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岩佐徹のOFF-MIKE

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長かった4月23日~チャンピオンズ・リーグ決勝に寄せて~     12/05/02

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今シーズンのUEFAチャンピオンズ・リーグ(UCL)の決勝カードが決まりましたね。
バルサ&レアルが敗れたのは残念ですが、チェルシーvsバイエルンも悪くありません。
しかも、会場がミュンヘンじゃないですか。いやいやいや。思い出しますねえ。
いえ、この新スタジアムはまったく知りませんし、古いオリンピアシュタディオンも、
外から見たことがあるだけで、中に入ったことはありません。
しかし、UCLとミュンヘンがからむと印象深い思い出がよみがえるのです。
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UCLの存在を知ったのは、セリエAの実況陣に加わった1993年でした。
当時 イタリア・サッカーについての情報はガゼッタ・デッロ・スポルトという有名な
スポーツ新聞に頼っていました。分かるのは数字と固有名詞だけですが。ハハハ。

シーズンが終盤を迎えたころです。そのピンクの新聞でUCL決勝のスケジュールを
見ていて、会場がMONACOだと知りました。
準決勝を勝ち上がったのはフランスのマルセイユとイタリアのACミランです。
放送の中で決勝のスケジュールなどを伝えて、「モナコなら、マルセイユとミラノの
ちょうど中間ですから 応援に行く両チームのサポーターにとっても好都合ですね」と
解説者に話しかけたことを思い出します。

ところが。ところが、です。これがとんでもない間違いだったのです。
英語ではたとえばユベントスの本拠地・TorinoはTurinと表記されることが多いです。
全部が全部ではありませんが、ヨーロッパの非英語圏の国では、英語名を持つ街が
たくさんあります。イタリアでいえばMilan(ミラノ)、Florence(フィレンツェ)、
Venice(ベネツィア)、Naples(ナポリ)などがそうです。
ドイツにはMunich(ミュンヘン)やCologne(ケルン)があり、他にもPrague(プラハ/
チェコ)、Moscow(モスクワ/ロシア)Vienna(ウイーン/オーストリア)、Athens(アテネ/
ギリシャ)…イタリアにはほかにもRome(ローマ)、Sicily(シチリア)などがあって一番
多いように思います。
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スポーツ関係の記事を英語で読むようになってからは 都市名の英語読みにもだいぶ
なじんでいて間違うことなどほとんどなかったのですが、“落とし穴”がありました。
放送から4,5日たったとき、なんと、“イタリア語のMonaco”はモナコ公国のほかに
ミュンヘンのことも指すのだと聞かされたのです!!
青天の霹靂です。少しも疑うことなく、得意げに話したことが恥ずかしい!
しばらくは、結構、落ち込みました。ハハハ。

この思いではもう一つの思い出につながりました。

4月18日はツイート3周年の記念日でしたが、考えて見ると 24日は私がブログを
開設した記念日です。
当時はまだ“ブログ”という言葉はなくてホーム・ページ(HP)と呼んでいました。
資料収集のためにインターネットはなんとかやっていましたが、HPとなるとまるで
手が出ず、指をくわえて眺めているだけでした。

テニス中継を見ていた若者が「手伝いますから、やりませんか」と声をかけてくれて
大喜びで飛びつきました。書き上げた記事をメールで送ると、時間があるときに彼が
アップしてくれる、というやり方でした。
はじめは週1回のペースでの更新でした。間もなく、私の方は頻繁に更新したくなる、
かといって、好意で手つだってくれる相手に迷惑をかけられない…というジレンマに
悩んだ結果、2年後にはコラムの部分をブログ化しました。
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初代HPのタイトルは「岩佐徹のon-air off-air」でした。
アナウンサーらしいものにしたかったのです。そして、コンテンツのひとつだった
コラムのタイトルが「OFF-MIKE」でした。
今はもう、私のパソコンの中でしか見られなくなりましたが、この懐かしいHPが
スタートしたのが9年前、2003年の4月24日でした。
“いたずら”や“荒らし”に悩まされ、それなりに変遷があって当ブログにたどり
着いて、開設から10年目に突入しています。

UCL決勝が近づいたことで、“MONACO”を思い出し、HPのコラム第1号に書いた
チャンピオンズ・リーグにまつわる記事を思い出したのです。
読んだ方もおいででしょうが、懐かしい固有名詞も出てきますので、連休中にでも
読んでみてください。


「長かった4月23日」2003.04.24

4月23日(実際は24日ですが)でチャンピオンズ・リーグ(以下CL)のスタジオからの
実況が終わりました。画面だけを見てスタジアムにいるかのように実況することを
オフチューブ方式といいますが、サッカーの実況アナウンサーとしてはかなり高齢の
私にとっては条件が厳しいやり方です。これで、CLに限って言えば、現地でのセミ・
ファイナル2試合になりましたから、ひと安心です。

23日は結構忙しい一日でした。
まず、午前中にこの日担当のマンチェスター U対レアル・マドリッドの資料作りを
ひととおり終えて、午後はビデオ・チェックに入りました。
はじめに前日の夜NHKで放送したクラシコ、レアル・マドリッド対バルセロナ、
次に、朝のCL バルセロナ対ユベントス、レアル・マドリッド対マンチェスターの
それぞれの第一戦、いずれもポイントを絞ってチェック。
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普通なら、最後は気に入っている自分の実況テープを見て“感じ”をつかむことで
準備の仕上げをするのですが、この日は見ておきたいものがもう1本ありました。
それは、なかなかのすぐれもの、マンチェスターUのヒストリーDVDです。
最後までは見られませんでしたが、いくつかネタを仕込むことができました。ハハハ。

