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岩佐徹のOFF-MIKE

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女性アナの実況 again~岩佐徹的アナウンス論86~10/21

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・・・つづき

長い年月をかけて、初めはラジオ、次にテレビでスポーツ実況の形は作られてきました。
視聴者はその“形態”に慣れ親しんでいます。いまの“絶叫スタイル”に辟易する人、
資料読みや事前に用意したコメント、妙に詩的な形容語句などがうざいと感じる人は
多いかもしれませんが、全体の“スタイル”は確立していると言っていいでしょう。

そして、実況席に座るアナウンサーには多くのことが求められます。

歯切れ良さ、テンポ、リズム、さわやかさ、明るさ、見たことを言葉にするスピード、
ちょっとしたユーモア…。ここに挙げたものは、素材としての要素です。
実際に実況するときには、これに加えて、競技についての知識、情報、ルールの理解、
監督・選手から取材する力、データを分析する力、解説者との関係をスムースに保つ…
などのテクニックも必要になります。
ちなみに、私は、“さりげなさ”にこだわりました。言葉で飾る“わざとらしさ”を避け、
“絶叫”とは無縁のスタイルです。

もちろん、すべてを備えたアナウンサーなど、どこを探したっていないと思います。
これらの要素をより多く持っている人だけが視聴者から“いい実況”、“うまいアナ”だと
認められるのでしょう。
そして、成功しているスポーツ・アナの多くは子供のころから、自分でプレーをしたり、
大いなる興味を持ってテレビの中継を見たりと、スポーツに親しんできたはずです。
なんでもないことのようですが、その点は、大きいと思います。
政治や経済、芸能のことはアナウンサーになってから勉強しても身につくでしょうが、
スポーツはそうでもないような気がするのです。
DNA…はオーバーですが、育った環境がかなり影響するように思います。
そこに、男性と女性では大きな差が生まれるのではないでしょうか。

「女性だからダメ」と言っているのではありません。ただし、かなり難しいのは事実です。
プレーを目で見てそれを言葉に換えていく作業ですから、“能力”ということになりますが、
それが欠けていると言えば、「差別だ」、「不当に見下している」と言われるでしょうから
言いません。ハハハ。
しかし、経験から言うと“性”による差はあるだろうと思います。
「子供のころからスポーツは大好きでした」と話す女性は多いですが、よく聞いてみると、
ルールは知らない、その競技のポイントが何かについては全く知識がない、悪く言えば、
“ミーハー的”に好きだったにすぎない、ということが数え切れないほどあります。
もちろん、男はみんな分かっているなどというつもりもありませんが。ハハハ。
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テレビの先輩・アメリカでさえ初めて女性が放送席に座ったのは今年の夏だそうです。
ラジオやローカルのレベルではあったようですから“メジャー初”だろうと思います。
アトランタとシドニー、2度のオリンピックでソフトボールの金メダルに輝き、日本でも
プレーしていたミッシェル・マリー・スミスが“その人”です。
彼女のHPをのぞくと、その日の記事にはMaking History という見出しが付いています。
“歴史的”な出来事だったわけですね。こまかいことは分かりませんが、視聴者の反応は
賛否両論だったようです。

play-by-play(実況)は別にいて、彼女はかつての大投手、ジョン・スモルツとともに
analyst(解説)としての参加だったようですから、日本流の“実況”とは違ったのでしょう。
どちらにしても、彼女の場合はある程度“形”になっていたと想像されます。
偏見ではありません。ワールド・クラスのアスリートだし、ソフトボールの解説などで
放送席での経験も豊か、育った環境や環境が日本とは違うからです。

日本の女性アナには絶対できない、と言っているのではありません。
“有働実況”については、私が聞いた範囲内で「これならいいじゃない?」と感じた人が
いなかったし、今後も相当に難しいんじゃないですか、と言っているのです。
どうしても、女性によるスポーツ実況を実現したいと思うなら、ふさわしい資質を備えた
素材を採用して入社時から“英才教育”をするしかないでしょう。


2年ほど前ですが、ツイッターで女性スポーツ・アナについて盛り上がったことがあります。
その中で、競走馬がらみの仕事をしている若者が私宛にこんなことをつぶやきました。

ホッカイドウ競馬で10年以上レース実況されている○○さんという
名物アナウンサーがいることはご存じですか? 
馬産地北海道の厳しいファンの要求に応える本物の実力者です。


かなり前にラジオで井口さんという女性アナが競馬実況をしていたのは知っていましたが、
○○さんは全くの初耳でした。
興味がわきました。レースものならやれる可能性があると思ったからです。
フジテレビ入社2年目に少し勉強しました。ほかのスポーツにくらべ、突発的なことが
起こりにくいため、馬名をしっかり把握すれば、実況はそれほど難しくはありません。
もちろん、“本質”に迫るのは大変ですが。

