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岩佐徹のOFF-MIKE

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国民栄誉賞授与式~感動もありつつ…~13/05/07

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05/05のツイート

長嶋さんが東京ドームに到着するところが映った。
ダンディだった長嶋さんが右手はズボンのポケット、
少し足を引きずりながら歩く姿を見るのはつらい。
元気そうで何よりだが、記憶の中にあるダイナミックな
動きのイメージと重ならない。


終始、ゴマ塩頭に黒ぶちメガネの男性が付き添って甲斐甲斐しく世話をしていた。
名前を所憲佐と言う。選手として巨人に入団したが、まったく芽が出なかった。
いわゆるベルペン捕手。おそらく、1軍経験はないと思う。
サブ・マネジャーやスカウトとしてずっと巨人で過ごし、長嶋さんの監督時代から
身の回りの面倒を見ているらしい。心から尊敬しているからこそできることだ。
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余談だが、ONのサインの真似がうまく、本物と並べても見分けがつかなかった。
あなたが1970年代にもらった二人のサインは、目の前で書いてもらったもの以外、
彼が書いたものかもしれない。ハハハ。だからと言って、ONを非難しちゃダメだ。
なにしろ、毎日、とんでもない数の色紙が持ち込まれていたんだから。

鍛えた強靭な精神力でも、あそこまで回復するのがやっとなのだろう、長嶋さんが
ゆっくりと歩を進める様子を見るのは痛々しくて本当につらい。現役時代の彼は
さすがにスランプのときこそ落ち込むこともあったが、とにかく元気な人だった。
元気が外に向かうタイプで、どちらかと言えば内にこもる王とは対照的だった。
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スーツ、ストライプのシャツ、水玉のネクタイが“お揃い”だったのにはビックリ。
気の合った師弟関係だと分かっていても、そこまで…とは思わなかった。
二人のやや紅潮した晴れやかな表情がうれしかった。
そんな中で、引退セレモニーに臨んだ松井の挨拶は簡潔でよかった。
名スピーチとされている長嶋さんの「わが巨人軍は永久に不滅です」は、九分九厘、
長嶋番だった報知の記者が作ったものだと思って間違いない。それが普通だった。

しかし、松井のスピーチは自分の言葉だった。気持ちがこもっていた。
「どういう形か分かりませんが、またいつか皆さまにお会いできることを夢見て」
という部分は引っかかったけどね。安倍総理と同じで、私も“アンチ巨人”だから
間違っても監督やコーチで巨人のユニフォームを着てほしくないのさ。ハハハ。

松井は国民栄誉賞受賞のあいさつでも「(受賞は)大変、大変、光栄ではありますが、
同じくらいの気持ちで恐縮もしています」と心情を語っていた。彼自身の気持ちが
よく伝わる言葉だった。謙虚かつ正直でよかった。

長嶋さんの挨拶はあれでも長かったね。表彰を受ける間も懸命に口が動いていた。
舌がもつれて、意味不明のところもあった。「ありがとう」の一言で十分だったのに。
ただし、今回は特別なコメントでなくてむしろよかったと思う。

それにしても、夕方ネットで見たスポーツナビの記事の見出しには笑った。
「長嶋氏が肉声を披露」
金正恩や麻原彰晃じゃないんだから大概におし、と言いたい。
歯の浮くような言葉を並べた徳光と言い、どこまで神格化すれば気が済むんだ。
どうかしてるぜ。ごく普通の人なのに。

