ブログトップ | ログイン

岩佐徹のOFF-MIKE

toruiwa.exblog.jp

実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

黒田はどこに消えたんだ?~ヤンキース優勝を伝えるわがメディア~12/10/09

d0164636_9183827.jpg
10/04のツイート

ヤンキース優勝を報じるTVニュースがひどい。
なぜイチローがクローズアップ?正確にニュースの
価値を判断できる記者がいないようだ。
目立つからイチローなんだろうが黒田の扱い方が
お粗末。先発でなかったら名前も出てこなかった

のではないか。

なお、普段は無視されることが多いが、このツイートは64人の人にRTされた。
私のツイート史上堂々8位にランクされる数字だ。
「なんとかならんのか」と やりきれない思いで日本のスポーツ・ジャーナリズムを
眺めている人がいるということになる。

つぶさに見たテレビはTBS夕方の「Nスタ」だが、ひどいものだった。
5時53分きっかりに、第5打席でタイムリーを打ったときの映像が出てきた。
「38歳、イチローが新たな歴史を作った!」というナレーションがかぶる。
相手の最後のバッターが三振に倒れる場面が続き、彼にしては珍しい喜びの表情で
仲間とハグをかわすイチロー、ロッカーでのシャンパン・ファイト、地元テレビの
インタビューから一言…とつながれていた。

そこから7月のトレードに話が飛び、ヤンキースに移って苦労の日々があったが、
徐々に調子を上げて行ったとナレーションがあり、そのあと、松坂の無残なKOを
含めた最終戦の経過をみせた。
そこで、なぜか、6回の盗塁シーンがはさまれた。併殺崩れで1塁に残っていた
彼は7-1とリードの1死1・3塁から打者・ロドリゲスの場面で盗塁を成功させた。
d0164636_9371167.jpg
黒田の登場は放送開始から2分40秒後だ! 大きなプレッシャーの中での好投は
わずか15秒で片づけられ、当然、シーズンを通しての彼の貢献については一言も
触れられなかった。
黒田がベンチに戻るシーンのあと、「すると、7回、この男が見せる!」とふたたび
イチローの打席になり、走者を二人おいて打球は右中間を抜けた。
「地区優勝を決定づける2点タイムリー・2ベース!」

…まるでヤンキースがこの試合に勝ったのは、いや、それ以上に、優勝そのものが
イチローのおかげのような作り方になっていた。
こういうニュースだけを見て1シーズンを過ごしたら、そう信じてしまうのだろう。
しかし、現実はまるで違う。イチローがヤンキースでプレーしたのは67試合、
全体の40%ぐらいのものだ。マルチヒットが何試合、連続何試合ヒットを打ったと
日本のマスメディアは恥ずかしいほど持ちあげるが、チーム・プレーヤーとして
どうだったかについては報じない。

黒田の好投を簡単に済ませて“勝利を決定づける一打”として紹介したヒットだが、
その直前、現地コメンテーターはこう言っていた。
「ヤンキースで塁に出ていないのはイチローだけだね」と。

…そりゃそうさ。持ってるのがバットじゃなくて
chopstickだものね。ハハハ。


前日の“差別発言”に引っかけてそうつぶやいたのだが、この試合は6回に
ヤンキースが9-1としたところで決していたと言っていい。その時点でイチローは
4打数0ヒット、「Nスタ」“絶賛”のタイムリー2ベースは10-2から12-2にする
“実に貴重な”ヒットだったのだ。笑ってしまう。

言うまでもなく、今シーズンのチームへの貢献度は、黒田の方が数倍上回るのに、
“添え物”のような扱い方をしたのに腹が立つ。分かってないんじゃないだろう。
分かっているが、黒田じゃニュースバリューがないと判断したに違いない。
言っとくが、それはニュースバリューじゃない。“数字が取れるかどうか”の話だ。
真実は別にあるが、とりあえず、こう作って視聴率を稼ごう…と言うことなのさ。
違うなら、言ってきてほしい。その勇気はないだろうが。ハハハ。

フジテレビ「スーパーニュース」も少し見たが、こちらの映像はまあまあ2人を
公平に扱っていた。しかし、画面がスタジオに戻ってしゃべり始めた安藤優子が
真っ先に口にしたのは“やっぱり”イチローのことだった。
放送前に打ち合わせたときの記者のブリーフィングが彼中心だったのだろう。
横から木村太郎が黒田を誉めてようやくバランスを保っていたが。

翌日の「めざまし」は「イチローと黒田が所属する…」というコメントで始まった。
民放はどこも似たようなものだろう。悲しいかな、今のテレビのスポーツ報道には
期待する方が愚かだと考えるしかない。

それにくらべるとNHKはさすが…と書くのがなんとも悔しいのだが(ハハハ)、
「ニュースウォッチ9」は黒田、松坂、イチローの順で長さぼ均一に扱っていた。
キャスターの大越が東大野球部のエースだったのだから、その考え方が反映されて
いるのだと思う。
d0164636_9164491.jpg
同じNHKでも野球中継になるとまったく違う。
ヤンキースの最終戦は副音声で見ていたのだが、試合終了後間もなく、自動的に
主音声に切り替わった。放送のしめくくりにさし掛かっていて、アナウンサーから
地区シリーズの展望を聞かれた解説者の武田一浩が「…ヤンキースにはイチローが
いますからねえ」と話したときはわが耳を疑った。1年間、NHK・メジャー中継の
“エース解説者”として、黙々とローテーションを守り、ヤンキースを支えてきた
黒田を見てきたんじゃなかったのか!
もちろん、武田は単なる解説者であって、ジャーナリストでもなければ、NHKの
社員でもないが、この無神経なひと言に黒田ファンはさぞ腹を立てたことだろう。
“声なき声”を代表して書いた呟きを再録しておく。

