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岩佐徹のOFF-MIKE

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最初で最後?の千鳥足~岩佐徹的アナウンス論37~12/04/30

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・・・つづき

ケネディ暗殺


1963年7月、3ヶ月に及ぶ養成を終え、プロのアナウンサーとしてはじめて電波に
乗せたのがこの5秒のSID、つまりSTATION IDENTIFICATIONでした。
今はほとんど効かなくなりましたが、当時は、一定の間隔でアナウンスすることが
義務付けられていたコールサインです。
CMスポットなどだと、ミスをした場合、スポンサーに損害を与え、営業部が謝罪に
行かなければなりません。SIDは痛くも痒くもないので、そのころの新人はこれで
デビューすることが多かったのです。

開局5年目を迎えていたフジテレビは、その頃営業成績があまりよくなかったのか、
本来ならCMスポット(収入あり)が入るべきところに事業部のスポットや局からの
お知らせ(収入なし)がたくさん入っていて、新人はしばらくはそんなものを中心に
仕事をしていたような気がします。

10月ごろから泊まり勤務が始まりました。
2、3回先輩についてもらったあと一本立ちしたわけですが、その年の11月22日は、
私の何度目かの泊まりの日でした。
最後の映画が終わったあと、翌日の番組の案内や視聴者への「おやすみなさい」の
挨拶などをして仮眠室のベッドにもぐりこんだのは、2時ごろでした。
しかし、少しまどろんだかなと思ったころ、警備員にたたき起こされました。
いきなり、「ケネディが撃たれたので起きてください」と言うのです。
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頭がぼうっとしたまま、とにかく報道部に顔を出すと、「ダラスを遊説中のケネディが
狙撃され、危険な状態に陥っている。放送開始を早めるので、マスター(主調整室)の
ブースで臨時ニュースを読んでくれ」と、デスクから指示されました。
途端に頭はすっきりし、同時に心拍数も一気に上がりました。
「これまで天気予報ぐらいしか読んでないのに、大丈夫かなあ」と、気の弱い新人は
急激に膨れ上がる不で胸がいっぱいになったのです。ハハハ。

よほど情けない顔をしていたに違いありません。デスクが、「心配するな。まもなく
Hが来るように手配してあるから」と、笑いながら言いました。
「ああ、先輩が来るなら安心だ」と、ほっとしたものです。
それ以後、11月になると、どうしても、あれから何年という話になるため、いやでも
そのときの警備員の声と、途方にくれた一瞬のことを思い出すことになるのです。

泊り明けの千鳥足

もちろん、泊まりのたびにこんなに劇的なニュースに出会うわけではありませんが、
間違いなくこの日は泊まりだったと記憶している日が、もう一日あります。
それは、1964年11月29日で、露木の結婚式があったので忘れません。
披露宴のあと局に戻って泊り勤務に入った私と先輩女性アナに、同期生が2、3人
合流して、式の話、仕事の話、局内の噂話などで盛り上がったのはいいのですが、
その夜最後の仕事を終えたあと、酒盛りになってしまいました。

みんな若く、話自体が楽しくて とても、「明日もあるからオレは先にやすむよ」と
言い出せる雰囲気ではなく、とうとう朝まで付き合う羽目になりました。
もともと酒が強いほうではありませんから、朝一番の仕事に向かうときにも、酔いは
まだしっかりと残っていて、頭はがんがんするし、壁伝いでなければ廊下も歩けない
ありさまで、正直言ってあれほどあせったことはありません。ハハハ。
深酒することはほとんどない私にとっては、人生で唯一の千鳥足経験でした。
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先輩の中には、もっと豪傑がいました。
酔っ払ってスタジオにたどりついたものの、声を出すまで時間があったのが災いして、
すっかり寝込んでしまい、仕事を“飛ばして”しまったのです。
私は入社1年半でしたから、そんな理由で事故(放送上のミス)でも起こしていたら、
アナウンサー人生もその瞬間に終わっていたでしょう。声をしぼり出してなんとか
仕事を終えることができたとはいえ、まったくの冷や汗ものでした。ハハハ。

事故といえば、私が入社したころは、提供スポンサー名や、15秒のCMコメントを
生で読むことが多く、忘れたり、読み間違えたりと、ナマだからこその事故がたくさん
ありました。“犯人”はアナウンス部に備え付けの「事故簿」ノートに書き込むのが
規則でした。失敗したことに落ち込んでいる上に文字で残ることがとても苦痛でした。