司会は日テレのアナだったのだろうが、演出家は彼にセレモニー全体を仕切る役を
与えてしまった。松井の引退は巨人のセレモニーとしてやるのだからいいとしても、
国民栄誉賞は政府が贈るものだ。二人に賞状と記念品などを渡し終えた安倍首相に
「安倍総理大臣、ありがとうございました」と言った。おかしいだろう。これでは
まるで、日テレ主催のパーティに総理が来てくれたみたいじゃないか。
放送を見ながら、ずっと、どこかでナベツネがほくそ笑んでいる気がして、つまり、
二人が巨人・読売のビジネスに利用されているように見えて穏やかじゃなかった。
ハハハ。
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長嶋さんに花束を贈った王…どちらからともなくハグしていた。弟分だったOが
いかにも優しい手つきでNの肩を抱き、何ごとかか囁いていた。二人だけにしか
分からない言葉だろうと想像する。現役時代のOはいつもNの引き立て役だった。
本当なら、途中でNを抜いていたはずの年俸も最後まで巨人の2番手に抑えられた。
いろいろ思うことはあったに違いないのだが、Oが不満を口にすることはなかった。
この人の器の大きさがよく分かる。そんなこんなを思い出しながら二人のハグを
見たとき、熱いものがこみ上げてきた。たまらん。

1974年10月14日、後楽園球場のスタンドでも泣かされた。
この日、最後の打席で併殺打に終わった長嶋さんは現役生活に幕を下ろした。
デビューの4打席4三振から見てきた私たちの時代のヒーローが球場から消える…
スポーツ・アナウンサーとしてより、一人の野球ファンとして寂しかった。
別れを惜しむファンに手を振りながら、外野のフェンス際を歩いていた長嶋さんが
突然、立ち止った。ポケットから取り出したタオルで顔面を覆った。少しよろけた。
それを見た瞬間、せきを切ったようにぽろぽろと涙がこぼれた。
日本中で大人の男性が人前で涙を流しても恥ずかしくない日だった。

同時受賞であっても、松井秀喜はどうしても“助演”の立場でした。本人も心得て、
最初から最後まで控えめだった。人柄が出るね。
至るところに感動する要素はあったのに、放送は“ぶち壊し”だった。
演出はどの局がやってもあんなものだっただろうが、ごちゃごちゃして、すぐに
お腹いっぱいになった。「どうだ、感動するだろう」と言わんばかりのエピソードの
押し付けに始まって、せっかくのセレモニーをバラエティ番組並にしてしまった。
「ああ、黙ってくれないかなあ」と思った人はきっと多かっただろう。
“厚化粧”は敬遠されることを肝に銘じてほしいね。ハハハ。
by toruiwa2010 | 2013-05-07 06:28 | メジャー&野球全般 | Comments(11)
Commented by えむ at 2013-05-07 09:06 x
お早うございます。

官邸以外での授与式やテレビ中継など、異例尽くめのセレモニー、いやイベントだったようですね。
政府と読売の思惑が一致したというところでしょうか。

これで、松井氏は今後も読売の世話になるのだろうなと感じました。
Commented by toruiwa2010 at 2013-05-07 11:49
えむサン、こんにちは。

総理大臣もうまく利用された感じです。
おっしゃる通り、長嶋さんはとっくに、
松井も今回のことで取り込まれてしまいましたね。
Commented by しょう at 2013-05-07 13:42 x
岩佐さん、お久しぶりです。
リハビリも順調のご様子で何よりです。

私は長嶋茂雄が脳梗塞に倒れたことは知っていても、
どのくらいの後遺症が残っているかは知りませんでした。
そして、スピーチの姿を見て相当深刻だったんだと初めて知りました。
あのスピーチはなかった方が良かったと私は思いました。

そして、サブキャラに徹する松井秀喜の人柄の良さも
ひしひしと伝わってきたのですが、
やはり彼には国民栄誉賞を辞退して欲しかったとも思いました。
今回の同時受賞だとどうしても「おまけ」的な印象が拭えません。
彼は「おまけ」として扱われるべき人物ではないと思います。
Commented by toruiwa2010 at 2013-05-07 14:06
しょうサン、こんにちは。

