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岩佐徹のOFF-MIKE

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「北のカナリヤたち」は微妙~「思秋期」75 &「希望の国」60~12/11/21

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「北のカナリヤたち」80

北の離島は雪に埋もれていた。
海に近い小さな集落の人気のない道を女がうつむき加減に歩いて来る。
岬村分校で教師をしていた川島はる(吉永小百合)だ。
民家の軒先にいた主婦がはるを見ると急いで家の中に入った。逃げるように。

少し先に少年が立っていた。6人しかいない教え子の一人、ノブだった。
無表情だったはるが笑顔になって「ノブちゃん!」と声をかけた。
次の瞬間、少年は手にした石を彼女に向かって投げつけた。

20年後のある日。
定年を迎えて図書館を退職した彼女のもとに二人の刑事が訪ねてきた。
彼らは殺人事件の重要参考人として鈴木信人という男を探していた。ノブだ。
連絡はないかと聞かれたはるは「ない」と答えた。

20年前の教え子たちを訪ねるはるの旅が始まった…

いい映画だとは思います。
短い時間で6人の教え子のその後がどんなものだったかを描き出しています。
成長した子供たちを演じる俳優陣、満島ひかり、勝地涼、 宮崎あおい、小池栄子、
松田龍平がいいですね。満島、小池、松田の3人が光っていました。
20年後のノブに扮した森山未來も役者としての幅の広さを見せたように思います。

「どうだ」と言わんばかりの物言いは好きになれませんが、木村大作が撮る映像、
特に風景はすごみがあります。

はると夫(柴田恭兵)の関係、はると都会から移ってきたという警官(仲村トオル)が
どのように出会い、どんな間柄なのかがうまく描かれていません。
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…評価できるところとできないところが“ないまぜ”になっていて難しいのですが、
最終的に80点としたのは主演が吉永小百合だったからです。
表現が微妙になります。“吉永小百合的世界”が苦手なんです。
理由を聞かれても困ります。真水は好きじゃありません、としか。ハハハ。

ほぼ同世代ですから「キューポラのある街」のころから知っています。
一貫して“清く、正しく、美しく”というイメージの中にいる女優ですね。
世間に“サユリスト”と呼ばれる熱烈なファンが大勢いることは知っています。
文化人やセレブにもたくさんいて、彼らの支持で彼女の人気は翳りを知りません。
それは別にかまわないのですが、賞レースや映画祭などになると、いつも名前が
挙がります。私が見てそれほどでもないと思ったものでも…。

黒沢明、新藤兼人、山田洋次、北野武…映画が分かってないと言われないようにと
思っているかのごとくこれらの監督を称える評論家や映画人がいますが、彼女にも
同じ現象が起きるのが気に入りません。どこかがアンフェア。ハハハ。
プロモーションで番組に出るとき、彼女クラスになると聞き手もメインどころが
つとめますが、何人かの口から「酷寒の中での撮影に耐えた」ことを誉めそやす
言葉が出ていました。映画の中身と関係がなさすぎるわ。ハハハ。

この映画の彼女がどう評価されるか知りませんが、私の目には“普通”です。
むしろ、彼女が演じたためにはるの人物像が少し薄っぺらなものになっている
ような印象さえあります。たとえば、大竹しのぶ、風吹ジュン、田中裕子…
そんな女優だったらもっと深みのある映画になったのではないかと思います。


「思秋期」75

ジョセフは荒れていた。何もかもが気に入らないのだ。飲んでは暴れる。翌朝は
激しい自己嫌悪に陥る。その繰り返し。5年前、妻に先立たれてからずっとだ。

酔った挙句に入り込んだ雑貨店の経営者、ハンナは心優しく信心深い女性だった。
理由も聞かず、彼のために祈ってくれた。
とぎれとぎれの会話の中で彼女が裕福な地域の住人と知ったジョセフは「結構な
ご身分だ」と悪態をつくが、ハンナも人知れず問題を抱えていた…

夏ごろに映画館で入手したチラシを流し読みしただけで見ると決めました。
タイトルに騙された感じです。ハハハ。
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映画としては完成度が高いと思いますが、途中から あまりにも予想とかけ離れた
方向に物語が進んでいくのに大きな戸惑いを感じました。
75点はそのへんも加味してのものです。自分の“読み”が浅かったのですから、
“八当たり”と言われてしまいそうですが。
サンダンスなど、複数の映画祭で賞を獲っているようですし、高く評価する人が
いてもおかしくありません。
私はただ、「思秋期」はずるいなあと。ハハハ。


「希望の国」60

のどかな田園風景が広がる長島県大原市、そして大葉市。酪農家・小野の家でも
道路一本隔てた鈴木の家でもいつも通りの生活が営まれていた。

突然、大地が揺れた。地震だ…

立て続けに「問題作」を世に問うている園子温監督が“原発”を取り上げています。
原発そのものではなく、園監督に興味があって劇場に足を運びました。
何が描かれているかはあらかじめ分かっていました。
かなりメディアに露出して「誰かが映画にしなければという思いが強いのだ」と
語っています。「日本の映画界から発信する人がいないのが情けない」とも。

そんな思いがこの作品には込められているのでしょう。ただし、では監督の意図は
何かがよく伝わってきません。
普通に考えれば、原発の危険性を訴える“啓蒙”でしょうが、ずいぶん“露骨”で
逆効果です。現地に何度も出向いて話を集めたらしいですが、映像を見る誰もが
「こんなことがあったのか」、「これはひどいぞ」と思うような話を“ただ”つなぎ
合わせただけのような印象を受けます。
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季節がいつなのかよくわかりません。認知症の小野の妻が家を飛び出してどれほど
歩いたのか知りませんが、いきなり一面の雪景色になったりして、かなり乱暴です。
寓話的な要素もあるようですが、中途半端です。

自分が映画を撮らなければという使命感は分かりますが、一人相撲になっています。
いけないのは、どのエピソードも活字やテレビのニュース、ドキュメンタリーで
聞いたことがあるものばかりです。目新しいものはありません。
「原発は恐ろしい」、「国家を頼っちゃダメ」という立ち位置で作るのはいいとして、
“さじ加減”が悪く、出来上がった作品はどこか中国の反日映画を連想させます。

この映画、お金を出して見に行く人がいたら、私は止めます。

「恋の罪」、「ヒミズ」に次いで3本目ですが、この監督の映画はよく分かりません。
「愛のむきだし」、「冷たい熱帯魚」も見ていない私には彼の作品をうんぬんする
資格はないのかもしれません。別にかまいませんが。ハハハ。

80 北のカナリヤたち カメラがいい、役者がいい 主演が吉永じゃなくても?
75 思秋期 妻を失って荒れる男と信心深い女が寄り添う タイトルがずるいわ
60 希望の国 園子温監督が使命感で作ったそうだが中国の反日映画を見るようだ
70 カミハテ商店 高い崖のそばにパンと牛乳を売る女の店 自殺者が買うのだ
by toruiwa2010 | 2012-11-21 12:27 | 映画が好き | Comments(0)
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