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岩佐徹のOFF-MIKE

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松井秀喜がバットを置く~とうとう“その日”が来た~12/12/28

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松井秀喜が引退を表明した。
熱狂的なファンではないにしても、応援してきた者にとっては恐れていたことだが、
イチローの電撃移籍と違って、ある程度予想されたことだった。

NY市内のホテルで行われた会見に臨んだ松井にはやはり寂しさがにじんでいた。
しかし、“うら”寂しいものではなかったことに救いを感じる。
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「20年の野球選手人生に区切りをつけたい。
野球が好きだから、プレーは続けたい気持ちがあった。しかし、結果が出なくなった。
日本球界に戻れば、ファンは10年前の自分の姿を期待する。その姿を再現する自信は
正直に言うなら強くは持てなかった」

「よくやった。頑張ったね」と自分に言う気持ちはないという。
もう少しいい選手になれたかもしれないという思いがあるのだ。
一流だからこその“こだわり”として聞いた。


松井が巨人に入ったのは私がプロ野球の取材をしなくなってからだから、実際に
取材をしたことはない。強く印象に残っているのは1990年の甲子園だ。
WOWOWは大阪の朝日放送と共同でハイビジョンの実験放送をしていた。
夏の高校野球を試験的に中継したのだ。本放送が始まる前のWOWOWではまだ
やることがなかった私はその実況を買って出た。

松井の生の声を聞いたのは90年、91年の夏だった。
風通しが悪いスタンド下の通路は蒸し風呂のような暑さで5分もしないうちに汗で
シャツが背中に張り付くほどだった。その通路に次の試合に臨む星陵高校の4番が
姿を現すと待ち構えていた記者が群がった。ニキビがいっぱいの彼はその輪の中で
悠然としていた。限られた時間でたくさんの情報を仕入れたい記者たちの質問は
広い範囲に及んだが、ユーモアを交えてよどみなく答えていた。
「まったく物怖じしていないなあ」とあっぱれな高校生に心から感心したことが
鮮やかに思い出される。

以後、一ファンとして松井秀喜を見てきた。
子供のころから“アンチ・巨人”だったから松井といえどもone of themだったが、
しかし、海を渡ってからの彼には遠慮することなく注目してきた。
初めからピンストライプが似合い、ヤンキースタジアムの空気にもなじんでいた。
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日本を代表する長距離打者がユニフォームを脱ぐ。

…星陵でチームメイトだった朝日新聞記者が今日の記事の冒頭にこう書いているが、
メジャーでは明らかに中距離打者だった。それでも、いつも優勝争いの一角にいる
ヤンキースの4番をしばしば任されていた。すごいことだ。
与えられたポジションで黙々と仕事をする。それが松井の真骨頂だ。
“黙々と”は、毎試合後、勝っても負けても、打っても打たなくてもカメラの前に
立ってコメントを出す姿勢にも表れていた。自分が5分、10分我慢すれば記者が
仕事をまっとうできるのだから、という思いだったはずだ。
面白いコメントほとんどなかったが、彼の人柄をよく示していた。
ためらうことなくリスペクトできる数少ない野球選手の一人だ。

12/27のツイート

サンスポが松井秀喜引退かと報じている。
内容が何もない記事で。w。
可能性はあるがこの時期に最終決断を
下すのは故障が絶望的な場合だけだ。
それなら自分から話す男だ。本人の談話は
一言もなく父親の話だけ。ひどいものだ。

友人にあてたツイート

デスク「おい、今日は何もねえなあ。
MLBの方で何かない?
松井の話はどうなってんの?なんか書けない?」
ぐらいのノリで書いたんじゃないでしょうか。
「飛ばし記事」と言います。
引退しなければ「…かと思われていたが…」と
書いてあとは知らん顔。ハハハ。


…と思ったが本当だった。
スポーツ紙なら、そう書くだろう。私はそういうわけにはいかない。ハハハ。

こういう記事にはいやというほど出会ってきた。
ネタ枯れの時期にスポーツ紙の一面を飾る“飛ばし記事”の一つだと思った。
特大の「引退」の横に、小さな「か」を添えていた。自信満々じゃなかったからだ。
自信があれば「引退か」じゃなくて「引退へ」となるはずだ。
結果的に“スクープ”になっただけだから、私も不明を恥じることはない。ハハハ。


“そのとき”がきた。どんなに偉大な選手でもやってくる“終わりのとき”が。
ヤンキースを去ってエンゼルスに移り、基本的に“赤”が多いユニフォーム姿を
想像しただけで嫌な予感があった。松井に赤は似合わないもの。ハハハ。
アスレチックス、レイズ…チームを移るたびに成績は下降線をたどった。
致命的だったのはやはり膝のけがだ。あれさえなければと思うが、言っても
仕方がない。十分やったと思う。
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通算成績:打率.282(出塁率.360)、175HR、OPS.822 はメジャーの選手として
“中の上”ぐらいだと思うが、よくやってくれたし、楽しませてくれた。

今の段階では指導者として日本球界への復帰は考えにくい。
むしろ、数年後に突然“星陵高校監督就任”のニュースに接する方が納得できる。
松井秀喜はそういう男だと思うから。
プライバシーを大事にするタイプだから日本には帰らないかもしれない。
日刊スポーツが「来年、第一子誕生」を伝えているから、それが本当だとすれば、
奥さんがどちらで産みたいと考えるかにもよるが。

