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岩佐徹のOFF-MIKE

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“シンジク”、“シジツ”など~岩佐徹的アナウンス論117~02/16

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鼻濁音について書いたときのコメントの中に「ガ行音が汚いとは思わない」という
一行があって、いささかあわてました。「そう、“汚い”ってことはないよなあ。
…えっ、俺が“汚い”って書いたのか?」
チェックすると、「あまりきれいな音ではありません」と書いてありました。
ねっ?言葉の選択は大事ってことですよ。ハハハ。

水曜日のエントリーの中では少しですが、「耳にやさしい言い方」に触れました。
1対0を“イチタイレイ”、8本は“ヒャッポン”と間違って伝わらないように
“ハチホン”と読むことなど、放送では聞き取りやすい言い方をするのです。

今では為替レートでお目にかかるぐらいですが、終戦後しばらくは、生活の中に
“銭”という単位がありました。
ちなみに、昭和20年ごろの物価はというと、白米10kg:6円、はがき:5銭、
豆腐1丁:20銭、入浴料:おとな:20銭…だったようです。
(「終戦直後のお金」より)

福岡県嘉穂郡で生まれ育った父は“全然”を“ジェンジェン”と発音したほか、
「ジッシェン(十銭)、ゴジッシェン(五十銭)」と言っていました。方言です。
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日本語には、“拗音”(ようおん)と呼ばれる言葉があります。
キャ、キュ、キョ、シャ、シュ、ショ、ジャ、ジュ、ジョ、ヒャ、ヒュ、ヒョ…
などです。あまり“きれいな音”ではありませんね。ハハハ。
今はどうなっているか知りませんが、私たちがアナウンサーになりたてのころは、
新宿を“シンジク”、技術を“ギジツ”と発音するようにと教えられました。
その方がきれいに聞こえるからです。

NHKでも“ジ”でもいいことになっていると聞いたことがありますし、後輩に
聞いてみると、現在のフジテレビでは「正しく発音できるなら、そのように」と
教えているようです。

「発音しにくい専門用語が多く、一生懸命なあまり、“シュジュチュ”(手術)などと
言ってしまうことがあります」
「救命病棟24時」の関連番組に出演(“シツエン”w)していたころ、松嶋菜々子が
そんなエピソードを披露していました。言いにくいことは確かです。
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実際は、拗音そのものが難しいのではなく、“拗音を含む言葉”の発音が厄介だと
いうことではないでしょうか。
“シュジツ”でもよし、“シジュツ”でもよし…私は、現役中はもちろん、今でも
“シジツ”と言います。そして、“シンジク”、“ギジツ”です。
一番大事なのは“伝わる”ことだと思うのですが、ドラマの世界ではそういう
“横着”を許さないのでしょうか?ハハハ。

どんな場合でも“ジュ”を“ジ”と発音するわけでもありません。
“熟考”は“ジュッコウ”、“授業”は“ジュギョウ”など、ほかの言葉、たとえば
“実行”や“事業”とまぎらわしいものは、“ジュ”と言います。
“ルール”はありません。あくまで、“伝わりやすさ”“聞きやすさ”が基準です。
耳は、ある意味とても“器用”です。「シジツは午前10時からです」と言われて
「史実は…」とは思わず「手術は…」と理解するようにできているのです。
…というのは、私の“説”に過ぎません。学者は笑うでしょうが、構やしません。
ハハハ。

“十個→ジッコ”、“30分→サンジップン”も、読む人、話す人が無意識のうちに、
「間違って伝わることはない」という判断が行われているのだと思います。

私は性格が“ずぼら”なせいでしょうか、放送の中で、“Venus”を“ヴィーナス”、
“Veteran”を“ヴェテラン”と発音したことはありません。日本人はヴァ行と
バ行を聞き分ける耳を持っていないと固く信じているからです。ハハハ。
ただし、ファ行とハ行については、違いがはっきりしているので、“fight”を
“ハイト”とは言わず、“ファイト”と言っています。下唇は噛みませんが。ハハハ。

蛇足ですが、漢字にカナを振るときはチャンと書いてくださいよ。ハハハ。
by toruiwa2010 | 2013-02-16 09:34 | 岩佐徹的アナウンス論 | Comments(6)
Commented by しょう at 2013-02-16 14:30 x
岩佐さん、こんにちは。

"手術"は、私の中では"シジツ"とインプットされており、
PC等の入力時には"シュジュツ"とまず脳内変換します。
原因、体育、雰囲気、なども同様です。
会話上での日本語と、キーボード上での日本語は
違うものなのかもしれません。
それをいとも簡単に使いこなしている私たちは
改めてスゴイと思いました(笑)。
Commented by toruiwa2010 at 2013-02-16 14:39
しょうサン、こんにちは。

私の場合は、話す時は「シジツ」、
PCに打ち込むときは「シュジュツ」・・・
脳内変換は無用です。
なんたって、こっちはプロですから。ハハハ。

でも、一般の方で「シジツ」と言う人がいると知って
少し驚いています。
Commented by ヤップンヤン at 2013-02-16 17:44 x
北京語は”売””買”・・・両方とも”マイ”と発音するのですが、発音の仕方を間違えると全く逆の意味になってしまいます。昔、買いたいのに売りたいと誤解されたことが何度も・・・(涙)。文脈から判断/想像できにくい場合も多いのです。発音には苦労しました…。
Commented by toruiwa2010 at 2013-02-16 18:18
ヤップンヤンさん、こんばんは。

中国語そのものが難しそうなのにねえ。ハハハ。

昔、台湾に行ったとき、テレビでドラマをやっていました。
どう聞いても中国語なのに、セリフに合わせて漢字が
てんこ盛りの字幕が矢継ぎ早に出ていました。

大陸とはまた違うからだと言ってました。
Commented by ヤップンヤン at 2013-02-16 22:05 x
ふと思ったのは、頭高などという意味では、アナウンサーは中国語習得には向いているかもしれません。日本人は漢字をみると推測できますから、発音だけ気をつければ取得しやすい言語だと思います。
Commented by toruiwa2010 at 2013-02-16 22:18
ヤップンヤンさん・・・発音だけ気をつければって。
それが中国語の一番難しいところでしょうに。ハハハ。
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