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岩佐徹のOFF-MIKE

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クロージング・アナウンス~岩佐徹的アナウンス論88~10/28

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WOWOWに移ってからの私の実況の基本は“さりげなく”でした。
飾らず、作らず、絶叫せず、邪魔をせず…です。
ですから、第一声も放送の終わり方も出来るだけ“自然体で”を心がけていました。
ただし、一時期だけ、放送終了のコメントにこだわったことがあります。


現役を引退したあと、2006年全米オープン・テニスの男子決勝を最後まで見て 個人的に
「うわっ、懐かしい!」と思ったことがあります。
実況アナが司会席のダバディーさんにマイクを渡す前のコメントはこうでした。

今大会のWOWOWの放送は、解説 柳恵誌郎さん、遠藤愛さん、丸山薫さん、
土橋登志久さん。実況アナウンサー 久保田光彦、鍋島昭茂、河路直樹、
そして私 島村俊治でお伝えしてまいりました。
また、プロデューサー、ディレクター、テクニカル・ディレクター、エンジニア、
エディター、タイムキーパー、コーディネーター、通訳…それぞれのスタッフ一同が
チームワークで皆様に映像と音声をお伝えしてまいりました。

男子決勝の解説 柳恵誌郎さん 数々の思い出に残る大会だったと思います。
実況担当 島村俊治 渾身の力でお伝えしたつもりです。
それでは・・・


「懐かしい」と思ったのは90年代半ばごろに 私も同じようなクロージング・アナウンスを
したことがあるからです。
ヒントは、アメリカのスポーツ放送でした。
あちらのスポーツ中継は試合が終わると“そそくさ”とまとめの話をしてできるだけ早く
放送を終えようとします。視聴者が席を立たないうちにCMに行こうというのでしょうか。
試合終了が迫ってくるとアナウンサーがまずスポンサーの名前、次に プロデューサー、
ディレクターたちの名前を伝えていました。「格好いい!」とずっと思っていたのです。
ハハハ。

1992年の全豪からWOWOWでテニスの放送を始めてみると、最終日の終わり方が
実にゆるやかで、「適当に終わってくれればいいです」と言われることがほとんどでした。
「岩佐さん、最後は“アバウト”です。よきところで適当に終わってください」
…時間に関係なく、私のタイミングで放送を終えて構わないという意味です。
どっちにしても余った時間はビデオを流すのですから神経質になる必要がないのです。
そのときから、「“あれ”をやる絶好のチャンスだ」と思っていました。
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1995年全米の私のクロージングはこんな具合でした。

(カップを掲げるサンプラスの映像をバックに各種目の優勝者を紹介したあと)
日本時間では8月29日 火曜日から14日間にわたってお送りしてまいりました
95USオープンは男女とも夢の対決が決勝戦で実現しまして大いに盛り上がりました。
ご満足いただけたでしょうか?
解説は柳恵誌郎さんでした。どうもありがとうございました。そして坂本真一さん。
実況は私、岩佐徹(註)、技術は広田篤、制作陣は プロデューサー・仲沢雅彦、それに
生井恵一以下TBSビジョン、ほかに TBS、TBSインターナショナルの協力・・・
さらに、ENGはニッパスというスタッフ・キャストでお送りしてまいりました。

次のWOWOWのグランド・スラム大会の放送は来年1月15日開幕のオーストラリアン・
オープンです。
アガシ、サンプラス、グラフ、セレス…男女2強時代が続くんでしょうか、それとも
新しい挑戦者が出てくるんでしょうか。まったく興味は尽きません。
それでは、今度はオーストラリア・メルボルンのフリンダース・パークからお目に
かかります。それまで皆様 ごきげんよう、さようなら。

註:57歳でしたが、 一人で14日間がんばりました。


民放ではこんなことはやりません。NHKでも考えられません。たぶん日本のテレビでは
初めてだっただろうと思います。懐かしいと思ったわけがお分かりでしょう。ハハハ。
たしか4-5回はやったと思うのですが、編成の担当者から“ストップ”がかかって泣く泣く
やめました。身内のことなのにおかしいという異論が出たのだと記憶します。

数年後、私の思い出を聞いた一人のプロデューサーが「面白いですね、やりましょうよ」と
言っていたのですが、機会を得ないまま交代してしまいました。

個人的にはこのアナウンスは“あり”だと思います。14日間 苦労をともにした仲間には
何かで報いたいという思いがあるものです。もう一つ、有料放送のWOWOWの視聴者と
送り手の関係は地上波に比べて“親密”であっていいと考えるからです。頭の固い連中の
理解を得るのは難しいですが。ハハハ。
不思議なことにこのアナウンスをしているときに気持が高ぶって終わりが近づくにつれて
“うるっ”とすることがありました。視聴者がどう思ったかは分かりませんが、こちらは
勝手に盛り上がっていたのです。うーん、もう一度やってみたいなあ。
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この数年、午後1時に昼寝をするとき、「大竹まことのゴールデンラジオ」を聴きます。
その前は「キラキラ」でしたが、すでに書いたような理由でしばらく“執行猶予”ののち、
“処刑”しました。ハハハ。
ただし、月曜日だけはこれも私なりの理由でTBS「たまむすび」を聴くことにしています。
ある日、1時少し前に横になりラジオをつけると、ちょうど大沢悠里が締めのアナウンスを
しているところでした。
毎日やっているようですが、放送に関わったスタッフやキャストの名前を告げていました。
リスナーと送り手を結びつけます。悪いことではありません。続けてほしいです。
by toruiwa2010 | 2012-10-28 09:10 | 岩佐徹的アナウンス論 | Comments(4)
Commented by tom☆ at 2012-10-28 23:01 x
「~まったく興味は尽きません!」ってのは、記憶に有るのですが、★ラリー中にしゃべり続けている…★と言うのは???
視聴者の記憶っていいかげんなんでしょうね~残念ながら。
島村アナ・・・記憶が定かでないのですがここ数年実況はされてませんよね? 
河路アナに声は似てましたか?!・・それでなんとなく違和感覚えたことは覚えているのですが。。
なにせ岩佐さんが突然に居ない★違和感ほどには、こだわり無かったので。。☆
Commented by toruiwa2010 at 2012-10-29 07:35
tom☆サン、おはようございます。

島村アナ、は数年前にWOWOWでの
実況陣から去りました。今は、BSで
野球やバスケットをしゃべっているようです。 
Commented by しぐま at 2012-11-02 23:23 x
大沢悠里さんの「ゆうゆうワイド」は、
スタートから27年目に入っていますが、
TBSラジオでは、今年4月に就任した入江清彦・社長が、
数年後をメドに番組編成の大改編を検討したい意向らしく、
そうなると、大沢悠里さんや、やはり20年以上も早朝生ワイドに君臨する、
森本毅郎さんなどのベテラン・パーソナリティーたちを、今後どう処遇するのか・・・
大沢悠里さんなどは、今のTBSラジオのイメージを確立した、
功労者である事は論を待たないのですが、
パーソナリティー陣の世代交代の遅れが指摘されている事は否定できず、
制作や編成の現場は、遠からず、
厳しい決断を迫られそうです。
Commented by toruiwa2010 at 2012-11-03 07:30
しぐまサン、おはようございます。
ずいぶん、お詳しいですね。感心します。
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