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岩佐徹のOFF-MIKE

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放送文化インタビュー~スポーツ実況について~12/03/31 

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スポーツ実況についての考え方は一応出尽くしたと思います。
思い出すことがあったら、そのときにまた書きます。
今日と明日は、2008年4月に受けたインタビューを再録します。
NHK出版の「放送文化」に載ったものですが、私の考えがまとめられていると思います。
放送関係者向けの季刊誌なので、一般の方は存在すらご存知ないかもしれません。
本屋さんの店先においてあることは“まれ”ですから、きっと皆さんの目に触れることも
なかったと思います。

好きなテーマですから、喫茶店の片隅で2時間以上、熱弁をふるいました。ハハハ。
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まず最初にお聞きしたいのが、スポーツ実況の基本とはどんなものか、なんですが。
「現場で何が起きているのかを、視聴者に的確に伝える。それが〝実況〟の大前提です。
その上でスポーツ実況にはいくつかの特別な要素が求められるというのが私の持論です。
一つ目が、自分の感情をあまり交えすぎないこと。二つ目は、テンポがよく、ほどよい
スピード感があること。三つ目は、明るさ、爽やかさがあること。最後に、ちょっとした
ユーモアもあったほうがいいですね。そういったものを身につけるには資質が必要ですし、
訓練、経験も必要です」

サッカー日本代表の試合でよくありますが、感情が先走ってしまい、ただの応援に
なっている実況も増えています。

「応援や絶叫を続けて、ちょっと込み入ったプレーになると、言葉を失って呆然と見て
いるしかない。最後には声が枯れる、ということではアナウンサーとしては失格でしょう。
それから、『○○選手、がんばってますね』というようにセンチメンタルになってしまう
パターンもあります。それは私から言わせれば、禁句なんですよ。スポーツの世界では
がんばっているのは当たりまえ。その前提の上で、じゃあ何を語るかというのが実況者の
技術だと思うんですが」

岩佐さんは絶叫はここぞというときにしかしませんでしたし、〝癒し系実況〟とも
言われていましたね。

「〝縁側のひだまり実況〟と言われたこともありました(笑)。以前、サッカー中継で
『ゴール!ゴル!ゴル!ゴル!』と連呼しすぎたアナウンサーが批判を浴びたことが
ありますが、ああいうのは、視聴者の感動を先取り、横取りしてしまっていると思うん
ですね。視聴者の感動を助けるのがアナウンサーの仕事です。同じ絶叫でも、それが
視聴者の感動とシンクロすれば、不快感を与えないと思うんですが」
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同じネタを何度も言ってしまう若いアナウンサーも多く見受けられます。
「それは単純に準備不足、ネタの仕入れ不足でしょうね。何週間か前に試合の担当をする
ことが決まっているなら、競技知識が足りなくても、解説者にどうネタをふるか、という
準備まではできるはずです。
逆に、若いアナウンサーには、用意したネタを全部しゃべりきりたいと思ってしまう
きらいもあります。気持ちは分かりますが、実際、プレーの状況にぴったりはまる形で
ネタを出せるのは、仕入れたうちの3割ほどでしょうね。もし5割しゃべれたら、それは
相当ついていたということだと思いますよ」
  
テンポや爽やかさというのもすごく重要ですね。最近イライラさせられた中継を振り
返ると、アナウンサーが舌足らずだったり、べたっとしたしゃべり方をするケースが
多かった気がします。

「アナウンサーには筆跡ならぬ〝口跡〟というものがありますが、スポーツアナに
求められる一定の口跡というものがあるんですね。
僕はフジテレビの出身ですが、語り口はNHK的だと自分でも分析しています。
子供の頃からNHKラジオで、プロ野球や大相撲の中継を聞いて育ったという原体験の
せいかもしれませんね。志村正順さんの実況などは正確な上に、それはもう見事な口跡
でした。スポーツアナウンサーの基本的なモデルはああいった方たちによって作られたん
だと思います。
 もちろん、主観、好みもありますし、時代によって求められるものも変わりますから、
一概には言えません。でも、スポーツ中継を見て楽しい時間を過ごそうと思っている
人たちが求める要素として、テンポがあって爽やかな口跡というのは欠かせない要素だと
思うんです」

つづく・・・
by toruiwa2010 | 2012-03-31 08:38 | 岩佐徹的アナウンス論 | Comments(2)
Commented by デルボンバー at 2012-03-31 20:31 x
岩佐さんの実況がそんな風に例えられるということは、いかに絶叫型や興奮型が主流になっちゃった、てことなんですかね?僕らの年代にしてみれば、いたって普通なんですけどね。
Commented by toruiwa2010 at 2012-03-31 20:43
デルボンバーさん、こんばんは。

何度も書いてますが、結構叫んでるんですけどね。
つまり、印象度の問題だろうと。
おとなしい、品のいい顔してるし。ハハハ。
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