ブログトップ | ログイン

岩佐徹のOFF-MIKE

toruiwa.exblog.jp

実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

今年のNo1に出会えた~「わが母の記」が素晴らしい!~

d0164636_8393355.jpg
「わが母の記」95

伊豆・湯ヶ島の実家の居間で妹たちと話をしながら小説家・伊上洪作(役所光司)は
物思いにふけっていた。死期が近い父親の見舞いに訪れていたのだ。
思い出していたのは雨宿りの風景だった。沼津中学に入る彼を送ってきた母と妹が
向かいの軒下に立っている。どしゃ降りの雨の中、通りを渡って彼の横に来た母は
はずしたお守りを彼の首にかけてくれたのだった。

「お父さんが、葬式の案内は簡単にって…」
東京に戻る彼に母がそう言った。さっきも同じことを言ったばかりだが…
d0164636_8394774.jpg
すばらしい!!
瑕疵、わずかなキズも見つかりません。私にとっては“今年最高”の映画です。
母親と洪作、洪作と娘たちの“関係性”が現代とは違いますが、家長が家族全体を
束ねていた昭和30~40年代の日本家庭の空気がよく描かれています。年配者には
懐かしい風景です。

妻はハンカチを2枚用意していました。私も、もっと泣かされると思いましたが、
そんなことはありませんでした。感動はじわっと来る種類のものでした。ハハハ。
涙や感動を“無理強い”していないその演出もよかったです。

主要登場人物たちのセリフはもちろん、乗り合わせたバスの乗客の会話や娘たちが
トランプ占いをしているときに交わすセリフまで シナリオにまったく無駄がなく、
どのセリフにも違和感がありませんでした。
ミスキャスト、力不足と感じる俳優、全体の調和を乱す役者も見当たりません。
妙に“達者な”子役が1人も出てこないのもいいです。ハハハ。

なんという素晴らしい映画でしょうか。

樹木希林に圧倒されます。存在そのものが見事です。
この人のすごさは、演技していることを感じさせないところです。
そんなおばあちゃん、いるよね、と思わせます。自然な演技ということでしょうか。

遅ればせ…ですが、宮崎あおい乃人気の理由が少しずつ分かってきました。
役所の演技にはいつも“丁寧さ”を感じますが、この作品でも相変わらずいいです。
洪作は母の意志で、5歳からの8年間を曾祖父の愛人と暮らしました。
後年まで、「僕は母に捨てられた」と言うのが口癖でした。実際に、どこまで母親を
“恨んで”いたのかは彼の言動からははっきり伝わりません。
映画で言えば、最後の最後まで彼自身にも分からなかったのではないしょうか。
その、“判然としない”心模様を見事に演じきっています。

エンド・ロールを見て撮影が女性カメラマンだったことを知りました。どこか、
映像が優しいと感じたのはそのせいだったようです。


「裏切りのサーカス」80

ブダペストに派遣したエージェントが発見されて行方不明になり、作戦が失敗した。
責任をとってイギリス諜報部(サーカス)のリーダー(=コントロール)が辞任した。
エージェントは 亡命を求めているハンガリーの将軍と接触する手はずだったが、
発見され、行方不明になったのだ。
将軍はサーカスにもぐりこんでいるソビエトのスパイ・“もぐら”が誰であるかの
情報を持っているとのふれこみだったのだ。

コントロールと一緒にサーカスを去った元幹部・スマイリーのところにひそかな
指令がもたらされた。“もぐら”を探し出せ…
d0164636_8401019.jpg
東西冷戦時代の空気を思わせる暗い色調の画面に緊張感が漂っていて、久しぶりに
本格スパイ映画が楽しめそうだなあと思わせる導入部でした。
全体として面白い(面白そう?)のですが、私には複雑な人間関係が分かりにくく、
十分に楽しむことはできませんでした。

展開、伏線、結末――鑑賞は頭脳戦になる。(オフィシャルHP)
…正直に書くと、登場人物の“整理”がうまくできず、途中でテンス(時制)までも
混乱してしまった私は頭脳戦に負けたのかもしれません。ハハハ。

