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岩佐徹のOFF-MIKE

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ええ、日本人ですけどね…~岩佐徹的アナウンス論67~08/25

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前回まで、私の“スポーツ・アナ小史”的な記事が続きました。
今回からは、過去記事に修正を加え、加筆した、放送や実況に
関わるものを連載します。



初めにお断りしておきますが、私はこの国を愛しています。テレビで日本チームが、
あるいは日本人選手がプレーをしていれば、“それなりに”応援をします。
しかし、なぜかマイクの前では“応援放送”ができません。もっとも、ロンドン・
オリンピックで女子バレーの銅メダル・マッチを実況したらどうなっていたかは
自信がありません。ただ、基本的に「日本チームだから」「日本人選手だから」と
番組で特別扱いすることは好きじゃありません。天邪鬼なんでしょうか?ハハハ。

そもそも、私が実況したときの日本人選手、たとえば、伊達、松岡、そして杉山…
みんな、勝率が悪かったんです。
ちょうど負けるタイミングだったにすぎないのでしょうが、しゃべる側からすると、
居心地がよくありません。いつのころからか、プロデューサーとの「あ・うん」の
呼吸で担当を外れるようになりました。

つい先日書いたことの繰り返しになって恐縮ですが、中田英寿がイタリアに渡った
1998年、WOWOWはほぼ毎週、ペルージャ戦を“生中継”したあと、その節の
ベスト・カードを“録画”で放送しました。人気も実力もあったミラン、インテル、
ユベントスも二の次です。抗議もありましたが、中田を見たいというファンは多く、
加入者が増え、ペルージャ戦の視聴率もよかったですから、成功でしょう。しかし、
周囲が盛り上がれば盛り上がるほど、私の気持ちはどんどんさめていきました。
やっぱりアマノジャク。ハハハ。
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私がそのやり方に批判的だったこともあって、ペルージャ戦の担当はそれほど多く
なかったと記憶しています。それで満足か?と言えばそうでもないのです。
中田を応援するのはいい、見たい人が多いから見せてあげたいというのも分かる。
しかし、そのために、好カードが脇に追いやられることに我慢がなりませんでした。
シーズンもたけなわの第20節でした。自分が担当した1位フィオレンティーナ対
3位ミランという好カードが“当然のように”ペルージャ戦のあとの録画放送に
回されたときには、番組の冒頭でこう言ってしまいました。
「サッカーがほんとーにお好きな皆さん、お待たせしました」。
憂さ晴らし。ハハハ。

当時、高原がプレーしていたHSVについても考え方は同じです。
立場としては、割り切って高原ファンのためにもある程度の応援放送をするべき
だったのでしょうが、どうしても抵抗があってできませんでした。
「ガキだ」と言われるわけです。ハハハ。

そんな私ですから、2004年のメジャーの球宴のときはやきもきしました。
覚えている人も多いと思いますが、この年、ヤンキースで2年目をプレーしていた
松井秀喜はファン投票による“最後の選手”として滑り込みで選ばれました。
ケチをつけるつもりはありません。しかし、1年目のときも“組織票”がとやかく
言われていましたし、「本人の気持ちはどうなのだろうか?微妙だな」と思わざるを
得なかったのです。

今年もそうでしたが、何度か、開幕戦を日本で行ったように、MLBはアジアや
中南米にマーケットを広げたいと意欲を見せています。オールスター・ゲームの
ファン投票に日本からも気楽に参加できるようになっていますし、特に、最後の
選手をインターネットで選ぶようになっているのも戦略の一環です。日本からの
投票も明らかに増えているようです。
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オールスター・ゲームは、日本では“夢の球宴”と呼ばれ、「こんな選手たちで
チームを作って戦ったら…」というアメリカの野球少年の夢から始まったものです。
メジャーがアメリカだけのものではなく、世界中の野球ファンのものになった以上、
日本のファンにも「自分たちの夢」の実現を求める権利は十分にあるでしょう。
結果として松井が2年連続で選ばれたことはすばらしいと思います。
ただし、ひいきの引き倒しではなく、あくまで“メジャーの枠”の中でのフェアな
投票であったと信じたいものです。
ついでに、旧ヤンキー・スタジアムのライト・フェンスにあった読売新聞の広告は
“メジャーの枠”を考えない、“自分さえよければ”の典型で醜悪でした。ハハハ。

思い出すのは、2003年の日本の球宴で、実際には試合に登板していない、故障中の
川崎憲次郎投手(中日)に投票が集まった“事件”です。
きわめて意図的なもので例外と考えるべきなのですが、ネット全盛の時代ですから、
やろうと思えば何でもできてしまいます。
いちいち葉書に書いて投票していた時代でさえ、組織投票は行われたのですから。
松井のケースで「よかったな」と思ったのは、最後のいすを争った4人の選手と
くらべて、30HR-100打点ペースを守っていた彼の成績のほうがよかったことです。
by toruiwa2010 | 2012-08-25 08:25 | 岩佐徹的アナウンス論 | Comments(0)
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