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岩佐徹のOFF-MIKE

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サッカー・クリックインタビュー4~スポーツ実況について~12/4/15

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・・・つづき

『第4回 EURO 2000の見どころを語る』

■前回よりもはるかに注目度の高い大会


・ユーロ 2000について、どういうイメージを持っていらっしゃいますか。

WOWOWの立場から言うと、4年前のユーロ '96(イングランド)とは比較にならない
くらいサッカーファンの注目度が高いと思います。ですから、すごくプレッシャーを
感じています。決勝戦の実況を担当することになっていますし、ローランギャロス
(テニスの全仏オープン)の中継が終わってから行くので、大会が始まってから4,5日
遅れで現地入りすることになります。言い訳ではありませんが、それは自分にとって
ハンディなんです。そういう条件の中で決勝をしゃべるという意味で、プレッシャーは
大きいですね。それはたぶんスタッフも含めて全員が感じていると思います。
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やはり'96年と同じレベルの放送ではいけないだろうと思います。
また、'96年大会よりチームの粒が揃っているのではないでしょうか。
私たちが日常的にヨーロッパの試合を見る機会が、飛躍的に増えた中での大会ですから、
なじみのある選手も多いですし、’96年より充実した大会になるのは間違いないだろう
と思います。

・放送の体制としてもかなり大がかりになるのですか。

生中継を中心に全試合を放送します。私たちの労働量も4年前に比べてふえてますね。
私は'96年大会とまったく同じスケジュールで動くのですが、同じ期間で'96年は7試合
だったのが今度の大会は10試合ですから、3試合多いんです。6月14日のイタリア対
ベルギーが最初で、そこから7月2日まで19日間で10試合です。なかには3日連続の
予定もあって かなりきついです。幸運なのは、移動は大したことがないということです。
2ヵ国の共同開催ですが、一番 離れているオランダのアムステルダムとベルギーの
シャルルロアでも250キロくらいですから、移動はわりにスムーズにいくと思います。
狭い範囲で動くだけですからイングランド大会よりは負担が少ないかもしれません。

■「国境を接した国同士の戦い」だけにある雰囲気

・言いにくいかもしれませんが、とくに注目するチームなどはありますか。

いまでこそセリエAの放映権は私たちの手元を離れてしまっていますが、やはり長い間
なじんできたリーグでよく知った選手もいるので、イタリアにがんばってほしいという
気持ちはあります。また、「新顔」のスロベニアがどこまでやれるかという期待もあるし、
ユーゴやポルトガルなど優勝候補とまではいかないチームでもがんばってほしいですね。
'96年のチェコはダークホースにも挙がっていませんでしたが決勝まで行きました。
今大会ではスウェーデンやノルウェーなどは誰も話題にしませんが、そういうところが
出てくる可能性もなくはないと思います。

・ヨーロッパ選手権は'92年まで小規模の大会でしたが、'96年から16チームの参加に
なりました。ユーロ '96は、「サッカーの母国での開催」を前面に出したとてもいい
雰囲気で、運営面などを含め多くの人が成功だと評価しました。ワールドカップには
ないような非常に楽しく、また激しい雰囲気もありました。ヨーロッパ選手権という
大会全体の雰囲気をどのように感じられましたか。
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私がそうした雰囲気をもっともよく感じたのは'96年の決勝のときです。
チェコとドイツという対戦になって、スタンドがいっぱいにならないのではないかと
心配でした。放送の中でも解説の加茂周さん(取材当時、京都サンガ監督)とその話を
しましたが、結果は超満員で、加茂さんも本当によかったとおっしゃっていました。
あらかじめ売られているチケットはやはりイングランドの人が買ったものが多かったと
思います。もちろんチェコとドイツの関係者や両国の人たちも多く来ていたでしょうが、
イングランドの人が、たくさんの切符を無駄にしないでスタジアムに見に来た。それは
やはり試合の意味やレベルがわかっているファンが、ちゃんと見に来たという証拠だと
思います。
ドイツが勝って、選手たちが歓喜するバックに「ウィ・アー・ザ・チャンピオン」が
流れる感動的なフィナーレでした。

