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岩佐徹のOFF-MIKE

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“健さん”に文化勲章!~たたずまいがたまらない~13/10/30

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10/25のツイート

“国民的”俳優・高倉健に文化勲章!!!!!
安倍政権の人気とりという批判はあるだろうが、
面白い人選だね。


私にしては珍しく積極的に“国民的”を使ったが、この人にはぴったりだと思う。
“時の政権”が人気浮揚の道具として使った例がないわけではないから、文化勲章・
功労者や国民栄誉賞の選考には首をかしげたくなることがしばしばです。今回も
“文化勲章”と聞いて一瞬“うん?”と思ったのは事実です。
Wikipediaを見ても、この賞は当初から学者や画家に与えられることが圧倒的で、
歌舞伎役者は早くから対象になっていたものの、映画演劇関係者で受賞したのは
1985年の黒澤明監督が初めてのようです。

俳優では、制定から半世紀以上たった1991年に森繁久彌が初めて受けましたが、
以後、山田五十鈴(2000年)、森光子(2005年)の二人しかいませんでした。
歌舞伎は文化、映画はそうじゃない…という“基準”だとすれば理解できません。
それはともかく、たくさんの映画に出て観客を楽しませてくれた超ベテラン俳優が
こういう形で脚光を浴びるのは素晴らしいことだと思います。政府はうまいことを
やったかもしれません。知恵者は誰だ?ハハハ。

高倉健は息が長いだけでなく、“存在そのもの”が訴える力を持っている俳優です。
演技がうまいとは思いませんが、そこに“たたずむ”だけで、そのシーンに必要な
“空気”を醸し出してしまいます。「それが演技じゃないか」と言う人もいますが、
むしろ“演技以上”のものが彼を支えているのだと思います。
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最後に見た彼の主演作「あなたへ」も、そんな“高倉健ありき”の作品でした。
彼が演じた倉島の妻は重い病気で入院中でした。治ったら妻を乗せて旅に出たいと、
倉島はキャンピング・カーを改造中です。見舞うたびにその話をしていました。

「行きたいところがいっぱいあるわ」とつぶやく妻に倉島が言います。
「どこでも行くからさあ。早く治ってくれよ。頼むからさあ」…
始まってすぐでしたが、そのシーンで早くも眼鏡が曇りました。この会話だけで
夫婦の“距離”がはっきりと伝わったのです。
演じていると言うより、高倉健その人が画面の中にいる感じでした。
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本人も演技についてこう話していました。
「本人の生き方かな。生き方が出るんでしょうね。テクニックではないですね」と。
短い距離を歩く姿、立ち止まって何かを眺めている背中…ちょっとした佇まいに
彼の人生そのものが、彼の82年の人生が投影されているのでしょう。納得です。

「3時のあなた」のスタジオで一度だけ会いました。
当時 46歳…まさに脂が乗っているときでした。長身、颯爽、ストイックで寡黙…
まったく偉ぶるところのない大スターは“まぶしい”男でした。

それから36年が過ぎました。
俳優・高倉健に残された時間はそんなに多くないでしょう。健康と相談しながら、
あと何本かの“高倉映画”を作ってほしいと切に願います。
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by toruiwa2010 | 2013-10-30 09:06 | 映画が好き | Comments(0)
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