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岩佐徹のOFF-MIKE

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アクセント(シリーズ1)~岩佐徹的アナウンス論114~13/02/09

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アナウンサーを40年以上やっているというのに、恥ずかしながら、アクセントに
ついてはたいした勉強をしませんでしたし、自慢できるほどの知識もありません。
フジテレビの後輩・逸見政孝は大阪出身のハンディキャップをカバーするために、
アクセント辞典をとことん読み、覚えたところから破り捨てたと言っていました。
見習うべきですね。…とブログには書いておきます。ハハハ。

5年間 関西で暮らしたことがあるせいでしょうか、若いころには先輩からしばしば
「それは関西のアクセントだぞ」と指摘されていました。そんなときは、逸見も
「それは違いますね」と突っ込んできたものです。こちらが自信をなくすような
自信満々の言い方で。ハハハ。

とはいえ、東京生まれですから、勉強しなくたってアクセントは大丈夫だろう、と
タカをくくっていました。40年を超えるアナウンサー人生の中で「アクセントの
間違いが多いねえ」と言われることがそれほど多くなかったのはラッキーだったと
言わなくてはいけないでしょう。
強いこだわりはないのですが、意地っ張りだし、それなりに考えていることもあり、
人に言われればムッとして反論したり、他人のアクセントは気になったりします。

この3連休はアクセントについての話です。

“磐田”のアクセント

アクセントには“決まり”があるようで絶対的なものはありません。ないはずです。
そう思います。そうですよね。この際、そうであってほしい。ハハハ。
ですから、言葉、日本語は難しいのです。
原則はあるでしょうが、それより、長い間に言葉を構成する“音”の並び方から
自然に“落しどころ”が決まってきたのだと考える方が正しいでしょう。

特に、外国の固有名詞についてはルールを聞いたことはありません。
例えば「アメリカ」のアクセントが平板なのは厳密なルールに従ったわけではなく、
それが一番“自然”だったからでしょう。
英語の発音では「メ」にアクセントがあることはこの場合関係ないのです。
さらに、日本語では「高低」、英語は「強弱」でアクセントをつけますが、ここでは
同じと考えてください。

逆に、アメリカ人はTokyoやIchiroは頭高、OsakaやMatsuiは中高(なかだか)の
アクセントで発音します。中高とは、中間の音にアクセントを置いて読むことです。
彼らには字の並び方からして、それが“自然”なのでしょう。
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私の名前「岩佐」は頭高です。
しかし、同じイ、ア、オ段で構成される苗字の「岩田」は平板です。同じように、
「岩木」は頭高、「岩井」は平板です。しかし、同じ「イワタ」でも、静岡県にある
「磐田」市は頭高です。

多くの日本人にとって、はじめ、「イワタ」は平板で呼ぶのが自然でした。
ところが、Jリーグがスタートしたころ、日本中のテレビ局は、磐田市や市民から
「アクセントが違う。私たちの街を呼ぶときは、イにアクセントを置いてくれ」と
クレームをつけられました。市の名前が決まったとき、頭高で読むのが自然だと
感じる市民が多く、それが定着したのでしょう。
いまでは、「頭高の磐田」はすっかり“市民権”を得ています。ハハハ。

この件で私が学んだのは、たぶん、アクセントが決定する過程には 気候、風土、
歴史が影響するのだろうな、ということです。


嬶ぁーッ!

最近、あまり聞きませんが、彼が全盛期のころは「…ボールがスペースに出ました。
走りこんだのはカカー(尻上がり)」などと実況アナがよく叫んでいました。
聞こえるたびに、どこかでカラスが啼いたのかと思ったものです。江戸時代なら、
そこら中の長屋から「呼んだかい?」とおかみさんたちが前掛けで手を拭きながら
ぞろぞろ出てきそうな気がして笑ってしまいます。ハハハ。
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ブラジルの8番は、初めは「カカ」で、アクセントも最初の「カ」にありました。
いつ、誰が言い出したのか定かではありませんが、いまでは、ほぼすべてのアナが
「カカー」とうしろを延ばして、アクセントも平板でしゃべっています。
表示は「カカ」のまま。ハハハ。

おそらく、誰かが「現地の発音はそうなっている」と言い出したのでしょう。 
ナンセンス、笑止千万です。ハハハ。
鬼の首でもとったかのように、分ってるものだけ現地読み(アクセントもふくめて)
するなんてちゃんちゃらおかしいじゃないですか!
じゃあ、うかがいますが、すべてのアナがカカの国、「ブラジル」のアクセントを
平板にしていますが、それで間違いないんでしょうね?私は「ジ」にアクセントが
来るんじゃないかと思いますよ。
どうしても“現地”にこだわると言うなら、たとえば「アメリカ」も平板ではなく
「アメーリカ」とアクセントも「メ」におくんですか? ハッキリしましょうよ。