武田あー!!大したことはなかったかも知らんが、
おまえはピッチャーだったんだろう。
「ヤンキースにはイチローがいますからね」には
あきれてものが言えないぞ。
いくらかもらってるのか。それともおまえの頭の中に
「クロダ」の3文字はないのかね。

d0164636_9152033.jpg
さて、新聞はどうか?
翌日、映画を見に出かけたときに全紙を手に入れた。荷物になるからと、帰りに
買うことにしたが、2時ごろ渋谷に着くと、売り切れているものが多かった。
地元駅に戻り、コンビニを回ってスポーツ紙も含めて全部揃えた。
結果的に、そこまでするほどではなかったが。ハハハ。

スポーツ紙は全紙、シャンパン・ファイトするイチローの写真が一面に踊っていた。
黒田もファイトしていたはずだが、ここはイチローの方が“絵になる”のだろう。
それは分からなくはない。何でもかんでも反対しているわけじゃないのさ。ハハハ。
当然のように記事もイチローがメインで、黒田にすこし触れ、地区優勝を逃がし、
ワイルド・カードの出場権をかけた試合に先発するダルビッシュ、手厳しいKOを
食らった松坂…と流れていた。
こちらも、テレビと同じで今さら何を言ってみても始まらないようだ。
最後の“頼み”は一般紙だった。

朝日:最上段の横位置に「新生イチロー輝いた」
   縦に「黒田重圧越え16勝」:写真はイチロー(大)が上、黒田(小)が下

毎日:「イチロー11年ぶり美酒」:写真はシャンパン・ファイトのイチロー

読売:「イチロー頂点へ一歩」:写真は祝福の輪の中のイチロー

東京:イチローと黒田が笑顔で握手する写真をはさんで
   上段に「イチロー打率急上昇」
   下段に「最終戦も黒田 16勝目」

日経:「ベテラン勢が支え」:写真はファイトするイチロー

d0164636_9161745.jpg
記事の中身もイチローにかなり偏っている。夕刊で黒田を取り上げたのだろうと
思いたいが、それはあくまで締め切り時間との関係でそうなったに過ぎない。
今年のイチローは激しいup&downがあったから扱いやすいのだろう。
あれほど嬉しそうな表情も珍しいから地元紙も含めてシャンパン・ファイトする
彼の写真が多めに使われているのも分かる。

しかし、こういう報道が続けば大勢の人がそのまま信じてしまう。
自分の“視点”を持たない点では視聴者・読者に責任がないとは言えない。しかし、。
彼らの判断材料はほとんどの場合テレビや新聞から得ているわけだから、それが
ゆがんでいたのではどうにもならない。テレビで働いていたからテレビの事情も
理解できるところもあるけどね。
極端に言うなら、
普段、メジャーや野球そのものにあまり関心がない人たちは「そうか ヤンキースは
シーズン中に獲得したイチローのおかげで優勝したんだ。黒田というピッチャーも
いたんだね」と思ってしまう。何度も書いているが、日本ゴルフ界には石川遼、
テニスには錦織圭しかいないと思わせているのと同じ報道姿勢だ。罪は深い。
d0164636_9362386.jpg
断わっておくが私は特別に熱心な黒田ファンではない。しかし、ダルビッシュ、
イチローにくらべて“不当な“扱われ方をしている彼を見て我慢できなかった。
テニスでフェデラーが大騒ぎされる一方、スタイルは違うが同じように素晴らしい
プレーをするナダルがほとんど無視されていたことに腹が立ち、機会あるごとに
彼の良さをアピールしたときを思い出す。

ファンは、自分が好きな選手を思い切り応援すればいい。しかし、メディアは違う。
今年の黒田はもっと取り上げられてよかった。地味だから無視する…というのでは
自分たちの使命を放棄していることになる。もともと、“使命”なんてなかったっけ。

…と、長くメジャーリーグを愛してきたMLBウォッチャーは嘆きは続くのだ。
ハハハ。
by toruiwa2010 | 2012-10-09 09:41 | メジャー&野球全般 | Comments(6)
Commented by デルボンバー at 2012-10-09 12:26 x
生島淳さんのBSベストスポーツくらいじゃないですか?黒田を真っ当に取り上げてたのは。でもBSじゃ限界ありますけどね。
Commented by toruiwa2010 at 2012-10-09 12:29
デルボンバーさん、こんにちは。

広島の地元は湧きかえっているでしょうけどね。
Commented by oiroku at 2012-10-09 21:51 x
多少扱いに差があるのは仕方ないと思いますが、これはちょっと黒田がかわいそうですね。
記者や編成者にイチローファンが多数いる(と思われる)からですかね…
それにしても前半はイチローもいなかったわけですから、1年ローテを守った黒田を差し置いて「優勝に導いた」は、イチローファンの私から見てもひどいですねえ。
斎藤隆といい黒田といい、元ドジャーズの投手は何で実績の割に注目されないのでしょうか(野茂除く)。
もっとも黒田は、日本時代からそういう星回り?なので本人は慣れっこでしょうけど。
いずれにしても次戦の登板にも大いに期待します。
Commented by toruiwa2010 at 2012-10-09 21:55
oirokuさん、こんばんは。

いちいち、ごもっともです。
弱ったもんですねえ。
Commented by ヤップンヤン at 2012-10-10 02:50 x
もし今頃、岩佐さんが"プロ野球ニュース"のプロデューサーだったら・・・(笑)。
Commented by toruiwa2010 at 2012-10-10 07:12
ヤップンヤンさん、おはようございます。

まずヤンキースが負けたことをきちんと伝えた上で
「イチローが球場を沸かせる走塁を見せました」と・・・。
最後は、「なお明後日行われる第3戦の先発は黒田です」と。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。