・歴史的にも地理的にも「隣同士の大会」のような雰囲気がありますね。

・作家の村上龍さんもおっしゃっていますが、ほとんどが国境を接している国同士が
対戦するという感じです。いちばん遠い参加国からでも飛行機であっと言う間に来る
ことができる距離ですし、陸路で来てもそんなに厳しくない条件のところが多いですね。
そういうところで試合をするから、まったく関係のない人たちがスタンドで見ていると
いうことはまずないんです。これはやはりすごいです。どこのスタジアムでも、すごい
シーンがあればスタンドが揺れるような騒ぎになります。
少なくとも、イングランド大会はそうでした。今度のオランダ、ベルギーも同じような
ことになるのではないかと思います。
試合内容にしても「この試合はこちらが必ず勝つ」という対戦がひとつもないという
意味では、ヨーロッパ選手権はすごい大会だと思います。だから、ヨーロッパの国々に
力が入るのは無理もないことですね。

・日本のファンにとって、オランダ、ベルギーのスタジアムというのはわりになじみが
薄いと思います。写真などで見る限り、小さくてもサッカーに適した感じがしますね。

イングランドもそうですが、スケールの大きな立派さはなくても、サッカーを見るのに
ちょうどいい具合に造られている。3,4万というキャパシティーですが、それがむしろ
見るほうには心地よいスケールなのではないかと思います。今回も、画面からそうした
雰囲気が伝わると思いますよ。

■地元チームの活躍が大会自体を大いに盛り上げる

・ポルトガルのタレントたちにとって最後の大会になるのではないといわれていますが。

先日、奥寺(康彦)さんとその話をしました。英語では「プライム」と言いますが、
「全盛」というか、ルイコスタやフィーゴといった名手たちがいまちょうどピークで、
ビッグチャンスをつかむとすればこの大会がちょうどいいところではないかと思います。
そういう意味ではポルトガルにがんばってもらいたい気がします。イタリア、ドイツ、
イングランド、フランス、スペインといった、常にもてはやされている国でない小さい
国だけに、なんとかがんばらせたいと思います。
     
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'89年のワールドユースで優勝した若い選手たちが、そのまま、代表メンバーとして
残って代表チームを支えてきましたからね。ポルトガルのサッカー史上、これから先も
またあるかどうかちょっとわからないですよね。
日本のオリンピック世代もメンバーが揃っていますが、あんなに揃うことがこの先に
いつあるのかというのはちょっとわかりませんよ。

・前回は、ポルトガルに勝ったチェコが、あれで波に乗った感じでした。

チェコはどこもノーマークだったと思います。実は私も、16チームのうち15チームに
ついてはかなり資料を収集・整理して現地に入りました。
唯一チェコだけはトーナメントまでは出てこないだろうと思い、グループ・リーグの
最終戦の時点でも、一応集めた資料は持っていましたが、自分のデータとして整理して
いませんでした。試合を見ながら「ここで負けるさ。イタリアが出てくるだろう」と
未練たらしく整理に取りかからなかったので、その後の快進撃には慌てました(笑)。
     
しかし、ああいうチームが出てくるほうが大会は盛り上がります。
それと、やはり地元ですね。地元チームががんばると大会自体の盛り上がりが違います。
'96年の時も、イングランドが頑張ったので非常に盛り上がりました。
とくに、ポール・ガスコインが久々に大きな舞台に登場して大活躍を見せましたから、
私たちも嬉しかったし、解説者もけっこう喜んでしゃべってくれました。

つづく・・・
by toruiwa2010 | 2012-04-15 06:59 | 岩佐徹的アナウンス論 | Comments(2)
Commented by デルボンバー at 2012-04-15 18:30 x
欧州選手権をWOWOWが放送すると聞いたときは飛び上がって喜びましたよ。個人的に加入するきっかけにもなりましたし。しかも未だに継続して放映権を取ってくれているのはサッカーファンとしては非常に有りがたいです
Commented by toruiwa2010 at 2012-04-15 18:40
デルボンバーさん、こんばんは。

たぶん、今はWOWOWとスカパーの間で
チャンピオンズ・リーグとの住み分けができていると
想像します。放映権料のアップが抑えられますから。
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