しかし、途中から「あれ、おかしいな?」と怪しんだ人物がもぐらでした。
ヒントは“犯人探し”の鉄則にあります。いくら考えても答えが分からないときは、
いかにも怪しい人物は犯人ではなく、最も“らしくない”男(女)こそが犯人…です。
この映画はなかなかよくできていますが、俳優の名前が大きい割に出番が少ない
人物が1人いるのです。その部分の演出には失敗したんじゃないかなあ。ハハハ。


「テルマエ・ロマエ」75

紀元128年のローマ。
浴場の設計技師ルシウス(阿部寛)にクレームがつけられた。発想が古いと。
むしゃくしゃしたルシウスが友人とともに浴場を訪れると満員の盛況だった。
当時のローマでは浴場こそ民衆の憩いの場だったのだ。
しかし、ルシウスは場内の喧騒にうんざりだった。まわりの騒音から逃れるように
湯の中に沈んだ彼が見たのは、浴槽の壁にあいた穴に泡立つ湯が吸い取られていく
光景だった。くわしく見ようとして穴をのぞき込んだ彼はあっという間にその中に
吸い込まれていった…
d0164636_8402794.jpg
彼が再び湯の中から顔を出したとき、1900年の時間が流れていました。
見回す彼の周囲にいたのは“平たい顔族”の男たちでした。そこは“現代”日本の
大衆浴場だったのです。独特の“銭湯文化”からルシウスは刺激を受けました。
ローマにもどった彼は日本で得たヒントをもとに考えた新しいアイディアで浴場を
設計し、大変な人気を得ます。

阿部をはじめ、北村一輝、市村正親、宍戸開、竹内力…たしかに、よくぞ集めたと
言いたくなる“濃い”メンツが揃いました。その発想には脱帽です。
“荒唐無稽”は承知の上で出かけました。その通りでした。ハハハ。
完成度が高いとは言いにくく、面白さは限定的でした。
それでも、私が苦笑もしないところでさかんに笑い声が聞こえていました。

好きなアベちゃんと上戸彩が出ている映画なので、私の感想には関係なく成功して
ほしいと思いますが、平日昼間の新宿ピカデリー3番スクリーンには100人ぐらい
入っていました。宣伝力の差でしょうか、前日、台場のシネマ・メディアージュの
「紙兎ロペ…」は私たち夫婦を入れて4人しか見ていなかったのと対照的です。

…映画レビューとは関係ありませんが、アクアシティとかデックス東京とか、一時、
大人気らしかったスポット、“やばく”ないですかね?
平日とはいえ、全体がガラガラでしたよ。ゆりかもめをはさんでダイバーシティが
誕生した影響をモロに受けている印象でした。まったく余計な心配ですが。ハハハ。
d0164636_8404399.jpg
95 わが母の記 年齢によって評価は分かれそうだが私にとっては今年のNo1
80 裏切りのサーカス 人間関係や時制が複雑すぎる難点があり面白さも半減
85 ル・アーヴルの靴みがき 密航少年を助ける人々の温かさ 味わいある小品
80 紙兎ロぺ… 80点ってマジっすか クスクス笑えるが85分にしたのは失敗
75 テルマエ・ロマエ よくも集めた濃い顔! 最後まで見たけど面白くはない
by toruiwa2010 | 2012-05-16 08:52 | 映画が好き | Comments(2)
Commented by しょう at 2012-05-17 20:37 x
岩佐さん、こんばんは。

わが母の記

映画よりも2時間サスペンスドラマが好きな母が
TVコマーシャルを目にして興味を持ったらしく、
「何日の何時に放送されるの?」と言っていましたw
子世代と親世代では、この映画を鑑賞し抱く感情も違うのでしょうね。
そう考えると何か感慨深く、こみ上げてくるものがあります。
Commented by toruiwa2010 at 2012-05-17 21:03
しょうサン、こんばんは。

是非、ご一緒にどうぞ。
感想が違ってもいいじゃないですか。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。