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岩佐徹のOFF-MIKE

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異動、挫折、そして異動3~岩佐徹的アナウンス論51~06/24

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・・・つづき

ようやくスポーツ部へ


ぼやけた記憶しかない2年半のあとの84年夏、スポーツ部への異動できたときの
喜びをお分かりいただけるでしょうか。“心が折れる”前でよかったと思いました。
会社からすれば“わがまま”を言ってアナウンス部を出たのに、またわがままで
「ほかに移りたい」という私には、“ペナルティー的”な異動を命じられても文句を
言える状況ではありませんでしたからね。
入社のころからよく知っている仲間や、スポーツそのものに限りなく近いところに
戻れたことで、心底救われた思いがしたものです。
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丸4年、在籍したスポーツ部での主な仕事は、「プロ野球ニュース」のデスクと
野球中継のデータ作成でした。
「プロ野球ニュース」は入社した時すでに開局5年目のフジテレビでは大人気で、
面接の時になにをやりたいかと聞かれて真っ先に挙げた番組でした。
研修を終えたあと、スポーツ・アナが手薄だったために、1年目から出演できた
こともあって、一度終了し、'76年から再開されたこの番組には、とても愛着が
ありました。

しかし、出演する側ではなく“デスク”ということになると、難しい面があります。
みんなを引っ張っていく上で必要な、“モノをつくる”センスや発想力が決定的に
欠けていてどうしても自信が持てませんでした。
そんな中で、自分では“ヒット”と自負する企画が二つありました。

K&Kウォッチング

1986年は巨人に桑田真澄、西武に清原和博がそれぞれ鳴り物入りで入団した年です。
前年のドラフトの“いきさつ”もあって世間の注目が集まったシーズンでした。
キャンプ期間を通じて、番組の最後に2人のその日の動きをまとめた枠をつくり、
タイトルを「K&Kウォッチング」とすることを提案したところ、ミーティングで
初めて満場一致の賛同を得ました。それまでは“却下”の連続でしたが。ハハハ。
担当者は チームの一日も追わなければならず、さぞかし大変だったと思いますが、
おかげさまでこのコーナーは視聴者からも支持を受けたと確信しています。
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カモと苦手

もうひとつは、ナイター中継用のデータを作っている中から生まれた副産物です。
アメリカの野球中継で画面に出るデータを見て「いいな」と思っていました。
たとえば、ランナーが2塁に進むと、次の打者の「得点圏打率」が出てくる。
さらに、ワイルドピッチで3塁に進むと、「無死または1死3塁の走者を本塁に
かえす率」、そして ピッチャーがピンチを迎えると、「1~3回、4~6回、7~9回の
防御率」などが表示されるという具合です。

「同じことをウチの中継でもやってみたら…」という私の提案にプロデューサーの
ゴーサインが出たのはいいのですが、作業は私がやることになりました。ハハハ。
「プロ野球ニュース」は全球場にアナウンサー、解説者を送りこんでいますから、
作業は、そのスコアシートを手元に集めることから始まります。
集まったスコアシートを2人のアルバイトと私で分析し、整理していくのです。
始めてみると、手間はかかるものの、データ好きの私には結構面白くて はまって
しまいました。やっているうちにその“アイディア”が生まれたのです。

スコアシートが全部そろっていれば、当然、特定のピッチャー対バッターの成績は
簡単に作成できます。ある記事が頭に浮かびました。
当時、東京中日スポーツが、毎年オフになると連載していた「カモと苦手」です。
各チームの主力選手たちがそのシーズン苦手、あるいはカモにした選手のデータを
紹介していて、いつも「おもしろいなあ」と思って読んでいたのです。
「自分たちが入手できるデータを使えば、同じようなことがもっと“テレビ的”に
やれるはず」と考え始め、「AはBをカモに、そのBはCをカモに、さらにCは…」
とつなげて行って、最後の選手がAをカモにしている…という、何十人かの輪が
完成したら面白いかも」と思いついたのです。
あっさりと編集長のOKが出て、当然のごとく 私が担当になりました。ハハハ。
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さあ、それからが大変でした。特にシーズンの終盤は、スコアシートをにらんで、
胃が痛くなるような毎日になりました。
最大のポイントが「輪が完結すること」でしたから、途中までうまく行っても、
最後がうまくつながらなければ、途中からやりなおさないといけないからです。
夏場の時点でうまくつながったと思っていても、そもそも、特定のピッチャーと
バッターの対戦数はそんなに多くありませんから、一度でも 4打数ノーヒットや
5打数4安打があれば、打率が大きく変わり、それまでの“カモ・苦手”が一夜で
簡単に逆転してしまうのです。

何十回もやり直しました。
理想は“最大のカモ、最大の苦手”ばかりでつなぐことですが、そんなにうまくは
行きませんから、少しずつ妥協して、最後に両リーグの輪が8割ぐらいの満足度で
完成したときの喜びは、たとえようもありませんでした。
しかし、これだけではテレビ番組のコーナーにはなりません。シーズンが終わると、
当事者の話を聞くという作業が待っていました。

つづく・・・
by toruiwa2010 | 2012-06-24 08:13 | 岩佐徹的アナウンス論 | Comments(0)
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