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岩佐徹のOFF-MIKE

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深く、静かな感動~「はやぶさ 遥かなる帰還」をみる~12/02/22

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「はやぶさ 遥かなる帰還」90

2003年5月9日、鹿児島県内之浦の宇宙空間観測所に山口教授(渡辺謙)が出勤した。
早朝で建物の中はまだ薄暗かった。人影もない。自分の部屋に向かって歩き始めてすぐ
何かにつまずいた。床に張り巡らされたコードに引っかかったのだ。一瞬 顔をしかめた
山口はすぐにガムテープを取り出してコードを固定した。

午後になると発射場には大勢の報道陣と見学者が集まった。
宇宙探査機はやぶさを搭載したロケット発射の瞬間を見届けるために。

打ち上げは成功した。
「The long journey has just begun」長い旅は始まったばかりです。
発射成功を祝福するNASAのスタッフに山口はそう言った。
そう、はやぶさは3億キロ先の宇宙に浮かぶ小惑星イトカワを目指して往復4年に及ぶ
長い旅の第一歩を踏み出したにすぎない…
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無機質な構築物でしかない“はやぶさ”に賭けた科学者たちのロマン。
最近では珍しく、何度か涙がこみ上げました。
3年前、地球への帰還があれだけ日本中を沸かせたのですから、物語そのものの中に
感動させる要素がふんだんにあります。“真実”だけが持つ重み、強さを感じました。
この映画の一番いいところは、制作者が 観客を泣かすことを狙って作っていないことでは
ないかと思います。実際に起きたことを、小手先を使うことなく地味に積み上げています。
作りものではないよさがあります。それが感動を呼ぶのだと思います。

はやぶさは日本からの指令に従って順調に飛び続け、イトカワに到着しますが、その後は
トラブルが続出して、山口を中心とする科学者・技術者たちを苦しめます。
山口のリーダーシップ、スタッフの間で起きる人間ドラマがうまく描かれています。
とくに、はやぶさを動かすイオンエンジンを担当する2人が対立するシーンは圧巻でした。
チーフの藤中教授(江口洋介)とNEC社員の森内(吉岡秀隆)です。
2人はかつての研究者仲間ですが、はやぶさ帰還のためにはできることをすべてやりたい
科學者・藤中とメーカー社員としての立場がある森内は真っ向から対立します。
最後は力を合わせてはやぶさを危機から救うことになるのですが、両者のやりとりからは
関係者がこのプロジェクトに賭けた熱意がほとばしっているようで胸を打たれました。

渡辺謙も好演ですが、江口・吉岡の演技は見事でした。


「最高の人生をあなたと」80

さっきから メアリーがうつろな目をしてチェアに座りこんで動かない。スピーカーから
夫のスピーチが流れていた。優秀な建築家として贈られた金メダルに対するものだ。
いつもと違うメアリーの様子を 母親も子供たちも心配げな目で見つめていた。
60歳を目の前にしたメアリーには気がかりなことがあったのだ。このところ疲れやすく、
気持ちがすぐれない。なによりも、記憶がところどころ“抜ける”のだ…

いつまでも若いつもりでいても、人はどんなに頑張ってもいずれ老いるのです。
メアリーと夫のアダムは幸せな結婚生活を送ってきたつもりでしたが、些細なことから
大げんかをして別居生活に入ります。
…予告編の雰囲気は、メアリーがアルツハイマーになり、夫がそれにどう向き合うかが
描かれている作品だと思いましたが、アルツハイマーではなかったようです。ハハハ。
とくに欠点はありませんが、“ありがちな”着地の仕方に肩すかしを食った気分でした。


「ドラゴン・タトゥーの女」85

ミカエルに有罪判決が下った。彼が共同経営する雑誌「ミレニアム」に書いた有力実業家、
ヴェンネルストレムを告発する記事が名誉棄損に当たる、とされたのだった。
恋人でもあるエリカにあとを託して職を辞し、失意の日々を送る彼のところに弁護士を
名乗る男から電話がかかった。

スウェーデン有数の実業家、ヘンリック・ヴァンゲルが会いたいと言っているというのだ。
しぶしぶ出向いたミカエルにヘンリックは意外な申し出をした。
40年前に殺されたと思われるメイのハリエットについて 調査してほしいというのだ。
気乗りしなかったミカエルだが、ヘンリックが その見返りとして、ヴェンネルストレムの
不正にかかわる重要な情報を提供すると言われて引き受けることにした。

