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岩佐徹のOFF-MIKE

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MLB通信簿 2012 その2~輝いた黒田&ダルビッシュ~11/05

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A+ 黒田博樹(New York Yankees:通算5年目)
33試合 16勝11敗 投球回数 219回2/3 防御率3.32


今シーズンの黒田については、負け数が2ケタになってしまったこと以外に文句の
つけようがない。ヤンキースの先発投手でただ一人1年間、ローテーションを守り、
防御率こそ去年を下回ったものの、試合数、投球回数、勝利数などで自己最高の
数字を残した。ドジャースも名門だが、New York Yankeesは特別なチームだ。
輝かしい歴史と伝統があり、常に優勝争いを求められる。選手を見るメディアや
ファンの目も厳しいからいつも強いプレッシャーを感じながら投げることになる。
その中で黙々と自分の仕事を果たしたにもかかわらず、日本のスポーツマスコミは
なぜ彼の活躍をしっかり伝えないのか、と憤りを覚える。
ビジネスだから“売らんかな”はわかるが、あまりにアンフェアだ。
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異論はあるだろうが、過去・現在を問わず 日本からメージャーに移った選手の中で
メジャーに脈々と流れる“精神”を最もよく理解しているのが黒田だと思う。
4月の本拠地開幕戦に先発して8回を投げ、5安打無失点に抑える堂々たる内容の
ピッチングで勝ち投手になったあとのコメントがそれを証明している。
「完封は自己満足に近いと、大リーグに来てから思っている。次の登板に影響が
出ては迷惑がかかるので」。

メジャーの戦い方をしっかり把握している。野球はチーム・スポーツ。その中で
“個”の役割を果たすことだけを考えて投げている。完投や完封、少しでも長く
投げることにこだわるのは愚の骨頂だと考えている。それでも、1登板あたりの
投球回数は6回2/3という見事なものだった。
日本のスポーツ・メディアがメジャーを取り上げるとき、対象になるのはいつも
イチローでありダルビッシュだった。黙々と投げ、立派に仕事をしている黒田に
彼らの目が向くことはない。
そのような報道の結果として、一般のスポーツ・ファンにとってメジャーと言えば
“イチロー&ダルビッシュ”になってしまうことに反省はない。情けない話だ。

黒田の熱烈なファンだったわけではないが、シーズン半ばからは彼の素晴らしさを
伝えたくて、少し“熱く”なってしまった。ハハハ。

11敗したことは本人も悔しいだろうが、シーズンを通して彼が投げるときに打線が
振るわなかったのは事実だ。(27アウトに換算して4.50 以下同じ)
アメリカン・リーグで彼と同じ16勝以上を挙げた投手の援護点はこうなる。

4.80 プライス 20勝      
6.03 ウイーバー 20勝      
4.76 ハリソン 18勝     
3.98 バーランダー 17勝     
4.83 セール 17勝      
5.28 ヒューズ17勝        
5.44 シャーザー16勝      
5.31 ダルビッシュ 16勝 
  

バーランダーというピッチャーのすごさも示しているわけだが、黒田がどれほど
援護点に恵まれなかったかがよく分かる。
前後の試合では大量点を取り、“肝心”の黒田が投げる試合で点を取らない現象が
何度も見られた。
“粘りのピッチング”、“我慢の投球”、“大崩れしない”…代名詞と言っていい。

「たまにはこういう試合がないとシンドイ」…
9月初め、味方が逆転してくれた結果勝ち投手になったあと黒田がそう話した、と
伝えられていた。「 」の中身を黒田の言葉通りだとは思わない方がいい。

記者とのやり取りの中で、
記者「でもまあ、たまにはこういう試合もないと…?」
黒田「…そうだね。ちょっとしんどいよね」

一種の誘導尋問で、記事には黒田の談話として「たまにはこういう試合も…」と
書かれてしまうのだ。イチローのように、まとまったコメントを出す選手はいいが、
黒田は言葉数が少ない選手だ。記者も仕事だからこういうテクニックも必要になる。

援護点の少なさについてもう一点。
黒田はもともと“非自責点”が多い投手でもある。
非自責点とはつまり、エラーがらんだ失点だ。シーズンの前半はいいカウントから
無用のボールが多いように思ったがどうだろう。結果として、内野手のリズムが
微妙に崩れているように見える、それがバッティングにも影響していないか?
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序盤は1~3回の失点が目立った。このデータはシーズン・トータルだ。後半は
かなり修正されたが、それでもトータルで4.00という数字が残ったことになる。
特に、1回は5.18というひどさだ。来シーズンへの大きな課題になると言っていい。

今シーズンは18勝10敗、防御率3.50…を期待していた。
勝ち星は届かなかったが、防御率は期待通りだった。
特に、前半より後半の成績が上がったのは見事だ。反面、ホームとアウェーの差を
なんとかしたい。試合の序盤とアウェー…これを克服すれば来シーズンはもっと
いい結果が期待できる。
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A+ ダルビッシュ有(Texas Rangers:1年目)
29試合 16勝9敗 投球回数191回1/3 防御率 3.90 221奪三振


