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岩佐徹のOFF-MIKE

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宮根誠司:上方のアナ~岩佐徹的アナウンス論91~12/11/10

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かつて、大阪・朝日放送に植草貞夫という有名なスポーツ・アナがいました。
“甲子園と同義語”と言ってもいいぐらい、高校野球の実況で鳴らした人です。
関西では、知らない人がいないほど絶対的な人気を誇るアナでした。

ファンの方には申し訳ないのですが、私はこの人の実況が生理的に苦手でした。
実を言うと、“苦手”というほど、なにかの実況を聞き続けたことがありません。
たびたび書いている通り、キャスターやアナウンサーの好き・嫌いは最終的には
“好み”に左右されるものですから、どうか気を悪くしないで下さい。ハハハ。

東京出身のようですが、“口跡”(ものの言い方:筆跡のようなもの)がべたつくのが
どうしても受け付けなかったのです。
CSで活躍中の 一部サッカー・ファンにとても人気があるKアナについても同じ
感想を持っています。
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阪神戦などで、大阪発のスポーツ中継を見ることがありますが、関西では受ける、
派手で、目立ちたがる実況スタイルを受け付けない関東の人間は多いでしょう。
風土の違いが大きいですかね。若いころ、大阪・千里山に5年間住んだ経験があり、
大阪弁への抵抗はまったくない私でさえ“関西風”に味付けされたスポーツ実況は
好きになれないのですから。

私が知る限り、東京のテレビ業界で名前が挙がる関西のスポーツ・アナと言えば、
競馬中継の“杉本先輩”を除くと、関西テレビの馬場鉄志アナぐらいでした。
馬場アナは スタイルが“関東風”でオーソドックスな実況をします。
私が短い期間でしたがF1のプロデューサーをしていたとき、フジの実況アナに
不満があったディレクターに「彼を引っ張ってきてくれ」と言われ、フジテレビ・
アナウンス部の強い抵抗を覚悟の上で大阪まで行って口説きました。

大阪の局のアナであっても、もともとは東京の出身…という人は多いようですが、
関西で仕事をする限りは、どうしても、そこで受け入れられやすいしゃべり方に
なってしまうのは仕方がないことだと思います。
でも、そのしゃべり方に関東の人間はなじめない。“不幸”な話ですね。ハハハ。
日本テレビで活躍した辛坊次郎キャスターのような例はありますが、スポーツに
限らず、関西で人気を得たあと 東京で一定の地位を築いたアナウンサーを探すのは
難しいです。理由はスポーツの場合とほとんど同じでしょう。
桑原征平や梅田淳(元関西テレビ)、羽川英樹(元読売テレビ)も、東京では思うような
成功を収めることはできませんでした。
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赤江玉緒も、朝のワイドショーについては“微妙”だなあと思って見ていました。
相手が羽鳥慎一に変わってからはほとんど見ていないのでなんとも言えませんが、
鳥越俊太郎がいるときは進行役をつとめているだけでしたから。
ただし、「キラキラ」のあとを引き継いだTBSラジオ「たまむすび」はいいですね。
前任者の小島慶子ほど刺激的なことは言いませんが、それが持ち味でしょうから
無理をすることはありません。今の“空気”を保っていけば、そのうちリスナーの
支持を得られるようになると思います。“裏”の「大竹まことゴールデンラジオ」が
いろいろな意味で少し行きすぎるようになっているので、追いつくチャンスは十分
あるのではないでしょうか。

不思議なことに、“芸人”は問題なく受け入れられています。
かつて 薬師寺管長の高田好胤さん、政治学者の高坂正堯さん、作家・今東光さん…
テレビによく顔を出しては柔らかな関西弁で分かりやすく話す人たちがいました。
若いころ、彼らの話に「なんと巧みな喋り方をするんだろう」と聞き惚れました。
そのあと、仁鶴、三枝、ミヤコ蝶々、西川きよし、さんま、紳助、鶴瓶…
関東に進出して大きな成功を収めたタレントは数え切れません。テレビの世界では、
今や、関西勢が関東勢を圧倒しています。
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なぜ、アナウンサーはうまくいかないのか?
ずいぶん前ですが、「ミヤネ屋」で島田紳助に話を聞いた読売テレビの女性アナが
逆に突っ込まれていました。「キー局に落ちて読売テレビにきたんやろ?」
…本人のリアクションは明らかに“図星”でした。ハハハ。

“素材”として光る人材は男も女も東京のキー局が根こそぎ採用してしまうのです。
どこにも入れなかった学生は、次に、関西、その次に東海地区を目指します。
そこでもダメ、しかし、どうしてもアナウンサーになりたいと思う学生は、さらに
九州、北海道と、ターゲットを広げて受験するのがいまの状況です。
「旅費だけでも大変です」とこぼしながら。ハハハ。

つまり、多少の“めがね違い”はあっても、まず“素材”の段階で東京とその他の
地域で差がついてしまうことは否定できません。
“競争”や“注目度”といった環境にも大きな差がありますから、入社したあとの
成長度も違ってくるのでしょう。

くわしく調べたわけではないので間違っているかもしれませんが、馬場アナなど
ごく少数を除くと、関西で成功したアナの多くは地元の大学を出た人。あるいは
東京の大学を出た関西出身者ではないかと思います。東京で生まれ育った人間が
関西で受け入れられるのは相当にむつかしいことだと思います。体にしみこんだ
メンタリティが大きく違うからです。いい意味でも悪い意味でも。

