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岩佐徹のOFF-MIKE

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「三丁目の夕日」がよかった~映画レビュー~12/02/15

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「J・エドガー」80

アメリカ大統領…それは世界で最も強大な権力を持っているはずの存在でしょう。
しかし、かつてのアメリカで、歴代の大統領たちをも震え上がらせた男がいました。
連邦捜査局(FBI)長官、J・エドガー・フーバーです。
FBIは、当初 アル・カポネらギャングの一掃に活躍しましたが、その後はスパイの摘発や
共産主義の排除に力を発揮していきます。その過程で大統領を初めとする閣僚や要人の
秘密を入手するようになると、長官・フーバーは 握っている秘密をちらつかせることで
権力を拡大していったのです。
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いかにもクリント・イーストウッドが好みそうなテーマです。
しかも、主演がディカプリオと来れば、期待しない方がおかしいでしょう。
見る前から 高い評価をつけることになると思っていました。私の場合、イーストウッドが
監督をしているだけで“80点”の基礎点があるからです。ハハハ。

…正直に書くと、残念ですが、基礎点から上積みするものがありませんでした。
テンポの速い展開はイーストウッドが得意とするところですが、77歳で死亡するまで
42年間も長官の座にいたフーバーを描くには無理がありました。個人としての性癖まで
含めていくつかのエピソードをつないでいるだけ、という印象を免れません。

クリント・イーストウッド81歳…監督として残された時間がどれぐらいあるのでしょうか。
最後にもう一本、さすがはイーストウッド、と唸らされるような作品を見せてほしいです。


「サラの鍵」85

1942年7月16日の朝、ナチス占領下のパリの一角。
アパート3階のベッドの中でサラは弟のミッシェルとふざけ合っていた。荒々しく靴音を
立てて階段を上がってくる音が聞こえたと思ったら玄関のドアが激しい勢いで叩かれた。
「スタジンスキはいるか?」という男の声が響いた。

警察に検挙された一家は屋内競輪場(ヴェルディヴ)に1万人を超えるユダヤ人とともに
収容され、過酷な生活を強いられた。次の収容所で両親と引き離されて一人きりになった
10歳のサラは、知り合った少女とそこを脱走する。
彼女にはどうしてもアパートに帰らなければならない理由があった。
警察が踏み込んだとき、幼い弟を納戸に隠し「すぐに戻るから絶対に出ちゃダメよ」と
言い聞かせて鍵をかけていたのだ…

この一斉検挙は“ヴェルディヴ事件”として フランスにとって消してしまいたいような
歴史上の汚点なのでしょう。アメリカ人ジャーナリストのジュリアが強い関心を持って
この事件を追い始めました。
ジュリアの夫の祖父母が サラ一家連行の後、空き家になったアパートに移り住んだのは
まったくの偶然でした。しかし、熱心な取材の中でそのことを知ったジュリアはますます
関心を深めてサラの足跡を追います。

…次々に明らかになるサラの過酷な運命が見る者の胸を揺さぶります。
ユダヤ人迫害にからむ物語ですから、見て楽しいものでないことは分かっていました。
見るかどうかでだいぶ悩みました。案の定、冒頭の15~20分ほどはつらかったですが、
結果的には見てよかったと思います。特にラストがよかったです。


「麒麟の翼」85

東京・日本橋。夜のとばりは降りていたが、まだ人通りはある時間だった。
スーツ姿の男が悪酔いしたような危なっかしい足取りで橋を北へ向かって歩いていく。
外国人の道案内を終えた警官が「酔ってるんですか?」と声をかけたとき、橋の中央に
差し掛かっていた男が崩れ落ちた。仰向けになった胸にはナイフが刺さっていた。
男が倒れた場所には高速道路に挟まれて翼のある麒麟の像が建っている。

殺人事件として捜査が始まり、容疑がきわめて濃厚な不審者はすぐに近くで見つかった。
しかし、植え込みに潜んでいた彼はいきなり逃走を図って道路に飛び出し 大型トラックに
はねられ、病院に運ばれたが意識不明の重体に陥った。

不審者の所持品から殺された男の身元はすぐに判明し、犯行現場も特定された。
大きななぞは、重傷を負った体で犯行現場から倒れたところまでの700~800メートルを
なぜ 歩いて行ったのかだった。助けを呼ぶこともなく、交番の前さえ素通りしていた。