聞いてみたいものです…とリプライすると、ホッカイドウ競馬のHPを教えてくれました。
さっそく聞いてみました。うーん、でした。(http://bit.ly/ckGoyL)
予想通り、レースそのものは追えています。もともと、アナウンサーだったわけではなく、
アルバイトで場内放送をしていたそうですから、馬名の把握はお手の物だったはずです。
スタート直後はスロー、4コーナーから直線にかけては畳みかけていくなど、全体の調子も
“競馬実況っぽく”なっています。
しかし、第一印象は「やはり、ローカル色はまぬかれないなあ」でした。
半世紀近く、男性アナたちによる競馬実況を聞いてきた耳には、「踊る大捜査線」のあとに
小津安二郎の「東京物語」を見るような違和感もありました。

北海道で高く評価されているのは、理解できます。視聴者は実況を始めたころから彼女を
知っていて、親近感があり、“愛着”が生まれているのでしょう。
以下、彼とのやり取りですが、こういうときの私は思った通りを書くことにしています。
ちなみに、お世辞やおべんちゃらが言えないタイプです。特に、生まれたての赤ちゃんを
ほめるのは、大の苦手です。ハハハ。

聴かせてもらいました。レースそのものは追えていますが、全国的にはとても
無理でしょう。嫌味ではなく、北海道の競馬ファンはやさしいですね。
聞きなれて愛情を感じているのでしょう。

別段気にはしていないのですが、「全国的に通用する実況」とはどんなものと
お考えですか? 

140文字ではとても…。

「自分が言ってることに対して明快な説明ができない奴は無能。」という話が
ありますが、まさにそれなんだろうな。 (註:私宛ではありませんでした)

140文字…ということでわかっていただけたものと思いましたが、
違うようですね。 http://bit.ly/bkcPV5 に目を通してみてください
(註:0641「女性アナの実況」)

読んでみました。
キーワードは「独特のリズム、スピード感、歯切れのよさ」という事で、
140字も必要ないのでは?(笑)
大手マスコミ純粋培養では女性実況が誕生せず、コミュFMレベルの
草競馬で形になった。

前半:それでは意味が伝わらないではないですか?
後半:おっしゃってる意味が分かりません。…
よって、申し訳ないですが、以下、スルー&ブロック。

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次第に感情的になっているのが分かったので、この時点で、打ち切りにしました。
分かろうとしない人にはいくら言っても分かってもらえませんから。ハハハ。

彼は、仲間とのツイートの中でさらに言い募っていました。

自分を理論派だと自負するのであれば、「140文字じゃ説明できない」なんて
強がるよりも、「それは私の〇〇講座を半年受けたら分かりますよ」くらい
ブチ上げた方が格好が付く。
もしくは一杯やりながらいつかご説明しますよ的な余裕を見せないと。
焦ってツイートブロックじゃあ馬脚見せただけ。

氏は技術論的な物を持っていると自分ではお思いなのでしょうが、
あのキャリアで理論がまとまってない。それだけの人材。
だから後輩達に追い抜かれ孤独な老後になる。
@***: 岩佐さんはアナの技術ではなく自分が名前などの外観で
評価されているのだとお思いなのじゃないでしょうか?

…理論派だと自負したことがあったっけ、と途方にくれました。
また、老後の心配までしてもらえるのはまことに有難いことでした。ハハハ。

子供の喧嘩のような、この“論争”のおかげで、220人以上の方に4年も前の記事、
「女性アナの実況」を読んでいただけました。これも有難いことです。
それだけ、このテーマには多くの人が興味を持ったということでしょう。
いろいろな立場の人が発言すればいいと思います。
そして、「我こそは」という元気のいい女性がどんどんチャレンジしてほしいものです。
by toruiwa2010 | 2012-10-21 09:47 | 岩佐徹的アナウンス論 | Comments(4)
Commented by しょう at 2012-10-21 16:07 x
岩佐さん、こんにちは。

私は女性のスポーツ実況進出に反対です。
理由は単純に、女性特有の声の高さやトーンが
スポーツ実況に向いていないと思うからです。
いくら知識が伴っていても実況の声に違和感があれば、
視聴者にとっては悲劇です。
最近問題になった、元なでしこのサッカー解説などが良い例です。

競技によっては女性の方がしっくりくるものもあると思います。
これは女性だから、男性だから、という問題ではなく、
ただ単に"区別"ということだと思うのですが、
そこを"差別"として食いかかってくる人たちが…以下自粛。
Commented by toruiwa2010 at 2012-10-21 16:16
しょうサン、こんにちは。

確かに、ほかの課題はクリアできても声の質が
一番の問題になると思います。

昨日の記事に、「食ってかかって」来た御仁は
それ以来、さっぱりです。ハハハ。
Commented by しょう at 2012-10-21 16:30 x
食ってかかって

ですねw
Commented by toruiwa2010 at 2012-10-21 16:43
さりげなく、修正したんですから、そこはスルーで。
ハハハ。
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