万感の思いを込めて「おつかれさま」と言いたい。
2009年、ヤンキースのワールド・シリーズ優勝に貢献してMVPになったときの
晴れやかな笑顔は野球ファンの脳裏に深く刻み込まれている。
個人的には、昇格した直後に放った2本のホームランが強く印象に残る。
“一瞬の輝き”に終わったが、実に美しいホームランだった。
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NYタイムズが「日本とヤンキースのスターだった松井が引退」という見出し付きで
長い記事を載せていいる。MLB.comもトップで報じている。(10:00AM JST)
アメリカ球界で松井がどう見られていたかがよく分かる。
“引退”の2文字は口にしなかったが、これで、ずっと背負ってきた“重圧”から
解き放たれることに変わりはない。その重圧が懐かしいものに変わる日も来る。
今後の人生が幸せに満ちたものであってほしいと切に願う。
by toruiwa2010 | 2012-12-28 11:04 | メジャー&野球全般 | Comments(11)
Commented by マオパパ at 2012-12-28 11:44 x
岩佐さん、こんにちは。松井やめてしまうんですね。もう1年くらい粘るかなと思っていました。ただ、今年のプレー振りだと厳しいとは感じていましたが。松井とは巨人最後の年にちょっと仕事をしたことがあるのですが、人格者でした。年齢はかなり離れていますが、体だけでなく、人間的な大きさを感じました。ひとつ残念だったと個人的に思っていることは、WBCへ不参加だったことです。岩佐さんと意見が異なるのは承知しておりますが、
日本のプロ野球の実力を世界にアピールできる場は、いろいろ言いたい事もありますがWBCしかない状況なので、参加して日本チームの優勝に貢献してもらいたかったと思っています。松井の夢がヤンキースでプレーすることだったのは知っていますし、人の希望に対して批判できるような立場でないこともわかっていますが、私の夢は大正力さんではありませんが、日本プロ野球はアメリカ野球に追いつけ、追い越せなので、個人的には今でも納得していません。長々とすみません。
Commented by toruiwa2010 at 2012-12-28 11:52
マオパパさん、こんにちは。

お好きなように思っていいのではないですか・・・
としか言えず。ハハハ。
Commented by hahaha at 2012-12-28 15:29 x
真実の報道を「飛ばし記事」扱いしたあげく、

結果的に“スクープ”になっただけだから、私も不明を恥じることはない
。ハハハ。

って、呆れてモノもいえません。

ご自分が「飛ばし」てるだけですね。自己弁護がみっともない。発言するときは、もう少し慎重になさったほうが恥をかかなくてすみますよ。ハハハ
Commented by toruiwa2010 at 2012-12-28 15:39
hahahaさん、こんにちは。

ふざけたHNでわざわざご苦労様なことで。
ハハハ。

”ハハハ”はこのように使うと効果があります。ハハハ。
Commented by レニ at 2012-12-28 19:39 x
こんばんは。御無沙汰してました。

松井の引退は仕方がないと思いますが、決して自分を大きく見せようとしない彼の態度には、巨人時代からずっと好感を持っていました。
そこがイチローとのちがいだと思っています。
せっかくスケールの大きな人なので、野球人としての今後が巨人ベッタリにならなければいいがと思いますが、やはりそうは行かないんでしょうね……。


Commented by toruiwa2010 at 2012-12-28 20:06
レニさん、こんばんは。

イチローとの差ははっきりしてますね。
「長いものにまかれる」タイプではないと思うので
読売グループには近寄らないでしょう。そうであって
ほしいです。

一つだけ心配なのは巨人べったりの長島さんの影響ですね。
Commented by 赤ぽん at 2012-12-28 21:35 x
岩佐さん、こんばんは。

ついにこの日が来ました。今シーズンの結果からも「もう終わりだろうなぁ」と漠然と
思っていましたが、いざ実際に会見を見た今は「お疲れさま」以外の言葉しかありません。

読売を“出てゆく”会見での悲壮感さえ漂う表情と「裏切り者」という言葉
WシリーズMVPと移籍した翌年の開幕戦での元チームメイトらに祝福される姿…
怪我に泣いた後半の姿でしたが、あのNYYの4番を打ち、MVPまで獲った男の姿
忘れないでしょう。
岩佐さんの最後の3行、心に響きました。
Commented by toruiwa2010 at 2012-12-28 22:02
赤ぽんサン、こんばんは。

最後の3行・・・どうおさめようか
少々悩みました。

どこかのトンチキが幼い言いがかりをつけてきて
しらけましたが。ハハハ。
Commented by toruiwa2010 at 2012-12-30 16:56
カズくん、君は中学生ぐらいかな?
そして、イチローを神様のように思ってるのかな?
大した大人になれないよ。ハハハ。

おじさんはね、君がまだ野球さえ知らないころから
メジャーを見てるんだ。こんな情報をもらわなくても、
松井の実績が殿堂入りの候補にさえならないことは
分かってるのさ。

学校の勉強しなさい。ハハハ。
Commented by くに at 2012-12-30 17:40 x
岩佐さん、こんにちは。
早くも巨人が未来の監督と言っているようですが、
松井にはそんな小さい事でなく将来のコミッショナーになって欲しいです。
ずっとこのポジションは、昔偉かった人が楽隠居生活の片手間にやる程度になっていますから。
イチローと違って人望もあるし適任だと思います。
Commented by toruiwa2010 at 2012-12-30 17:45
くにサン、こんばんは。

人望はあっても本人はコミッショナーなど望まないと思います。
監督も引き受けない気がします。
世間が喝采しうるのは恩師の下で星陵高校コーチ就任です。
ハハハ。
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