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岩佐徹のOFF-MIKE

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「大統領の執事の涙」 90点~オスカー候補にもなってないのか?!~14/02/28

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「大統領の執事の涙」90

2009年、ホワイトハウスの玄関ホール。
90歳になったセシル・ゲインズが一人ぽつんと椅子に腰を下ろしていた。
待たされている間、彼の思いは幼い頃を過ごした1920年代の南部の農場に飛んでいた。
両親や仲間と綿つみの仕事に従事していたのだ。ある日、妻を汚した農場のオーナーに
挑みかかった父親が目の前で無残に撃ち殺された。
憐れんだ管理人がセシルを家の中で給仕として働くハウス・サーバントにしてくれた。
「その場の空気になれ」と教えられる。

やがて農場を逃げ出したセシルはホテルで給仕の仕事を覚えた。
数年後、そこの給仕長から首都、ワシントンDCの大きなホテルに推薦され、さらに
そこでたまたま給仕した仕事ぶりを見込まれ、執事としてホワイトハウスに雇われた。
そこでセシル(フォレスト・ウィテカー)が受けた教えは「なにも見るな。なにも聞くな。
ただサービスしろ」だった…
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奴隷制度がなくなっても歴然と黒人が差別されていた時代に物語は始まります。
ワシントン時代に出会ったグロリア(オプラ・ウィンフリー)と結婚し二人の息子、ルイスと
チャーリーが生まれました。セシルはバトラー(執事)として一家を支えます。
成長するにつれて長男のチャーリーは黒人が恵まれない社会への疑問が強まり、白人に
“奉仕”する父親に反発するようになっていきます。
「国を良くしたいと思って父さんは白人に、大統領に仕えている」と話す父親の言葉にも
納得はしません。高校を出たチャーリーは両親の制止を振り切って南部の大学に進みます。
「世の中をよくするために何かを変えたい」という言葉を残して。

観客はセシルの一生を見ながら現・近代アメリカの歴史を知ることになります。
学校、バス、食堂、トイレ…生活のあらゆる場面で差別が残っていたことが分かります。
わずか50年ほど前のアメリカで日常的に起きていた差別です。アメリカ人ならだれでも
知っているでしょうが、多くの日本人にとっては違います。
マーティン・ルーサー・キング師の有名な公民権についての演説やそれに続いた暗殺など、
リアルタイムでニュースに接していた私でさえ、改めて驚くのですから、若い人たちには
「えっ、そんなことがあったのか」という衝撃があるでしょう。

大学に入った長男が白人支配に対する抗議運動に参加していることで悩みが深いセシルは
職場のホワイトハウスでは歴代の大統領の素顔を日々見ていました。初めて知った話も
よく知られている話も出てきます。描かれるエピソードの数が多いですから、ひとつ、
ひとつがどうしても断片的ですが、チャーリーの活動と合わせてうまくつないでいます。

映画は、山ほどある材料を巧みにちりばめながら、決して卑屈になることなく、最後まで
誇りをもって執事の仕事に尽くしたセシルを温かく描いています。
いい映画だと思いました。

主演のウィテカーが全編を通して抑えた見事な演技を見せます。感情を爆発させるのは
チャーリーの反抗に怒りを見せるシーンなど、わずかです。人種、家庭、職業にともなう
さまざまな差別や葛藤に耐えて生きた男を演じきっています。
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妻を演じたウィンフリーは言うまでもなくトークショウの司会者として超有名な女優です。
日本で言うなら黒柳徹子…などと、馬鹿なことをお言いでない!ハハハ。
彼女もまた素晴らしい演技でした。
余談ですが、私がツイッターに興味を持ったきっかけは、2009年の4月のある日、
New York Times で見かけた記事でした。「オプラが参加したことで ツイッターが
発展する」という見出しの記事の冒頭にこう書かれていました。
「オプラのメッセージは小さなものだが、ツイッターにとっては大きな飛躍だ」
彼女がツイッターを始めたことをNYTがニュースとして取り上げたのです。

さらに余談ですが、この記事を書き始めるまで、この作品と主演の二人はアカデミー賞の
候補になっていると思い込んでいました。発表があったとき、「ふむふむ、なるほど」と
流し読みしていたからです。
鑑賞直後、見た中で作品賞にふさわしいのはこれだとさえ思っていました。ハハハ。

映画の評価は難しい。3日の授賞式は何も言わずに見ることにします。資格ないもの。
ハハハ。


「エージェント・ライアン」80

2001年9月11日、ロンドンにある大学のキャンパス。
周囲のざわめきにベンチで横になっていたジャック・ライアンが起き上った。
建物に入るとテレビには煙を上げる世界貿易センターが映っていた。

