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岩佐徹のOFF-MIKE

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すると、逆に&…きました~岩佐徹的アナウンス論118~02/17

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URLが見つかりませんが、数年前、ネット上をぶらついているときに、とことん、
言葉にこだわっている人のブログを見つけました。私のような“偽物”ではなく、
日本語を研究している人のようです。読んで、自分も同じ間違いをしたと気づき、
恥ずかしい思いをしたこともあります。
過去に何度か書いた通り、アナウンサーを職業にしていたのに、“正しい日本語”を
話すことにそれほど強い責任感はありませんでした。
その場にふさわしい、“きれいな”言葉を選んでしゃべりたいとは思いましたが、
なにより優先したのは“聞きやすさ”、“伝わりやすさ”です。

もし、日本語に“堪能”な人がこのブログを読んだら、“…ぐらい”という表現が
頻繁に出てくることに気づかれるはずです。“少しぐらい”、“どれぐらい”…。
そして、“昭和30年ごろ”や“正午ごろ”も。
二つ以上の単語で構成される言葉では、“連濁”(れんだく)という現象が起きます。
カブシキガイシャ(株式会社)、レンシュウジアイ(練習試合)、カベヅタイ(壁伝い)…
単独なら“澄んで”いる音がつながることで、“にごる”、つまり濁点がつくのです。
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“ころ→ごろ”についてはこの連濁が広く用いられているようですが、“くらい→
ぐらい”はそれほどでもありません。テレビを見ていると、発言者がはっきり
「…ぐらい」と言っていても、字幕には「…くらい」と表記されることが多いです。

私は、そのほうが滑らかに聞こえるのと、きれいに発音できる自信があったので
実況のときも「…ぐらい」、「ごろ」を採用していました。「クライ」の“ク”や
「コロ」の“コ”はきつく聞こえると感じたのも理由の一つです。
このエントリーを書くために、テレビから聞こえる人々の話し方に耳を傾けると、
「ぐらい派」が多いようです。
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あるとき、週刊朝日で対談している林真理子と玉村豊男がやはり、“ぐらい”と
言っていました。速記を起こしたものですから、かなり正確だと信じます。
作家とエッセイスト…二人とも文筆業ですから、言葉にはうるさいはずです。
少し、ほっとしました。もともと自信なかったし。ハハハ。

もっとも、もし言葉に“うるさい”人たちから「仮にもアナウンサーなんだから
“いい加減”では困る」と非難されても動じることはありません。
“正しい日本語”については、私の役割ではないと早くから決めていますから。
もちろん、“ベット”、“ハンドバック”、“ホットドック”などとは言いませんが。
ハハハ。


そんな私でも、耳にするたびに気になる言葉があります。
スポーツ・ニュースでよく使われる、文脈にまったく関係がない“すると”です。
「壁の穴をのぞいてみた。すると、意外な光景が目に飛び込んだ」の“すると”は
意味の上でも“つながって”いますから分かります。
しかし、「このピンチは、黒田が踏ん張って後続を抑え、得点を許しません。すると、
その裏のヤンキースは…」の“すると”は、どう考えてもおかしいでしょう!
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今、どの局のスポーツ・ニュースを見ても、一回は出てきます。書いている記者に
“自覚”はないのでしょう。あれば、こんな文章は書きません。
昔は、“デスク”と呼ばれる、経験のある先輩が原稿のチェックをしたものですが、
今は、そういうシステムがなくなってしまったのでしょうかね。あるいは、これも
一種の“演出”としてアリだと考えているのかもしれませんが。

さすがに、アナウンサーが実況の中で“すると”をそんな風に使う人はいません。
しかし、NHKのスポーツ・アナには、共通している“おかしな”表現があります。
“来る”です。さんざん書きましたから、当ブログの読者はご存じでしょう。
「曲げてくる」「打ってくる」「クロスきたーっ」…彼らが絶叫するたびに笑って
しまいます。「NHKでは、なんでも来るんだ」と。ハハハ。
“くせ”というより“伝統”でしょう。今はそれほどでもないかもしれませんが、
この局では特定の先輩と後輩の“絆”が強く、“言い回し”や“間”の取り方が
酷似する例がよくみられます。

テレビで、芸人さんたちが頻繁に口にする“逆に”も気になります。
話の流れにまったく関係なく“逆に”を使います。“合いの手”みたいに。ハハハ。
“かっこいい”と思っているらしいのですが、一時、大流行した“語尾上げ”と
同じでむしろ“みっともない”です。

政党の幹部やコメンテーターの中に“キャスティングボード”と言う人がいました。
“カギを握る一票(vote)”の意味ですから、正しくは“ボート”です。ありがちな
間違いですが、あとで分かったときに、さぞ恥ずかしい思いをしたことでしょう。
いくら、“ツラの皮の厚い”連中でも。ハハハ。
by toruiwa2010 | 2013-02-17 08:44 | 岩佐徹的アナウンス論 | Comments(9)
Commented by shin555 at 2013-02-17 10:38 x
NHKの「来る」、最近は気になるを通り越して笑っています。
なんせ次から次へと出てくるんですから(^-^)
Commented by toruiwa2010 at 2013-02-17 10:56
shin555さん、こんにちは。

最近は気になるを通り越して笑っています。・・・

同じくです。
Commented by bbjjc at 2013-02-20 12:24 x
こんにちは。ヤンキーズですよね。でも日本では濁らず発音する人多いですね。ボクの記憶では昔大阪の朝日放送のアナウンサーで阪神タイガーズと徹底して発音していた人いたような気がしますけど。
Commented by toruiwa2010 at 2013-02-20 12:40
bbjjcさん、こんにちは。

えーと、ヤンキー「ス」だと思いますが。
Commented by toruiwa2010 at 2013-02-20 15:06
bbjjcさーん、お分かりですかあ?

こういうの、伝わっているかどうか、とても
気になるもので。
Commented by bbjjc at 2013-02-20 18:41 x
お返事ありがとうございます。いやいや、ネットでみると確かにどこも「ス」ですね。何でなんですかね?本来「ズ」というか母音はないのでzのはずなんですけど、なにか背景でもあるんでしょうか?ボクは英語の専門家でもなんでもないですが、中学校の英語が否定されていますね。
Commented by えそらいろ at 2013-02-21 08:39 x
興味深かったので横から失礼します。なるほど、今まで深く考えたことがなかったのですが、yankeeという単語の複数形ならヤンキーズと読みそうな気もします。
newsを「ニューズ」ではなくて「ニュース」と読み慣わしているように、日本では「ヤンキース」と呼ぶのが習慣になっているだけなのか、アメリカでも「ヤンキース」なのかどちらなのでしょう…?
Commented by toruiwa2010 at 2013-02-21 09:08
えそらいろサン、おはようございます。

簡単です。現地でもヤンキー「ス」です。
ニュースとは違います。
Commented by えそらいろ at 2013-02-21 11:45 x
そうなんですね。ありがとうございました!
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