被害者と容疑者の家族・関係者の間に静かな波紋が広がって行った…
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なかなかよくできた映画でした。
東野圭吾の“加賀恭一郎シリーズ”最新作を映画化したものです。
例によって、阿部寛が扮する日本橋署の刑事、加賀恭一郎が見事な推理と嗅覚で事件の
真相に迫っていきます。ドラマ同様、コンビを組むのは本庁のエリートで加賀のオイに
当たる松宮刑事(溝端淳平)ですが、呼吸がよくなっている感じです。

舞台となる日本橋界隈の位置関係がよく分かると もっと楽しめるのでしょうが、十分に
面白いし、質の高い映画だと思います。人物の設定にも、口にするセリフにも無理がなく、
ストレスがたまらない点がいいのでしょう。原作と脚本の出来がよくて、出演者のつぶも
揃っているのですからいい作品になったのも当然です。

中井貴一と三浦貴大、2人の二世俳優が被害者と容疑者を演じています。
三浦は実にいい雰囲気を持っていますね。NHKのドラマ「カレ、夫、男友達」を除くと、
これまではあまり作品に恵まれていませんが、将来的に父親をしのぐ役者になりそうです。


「ALWAYS三丁目の夕日 ’64」90-

待ちに待ったオリンピックまで2ヶ月ちょっと。かつては芥川賞候補にもなった貧乏作家・
茶川竜之介(吉岡秀隆)がヒロミ(小雪)、淳之介(須賀健太)と暮らす家にテレビが届いた。
モノクロだ。お向いの鈴木オートにもテレビが届く。こちらはカラーだった。
東京中がオリンピックに沸いていて、典型的な下町、夕日町三丁目も例外ではなかった。

鈴木オートで働く東北出身の六子(堀北真希)の様子がおかしかった。
毎朝 おめかしをして出かけるのだ。近くの大学病院に通う医師・菊池(森山未来)に
“偶然”の出会いを装って朝の挨拶をするためだった…
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“三丁目シリーズ”も3作目になりました。1作目、2作目のときは「なんだ、これは。
泣かせることを狙って作ってるじゃないか。ずるいよ」と思いました。ハハハ。
特に、心境の変化があったわけではないのですが、今回は「うーん、なかなかいいな」と
思いました。自分でも不思議です。

日本が激しく“動いていた”時代の話ですから、遠い昔のことでもよく覚えています。
「シェーッ」、「みゆき族」、「OL」…セリフに出てくる言葉の一つ一つに思い出があります。
こういった言葉が小道具のようにちりばめられています。
ただ、どのシーンだったか思い出せませんが、堤真一が反射的に「早っ!」と叫びます。
定かではありませんが、最近10年ぐらいの間に若者の間で急速に広まっている言い方を
この時代のオヤジがしたとは思えません。聞いた瞬間に「うん!?」と思いました。

堀北が腕時計を見るときのポーズに懐かしさがこみ上げました。当時の女性は腕時計の
文字盤が手首の内側に来るようにはめたものです。時代考証はしっかりしているようです。
しかし、“早朝デート”は疑問です。男女が時間と場所を決めて会うことを“デート”と
呼ぶようになったのはもっとあとになってからのことだと思います。

「一枚のハガキ」でも新藤監督が終戦直後の女性に「キスしてちょうだい」と言わせていて
強い違和感があり、大監督に失礼とは思いつつ、苦言を呈しました。
その頃の日本人は“キス”という言葉を口にしなかったはず…と 小学校に上ったばかりの
私は記憶しています。接吻(せっぷん)、くちづけから“キッス”になり、だいぶたってから
“キス”になったのです。ハハハ。

それはともかく、今回は前2作にくらべると全体のハーモニーが感じられました。
森山未来がいいし、堤真一の“ハジケぐあい”が楽しいです。

ちなみに、第2作は85点でしたが、アカデミー作品賞を獲った第1作は75点でした!!
賞を狙って作られたことが見え見えの作品はあまり好きではないのです。作品賞と聞いて
腰が抜けるほどビックリしました。いやあ、世間とのずれ方がひどいわ。ハハハ。

おまけ:東京五輪開幕日の私(at 国立競技場)
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「しあわせのパン」80

