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岩佐徹のOFF-MIKE

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「新しい靴…」75 「最終目的地」85~最近見た映画3本~10/25

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「新しい靴を買わなくちゃ」75

パリの街を走るタクシーの後部座席に若い男女が乗っている。
男はカメラマンの千(せん:向井理)、女はその妹のスズメ(桐谷美玲)だ。
そばにいるといいことがあるからと、妹の強引な誘いで千は同行させられたのだった。
「写真を撮ってほしい」と頼まれた千がセーヌの川岸でカメラをセットしているスキに
スズメは待たせていたタクシーに乗って行ってしまった。

置き去りにされて途方に暮れている千の前を人妻風の日本人女性が通りかかった…
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中山美穂が長い付き合いの北川悦吏子(脚本・監督)、岩井俊二(プロデュース)と10年来
温めてきた企画だと、フジテレビ「ボクらの時代」で話していました。
うーん、10年前だったら、中山にももう少し魅力があっただろうし、間違いなく千の役は
向井じゃなかったわけだから、最低でも5点はアップしたかもしれませんね。ハハハ。

たしかに向井はいい男だし、かっこいいけど、いかんせん演技が“薄っぺら”ですね。
野菜の名前を持ち出したいところですが、ファンの女性もいるでしょうから…。ハハハ。
そして、あくまで“好み”ですから言っても仕方がないのですが、この作品の主演女優が
なぜ中山なのか 分かりません。作り手側の思い入れが強すぎるのではないでしょうか。
ストーリーは面白いし、キャスティング次第で“それなり”の映画になったはずなのに。

うまいのか下手なのか判断に苦しむピアノが奏でるモーツアルトのメヌエットをバックに
モノクロの写真がスライド風に映写されていくオープニングはいいと思いました。一気に、
パリの雰囲気に包まれました。ちょっと期待が盛り上がったんだけどなあ。ハハハ。

始まって5分もしないうちに、セーヌもノートルダムも「それ 聞いたことがある」という
“残念”な妹にがっくりし 計画的に出し抜かれた千が手にしたコートを地面に投げつけて
悔しがるさまにも「74年間、生きてきたけど、そんな奴は一人も見たことがないぞ」と
突っ込んでいました。
この作品ではないけれど、日本の映画やドラマでは 頭に来た人物がテーブルの上のものを
手で払い落す場面がよく登場します。演出する方も“怒り”を表現する演技として他には
思いつかないのでしょう。見たことあります?私はないけどなあ。どうして、そんなに
不自然な演出をするんだろうといつも思います。ディテールは大事でしょ。ハハハ。

封切から9日目の2回目の上映でしたが、渋谷東映は50人ほどしか入っていませんでした。
今の邦画って、みんなこの体たらくなんですかね。いえ、「大捜査線」「ビヨンド」など、
大当たりしている作品もあることは知っていますが。ハハハ。


「最終目的地」85

オマーのもとに一通の手紙が届いた。南米・ウルグアイの消印が捺されている。
ある作家の伝記を書く許可を求めた手紙への返信だった。答えはNoだった。
恋人の勧めもあって、彼は8000キロ離れた地に飛んだ。改めて交渉するために。
人里離れた土地にひっそりと暮らしていたのは、自殺した作家の未亡人、キャロライン、
愛人だったアーデンと一人娘、作家の兄・アダムとその男性パートナー、ピートだった。

アダムは協力的だったが、キャロラインはかたくなだった・・・
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作家の死が自殺によるものだったからか、残された人たちの心にさまざまな形で“影”が
落ちています。どう生きるかを模索しているのです。しばらく滞在することが許された
オマーはなんとかキャロラインの心を開こうとしますが、うまくいきません。
物語の焦点は 伝記を書く許可が下りるかどうかですが、映画は結論が出るまでのオマーと
“一族”とのかかわりを細やかなタッチで描いています。

ある小さな事件が起きる以外に、物語の進行に大きな変化はありません。
普通なら退屈するところですが、じっくりと映画の中に身をゆだねられました。きっと、
演技と演出がうまいからでしょう。
中でも、アダムを演じるアンソニー・ホプキンスとキャロライン役のローラ・リニーには
圧倒されます。気の毒に、役柄から言えば主役のはずのアメリカ青年・オマーに扮した
オマー・メトワリーは完全にかすんでいました。

