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岩佐徹のOFF-MIKE

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ユーロ2012 たけなわ~楽しませてもらったなあ~12/06/20

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ローランギャロスの終盤と重なるように始まったサッカーのユーロ2012は早くも
決勝トーナメントに進む8ヶ国が決まりました。今回はポーランドとウクライナの
共同開催でしたが、残念ながら両国ともグループ・リーグで敗退しました。
オランダとロシアを除く有力どころが揃いました。豪華な顔ぶれですね。
後輩アナや懐かしい解説者たちが現地から熱戦の模様を伝えていることでしょう。

…他人事のようですが、ええ、時差がきつすぎて、実は今日までまともに見のは
イタリアvsスペインと、フランスvsイングランドぐらいです。確か、前回大会が
終わったときには4年後を楽しみだと思った記憶があるのにこのザマです。ハハハ。
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WOWOWがユーロの放送を始めたのは1996年イングランド大会からでした。
当時はよほどのマニアでなければ話題にしなかったヨーロッパ選手権…話を聞けば、
実力が伯仲する国同士の対戦が多く、ワールド・カップよりむしろレベルは上だと
言う人もいましたが、私は初めて訪れるロンドンから中継するという点で興奮した
程度の関心しかなかったのです。ハハハ。

実況アナとして困ったのは例によって資料集めでした。
パソコンが普及し始めていましたが、インターネットはまだ発展途上でしたから
大した情報は得られませんでした。新聞に記事が出ることはなく、雑誌の記事は
目にするころには古くなっていて使い物になりません。
しかも、私は、直前の全仏オープン・テニスのために早々と日本を出てしまうので
ますます、資料を集めるのが困難でした。

結局、厚かましくも ニューヨークの知人に資料を集めてもらいました。
ネットで拾った記事をプリントアウトしてパリの私のホテルにファックスで送って
もらったのです。毎日、テニス会場からホテルに戻ると、呆れ顔のフロントマンが
山のようなファックスの束を渡してくれたものです。ハハハ。

テニスの期間中は読んでいる時間はありません。最終日の翌日、ロンドンに向かう
飛行機の中でようやく読み始めました。
大会はすでに始まっていて、ロンドンにつくと一気に熱気が押し寄せてきました。
イングランドにしてみれば、1966年のワールド・カップ優勝から40年目に地元で
開かれるビッグ・イベントでしたから無理もありません。

この大会の序盤の目玉はなんと言ってもイングランドvsスコットランドでした。
1996年6月15日、ロンドンのウエンブリー・スタジアムは8万人近い大観衆に
埋め尽くされ、試合開始前から終了後まで盛り上がりっぱなしでした。
遅れて現地に入った私が最初に担当したのがこの試合です。
プレッシャーもありましたが、一方、武者震いに似た“高揚感”もありました。
解説は、会うのも話をするのも初めての岡田武史(当時・代表監督)さんです。
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好調だったイングランドのエース、シアラーの先制ゴールも見事でしたが、
忘れられないのは問題児・“ガッザ”こと、ポール・ガスコインのゴールです。
ペナルティー・エリア前に走り込むガスコインに左後方から長いパスが送られると、
彼は左足でこのボールを浮かしてDFの頭上を抜き、落ちてくるボールを右足で
鋭くシュートしました。流れに乗った見事なシュートだった。
自分のサッカー実況の中で、もっとも強く記憶に残るベスト・ゴールのひとつです。

