹を接ぐ”違和感が
ありましたが、人間・山本五十六はよく描かれていたと思います。

しかし、人間・山本は軍人・山本でもあるわけで、彼の人物像をうまく描けば描くほど
軍人を称え、海軍を賛美し、戦争をも美化してしまったのではないかと危惧します。

“好きなベテラン男優”トップ3に入る役所広司の山本五十六…これは見ないわけには
いかない、と思って出かけました。いつものことですが、抑制のきいた見事な演技でした。
d0164636_10321165.jpg
そして、鑑賞している間、戦中・戦後を通じて新聞記者だった父親のことが何度も頭に
浮かびました。

戦争にはマスコミの影響力が否定できません。
この作品でも東京日報を舞台に新聞の偏向報道ぶりがやや“類型的”に描かれています。
たぶん、実態に近いのだと思います。それだけに胸が痛むのです。
父は毎日新聞(東京日日新聞)整理部の記者でした。原稿を書くことはなく、記事や写真の
配置を決め、見出しを考える仕事です。

年齢から考えると、戦争中は“デスク”ぐらいだったでしょうか。微妙なところですが、
組織の中でいえば“幹部”と呼ばれる立場です。
戦争が終わった直後、日本中が“民主化”の波に沸き立つ中で、毎日新聞社内の若手から
“幹部の戦争協力”の大合唱が起こり、いや気がさした父は退職したのです。

マッカーサーが“リターン”する直前までフィリピン・マニラで発行されていた新聞、
「マニラ毎日」の責任者でした。しかし、軍部の検閲で思うような紙面が作れないため
「これではやることがない」とホテルで酒浸りになっていたことから本社に呼び戻された
経歴を持つ父でさえ指弾された…それほど、戦争中の報道がひどかったのでしょう。

…画面が東京日報社内に切り替わるたびに妙に落ち着かない気分でした。


65 恋の罪 乱暴なセリフが大声で…監督の“露悪趣味”に辟易しつつ最後まで見たが
75 ヒミズ 主演の2人の将来性は認めるがこの監督の言いたいことがよく分からない
85 ミラノ、愛に生きる 富豪の妻と息子の友人シェフの恋 画調・映像が美しかった
90 永遠の僕たち 孤独な少年・少女の短かい恋物語 若い俳優のみずみずしさがいい
80 山本五十六 人間・山本がよく描けている 役所広司の抑制された演技も見事だった 

01/25
錦織のQFをDVDで見た。
ストレート負けはある程度予想されていた。問題は負け方だ。
世界4位のマレーに対してどうにもならないという内容では
なかった。対抗できるショットもあった。初めての舞台という
ことが大きかったのだろう。その意味ではいい経験をした。

d0164636_1032428.jpg
映画を見に行く予定を変えなかったため、錦織の試合は録画で見ることになりました。
私の中で マレーは、トップ3とはまだまだ差がある選手ですから、勝つチャンスはあると
思っていました。
…チャンスはありましたね。しかし、そのチャンスをもにするだけの経験が今の錦織には
まだありませんでした。ツイートしたとおり、通じるショットがありましたから、いずれ
五分の試合をするようになる可能性はあります。
相手より何割か余計に動くテニスですから、怖いのはケガです。

4回戦に続いてBehavior(コート上のふるまい)については問題ありませんでした。
あれなら、口うるさい私も何も言いません。
岩佐徹を黙らせるのに“罵詈雑言”や“荒らし”は要らないのです。ハハハ。
by toruiwa2010 | 2012-01-26 10:38 | 映画が好き | Comments(10)
Commented by しょう at 2012-01-26 11:38 x
岩佐さん、こんにちは。
「永遠の僕たち」に注目しています。
私はおうちでゆったりDVD派なので、
もう少し先になりそうですが、必ず観ます。
ガスヴァンサント監督が好きということもありますが、
岩佐さんの「みずみずしい」という言葉に惹かれて、
観たい気持ちがさらに強くなりました。