古い“事件”だけに調査は難航し、ミカエルが助手の必要性を訴えると、ヘンリックの
弁護士が“うってつけ”だと、一人の人物を推薦した。
黒の革ジャンパーに革のパンツ、モヒカン刈り、首筋にタトゥーがあり、唇にも眉にも
ピアスをした女、リスベットだった。
腕利きのハッカー、リスベットの助けを借りたミカエルが事件の真相に迫っていく…
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すでに亡くなったスウェーデンの作家、スティーグ・ラーソンのミレニアム3部作の
第1作「ドラゴン・タトゥーの女」は2年前に母国で映画化され日本で公開されましたが、
今回はハリウッドでリメークされたものです。

ラーソンの原作は英語で読み、スウェーデンで映画化されたものも全部見ました。
この作品は、どうしてもそれとくらべてしまいます。
監督のデヴィッド・フィンチャーがインタビューで「続編を撮るかどうかは観客の動向に
かかっている」と話していましたが、すでに撮ることを決めていると思います。
ハリウッド版は原作の第1部で終わらせずに、第2部の途中までを描いているからです。
フィンチャーはこのあと、第2部の途中から第3部までを撮るはずです。

かなり粗っぽいですが、テンポはこちらの方が速くていいと思いました。
ミカエル役もスウェーデン版よりダニエル・クレイグのほうがカッコイイです。
しかし、リスベットはスウェーデン版のノオミ・ラパスの方が魅力的でした。
原作を読み、スウェーデン版を見ているからついていけますが、一家の“相関図”を
つかめないまま見る人が多くなりそうな予感…。ハハハ。

90 はやぶさ… 感動した 作為のない作り方がいい 江口と吉岡の演技に感銘をうけた
80 最高の人生をあなたと 予想とは違う展開と平凡な“着地”にはぐらかされた
85 ドラゴン・タトゥーの女 スウェーデン版との比較は避けられない トータルで引き分け
by toruiwa2010 | 2012-02-22 09:49 | 映画が好き | Comments(4)
Commented by しょう at 2012-02-22 19:52 x
岩佐さん、こんばんは。
はやぶさ帰還の際、ネットで公式ライブ中継を見ました。
その中継には、スタッフの方の声も入っていたのですが
嬉しさと寂しさが入り交じった、切ないため息のような
声が何度も発せられていました。
その声から想像される背景が、映画できちんと表現されているのか?
と少し心配だったのですが、良い作品になっているようですね。
「観客を泣かすことを狙っていない」
この一点だけでもポイント10点上乗せですwまだ観ていないけど(笑)。

ドラゴンタトゥーの女オリジナル版はなぜか食指が動かなくて観ていません。
デヴィッドフィンチャーは好きな監督なので今作は観てみようかな。
原作を読んだ方が楽しめますか?
Commented by toruiwa2010 at 2012-02-22 20:04
しょうサン、こんばんは。

「はやぶさ…」私は大好きです。ネットでの評判が
あまり良くないみたいでびっくりです。

「ドラゴン…」に関してはオリジナル版のほうが
丁寧だったと思います。原作を読んでミカエルと
リスベットの性格をつかんでおくといいかもしれません。
人間関係も頭に入りますから。
Commented by safina at 2012-02-23 10:19 x
『ドラゴン・・・』レビューありがとうございました。
私は原作も前作も見てなかったので、かなりスピード感もあって面白いと思いました(見ない方が良かったと思えます)
フィンチャー監督って『セブン』、『ソーシャル・・・』の監督さんですが、『セブン』ほどの強烈な表現は控え目だったように感じました。
もちろんリスベットの部分には多少ありでしたけど・・・
あの痩せすぎな感じがこの映画に合っていたような気がしました。
きっと第2作はがっかりしそうですけど・・・
Commented by toruiwa2010 at 2012-02-23 10:23
safinaさん、こんにちは。

リスベット役の女優がアカデミー主演女優賞に
ノミネートされていることを知ってびっくりしてます。
私の目にはオリジナル版のほうが魅力的でしたから。

続編が作られると、ミカエルとリスベットの関係が少し
変わるのでフィンチャーがどう描くかに注目したいです。
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