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岩佐徹のOFF-MIKE

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90点作品が2本!~真夏の方程式&25年目の四重奏~13/07/11

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「ローマでアモーレ」75

アメリカから来た若い女性、ヘイリーはトレビの泉への道を尋ねたイケメン弁護士、
ミケランジェロに一目ぼれした。婚約した二人が両親を紹介すると、ヘイリーの
父親はミケランジェロの父親の唄声に惚れ、かき口説いて売り出しにかかる!

田舎町から来たアントニオとミリーの新婚カップルは叔父のコネでファミリーが
経営する企業に転職しようとしていた。大事な就活だったが、ホテルの美容室に
出かけた妻が戻らない。代わりに部屋にやって来たのは代金はもらっているという
コールガールだった。もめているところに、叔父たちが入ってきた!

レオポルドは妻と子供たちに囲まれて暮らす平凡なサラリーマンだったが、ある日、
パパラッチに追われるようになった。マイクを突き付けられて、朝、何を食べたか、
下着はトランクスかブリーフかまで聞かれる。突然、セレブになったのだ!

妻や友人たちとこの街を訪れた建築家、ジョンは市内観光に出かける仲間から離れ、
30年ほど前に住んでいたアパートを訪ねることにした。探しあぐねているときに
アメリカ人青年に出会う。建築を学ぶ青年はジョンを知っていた上になんと目指す
アパートに住んでいるのだと言う…
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古都・ローマを舞台にして四つのエピソードが脈絡もなく並行して進んでいきます。
と言っても、分かりやすい話ですから、見ていて混線することはありません。
正直に書くと、なんだかなあと思う話ばかりで面白いものがありませんでした。

最後のエピソードでは、ジョンが“神出鬼没”。あるときはそこに実在する男として
誰にでも分かる存在ですが、別のシーンでは、特定の人物にしか分からない存在に
なって登場します。2,3回見ないと…あるいは何回見ても、どんな意味があるのか
分からないでしょう。面白がっているのは監督だけという10数年来アレン作品に
共通して感じる不満点です。

オープニングに古いレコードが流れてくるところから“ウディ・アレンの世界”が
繰り広げられます。しかし、かつての、軽妙洒脱、上質な人情噺を聞くようだった
彼の世界を楽しむことはできません。極論すると、病んでいる気さえします。
好きな俳優だし監督だから見続けていますが、「マッチポイント」以後、面白いと
思った映画がないのは悲しいこと。「ハンナとその姉妹」のころが懐かしいです。


「真夏の方程式」90

線路沿いの狭い道を誰かが走っている。激しい息遣いをしていた。電車がそれを
追い越して行った。勢いよく跨線橋を駆け上がった先に目指す女がいた。
振り向いた女に、追って来た誰かが体当たりした。女の胸に刃物が突き刺さった。

10数年後。
海岸沿いを走る電車の窓際に湯川が座っていた。クロスワードパズルをしている。
玻璃ヶ浦を目指していた。深海に眠るレアメタルの調査を手伝うためだ。
地元で開かれた説明会には「海が汚れる」とする環境保護派の住民が多数参加して
反対の声をあげていた。先頭に立っているのは民宿「緑岩荘」の娘、成美だった。

その日から湯川が泊まった緑岩荘にはほかにも客がいた。元警視庁捜査一課の刑事、
塚原だった。どこか様子がおかしい。
数日後、海岸で塚原の遺体が発見された…
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10数年前の殺人と塚原の死の関係、二つの事件がどのようにして起きたかの解明、
成美の家族に潜む秘密が微妙に絡みあいながら物語は進んで行きます。
もちろん、湯川ですから“方程式”は解かれますが、いつもの、突然ひらめいた
数式を書きなぐる場面は見られません。物足りないと思う人がいるかも。ハハハ。

導入部から、なかなか面白くできています。
90点は甘いかもしれませんが、“なぞ解きもの”としてどこにも無理が感じられず、
自然な演技を見せた子役や成美役の杏も含めてキャストもよかったので。
先日終わった連続ドラマのどのエピソードよりも柴咲が主演したスペシャルの方が
面白かったし、この映画はそのスペシャルより楽しめました。ですから90点には
なんの問題もないと思います。ハハハ。


「さよなら渓谷」85

カーテンを閉め切った昼間のパートの一室に濃密な空気が漂っていた。
畳の上に敷かれた布団の中には絡みあった男と女。尾崎とその妻・かなこだ。
突然、廊下の窓ガラスが叩かれた。慌ててサマードレスを頭からかぶったかなこが
台所の窓を開けると、そこには隣りの部屋に住む女が立っていた。出かけるのだが、
届くものがあるので受け取っておいてほしいと言う。
隣りの女には、子供を殺した疑いがかかっていて、静かな渓谷沿いの集落に大勢の
マスコミが連日押し掛けて騒ぎになっていた。

この日、彼女は警察に逮捕され連行されていった。顔にかかっていたモザイクが
その日から外れた。「今更、モザイクがとれても、彼女見れないじゃないねえ」と
尾崎に話しかけるかなこ。ごく普通の夫婦に見えた…
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若さゆえに犯した罪を償うために何でもすると決めて生きている尾崎、忌まわしい
過去を引きずって生きてきたかなこ、二人の“本当の関係”が明らかになるとき、
観客は一瞬身じろぎします。考えられない間柄だからです。
その二人がなぜ今、一見“普通の夫婦”として暮らしているのか?