…ここまで読んだだけで、相当気分を悪くした方がいるはずです。地域差別だと。
いや、差別ではなく、“差”がつくと言っているのです。ハハハ。

そんな目でテレビを見ていた私が、あるとき、目を留めたのが宮根誠司です。

初めて日本テレビにネットされている大阪発の情報番組「ミヤネ屋」を見たときは、
「わー、またかよ」と思いました。これまでと同じ“べたつき”を感じたからです。
しかし、なんとなく見続けているうち、「なかなか面白いなあ」と思うようになって
いきました。くせになる…と言えばいいのでしょうか。
“イケメン”ではありません。けっこう“くどい”顔ですが、人懐っこいところが
いいのでしょうね。

特に話術が優れているとも思いませんが、関西風のしゃべり・味付けでありながら、
それほどでしゃばらず、適当にシャイなのも受けるのだと思います。なによりも、
“大阪発”でがんばっているところがいいと思ったのです。
ただし、関東で本格的に認識されるためには、どこかの時点で“軸足”を東京に
移さないといけないのではないかと見ていたら、2年半前に本格的な東京進出を
果たしました。
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知名度も上がり、仕事も少しずつ増えているようですが、これを“成功”と呼ぶか
どうかは人によって判断が違ってくるでしょうね。
本人がどう思っていたかは分かりませんが、周囲は“かなりいける”と踏んでの
進出だったに違いありません。その思惑は少々はずれたのではないでしょうか?
首をかしげるのは、満を持して進出したはずの東京でのスタートにあたってなぜ
「Mrサンデー」のような番組を選んだのかという点です。

「ミヤネ屋」の流れを生かしたかったのかもしれませんが、宮根らしさをどこにも
感じません。“ネタ次第”が宿命の番組ですが、視聴率は10%を上下しています。
これなら、伊藤アナが仕切っていた前番組と少しも変わりません。

伊藤を外して宮根を持ってきたけど、“失敗”だった。
伊藤は“朝の顔”でずっとやっていける人材なのに、中途半端な昼番組に移して
そのあとに三宅を起用した。こちらは、まだ“結果”が出ていないが、伊藤アナは
いやでも番組不振の“責任”を背負うことになる…

フジの編成の責任は大きいと思います。
by toruiwa2010 | 2012-11-10 08:58 | 岩佐徹的アナウンス論 | Comments(6)
Commented by vevey at 2012-11-10 10:35 x
赤江さん、大好きです。以前はメインで仕切っていたし、それだけの力量はある人です。サッパリとして嫌みがなく、朝の顔にふさわしい。今はちょっと羽鳥さんに遠慮して引いている感じがしますが、勿体ない。人気もあり、実際彼女が夏休みを取ると、局に問い合わせが数十件来るんだそうです。

めざましの三宅アナは最近ようやく笑顔も増え、明るい感じになりました。でも、伊藤アナで良かったのに〜の思いは消えません。「知りたがり」は朝の枠では6畳一間でアットホームにやっていたのが、急拵えに間口も従業員も増やしてホストが霞んでしまった感じ。出ている人が多すぎるし、選ぶテーマもセンス無し。全く違うお店になってしまいました。

このまま伊藤アナが傷ついては許しませんぞ〜
「とくダネ!」の次の司会に伊藤アナはどうでしょうか?
Commented by toruiwa2010 at 2012-11-10 10:49
veveyさん、こんにちは。

ラジオ「たまむすび」(TBS13;00~15:30)がいいですよ。

私の希望では、岸本哲也の「とくだね」、伊藤の「めざまし」が
ベストの布陣です。ハハハ。
Commented by ひろ☆はっぴ at 2012-11-10 16:05 x
私はアミーゴをF-1中継に、そしてBSから地上波に戻していただきたいです。スポーツ実況から彼を引き離してしまうのは、実にもったいないと思います。

さて、植草アナの話ですが、彼の長男がテレビ大阪で、そして次男はテレビ東京で、それぞれアナウンサーとして活躍しています。もっとも二人とも父親の外連味あふれる実況スタイルは受け継いでいませんが。
Commented at 2012-11-10 18:41 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by toruiwa2010 at 2012-11-10 20:50
S_NISHI・・・さん、こんばんは。

ABCと共同でハイビジョンの実験放送をやったとき、
名前の挙がった御仁もいたような。ほかに、和沙君がいましたね。
高校の後輩だったのでよく覚えてます。

草履ばきでやってきて片足胡坐でしゃべってるやつがいました。
ま、日本中で数十人しか見てないんだからしょうがないですけどね。
ハハハ。
Commented by しぐま at 2012-11-12 23:26 x
フジテレビの日曜夜10時枠は、
フジテレビが現本社に移った直後の改編で、
従来の関西テレビ発の30分枠を統合、
共同制作枠にし、まずスポーツワイドショー番組を立ち上げましたが、
しばらくして社会情報系番組になり、
このジャンルの番組が、タイトルなどを変えながら、
今日まで続いています。
現在の「Mrサンデー」は、かつて情報番組過疎タイムといわれた、
日曜プライムタイムの生情報番組という事もあり、
一見、安定しているように見えながら、
視聴率的に、何か編成や営業の信頼を得られていないのでしょうね。
他方、いずれ、日曜夜10時の60分枠を、
関西テレビ発の枠にして、バラエティ枠に転換する案も、
考えられるのでしょうかね。
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