この大会では、サッカーに関わるものにとってあこがれの地であるウエンブリーで
ドイツvsチェコの決勝を含めて5試合も実況できたのは幸せでした。
このとき、大規模な改修が決まっていました。古ぼけたエレベーターは乗るたびに
途中で止まってしまうのではないかと思うほどガタガタでした。しかし、操作する
80歳近くに見えたお爺さんは誇らしそうでした。
決勝トーナメントに入ってからPKにもつれこむ試合が多かったのですが、決勝が
ビアホフのゴールで決着したあと、このエレベーターで偶然、隣り合わせになった
フリットに「どうでしたか」と聞くと、笑顔で「PKにならなくてよかったね」と
言ったことを思い出します。ハハハ。
彼も 名古屋グランパスでプレーしたリネカーもこのときはテレビの解説者として
仕事をしていました。2人ともビシッと決めたスーツ姿がほれぼれするほどでした。
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オランダ・ベルギーの共同開催だったユーロ2000は私だけでなくWOWOWに
とっても忘れられない大会になりました。
男子の決勝と、98ワールド・カップの優勝国・フランスの試合が重なったのです。
テニスの試合経過はブラジルのグスタボ・クエルテンがスウェーデンのマグナス・
ノーマンを62/63とリードして、サッカーの試合に余裕で間に合いそうでした。
しかし、途中からノーマンが粘りを見せてとうとう生放送の予定だったサッカーを
録画にせざるを得なくなりました。

「このまま、テニス中継を続けさせていただきます。どうぞご了承ください。
世界最高峰の戦い、両者がテクニックを尽くして戦っています」とお詫びの言葉を
口にしながら、翌日、ベルギーに移動する私もサッカーは大好きですから「まあ、
何を言ったって許してはもらえないだろうな」と考えていたことを思い出します。
ハハハ。
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この大会、WOWOWの現地本部はオランダのアムステルダムにおかれていました。
ところが、日本を出る前に渡されたスケジュールでは、私は準決勝までベルギーの
競技場で仕事をすることになっていました。普通、決勝を担当するアナウンサーは
会場での実況を何度か経験するように日程を組むものですが、何をどう考えたのか
プロデューサーは私を遠ざけたのです。折り合いが悪かったし。ハハハ。

スポーツ部長からは「決勝を実況してもらいます」と言われていたのに、ひそかに
作っていた彼の担当表では、決勝は後輩のアナがやることになっていました。
準決勝までの担当も、それに合わせて作ってあったのです。つまり、「岩佐さんは
ベルギーから日本に帰って下さい」ということです。
控えめな私(笑うところです)にもプライドはありますから、部長にねじ込みました。
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…決勝は私の担当になりましたが、準決勝までの予定は変わりませんでした。
準決勝が終わったあと、オランダに入りましたが、ホテルはほかのスタッフから
離れていました。よほど私が嫌いだったのですね。気の毒に。ハハハ。
ロッテルダムで行われた決勝は応援していたフランスとイタリアの対決でしたから、
嫌な気分はさっぱり忘れて放送席に座りました。

イタリアに勝たせたかったし、“ほぼ”勝っていたのに、ロス・タイムに追いつかれ、
延長の末敗れました。
フランスの決勝ゴールは左サイド深く持ち込んだピレスからゴール前のトレゼゲに
絶妙のクロスが送られて決まりました。
ゴールの瞬間の前後、10秒ほどの間に私が口にした二つの言葉は忘れません。

クロスが入る前:「正面にトレゼゲがいる」…“保険”が効果的でした。
ゴール後:「フランス サヨナラ勝ち!」…野球じゃないんだから、と言われました。

どちらも、“確信犯的犯行”でした。なんとでも言って下さい。ハハハ。
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ユーロ2004は楽しく過ごせた大会ですが、ほろ苦さもあります。
前立腺がんが見つかったときに、手術の時期が確定しないうちにWOWOW側に
話してしまったため、私の立場が微妙になってしまったのです。
「行けない可能性がある」と告げた2日ぐらいあとに“手術は大会後でもOK”に
なったのですが、混乱させた責任を感じて、「グループ・リーグまででいいよ」と
申し出ました。