描かれているのは人間の“業”ということでしょうか。
ともに芥川賞作家・吉田修一の作品だからか、監督も出演者もまったく違うのに、
「悪人」と似た空気が全編に流れています。

かなこを演じた真木よう子は今最も乗っている女優の一人と言っていいでしょう。
この映画でも複雑な精神状態の女性をしっかり演じています。
彼女を初めて意識して見たのは大河ドラマ「龍馬伝」のお龍でしたが、納得できず、
「蒼井優と役を入れ替えろよ」と思っていました。ハハハ。

しかし、「運命の人」、「遅咲きのヒマワリ」、「最高の離婚」、「まほろ駅前番外地」と
テレビドラマは全部見ましたが、“ハズレ”がないのは見事です。
髪を切ってから女っぷりも上がったような気がします。別にショートヘアが好きな
わけじゃないのですが。ハハハ。

オマケ:彼女が歌ったエンディング曲もいいです。

真木以上に強く印象に残るのは尾崎役の大西信満です。故若松孝二作品などには
出ていたようですが、これまで、ほとんど見たことがなく、顔にも名前にも記憶が
ありませんでした。しかし、光るものがあります。
尾崎は寡黙な男でセリフはビックリするほど少ないのに、存在感がありました。
日本では、テレビや映画を見るたびに同じ役者が登場します。それほど、“使える”
役者がいないということなのでしょう。しかし、ちゃんといるじゃないですか。
知名度だけでキャスティングしないで、足を使って幅広くリサーチすればまだまだ
有望な若手俳優がいるんじゃないですかね。

よくできた作品だと思いますが、終わり方は“ずるい”と思います。ハハハ。


「25年目の弦楽四重奏」90

静まり返った聴衆が見つめる中、靴音が響き、カルテットがステージに入ってきた。
まず、紅一点、ビオラのジュリエット、最年長のチェリスト、ピーター、続いて
第2バイオリンのロバート、そして最後が第1バイオリンのダニエルだ。
彼らは結成25年目のシーズンに入っていた。
客席に一礼して椅子に腰を下ろす4人。それぞれの楽器を構える彼らの脳裏には
この演奏会にこぎつけるまでの出来事が浮かんでいた。
パーキンソン病の初期と診断されたピーターの引退が最大の問題だった…
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地味ですが素晴らしい作品でした。
40分間、休むことなく演奏し続けるように書かれたベートーベンの弦楽四重奏曲
第14番がテーマになっています。つまり、弦の調律をし直すことはできません。
いろいろ不具合があっても前向きに生き続けなければならないのが人生だ…映画は
そう言いたいのでしょうね。

クラシック音楽は苦手です。そして、このテーマを聞かされると、映画の理解が
複雑になってしまいます。あなたがその2点で迷っているなら心配は無用です。
まず、クラシック音楽の知識がなくても問題はありません。堪能できます。
“テーマ”については私もあとで知ったのですが、「なるほどね」と思っただけで
知らなくても大丈夫です。そもそも、映画はそんなに面倒なものじゃないはずです。
ハハハ。

音楽家に扮した4人の俳優たちが見事に“なりきって”います。本人たちに楽器の
経験があるのかどうかの情報を持ち合わせていません。しかし、専門家の目には
違和感があるかもしれませんが、楽器の扱い方や譜面の置き方など、ちょっとした
仕草やその余韻にも“らしさ”が漂っていて感心します。中でも、フィリップ・
シーモア・ホフマン(ロバート)とキャサリン・キーナー(ジュリエット)の佇まいには
唸らされました。NHKのドラマ「第2楽章」でバイオリニスト役だった羽田美智子や
板谷由夏もそれらしく見せましたが、この4人が醸し出す空気感にはかないません。

この日はたまたま上映前にトークショーがありました。
バンドネオン奏者が登場して司会者と話していましたが、やめてほしいです。
映画を観賞する前に余計な情報は要りません。
“収穫”は「音楽界では、喧嘩をしたければ弦楽四重奏をやれと言う」だけでした。
なかなか気が合わず、ちょっとしたことにも腹を立てたりするそうです。それほど、
弦楽器だけの四重奏は難しいということしょうが、映画を見る参考になるほどの
情報じゃないでしょう。「ジャンゴ」を見るのに奴隷制度を知らなければいけない
わけがないのと同じです。ハハハ。

75 ローマでアモーレ 悲しいほど平凡 アレンらしさはどこに行ってしまった?
90 真夏の方程式 どこにも無理がなく、エンタテインメントとして十分楽しめた
85 サヨナラ渓谷 外国の映画祭で賞を獲っているのも納得 大西信満に注目する
90 25年目の弦楽四重奏 小品だが見事な出来栄えだ 4人の俳優に拍手を送る
by toruiwa2010 | 2013-07-11 08:41 | 映画が好き | Comments(0)
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