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岩佐徹のOFF-MIKE

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浪花文化を体現した男~稀有のタレント・やしきたかじん~01/20

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「なにしてくれてんねん?」

…この言い回しが好きです。余韻があります。
しかし、今から60年近く前、大阪・吹田一中3年に編入して間もないころにこの言葉を
投げつけられた私は思い切り震え上がったものです。東京から転校したばかりでまったく
事情を知らなかったとはいえ、微妙な問題を抱える相手に 何気なく、やってはいけない
ことをやってしまったのです。

関東の言葉なら「どういうことなんだよ」ということでしょう。“口調”にもよりますが、
これなら怖さも中程度です。しかし、慣れない大阪弁で言われたときに中3の私が感じた
怖さは半端なものではありませんでした。相手も新顔の私をどう扱えばいいのか分からず、
このときは凄まれただけで“解放”されましたが、インパクトは強烈でした。
以後、5年間 暮らした大阪での日常生活でこのフレーズを耳にした記憶はほとんどなく、
テレビのバラエティ番組で聞いた程度です。

01/08のツイート

「なんで死んでくれてんねん」と宮根誠司…いかにも
関西人らしい言い方が彼の悲しみの深さを示している。
やんちゃなクソガキがそのまま大人になったような
キャラで人気者だったやしきたかじんが逝った。
今日、大阪の特に放送関係者はたまらんやろなあ。


たかじんに恩義を感じている宮根だから自分の番組の冒頭の一言は考え抜いたはずです。
いい言葉を選んだと思います。関西人には気持ちが伝わる言葉ですから。
関東の人は、“字義通り”に受け取ってはいけません。突っ込んでいるようで、相手への
やさしさやいたわりがタップリ込められています。
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「ミヤネ屋」やたかじん死去を伝えるほかの番組で流れる大阪の“街の声”は心からの
驚きと悲しみに満ちていて、“大阪の宝”、“関西のカリスマ”と言う人さえいました。
同業者や放送関係者は失ったものの大きさに肩を落としたことでしょう。

対照的に、東京では死去が明らかになった当日・翌日を除くとそれほど大きな扱いには
なっていません。関東では“露出”が少なかったですからある意味当然かもしれません。
元気なだったころから関東と関西で大きく評価が分かれた人でしたし。
“東京嫌い”だから行かなかったんだ…という言われ方をしているようですが、私には、
一度進出を試みたけどうまく行かずに撤退し、以後、“二度と行くものか”になったのだと
映ります。

“撤退”の主な理由として、たかじんの強烈な個性・性格が周囲との摩擦を生んだとする
報道がいくつもありました。それも一つの理由でしょう。
しかし、島田紳助だって強い個性や性格の持ち主ですが、東京でうまくやっていたし、
さんまについても同じことが言えるでしょう。

現場にいたわけではないので想像するしかありませんが、たかじんには、自分の思いが
なぜ伝わらないのかという“じれったさ”があって それがスタッフとの衝突につながった
可能性が考えられます。そして、そのじれったさは彼の体に染みついた“浪花の文化”と
東京的な思考回路の差が生んだのではないかと思います。
じれったさは紳助もさんま、鶴瓶も同じように感じたはずですが、彼らにはたかじんほど
強いこだわりがなく、一歩引いて対応する柔軟さがあったからうまくいったのでしょう。

関西に行くとたかじんの番組を見るのが楽しみでした。“普段着”の面白さがあるからです。
ローカルの番組を見ると、同じコメンテーターが東京とは微妙にニュアンスの違う言葉を
発していることがよくあります。そうさせる“空気”があるのでしょう。
東京の番組が“反権力”の姿勢を見せるとき、それは国や政府を指しますが、関西では
その中に“東京”がプラスされている気がします。関西人の気持ちをくすぐるのはそんな
“ごった煮”の反骨精神ではないでしょうか。

関西芸人の中でも、たかじんの“芸風”はドロ臭いほど浪花文化を体現するものでした。
しかし、その持ち味は浪花の風土の中だったから受け入れられたのだと思います。
仮に彼がしつこく“東京征服”を目指しても成功したかどうかは疑問です。地方出身者の
集合体なのに妙にプライドが高い東京人はごった煮の部分を最後まで拒否したはずです。
それでもたかじんに悔いはなかったでしょう。「東京がなんぼのもんじゃい」と。

稀有のタレント・やしきたかじんが逝きました。64歳、若すぎる死です。
by toruiwa2010 | 2014-01-20 08:41 | 放送全般 | Comments(4)
Commented by ぷーさん at 2014-01-20 13:41 x
岩佐さん今日は、今から錦織くんがナダルと戦います。すみません、風邪をこじらせたおかげで生観戦できます。私は30年前にもなりますが、大阪人でした。もちろん、たかじんはあの頃でもカリスマでした。広島に戻り普通にたかじんをTVで見ることもできましたが、さほど見ることありませんでした。しかし彼の死を知り大阪での苦楽が思い出されノスタルジックな日々を送っております。JAZZ、CLASSICが好きな私のCDのレパートリーの中に何故かたかじんのCDが!今は部屋に飾っております。
Commented by toruiwa2010 at 2014-01-20 15:18
ぷーさんサン、こんにちは。

今、病院から戻りました。
錦織が善戦してますね。
このセットを落とすと心理的に
きつくなりますが。

たかじんの歌は私も好きですが
CDを買うほどじゃありません。ハハハ。
Commented by pigu at 2014-01-20 22:05 x
岩佐さん、こんばんは。

「やしきたかじん」とすべて平仮名の芸名は
東北に住む私には、あまりなじみのない名前です。
「吉本新喜劇」と「探偵ナイトスクープ」が大好きな東北人
ですが、それでもやしきさんについてはよく知りませんでした。

東京と関西の両方を経験された岩佐さんだから
出てくる追悼メッセージなのだろうと、読んでいて涙の出てくる
文章でした。(偉そうにすみません。)
「人を悼む」とはこういうことなのかと、考えさせられました。
感動しました。(ごめんなさい、言葉が軽くて。)

岩佐さんの「アラカルト」がないグランドスラムはつまらないな
と考えながら、wowow見てるテニスファンです。では。
Commented by toruiwa2010 at 2014-01-21 06:38
piguさん、おはようございます。

たかじんは「新喜劇」も「「ないとスクープ」も
縁がなかったですから、東日本の人には
あまり知られていませんね。

本来、自信満々の人物は気笑いですが、
この男だけは妙に気になりました。

記事をほめていただいて恐縮です。
寒さが厳しいと思います。お気をつけて。
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