錦織選手のストレート負けは私も予想していました。
逆転勝ちが多い彼ですから「もしかして」という気持ちが
1%(笑)くらいありましたし、
付け入る隙もあったと思いますが及びませんでしたね。
錦織選手の闘いぶりに
トップ3>マレー>トップ5の構図が顕著に表れて面白かったです。
Commented by toruiwa2010 at 2012-01-26 12:13
しょうサン向きかもしれません。ぜひごらんなさい。
手あかが付いた言葉でいやだけど、“透明感”を
感じさせる二人です。
Commented by BBB at 2012-01-26 13:32 x
岩佐さんこんにちは。
錦織選手、残念でしたが健闘したと思います。
最初、NHKで中継という話を聞いた時は、今迄さんざんWOWが高い金を払って
テニス中継してたのに美味しい所だけ持って行くんだなー、なんて思いましたが
これがきっかけでテニスの面白さが世間に伝わって、結果的にWOWの会員が増えれば
いいか、と思い直しました。世間の関心の高い試合ですし仕方ないと思います。

WOWやガオラで試合を観ていれば、今回の錦織選手は十分頑張ったと評価できますが、
世間の一部は「ストレート負けなんてだらしない」だの「よえー」だの言いたい放題です。
有吉の名言「ブレイクするという事は馬鹿に見つかる事である」を思い出しました。
Commented by toruiwa2010 at 2012-01-26 13:41
BBBサン、こんにちは。

トップ10はとても無理…と思っていましたが、
現実味を帯びてきましたね。見る目がない。ハハハ。

テニスの面白さが世間に伝わって・・・
どうですかね。今の盛り上がりは錦織によるものですから。

有吉、うまいこと言ってる。ハハハ。
Commented by Vevey at 2012-01-26 16:45 x
岩佐さん、こんにちは。
錦織は去年の上海マスターズでは、全く歯が立たなかったマリーにも結構戦えていたので、充分健闘したと思います。
序盤戦はストレートで勝って余力を残す、上位選手はそうしていますよね?
2人の年齢差を考えると、2年後に今のマリーのレベルは無理では無いと思えるのです。むしろ、それ以上ならトップ3?デヘヘ。

NHKの中継はセットの途中にニュースが割り込んでくるので、本当にテニスが好きならWOWOWに入るのでは?昨日の試合では錦織がブレークした途端に画面がニュースに切り替わり、ニュースが終わった時にはブレークバックされてました!許せない〜
急いで家に帰る間、車のTVでNHKを見ていたので、NHKがやってして良かった〜と思っていたのに、やっぱりWOWOWじゃなきゃダメなんだと痛感しました。

有吉、やっぱり頭いいんだな〜と感心しました。

Commented by toruiwa2010 at 2012-01-26 16:57
Veveyさん、こんばんは。

トップ3・・・夢見ることは大事ですからね。ハハハ。
関係ないというでしょうが、ミックスに出たのは失敗だと
思います。少なくとも、2回戦はやめるべきでした。
いざとなればやめる、という約束だったはずなんだから。
男子にトッププレーヤーでダブルスをやるやつはいません。

だれも言わないようだから言っておきます。ハハハ。
Commented by マオパパ at 2012-01-26 17:02 x
岩佐さん、こんにちは。イーストウッド監督作品のJ・エドガーをご覧になる予定はありますでしょうか。もし、ご覧になるならご感想をお願いいたします。興味はあるのですが、1800円を有効に使いたいのでよろしくお願いします。
Commented by toruiwa2010 at 2012-01-26 17:13
マオパパさん、こんばんは。
もちろん、見ます。参考になるかどうか。
イーストウッド監督というだけですでに80点ですから。
半分、マジで。ハハハ。
Commented at 2012-01-28 12:26 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by toruiwa2010 at 2012-01-28 12:37
錦織について、カギつきで12時半ごろ投稿されたかた。
ご意見承りました。本当は、こういう意見を公開で
いただくほうがいいのですが、あなたの意志を尊重します。
大ファンのの中にもそう見ている人がいるということは
“相当”ですね。時間トランクが変えてくれるでしょうが、
ナダルが17歳で出てきたときは、既に大人の態度でした。
比べちゃかわいそうですが。ハハハ。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。