正しいものに近づけるのはいいことですが、どうしたって限界はあるのですから、
みんなが違和感を覚えない“落しどころ”を見つければいいと思うのです。
ちなみに、私の中では、今でも「カカ」です。ハハハ。
by toruiwa2010 | 2013-02-09 08:06 | 岩佐徹的アナウンス論 | Comments(10)
Commented by まさし at 2013-02-09 09:18 x
岩佐さん、おはようございます。
土着ではない静岡県民です。“磐田”に関しては訛りのような気がします。以前同僚に「こういう人(と、漢字で「岩田くん」と書く)は、なんて発音するの?」と訊ねたところ、頭高でイワタくんと返されました。「河津」が「蛙」と同じだったり、ほかにもいろいろ……かなり不思議な土地柄です。
Commented by toruiwa2010 at 2013-02-09 09:51
まさしサン、おはようございます。

訛りはもともと気候、風土、歴史の影響を
受けて生まれたものですからね。
標準語のアクセントは東京の山の手の
ナマリと考えたら、どうでしょうか。
Commented by しょう at 2013-02-09 11:15 x
岩佐さん、こんにちは。
日本語、高低で意味が変わる複雑な言語ですね。
それを慣れとはいえ使いこなしている私たちもたいしたもんです(笑)。
長年疑問に思っていて、正解が分からないアクセント
(というか区切り?)があります。
良い機会なので、岩佐さん、お願いします!

名詞ではないのですが「〜せざるをえない」です。
「ざ」と「え」にアクセント、区切りは「を」の後と素人は思います。
しかし、たまにプロのアナウンサーが
「せざるをえ、ない」アクセントは「え」
または、
「せざる、をえない」アクセントは「え」
などと独特の言い回しをしています。
あれは何か特別な意味があるのでしょうか?
Commented by toruiwa2010 at 2013-02-09 11:22
しょうサン、こんにちは。

私はあなたと同じ解釈です。
たまに、「せざる」できって、「をえない」と
続けるアナがいますが、それだと違う意味に
取り違って聴かれそうですね。
Commented by 赤ぽん at 2013-02-09 11:58 x
岩佐さん、こんにちは。
「カカ」の発音、真っ先に某方面で人気のサッカーアナ?!K氏(これもややこしw)
が思い浮かびましたが合っていますでしょうか?w
「カカァー」「呼んだかい?」、落語の世界でも通用するお笑いコメントに
お茶を噴きそうになりましたw

アクセントではありませんが、私は両親・祖父母が東京・下町生まれで
「ひ」と「し」がめちゃくちゃな環境下で育ったため、商談などでもたまに
苦労しておりますw
Commented by toruiwa2010 at 2013-02-09 12:04
赤ぽんサン、こんにちは。
Kアナじゃありません。誰かが言い始めたら、
あっという間に広まった気がします。
Commented by bbjjc at 2013-02-11 14:50 x
はじめまして。たしかに外国語をどこまで現地読みするかむずかしいですね。ただたとえば中米のコスタリカ、これって普通日本では中高ですよね。でも現地というかスペイン語ではコスタ(海岸)・リカ(豊かな)ですからコスタ・リーカに近いとおもいます。プエルト・リーコも同じですけどね。中高でよむとそもそもの意味がわからなくなるので、ちょっと残念です。
Commented by toruiwa2010 at 2013-02-11 15:48
bbjjcさん、こんにちは。

確かに、私もコスタリカは「タ」にアクセントをつけて
いいますね。プエルトリコはときどき「リ」にアクセントですが。

外国語固有名詞の現地読みは理想ですが、きりがないですからね。
Commented by カカの読み方には意味が… at 2014-02-16 15:13 x
既知でしたらすみません。

サッカー選手のカカですが、イタリア語だと、「カ」カ=大便の意味になってしまうので、イタリア移籍後は日本でもイタリア同様、カ「カ(ー)」読みにしてる、と聞きました。
ジョンカビラ氏は日本の番組内で、あえてお遊びで「カ」カ読みしてますけど(笑)
Commented by toruiwa2010 at 2014-02-16 15:26
カカの読み方には意味が…サン、くどいようですが、
こういうHNは紛らわしいのでやめましょう。
まともなコメントなら必ず読みますから。
ご心配なく。ハハハ。

カカ…ですが、それは初めて聞きました。
ただ、それを知っても、「イタリアでは
そう読めばいい。日本人には”大使”とは
分からないんだし」と思うだけですね。

だって、日本で「カカ―」と言えば「嬶ぁ」だもの。
私は一貫して、現地読みにこだわるのは愚だと
思っています。
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