「赤裸々」を「アカハダカ」、雪上車」を「ユキジョーシャ」、「干物」を「ホシモノ」、
「放水車」を「放れグルマ」...と、枚挙に暇がありません。
私は、幸いなことにこのたぐいのミスはほとんど記憶にないのですが、それはまさに
“幸い”だっただけでしょう。
“君子 危うきに近寄らず”で、その場で確認できない疑わしい言葉は使わないで、
ほかの言葉に置き換えるなど、かなり注意深くしていたからです。

ただし、放送以外の雑談の中で、「伏魔殿」を「フシマデン」と言って、後輩たちから
思い切り突っ込まれたことがあります。子供のころ そのようにルビが振ってあるのを
読んだか、「く」と「し」を見まちがえて、そのまま覚えてしまったかでしょう。
とにかく思い込んでいましたから、もし放送中に出会っていれば、自信をもって
「フシマデン」と読んでいたに違いなく、そういう機会がなかったのは全くツキが
あったとしか思えないのです。
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ほかにも、はっきりと間違えたことがあります。
超音速旅客機、コンコルドの“お目見えフライト”を羽田空港から中継したときに、
その飛んでいるさまを、「まるでカイチョウ(怪鳥)のようです」としゃべりました。
「ケチョウ」が正解なのはもちろんですが、しばらくしてから、先輩から「あれは、
判りにくいと思ってあえて言ったのかな?」と聞かれるまで 自分のミスにまったく
気づかず、しかも、あまりの恥ずかしさに気が動転してしまったのか、事故簿への
書き込みも忘れてしまうというお粗末さでした。ハハハ。

言葉の間違いや思い込みによるミス、読み間違いはいつ起きてもおかしくありません。
経験があることですから他人や後輩にも優しくしなければいけないのですが、なぜか
現役を去った今のほうが他人のミスに敏感です。つい先日も「とくダネ」を見ながら
2度も間違った言葉遣いに気づいてしまいました。

04/26のツイート
言葉尻をとらえるつもりはないが、小倉クン、
「上告もありうる」と言ったかな?
それ、正しいのかね?「控訴」の間違いだと思うが。
情報番組をこれだけ長くやっていて、その程度か。
いやいや、わざわざ、訂正しなくてもいいけど。
ハハハ。
(“控訴”と言うべきところ:訂正はなかった)

倉田クン、「みなさん、チカシイ」はおかしい。
間違えたという自覚はあるんだろうね。ハハハ。
(問いかけに対するパネリストの答えが“近かった”とき)


…不治の病気だね、これは。ハハハ。

つづく・・・
by toruiwa2010 | 2012-04-30 07:10 | 岩佐徹的アナウンス論 | Comments(8)
Commented by hiroko_Joan at 2012-04-30 16:46 x
岩佐さん、こんにちは♪

小倉さんは先日、ナレーターの人が『浅草寺』を『あさくさでら』と読んでしまったのに気づいて少々キレ気味に『せんそうじ』ですけどねっと言っていました。

訂正は確かに正しいのですが、自分も言葉を間違えて使ってるなんて笑っちゃいますね。
Commented by toruiwa2010 at 2012-04-30 17:10
hiroko_Joanサン、こんばんは。

間違いはどんなベテランでもどこかで
必ずやるものです。控訴を上告などと
間違えるように。

私は、もう、放送で間違えることはないですから、
まるで自分は完璧のように言ってもいいのです。
ハハハ。
Commented by hiroko_Joan at 2012-04-30 17:28 x
私はアンチオグラなので、ついつい彼の言動が気になってしまうんですよ。
なんか偉そうなんだもん、発言が。それが彼のウリなのかもしれませんが。
Commented by toruiwa2010 at 2012-04-30 17:55
hiroko_Joanサン、ちなみに私は
「岸本リポーターをキャスターに推薦する」運動の
事務局長です。ハハハ。
Commented by hiroko_Joan at 2012-04-30 18:17 x
岸本リポーターが分からなかったので、検索してみたら、知っていますこの人!
岩佐さんがイチオシなら、ポテンシャル高そうですね。今度注意深く見てみます。
Commented by toruiwa2010 at 2012-04-30 18:45
岸本リポーターについては→ http://bit.ly/eWqRYW をどうぞ。
Commented by 老・ましゃこ at 2012-04-30 23:05 x
千鳥足の写真のチョイス!ナイス!ですo(^-^)o
こういうのが好きデスo(^-^)o
Commented by toruiwa2010 at 2012-05-01 07:18
老・ましゃこ さん、おはようございます。

やらしい話ですが、「しめしめ」と思いました。
分かっていただけると喜びが増します。ハハハ。
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