「そう言わずに」と言ってくれることを期待しましたが、そうはなりませんでした。
ハハハ。
北沢豪は予定より1日遅れて現地には行ってきました。乗り継ぎに失敗したため
パリに一泊したからです。そういう説明でした。しかし、私は、マネージャーが
同行していてそれは考えられない、きっと、これも“確信犯”で、初めから企んで
いたに違いないと思っています。ハハハ。
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8年前、彼と三浦知良はフランスを目の前にして日本に帰されました。そのときの
“恨み”を晴らしたのです。放送には支障がなかったですし、気持ちは分かるので
非難する気持ちはまったくありません。
この大会では、井原正巳さんともども現地で初めて会いましたが、気分のいい人で、
なじみの解説陣、奥寺さん、信藤さん、野口さんたちと、ジャカランダが咲いて
気候もよく、食べ物もおいしい6月のポルトガルを存分に楽しみました。

制作陣はさすがにグループ・リーグまでで日本に帰すのは“ふびん”と考えたのか、
結局、準々決勝まで実況させてくれました。どちらにしても、チャンピオンズ・
リーグ以外のビッグ・イベントでは必ず決勝を実況していましたから、大会途中で
帰国するのはとても奇妙な気分でした。しかも、担当した準々決勝がフランス対
ギリシャで実に退屈な試合だったことが悔しいです。
この大会を最後にサッカー実況を引退しましたから、今でも心残りです。
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さて、明日から決勝トーナメントですか。せっかくですから、しっかり見ますかね。
えーと、3時半は無理ですから、夕方の再放送を…。準決勝・決勝は、カードが
決まったときに、生で見るかどうかを考えますわ。ハハハ。
by toruiwa2010 | 2012-06-20 07:41 | サッカー | Comments(6)
Commented by デルボンバー at 2012-06-20 12:50 x
あのときは岩佐さんが早々といなくなっちゃったんでがっかりしましたよ。
今回の実況陣の中では、山田たいぞうさんという片が良いと感じました。(奥寺さんと何回か組んでいた人です)
ただ、相変わらず久〇田アナはいただけませんね。それに比べて、柄沢アナは、昔と比べると、無駄に騒がなくなって良くなったと思いますが、どうでしょう?
Commented by toruiwa2010 at 2012-06-20 12:56
デルボンバーさん、こんにちは。

山田君・・・聞いていませんが、前回、スタジオを
やっているのを見て、この人は実況もいいのでは
内科と思った記憶があります。

柄沢については、先日、FRAvs ENGをちらっと見たとき、
テンションが低いのに驚きました。現地の放送席からでは
ないのかと思ったほどです。少し低すぎますね。
以下、むにゃむにゃ・・・。ハハハ。
Commented by あおき at 2012-06-20 21:09 x
岩佐さん、こんばんは。

あのガスコインのスーパーゴールは、今でも自分の中でもナンバーワンになるかな?と思います。
そして、イングランド贔屓になったきっかけもユーロ96になりました。
今大会のベスト8は本当に顔触れが揃いましたね!オランダの3連敗は想定の範囲外でしたけどね。
これからの、岩佐さんの呟き等を楽しみにしています。
Commented by toruiwa2010 at 2012-06-20 21:28
あおきサン、こんばんは。

あの大会ではチェコのポボルスキーの
ループシュートも素晴らしかったですね。
Commented by 赤ぽん at 2012-06-21 19:23 x
岩佐さん、こんばんは。

予選R終了から決勝トーナメントまでのつかの間が、連日の寝不足から
開放されるまさに小休止!です。これがないと死にそうですw

アナについて上にも書かれていますが、通常のトーンを押さえてココという時に
急にボリュームが大きくなるのは嫌いです。 ま、それが好きだという方のほうが
多いのでしょうけど?!w

ココまでの試合ではスペインVSイタリア戦、解説では野口さんが聞きやすくて
好きです。さて、決勝Tまでしばらく睡眠のリカバリーですw

岩佐さんは寝不足は大丈夫ですか?
Commented by toruiwa2010 at 2012-06-21 22:05
赤ぽんサン、こんばんは。

野口さんは私も好きな解説者でした。

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