北海道・洞爺湖のほとりにそのコテージはあった。1階はカフェ「マーニ」だった。
東京出身の元サラリーマン、水嶋君(大泉洋)がパンを焼き 札幌出身のりえ(原田知世)が
店を切り盛りしている。 店の名はりえが大好きな絵本、「月とマーニ」からとったものだ。
東京から、2泊の予定で一人旅の若い女がやってきた。2階が宿泊施設になっていた。
デパート勤めのその女(森カンナ)は恋人と沖縄に行くはずだったが“ドタキャン”されて
まったく逆方向のここにやってきたのだった…

映画は、このカフェ・コテージを舞台に夏の終わりから翌年の春に至る1年のうつろいと
そこで起きる人間模様を描いています。

この映画にも期待していました。
どう考えても“まったり系”だろうと想像はつきます。「かもめ食堂」や「めがね」…的な
作品だと考えていました。しかし、まったりはしていますが、テーストが違います。
三つのエピソードが描かれていますが、それぞれの話の収まり方が全部同じで、途中から
結末が見えてしまうのももの足りません。
風景はきれいです。大泉の自然体の演技も悪くありません。しかし、「いい話だなあ」と
思わせようと狙いが見え過ぎて、全体として期待ほどではありませんでした。
“さりげなく…”はアナウンスだけでなく、何事にも求められます。ハハハ。

80 J・エドガー イーストウッド&ディカプリオ…期待は大きかったが結果は残念だった
85 サラの鍵 重い話だが見る値打ちはある 前半は見るのがつらいが後半はすばらしい
85 麒麟の翼 事件発生から謎解きまでのシナリオがいい 俳優も揃って見ごたえがある
90 ALWAYS 三丁目の夕日 シリーズ3作目で初めて納得 突っ込みどころはあるが
80 善き人 心ならずもナチ親衛隊の将校になった男とユダヤ人の親友との複雑な関係
70 はてなき路 過去の出来事・いま起きていること・撮影中の映画…頭の中が混乱した
80 しあわせのパン 洞爺湖のほとりのカフェが舞台のまったり系映画 大泉洋がいい
by toruiwa2010 | 2012-02-15 08:54 | 映画が好き | Comments(8)
Commented by セイヤ at 2012-02-15 10:43 x
岩佐さん、こんにちは。ご無沙汰しています!
僕も昨日ALWAYS見て来ました!!号泣につぐ号泣でした 笑
子役がいつのまにか青年になっていて月日の流れの早さを感じました、、、!

ふと、僕らが大人になった頃には「平成」を懐かしむ映画や風潮ができたりするのかな?と思いました笑
Commented by toruiwa2010 at 2012-02-15 10:50
セイヤくん、ひさしぶり。
えーと、まだ学生だよね。
今のような日々はもう帰ってこないのだから
存分に楽しんで。ハハハ。

平成…まだ懐かしむような出来事がないような。
Commented by マオパパ at 2012-02-15 11:00 x
岩佐さん、こんにちは。映画レビューありがとうございます。エドガーはいろいろなメディアでも評価がいまいちだったので、やっぱりそうなんだという感想です。チャンスがあれば観ても良いかなくらいの感じです。
イーストウッドの次作に期待します。
それにしても、岩佐さん、外出できるようになって良かったですね。
Commented by みにx at 2012-02-15 11:11 x
こんにちは。
「三丁目の夕日」より、東京五輪開幕時の岩佐さんに感動?しました。晴れやかですね。
Commented by toruiwa2010 at 2012-02-15 11:20
マオパパさん、こんにちは。

感謝されるようなものではありませんが。ありがとうございます。
「エドガー」の評価はあくまでイーストウッドにしては・・・です。
Commented by toruiwa2010 at 2012-02-15 11:53
みにxさん。こんにちは。

入社2年目、26歳になったばかりで
スポーツ・アナとしての将来はまったく
見えていませんでした。
Commented by safina at 2012-02-15 12:33 x
お久しぶりです
こんにちは~♪
映画、私も好きですのでここに来て時々読ませていただいています
ただ私は洋画しか見ませんので・・・

>『エドガー』
友人数人が観てイマイチの感想だったので、『ドラゴン・タトゥーの女』を代わりに観てきました。
これから観られるかどうかはわかりませんが、もし観に行かれたら是非岩佐さんの点数が見たいです(^^)
それから試写会で見て、かなり自分的高評価の『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』もよろしくお願いします。
Commented by toruiwa2010 at 2012-02-15 12:48
safinaさん、こんにちは。

「ドラゴン・・・」「ものすごく・・・」ともに近く見に行く予定です。
私も、数年前まで洋画しか見ませんでした。
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