一般の家庭にくらべたらかなり早めの晩御飯をすませて家を出ます。
サッカー担当の日は睡眠を確保するため、放送の前後 スタジオ近くのホテルでやすむ
ことにしているのです。ヨーロッパはサマータイムですからキックオフは日本時間の
3時45分です。集合は午前2時、それまでに少しでも寝ておかないとつらいのです。
一度、15分しか眠れなかったときはしゃべりたいことが頭の中でうまくまとまらず
かなり苦労しました。
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この日は、いつもより早い午前1時に局に着きました。ちょうどロビーでは 制作側と
技術さんの打ち合わせが行われていました。
二つのカードを担当するスタッフはあわせると45名ほどになるでしょう。
信藤さん、柄沢アナ、奥寺さんの順に到着して今度は解説・実況陣の打ち合わせです。
その打ち合わせが終わったころ、UEFAからのメンバー表が手元に届きます。
マンチェスターは 負傷していると伝えられていたベロンが先発し、ベッカムではなく
スールシャールが右サイドです。やっぱり、そう来たかという感じでした。
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レアルはといえば、盲腸のラウルのかわりにグティが入っているのは分かるとして、
ボランチのところになんとマクマナマン! 奥寺さんの意見は「イングランド出身と
いうことを買ったんじゃないのかな」ということでした。

第一戦がレアルの3-1に終わっているのはバルサにとって厳しいですが、スーパー・
スターをそろえた名門同士の対決、舞台は「夢の劇場」、オールド・トラッフォード、
しかも主審はコッリーナさんです。リハーサルから胸が躍りました。久しぶりです。
テレビマンとして視聴率を稼ぐために面白い展開を期待するのは当然でしょう。
それには 追う立場のマンチェスターが先に点を取ることです。しかし、大歓声の中で
始まった試合はこちらの思惑とは反対に ロナウドのゴールでレアルが先制、その後も、
追いつかれる度にロナウドがネットをゆらして突き放す展開になってしまいました。
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救われたのはマンチェスターの選手たちの闘争心が最後まで失われなかったことと
サポーターが彼らに大声援を送り続けたことです。
結果はレアルが2試合合計得点でマンチェスターを下して準決勝進出を決めました。
早い段階で「レアル勝ち上がり」の可能性が濃くなってしまったのは残念でしたが、
私個人は結構のびのびしゃべれて、いつもお叱りを受ける選手名の間違いも少なくて
久しぶりの奥寺さんとのコンビを楽しめました。同じように思った方が多かったのか
展開の割には視聴率も4.3%とかなりのものでした。

番組が終わってひと息入れているとプロデューサーがセミ・ファイナル放送用の番宣
(番組宣伝)について打ち合わせるためにスタジオに入ってきました。
カードについて一言ずつ話したあと「何日の何時から放送です」と締めるのですが、
かなり大変なんです。一人で自由にしゃべるなら問題はありませんが、言うことは
ほぼ決まっている上に「編集したくないので30秒ぴったりでお願いします」などと
平気で注文をつけてきますからね。ハハハ。
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3、4回の取り直しで終わりましたが、寝不足に加えて2時間実況したあとでしたから、
最後は情けない声になっていました。
控え室に戻ると、先にメークを落としていた後輩のアナがさわやかな顔で「いやあ、
こっちはいい試合でしたよ。そちらとは逆の展開で、ミランが先に先に点を取って、
最後91分に決勝ゴールですから」と話しかけてきました。

…「なぜ そういうことを言うかなあ」と、試合展開も結果もいまいちだっただけに
気分がすぐれない私としては言いたいところですが、ぐっと我慢して「そう、それは
よかったね」と返しました。先輩はつらいのです。ハハハ。
冗談はともかく、WOWOWでは 面白くなりそうな試合を送り出すAスタジオは1階、
もう一試合のBスタジオは2階にあるのですが、今シーズンのCLは終わってみると
2階のほうが内容で上回るケースがとても多かったのです。
プロデューサーが年寄りの私に気を使って、全部Aスタの担当にしてくれたのですが、
終了後、勝ち誇ったように喜色満面で引き上げて来るBスタ担当をほろ苦い思いで
迎えたことが何度あったでしょうか。ハハハ。

さて、レアル、ユーベ、インテル、ミランと豪華な顔ぶれが出揃って5月に入ると
いよいよセミ・ファイナルです。
私の行き先も決まりました。まず、3年連続のマドリッドでレアルvsユーベ。
ここは、スタジアムまで歩いて5、6分ですからとても気分が楽です。

そして、第2戦は4年ぶりのミラノからインテルvsミランのダービーです。
実は、インテルが勝てば文句なしにミラノに行けるはずだったのですが、数日前には
プロデューサーから「岩佐さん、もし、準決勝がクラシコ(レアルvsバルセロナ)に
なったら、取材の関係で日程を変更してそちらを担当してもらいますので」と無情の
宣告をされていたのです。
「そんなにオレをイタリアに行かせたくないのか、よーし」と、バルサのファンには
申し訳ないと思いつつ、今回ばかりは思いっきりユーベを応援させてもらいました。
ハハハ。

ホテルで1時間ほどうとうとしただけで帰宅してこれを書き上げました。
ずいぶん長くなりましたが、一回目ということで勘弁してください。
マドリードへの出発は3日です。それまでにもう一回 書く予定ですが、現地からも
できるだけアップしたいと思っています。

どこに出かけるわけでもないのですが、
3日から6日まで休みます。あしからず。

by toruiwa2010 | 2012-05-02 14:06 | サッカー | Comments(0)
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