ブログトップ | ログイン

岩佐徹のOFF-MIKE

toruiwa.exblog.jp

実況、ドラマなど放送全般、映画、スポーツ全般、 旅、食、友 etc

心に響く「母の身終い」~海老蔵の「利休にたずねよ」~13/12/13

d0164636_911322.jpg
「母の身終い」85

タイトルバックの裏で男同士の会話が聞こえる。
1年半の刑期を終えた服役囚が出所の手続きをしているようだ。

刑務所を出て故郷に向かったのはアラン(ヴァンサン・ランドン)だった。
帰るところは年老いた母(エレーヌ・ヴァンサン)の家しかなかった。
うしろめたさを抱えた息子とその将来が心配で仕方がない母の気持ちはなかなか
かみ合わない。わずかなことで息子は感情を爆発させた。

もともと、情が薄い母子ではあるらしい。1年半の服役中、母は2度しか面会に
行かなかった。悪性腫瘍が脳にまで転移している母は化学療法に時間を取られて
それどころではなかったのだろう。

ある日、薬を探していたアランは母の机の引き出しからある書類を見つける。
スイスの施設から取り寄せたものだ。“人生の終え方を選択する”の文字があり、
アランは母が“尊厳死”を望んでいることを知る…
d0164636_9104419.jpg
主演の二人の静かだが圧倒的な演技に支えられた映画です。特に母を演じる女優の
凛とした佇まいが見事です。明るい話ではありませんから、若い人には無理だと
思いますが、見れば今日から親孝行をしようという気になるかもしれません。ハハハ。

コンセプトを知ったとき、妻は見ないだろうと思いました。暗いものはあまり
見たがりませんから。ほかの映画のスケジュールをにらみながら、一人で出かけ、
少し涙など流し、“物語として”見ることになると思っていました。

しかし、妻が「見たい」と言うので二人で行きました。
主題はまさに“身終い”です。最近、“終活”などと言いますが、ある年齢になると
誰しも、どのように人生を終わらせるかについて考えるものです。“苦しまずに”は
もちろんのこと、“みっともなくないように”、“周囲に迷惑をかけたくない”など
いろいろ頭に浮かびます。どれも簡単じゃありません。ハハハ。

母と息子の日常生活を見ながらいつの間にかテーマが自分自身と重なっていました。
人生の最期はどうあるべきか…高齢者が見たら誰でも考えるのではないでしょうか。
最後の15分は“粛然”とした気分になりました。
テーマは暗く、重いですが、見たあとの気持ちは決して暗くも重くもありません。


「利休にたずねよ」85

早朝だ。
激しい雨が屋根を叩き、強い風が吹き抜け、ときどき稲妻が走る。
まわり廊下を女がすり足で進んでいく。手にしたローソクの明かりが風に吹かれて
大きく揺れていた。

廊下の先に白装束の男が座っていた。端然と。 
男は千利休(市川海老蔵)、女は利休の妻・宗恩(中谷美紀)だった。
利休は秀吉によって蟄居生活を送っていたが、この日、切腹を命じられていた。
屋敷の周囲を大勢の武士が囲んでいたが、利休の顔に動揺の色はまったく見えない。
「茶人一人に三千人の兵をよこすとは」と嘆いた。

物語は21年前にさかのぼっていく…
d0164636_9102028.jpg
監督には一定の狙いがあるのでしょうが、セリフやナレーションがスローすぎます。
うっかりすると睡魔に襲われます。ハハハ。
正直に書くと作品の評価は80点ぐらいです。85点とした理由の一つは 海老蔵に
役者としての魅力を感じたからです。目の力を生かすカメラワークもよかったし、
ちょっとした立ち居振る舞いがピタリと決まって美しく、さすがだと思いました。

後半で若き日の利休と李王朝の血を引く娘の恋が描かれます。束の間の恋でしたが、
利休はあるものを思い出の品として生涯 大事にしました。この品の意味についての
説明が不十分だったと思います。たしかに、前半で何度か意味ありげな描かれ方を
していました。しかし、私の理解力不足もてつだって、その“重大さ”は終盤で
突然、つきつけられたような印象がありました。

オープニング・シーンで宗恩が利休に問いかけていました。
「あなた様にはずっと想い人がいらっしゃったのでは?」と。
この言葉も終盤で“生きて”来るわけですが、少し分かりにくいですね。
「利休にたずねよ」は“茶の道”に関わっているものだとばかり思っていましたが、
どうも、そうではないようで…。ハハハ。

俳優では、織田信長に扮した伊勢谷友介がよかったですね。気品を感じました。
1分ほどの出番でしたが、細川ガラシアを演じた黒谷友香の美しさが際立ちました。
はい、大好きです。ハハハ。
そして、利休の師匠を演じた故・団十郎の存在感は他を圧倒していました。
海老蔵が父&師を抜くのは並大抵の努力では難しそうですね。

85 母の身終い 誰にも訪れる人生の終わりをどう迎えるか? 主演2人の演技!
85 利休にたずねよ 俳優・海老蔵の魅力 物語のカギについての描き方に不満

さて、13日の金曜日か。
話題の「ゼロ・グラビティ」(初日)に行ってきます。
明日は「武士の献立」、あさっては「バックコーラスの歌姫たち」…
3連チャンです。

by toruiwa2010 | 2013-12-13 09:11 | 映画が好き | Comments(0)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。