長嶋さんは意志の強い人ですから、
もう少し若ければ、もっといい結果が
出ていたと思うのですが。

松井は、辞退したいと考えた瞬間が
あっただろうと思っています。
今度の受賞は、すべて、周りの事情で
決まってしまった感じがします。
Commented by マオパパ at 2013-05-07 14:49 x
岩佐さん、こんにちは。画像拝見しました。だいぶ良くなられたご様子ですね。よかったです。さて、国民栄誉賞です。私は大の長嶋ファンですが、今回の受賞に関しては違和感がありました。しかし、喜んでいる長嶋さんを見るとよかったのかなと思っています。
セレモニー的には、岩佐さんがおっしゃるように松井が助演でしたが、政府としては松井が本命で、断りづらくするため長嶋さんとの
同時受賞にしたと考えます。いろいろ思うところがある今回の国民栄誉賞でしたが、セレモニーとしては良かったですね。感動しました。
Commented by toruiwa2010 at 2013-05-07 15:09
マオパパさん、こんにちは。

長嶋さんの受賞については、「遅すぎるわ」という意味では
大いに違和感がありますね。野球界だけでなく、社会現象と
言っていいほどのインパクトがあった人ですから、初めの
5人の中に入っていてもおかしくありません。
Commented by しょう at 2013-05-07 17:08 x
連投失礼いたします。

長嶋さんの国民栄誉賞受賞に意義なしです。
岩佐さんと同じく遅すぎたと思います。
ただ、病気に倒れここまで回復してきたことに焦点が
集まることが正しいのかな、と疑問に思ったんです。
確かに感動的ではありました。
しかしあのスピーチがあることによって、
病気からの回復への賞賛なのか、野球界での功績への賞賛なのか
曖昧になりませんでしたか?考えすぎですか?
要するに演出として、感動させるために長嶋さんの状態を
利用したのではないかと、ひねくれ者は思うわけです(笑)。
Commented by toruiwa2010 at 2013-05-07 18:08
しょうサン、私のレスを読み間違えてますよ。
貴方のコメントにほぼ賛同したつもりでした。
Commented by ケイ at 2013-05-08 19:50 x
こんにちは、岩佐さん。
長嶋さんを見るたびにいつも思い出す事があるんです。

父がほとんど時を同じくして、脳梗塞で倒れた時の事です。
主治医は「長嶋監督とお父様はほぼ同じところを損傷されていますね、長嶋監督は有名人だし、国民の宝物だからすごい治療を受けられますけど、一般人はそこまではできませんね、
しばらくは投薬治療で様子をみましょう。」

4年後父は亡くなりましたが、長嶋さんを見るたび、みょうに複雑な気分になってしまいます。
医療ってなんでしょうね?

私がコメントしたかったのは、こんな事じゃなくて、
BSで松井秀樹のメジャーリーグ全ホームランを見て、
とても高貴なものを見たような気がしたのです。
これはイチローさんにも他の誰にもない、松井秀樹という人間しか出せない気高さなのでないかなと感じたのです。
巨人軍の監督にはならないで~って密かに心で叫んでます。
けっこうマジに。
Commented by toruiwa2010 at 2013-05-08 20:09
ケイさん、こんばんは。

日本のような保険制度がないアメリカでも
病院にいけるのは「選ばれた」人たちだと聞きます。
「公平に」と言っても、金次第という面も否定できず、
おっしゃる通り、複雑ですね。

松井は、結局、読売グループに取り込まれる予感があります。
彼らは、最後は「長嶋」という切り札を使うでしょうから。
Commented by taihei at 2015-02-27 16:06 x
初めまして。検索でたどり着き、記事とコメントを拝見しましたが、少し違和感を感じます。

>>一般人はそこまではできませんね。しばらくは投薬治療で様子をみましょう。

脳出血の後遺症でリハビリを続けている人のブログを拝見しますが、皆さん病院から一刻も早いリハビリを強いられたという経験談が多いのですが? 
医療の不備・欠陥を、「長嶋さんにはお金があるから」という点に結びつける傾向は如何なものでしょうか? 田中角栄の場合を思い出してください。
正月の特番を見ましたが、長嶋さんのリハビリ内容は化学療法というより、ご自分の身体(手足)を使っての運動がほとんどでした。多くの人にとって参考にもサンプルにもなるのではないでしょうか。実際、そのような感想を沢山見聞きしましたが?


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