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岩佐徹のOFF-MIKE

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国生さゆりのブログ~あれはいったいどうゆうことだったの?~ 12/20/30

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一般紙はおろか スポーツ紙でも取り上げられているのを見かけなかったが、胸に
“引っかかる”記事がネット上にあった。真偽のほどがよく分からない記事だが、
読んでいるうちに、身の置き所に困るぐらいの恥ずかしさに襲われた遠い記憶が
よみがえった。だいぶ時間が経過したが、念のために書いておく。

女優の国生さゆりが、旅番組のロケのため訪れた被災地で
数々の不手際があったとして、番組収録に協力してくれた
人々に公式ブログを通じて(9月)17日に謝罪している。

…そんな書き出しで始まって、国生のブログからの抜粋を引用していた。
そのまま信じるならばこうなる。
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三陸の各地を訪れたのだが、行く先々で 予定にない場所での撮影があった。中には
大勢の犠牲者を出した生々しさが残る場所での収録など耐えられない状況もあった。
取材を依頼した相手に予定外のことを強引に頼むこともあって戸惑わせていた。

こういったいきさつに国生は・・・

震災にあわれた方たちの今を皆さんに知って頂きたくてお邪魔したのに、
反対に振り回してしまっているのではないか

どこの被災地の方々も『忘れないで』『風化させたくない』の
お気持ちで取材に協力を惜しまず時間をさいてくださる。
そのお気持ちにオンブに抱っこを繰り返すことはどうなんだろう?

などと記し、最後に

今回の撮影にご協力頂きました三陸のみなさま、ありがとうございました。
そして不手際がたくさんあってごめんなさい

と、謝罪してブログを結んでいた。

不手際の例として国生は、前々から決まっていた海苔(のり)漁師さんへの取材を
キャンセルすることになったことや、予定になかった昼食を頼んだり、さんまの
加工風景を撮りたいと求めたり など強引なやり方を挙げていた。

“身内”の恥をさらすようだが、テレビの取材は新聞やラジオと違い 映像があって
初めて成立するのでなにかと“強引”になりがちだ。映像を撮るとき、どうしても
相手に注文をつけることになるからだ。ドキュメンタリーはインパクトもあるが、
カメラが入った時点でドキュメント…“あるがままの”記録ではなくなってしまう。

そんなこんなを考えていると、ふいに40年近く前の出来事を思い出した。


アシスタントとして出演していたワイドショー「3時のあなた」時代の話だ。
役割は、文字通り補助的なもので、“腕”をふるう場面はほとんどないのだから
やっていてそれほど面白いものではない。
私が担当する水曜日に事件ネタが好きなディレクターがいたのはラッキーだった。
“人間くさい”出来事を探し出して、そのリポートに私を連れ出してくれたからだ。
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青森県八戸港内に位置する蕪島はウミネコの繁殖地として知られている。
ここを訪れたのは1975年12月の下旬のことだ。
盗みに入った“小学生”が帰宅した女性ともみ合いになり、台所にあった包丁で
その女性を刺し殺した悲惨な事件を取材するためだった。

当時11歳だった少年は近くの倉庫に隠れたあと、翌日になって保護されたのだが、
そのときの彼はビニール紐で自分の両手を縛っていた。
誘拐され監禁されていたと言い逃れるための偽装だったが、通じなかった。
青森県では初めての小学生による殺人だったそうだ。

年末の 小雨が降る海岸近くで低い雲が上空を覆う蕪島をバックに私はリポートを
締めくくるコメントをカメラに向かって話した。
「人を殺した罪は憎むべきですが、自らの手を縛ってまで逃れようとした胸中を
思うと、少年の心もまた哀れだと思います」と。

最後のフレーズは「あれでよかったのだろうか」と、ときどき思い出す。
現地の風土に触れた者の実感だったとはいえ、情に流されたという反省とともに。
ふつうのコメントも収録し、どちらを選ぶかの判断はディレクターに任せたのだが、
結局そのまま放送された。

“恥ずかしい思い”はこのときの取材過程で経験した。
話を聞くために歩き回る中で、少年をよく知るお年寄りがいるという情報を得た。
やっとのことで見つけたが、カメラを見ると口を開いてくれなかった。
彼女を逃がすと証言を収録することが難しくなると思ったのか、ディレクターは
懸命に口説いていた。その途中 「お小遣いあげるからさあ、おばあちゃん」という
言葉が聞こえた!