彼には 日本だけでなくアメリカでも注目が集まった。
交渉の権利を得るためだけに大金が投じられ、メジャーで1球も投げていないのに
高額年俸で契約したのだから当然だし、その心理的圧力は相当なものだったはずだ。
オープン戦デビューがまずまずだったときでさえ、「今後 ますますプレッシャーが
増していくんだから大変だよ」という声がチーム内からも上がっていた。

日本ハムからレンジャーズへ…大きく環境が変わり、しかも、プレッシャーの中で
ダルビッシュがやってのけたことに文句をつける人はいないだろう。
一点だけ、8月中旬以降に先発の回避が2度あったことが残念でならない。故障の
理由は不明だが、ペナントの行方が決まる決定的な時期にスキップはいただけない。
同じ、“A+”でも、黒田の方が内容は明らかに上だと考える。
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1年目だから、調整方法、フォーム、キャッチャーとのコミュニケーションなど、
すべてが試行錯誤だったと思う。初めから ボールの威力についてはまったく問題が
なかったと言っていいだろう。球腫が多く、どの球でも空振りがとれるところが
強みだと思う。特に、大きくタテに割れるカーブにはメジャーの打者が最後まで
戸惑っていた。ほかの球種が頭にあるから打てるわけがないのだ。来年も十分に
通用するはずだ。

タイガースのフィルダー、カブレラやエンゼルスのプホルス、ブルージェイズの
エンカーナシオン、アスレチックスのセスペデス…感心したのは、各チームの
主力打者を少しも恐れていないことだった。ビビっていたのでは仕事にならないし、
もともと、そういう打者と対戦したくてメジャーに行ったのだから当然なのだが、
最初の登板のときから、メジャーで何年も投げている雰囲気を漂わせていた。
だからこそ、勝ち星を積みあげることができたのだ。
しかも、この1年の経験を糧に来年はさらに飛躍することだろう。

課題がいくつかある。
まず、黒田と同じように、アウェーの成績がホームを大きく下回ることだ。
そして、前半に比べて後半の数字がガクッと悪くなったこと。
ただし、最後の6試合をだけをみれば、4勝0敗、防御率1.86…文句なしの内容だ。
しかも、課題の一つだったフォアボールも43回2/3で9個しか出していない。
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開幕前「30回前後の先発で13勝8敗、防御率3.50をクリアすれば十分に合格」と
書いたが、勝ち星は上回り、防御率で下回った。
今シーズン終盤の勢いをそのまま来年に持ち込めば間違いなくいい結果が残せる。
打力のあるチームだから、もしかすると、20勝の声を聞く可能性さえある。

問題はWBCだね。
球団が何と言おうと、参加する可能性はかなり低いとみているが、どうするのか?
侍ジャパンとしてはどうしてもほしい投手だろう。確実に1試合計算できるからね。
彼のプライオリティがどうなっているのか知る由もないが、どう考えてもWBCが
1位だとは思えない。そこに出て得るものと失うかもしれないものをハカリにかけ、
2年目のメジャーでやりたいことを考え合わせたら、結論は一つしかない。

まさか、出ないよねYu?
by toruiwa2010 | 2012-11-05 09:26 | メジャー&野球全般 | Comments(2)
Commented by 赤ぽん at 2012-11-05 23:01 x
岩佐さん、こんばんは。

黒田の岩佐さんの予想、ほぼ合格!でしょうか?!もう少し打線の援護があれば、まぁ
広島時代から見慣れている私から見ると、本当に不運!お払いしてもらえよ黒田w
チームスポーツですので投手で勝ったり打線で勝ったりしますが、やはり
野球は「ピッチャー」の出来ですよね!(←これはどうでもいいのですが)日本の
マスコミの取り上げ方!記事の通りあまりに『売らんかな』過ぎて辟易しています。
イチローとダル・・・サッカーならば香川に本田、Jリーグは徹底的に無視、いや、後回し
各局のスポーツコーナーにおいても、「まずはプロ野球・・・、次にメジャー、それも
ダルとイチロー、そして最後30秒程度サッカーがあるかないかで、以上スポーツコーナー
でした」NHKはじめ毎回これでは意図的なものすら感じ、益々遠ざかるまともな?!
視聴者と、一般の方の一方的に思い込まされるマスコミ力・・・言いすぎでしょうか?

ともかく今年の黒田、お疲れ様でした!そして来期も更に期待しています。
ダルビッシュ、どうか良い準備をして、開幕から2年目の大活躍を期待しています!
Commented by toruiwa2010 at 2012-11-06 06:58
赤ぽんサン、おはようございます。

スポーツジャーナリズムは崩れっぱなしです。
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