1年半後、ライアンはヘリコプターでアフガニスタンの山の中を飛んでいた。乗員たちが
アメフトのひいきチームについて語り合っているとき、ロケットが機体を切り裂いた。
重傷から回復し、リハビリに励むライアンにCIAが目を付けた…

ストーリーは単純な勧善懲悪ですが、“活劇”として見れば面白いのではないでしょうか。
「ぜひどうぞ」とお勧めするほどの映画ではありません。ものすごく小さなことでとても
嬉しいことがあったので書いたまでです。それは…
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ライアンのリハビリに付き合う女性がいました。のちに結婚するキャサリンです。
厳しい指導に「きついよ、ドクター」と愚痴るライアンにキャサリンが言います。
「ドクターじゃないわ。まだ医学部の3年生なの。でもあなたを歩かせるようにできたら
単位がもらえるの」と。

字幕には“単位”としか出ませんでした。
しかし、私の耳は彼女が口にした“PT”を聞きのがしませんでした。劇場内の客の中で
その意味が分かるのは私だけだったかもしれない。それがうれしかったのです。
PTとは、フィジカル・セラピスト(physical therapist)のことです。リハビリの療法士に
英語では何と言うかを聞いてあったので聞き逃さなかったのです。

…えーと、それだけです。ハハハ。。


「はじまりは5つ星ホテルから」85

ローマに住むイレーネは身元を隠して高級ホテルをチェックする覆面調査員をしていた。
会社の金で世界中の5つ星ホテルを泊まり歩き、おいしい食事を楽しむ日々だった。
マニュアルにしたがってベルボーイの態度やフロントの対応にはじまり、ベッドメーク、
バスルームの汚れ、窓のほこりなど膨大な項目を細かくチェックするのは面倒だったが、
それを除けば、人から羨ましがられる仕事だと思っていた…

ある日、滞在先で起きた出来事をきっかけにそんな彼女の気持ちに変化が訪れます…
というふうに公式ページなどには書かれています。
まあ、ぶっちゃけたことを書くなら、筋はどうでもいいと思います。ハハハ。

物語になりにくいのではないかと、あまり期待していませんでした。しかし、タイトルに
“ホテル”の文字が入っていると出かけてしまう傾向があります。ハハハ。
主人公の仕事を追う形にはなっていますが、うまくストーリーがはさみ込まれています。
「やられた」という感じでした。

ネット上の評判は良くないようですが、私は最初から最後まで面白く見ました。ホテルが
好きだからかもしれませんが、少なくとも損をした気分にはならないと思います。
イレーネ役のマルゲリータ・ブイにハリウッド女優にない雰囲気と美しさがあったことを
付け加えておきます。熟年女優の美しさは若い人にはない魅力です。
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90 大統領の執事の涙 見事な映画だった アカデミー賞の候補にもなっていないとは!
80 エージェント・ライアン ストーリーは単純だが活劇と思って見れば楽しめるはず
85 始まりは5つ星ホテルから ホテルの覆面調査員の仕事と日常がうまく折り合っている
by toruiwa2010 | 2014-02-28 09:40 | 映画が好き | Comments(4)
Commented by shin555 at 2014-02-28 17:01 x
フォレスト・ウィテカーが好きですので
大統領の執事の涙は是非観たいと思います♪
Commented by 吉岡正晴 at 2014-02-28 18:28 x
岩佐さん、こんにちは。僕もこの『大統領の執事の涙』ものすごく気に入りました。監督にちょっとだけ話を聞く機会があり、そのときの会話を上記ブログにアップしてあります。よろしければごらんください。これがオスカーにノミネートされなかったことに、驚きましたが、どうやら事情に詳しい人によると、この後に出た『それでも夜は明ける(12 Years A Slave)』がやはり強烈で、いわゆる「黒人枠」がそちらに取られてしまい、ノミネートはそっちに固まってしまったという話のようです。『それでも・・・』(3月7日公開)は一足先に試写で見ましたが、かなりヘヴィーな映画ですが、オスカーノミネートは、納得できました。
Commented by toruiwa2010 at 2014-02-28 20:02
shin555さん、こんばんは。

今、「ネブラスカ」を見てきました。
これも素晴らしいです。ぜひ、どうぞ。
Commented by toruiwa2010 at 2014-02-28 20:06
吉岡正晴さん、こんばんは。

今、「ネブラスカ」を見てきました。
「アメリカン・ハッスル」「キャプテン・フィリップス」「ゼロ・グラヴィティ」
「ウルフ・オブ…」の上を行きます。多分、私の年齢のせいでしょうが。
ハハハ。
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