このとき、同行したカメラマンはフジテレビが契約している“地元”の人だった。
強く腕を引っ張られ、離れたところに連れて行かれて、言われた。
「岩佐さん、なんですか、あれは?勘弁してくださいよ」と。
強いナマリはあったが、とつとつとした彼の言葉には静かな怒りがこもっていた。
地元の人間がおとしめられたという思いと、手を貸しているクルーがすべてを金で
解決できると考えているのかという無念さが交錯していたのだと思う。

私も同じ気持ちだった。ずばりと言われたことで余計にいたたまれなかった。
結局、そのご老人からは話を聞くことはできなかった。
先日も書いたが、大勢の中にはいろいろなタイプのディレクターがいる。
功を焦って他人が見れば、こんなことを平気でやるやつも出てくる。
似たような流れの中から“やらせ”も生まれるのだと思う。


余談だが、2007年7月13日号の週刊朝日を読んでいて、「ええーっ!」と思わず
声が出かかるほどビックリする記事に出くわした。
八戸市で起きた、母子4人が殺害され、夫が行方不明になった事件を伝えていた。
“容疑”が濃厚で手配されていた夫はその後、警察官の職務質問を受けたときに
ナイフで首を切って車を急発進させ、10メートルのがけ下に落ち、失血死した。
記事を読み進むと、なんと、この夫こそ、32年前の“少年”だったというのだ!

32年のときを隔てて、東北の小さな町を2度も事件の舞台にしたこの男の人生とは
一体どんなものだったのか、としみじみ思わずにはいられなかった。

資料を見ると、私が訪れた時期の蕪島にウミネコはいないようだが、ほかの記憶と
交じり合っているのか、島の上を群れ飛ぶ姿や独特の啼き声がよみがえる。
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彼女の公式ブログを見に行くと、この日は記事を書かなかったことになっている。
つまり、削除したのだ。
削除の理由はいろいろ考えられる。“荒らし”行為があった。テレビ局の圧力。
局に気兼ねした事務所の圧力。彼女自身の判断…この中のどれかだろう。
タレントのブログは花盛りで、芸能記者は毎日数時間おきにチェックしなければ
いけないのだろうから大変だ。同情する。ハハハ。

大多数のサイトが“旅番組”としているが、一つだけ日テレ「24時間テレビ」だと
書いていた。“眉ツバ”だが、万一本当だとすると、ちょっとまずいよね。
ハンディキャップを持つ少女の屋久島杉挑戦でもいろいろあったと聞く。テレビの
モラルがとやかく言われるのは珍しくないけど、チャリティ番組だものね。
by toruiwa2010 | 2012-10-30 09:02 | 放送全般 | Comments(4)
Commented by shin55 at 2012-10-30 18:03 x
国生さんのブログの話は私もネットニュースで見かけ、ブログも読みました。
ネットに付いた見出しとブログ本文の内容が微妙にずれている気がして
なんだかよくわからないなあと感じましたが削除されているんですね。
それより1975年の件、当事者の一人として書き辛いことでしょうに
よくぞ書かれたと思いながら読み進むうち、2007年の記事に至っては
言葉が見つかりません。
そんなわけで着地失敗のコメントになっちゃいました。すみません(^_^;)
Commented by toruiwa2010 at 2012-10-30 18:18
shin55サン、こんばんは。

私の記事も時々「着地失敗」してますから。
ハハハ。
Commented by photobra7 at 2012-11-02 06:04
岩佐さん、おはようございます。
読んでいて「文学だ」と思いました。
余韻の残るいい記事でした。
Commented by toruiwa2010 at 2012-11-02 07:01
photobra7サン、おはようございます。

素直にうれしいです。ありがとうございます。
「文学」はほめすぎですが。ハハハ。
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