画面にいるだけで特別な雰囲気を作り出せるのは、単なる演技ではなく、その俳優たちの
人生や人格が作用しているからでしょう。その意味でこの映画は、二人の出演なくしては
成立しなかったのではないかとさえ思います。
普通の監督・脚本だったら、こんな風には作らないだろうと思う終わり方が見事でした。

優雅で美しい映画です。40代以上なら「いいものを見た」と思うはずです。


「桃さんのしあわせ」85

ゴミゴミした香港の商店街を桃(タオ)さんが行く。
年齢は80歳近いのだろうが、気さくで“美人”で、おまけに気立てがいい桃さんは
商店街でも人気者だった。今日、桃さんはニンニクを買いに来たのだ。
特別な日だった。中国でロケをしていた映画プロデューサーのロジャーが久しぶりで
帰ってくるのだから。

桃さんはロジャーの家の家政婦として60年も働いてきたが、一家のほとんどが海外で
暮らすようになった今は長男・ロジャーの世話を焼くだけだ。
帰ってきたロジャーの好物、牛タンがなかなか食卓に出てこない。すねるロジャーに
健康を考えてのことだと応じた桃さんだったが、その日の午後にはいそいそと下準備に
取り掛かっていた。誕生のときから可愛がったロジャーが愛しくて仕方がないのだ。

その桃さんが倒れた…
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一命を取りとめますが、ロジャーは家を空けることが多く、体が不自由になった桃さんの
面倒をみることができません。結局、老人ホームに入ることになります。
日本人の目にはかなりひどいものに見える施設で過ごすことになった桃さんはいっさい
愚痴をこぼさず、そこでの生活を楽しむようになります。
ホームの職員や入居者仲間との交流や忙しい合間を縫って見舞いに訪れるロジャーとの
関係を淡々と描いていきます。人によっては退屈な映画かもしれません

しかし、今は離れて暮らすロジャーの家族を含めて 周囲の人たちが桃さんに示す優しさが
少しも押しつけがましくなく、互いの距離感に心地いい温かさを感じます。
そこここにちりばめられた、ちょっとしたユーモアがいいです。

75 新しい靴を買わなくちゃ ストーリーはいいのに主役二人に不満があってこの点数
85 最終目的地 すばらしい 画面に登場するだけで圧倒するベテラン二人に敬服する
85 桃さんのしあわせ 地味な小品だが鑑賞後の気分がいい 主演の二人がすばらしい
by toruiwa2010 | 2012-10-25 08:11 | 映画が好き | Comments(6)
Commented by shin555 at 2012-10-25 20:12 x
役者は脚本をカバーできても、脚本は役者をカバーできないってことでしょうか。
最近は映画を観に行くチャンスが無く、観たいな~リストが飽和気味なんですけど(^_^;)
最終目的地、是非みたいです♪
Commented by toruiwa2010 at 2012-10-25 20:52
shin555さん、「最終目的地」・・・
小品ですが、なかなかです。
Commented by ヤップンヤン at 2012-10-25 23:14 x
日本語タイトルは"桃さんのしあわせ"なんですね。香港では、主演女優のディニー・イップがヴェネチアの映画祭で主演女優賞を取ったこともあって、大変、話題となりました。という、私はまだ見ていませんが(苦笑)。
Commented by toruiwa2010 at 2012-10-26 07:24
ヤップンヤンサン、おはようございます。

言葉が分かればもっと面白いだろうと思います。
香港の老人ホーム事情…ちょっとびっくりでした。
Commented by ヤップンヤン at 2012-10-26 13:33 x
私の家の周りにもいくつか老人ホームがありますが、それはそれはもう…。基本的に土地が高いので、日本の標準的な老人ホームに入るのはお金持ちだけです。
1997年まで植民地だったので年金制度は10年くらいまでありませんでした。ですので、香港人は定年までにお金を稼ぐことに必死ですし、子どもたちも親の老後は自分たちが見るという責任感を持っています。
Commented by toruiwa2010 at 2012-10-26 14:03
ヤップンヤンさん、こんにちは。

想像できます。
中国、韓国・・・実態を知りませんが、
親に対する子供の気持ちが日本とは
相当に違うようですね。
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